9きょうの健康 手と指の痛み・しびれ「けんしょう炎」 2014.07.16

(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立つ確かな情報をお届けする「きょうの健康」です。
今週はこちら…今日は3日目です。
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けんしょう炎という言葉自体はよく聞きますよね。
手の使い過ぎで起きるイメージがあるんですが実際にはどういうメカニズムで起きているのかはあまり知られてないですよね。
それでは専門家をご紹介します。
横浜労災病院副院長で運動器センター長の三上容司さんです。
整形外科特に手や末しょう神経の病気けがの診断と治療がご専門です。
どうぞよろしくお願いします。
三上さんけんしょう炎といいますと長時間パソコンを打ったり字をたくさん書いたりという方に多いというイメージはあるんですが実際にはどうなんでしょうか?確かにそういった方がけんしょう炎になる事が多いんですが必ずしも手の使い過ぎだけが原因とは限りません。
またけんしょう炎と一口に言ってもいくつか種類がありまして症状の出方も違います。
今回ご紹介するものの中で思い当たる事がありましたら是非医療機関を受診して頂いて適切な対処をして頂きたいと思います。
それではけんしょう炎具体的にどんな病気なのか教えて頂けますでしょうか?こちらをご覧下さい。
これは手の指を横から見たところです。
上が手のひら側。
下が手の甲側です。
手の付け根の筋肉から指先まで…。
伸びている丈夫なひも状の組織がけん。
それをカバーするように覆っているのがけんしょうです。
これがけんしょうです。
けんしょう炎はこのけんとけんしょうの間に炎症が起きてしまう病気です。
「腱鞘」はこのような漢字を書きますが「鞘」は訓読みすると「鞘」です。
つまり「腱鞘」とはけんの入れ物という意味でけんを守る役割とともにけんが指の骨から離れないようにガイドする役目があります。
本当に指のスムーズな動きはけんしょうのおかげだという事は分かりましたがけんしょう炎になるとどうなってしまうんですか?けんとけんしょうがこすれ炎症が起きて痛みが起きます。
特に直接けんを覆っている滑膜性けんしょうという所に炎症が起きます。
更に何度も炎症を繰り返していると慢性化してけんしょうが膨らんでしまって圧迫されますます通りにくくなってしまうという事です。
けんしょう炎になると症状の出方がさまざまあるという事なんですが具体的にはどうでしょうか?症状は手のどの部分に起きるかによって現れ方も違ってきます。
代表的なものは指に症状が現れるばね指。
手首に症状が現れるドケルバン病。
その他乳児などに起きる強剛母指についても今日はお伝えしたいと思います。
それでは初めのばね指はどんなけんしょう炎なんですか?曲がった指を自力で無理に伸ばそうとするとまるでばね現象のように急に伸びるのがばね指です。
ちょっとやって頂けますか?例えば指を握って伸ばす時に伸ばそうとしても指が伸びなくてパチンと伸びる。
こういう現象をばね現象といいます。
その現象の具体的なからくりはどうなんですか?こちらの図を見て頂くと分かりますが指の付け根で炎症が起きてけんが腫れてしまうんです。
この時痛みが生じて伸ばす時には引っ掛かる事になる訳です。
ばね指は起きやすい指はあるんでしょうか?親指中指に多いんですがそのほかの指にもよく見られます。
指の曲げ伸ばしが困難。
また無理に指を伸ばそうとすると引っ掛かって痛いといった症状が出ます。
ばね指になりやすい方はいらっしゃるんですか?ばね指に限らずけんしょう炎になりやすい方はこちらの特徴があります。
例えば文字の書き過ぎパソコンの使い過ぎ。
よくイメージとしては浮かびますよね。
あるいは日常的な家事をする主婦楽器の演奏など手先を使う方です。
最近ではゲームのやり過ぎという方もいるようです。
また使い過ぎなくても出産後や更年期など女性ホルモンのバランスが変化する時にけんしょう炎が起こるケースがあるといわれています。
そのほか糖尿病関節リウマチ透析患者さんにもよく発生するといわれています。
それでは個々に見ていきたいと思うんですが今度手首に症状が現れますドケルバン病について教えて頂けますか?ドケルバン病は手首に症状が現れる病気です。
手首の親指側に親指を反らしたり開いたりする際に働くけんが2本通っています。
このけんしょうに炎症が起こってしまうのです。
この部分です。
下の方なんですね。
親指の付け根より手首寄りです。
見せて頂いてもいいですか?ちょうど私で言うとここの部分になります。
その部分ですね。
手首の下の方といいますか…。
少し出っ張った所です。
具体的にはどんな症状が起きるんですか?ばね指と異なって引っ掛かる感じはほとんどないんですが親指を動かすと手首の親指側の痛みが起きます。
痛みの部分もちょっと見せてもらえますか?今申し上げた付け根の出っ張った所ですね。
ここら辺りに痛みが起きます。
ほかに何か特徴はありますか?ドケルバン病の方は拳を作って手首を小指側に曲げると親指の付け根が痛みが強くなります。
これも見せて頂いていいですか?親指を拳の中に入れてグ〜っと小指側に曲げます。
小指側にですか?そうしますとここの部分ですねここに強い痛みが出てくるとドケルバン病が疑われる訳です。
私は全く痛みませんが久田さんどうですか?ちょっと痛いです。
ドケルバン病ですか?分かりやすいですね。
これは診断の時にも大変役立つので外来でよく患者さんにやってもらっています。
そして…。
最後の強剛母指ですね。
これは赤ちゃんがなるんですね。
意外と知られていないのでご紹介したいと思います。
強剛母指は比較的まれな病気ですが乳児がなるけんしょう炎の一種で乳児の頃から親指の第一関節が曲がったままで伸ばせない状態を指します。
どうして赤ちゃんがけんしょう炎になるんですか?残念ながらはっきりした原因は分かってません。
ただ親指を曲げるけんが太くなって硬いトンネルの中に入らなくなって親指が伸びなくなるという事は分かっています。
赤ちゃんは寝る時こう拳を作るような感じで寝てたりしてなかなか気付きにくいと思うんですが気付くポイントはあるんでしょうか?強剛母指の場合親指の付け根にしこりが出来ましてこれを触ってみると分かる事が多いのでこれを注意して見て頂きたいと思います。
どの辺りですか?親指で言いますとこの付け根のしわがあるとこです。
ここら辺りです。
ここを触りますとコリコリしたしこりに触れますのでこれがあると強剛母指の可能性がございます。
赤ちゃんは分からないですからね。
これは生まれた時から押してみると分かるんですか?生まれたばかりの時には割と分かりにくいんですが3か月以降になってくるとしこりも分かりやすくなりますし伸ばそうとしても指が伸びないという事で気付かれる事が多いです。
親が注意して見てあげるという事なんですね。
それぞれのけんしょう炎見てきましたが治療はどんな方法があるんですか?まずは安静にする事が治療の基本です。
手や指の使い過ぎが主な原因になっている場合には初期であればその部分を安静にしただけで多くの方が症状がよくなります。
ただ安静とはいっても日常生活で手や指を使わないようにするってなかなか難しいですよね。
全く手を使わないというのは確かに難しいんですがなるべく手を使うのを控える。
あるいは片手ばかりを使い過ぎない。
あるいは長時間何か作業をする時には適当に休憩を入れて使うようにする。
あるいは家事であれば家族の応援を頼んで負担を減らすというような事をして頂くように患者さんにはお願いしています。
何か固定しておくようなものはあるんですか?病気の種類によっては装具が使える場合もございますのでこれは医療機関でご相談されたらよいと思います。
それから透析をしている方とか関節リウマチそして糖尿病の方もなりやすいという事だったんですがこちらの治療はどうしていくんですか?基本的にはこれも安静にする事が原則ですがもともとの病気の治療が非常に重要です。
関節リウマチ糖尿病という事であればこれらの病気をコントロールする事が非常に重要でコントロールする事によって症状がよくなったりあるいは予防する事ができると思います。
次はこちら局所麻酔それからステロイド注射というのもありますがこれはどんな時に使用するんでしょうか?痛みや炎症腫れがひどい場合これらの注射を使用します。
けんしょうの内部に直接注射をしますので一回の注射でかなり効果が出ます。
しかし注射後に症状が和らいだからといって治ったと勘違いをして手を使い過ぎてしまうとまた「元の木阿弥」という事になってしまいます。
なかなか使わないようにするっていうのは難しいですがとにかくあんまりにも使い過ぎるとよくないという事ですよね。
ではこちら強剛母指はどのように治療を行うんですか?強剛母指はかなりの人が自然に治癒します。
ですから安静にするか副木をあてるという事で経過を見るのが普通です。
小学校入学前までには治る事が多いんですがそうでない場合には手術をする事もあります。
それぞれのけんしょう炎の治療について見てきましたがまずは安静にする事が一番大事だという事なんですがそれでもなかなか症状が治まらない場合にはどうすればいいんでしょうか?痛みが改善せず症状の再発を繰り返すような場合はけんしょうを開く手術を行います。
切開するのはけんしょうの一部だけですので20分程度で済んで小さな傷で済むのが特徴です。
傷口は大体1〜2cm程度で局所麻酔で行える手術です。
おおよそ手術後1週間から2週間で手を使った動作は可能になります。
けんしょうを切り開くという事ですがこちらの図ではどこを…。
この図で言いますとこの部分です。
これを切る事になります。
これを切りっ放しにしておく訳ですよね。
大丈夫なんですか?けんしょうのごく一部を切る事になりますので全体の動きには全く影響はございません。
動かしにくくなる事もないという事なんですね。
そしてこちらにありますように再発はまれと考えていいんですか?手術をすれば再発は比較的まれです。
けんしょう炎についてだいぶ分かってきましたが自分はけんしょう炎かなと思ったらどこの診療科に診てもらえばいいんでしょうか?まず整形外科に行かれるのがよろしいかと思います。
今けんしょう炎を具体的な場所で見てきたんですが例えば手首と指症状が複数併発して起きる事もあるんでしょうか?かなりいらっしゃいます。
やはり手を使う事はもちろん手首も使う訳ですし手の指も使う訳ですからいろんな所に負担がかかってきていろんな症状が出てくると。
ですから当然合併する方もいらっしゃるという事になります。
手や指は私たちの日常の生活では本当に大事な大切な機能を果たしてくれているんですがやっぱりあまりにも使い過ぎると悲鳴を上げてしまうという事で安静にしながら診療していく事が大切な訳ですね。
ありがとうございました。
2014/07/16(水) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 手と指の痛み・しびれ「けんしょう炎」[解][字]

けんしょう炎とは「けん」「けんしょう」に炎症が起こる病気。手指をよく使う人に起こりやすいが、必ずしも使い過ぎが原因とは限らない。具体例を元に治療法を紹介する。

詳細情報
番組内容
けんしょう炎とは、骨と筋肉をつなぐ「けん」や、それを覆う「けんしょう」に炎症が起きて痛みを感じる病気。手指をよく使う人に起こりやすいが、必ずしも使い過ぎが原因とは限らない。出産後や更年期の女性は特に注意が必要。また、手のどの部分に起こるかによって症状の現れ方が異なり、指に症状が現れる「ばね指」、手首に症状が現れる「ドケルバン病」、また乳児に起こる「強剛母指」など種類はさまざま。治療の基本を伝える。
出演者
【講師】横浜労災病院運動器センター長…三上容司,【キャスター】寺澤敏行,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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