戦後日本の安全保障政策が、大きな転換点を迎えました。
こんばんは。
ニュース7です。
政府はきょう、臨時閣議を開き、歴代政権がこれまで行使できないとしてきた集団的自衛権について、従来の憲法解釈を変更し、行使を容認することを閣議決定しました。
安倍総理大臣は記者会見し、行使容認は限定的だと強調し、抑止力によって日本が戦争に巻き込まれるおそれは、一層なくなっていくと説明しました。
集団的自衛権の行使容認を視野に、与党協議に入ることを表明してから1か月半。
けさ、防衛省では、自衛官がいつもどおり日の丸を掲揚しました。
きょうは自衛隊発足からちょうど60年。
節目となるこの日に、戦後日本の安全保障政策は、大きな転換点を迎えました。
けさの与党協議、5月20日の初会合から11回目となりました。
自民、公明両党は、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、必要最小限度の実力を行使するのは、自衛の措置として憲法上許容されると判断するに至ったなどとする、閣議決定案で合意しました。
きょう、都内にある大学の書店は、集団的自衛権に関するコーナーを設けました。
学生からは。
午後4時過ぎ、総理大臣官邸。
安倍総理大臣と公明党の山口代表が会談し、自民、公明両党の合意を正式に確認しました。
そして政府は、憲法解釈を変更して、集団的自衛権の行使を容認することを、臨時閣議で決定しました。
集団的自衛権、反対!行使、容認、絶対反対!
その総理大臣官邸の前では、集団的自衛権の行使容認に反対する人が、抗議活動を行いました。
こうした中、ハワイでは、アメリカ軍が行っているリムパック・環太平洋合同演習に自衛隊が参加しています。
集団的自衛権行使容認に向けた動きについて、訓練に参加している海上自衛隊の指揮官は、回答は控えたいとしたうえで、次のように述べました。
午後6時、閣議決定を終えた安倍総理大臣は、記者会見しました。
その上で、集団的自衛権の行使容認が、限定的なものであることを指摘しました。
そして閣議決定の意義を強調しました。
このあと、公明党の山口代表は次のように述べました。
従来の解釈を変更して、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の中身を、詳しく見ていきます。
閣議決定では、これまで政府は、武力の行使が許容されるのは、日本に対する武力攻撃が発生した場合に限られると考えてきた。
しかし、日本を取り巻く安全保障環境が、変化し続けている状況を踏まえれば、今後、他国に対する武力攻撃であっても、その目的や規模、態様などによっては、日本の存立を脅かすことも現実に起こりうるとしています。
その上で、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、必要最小限度の実力を行使するのは、自衛の措置として、憲法上許容されると判断するに至ったとして、集団的自衛権の行使を容認するとしました。
これは自民党の高村副総裁が先に示した、武力行使の新たな3要件に基づく内容です。
また民主的統制の確保が求められるのは当然で、自衛隊に出動を命じる際には、原則として事前に国会の承認を求めることを法案に明記するとしています。
これ以外にも次のようなものがあります。
まず武力攻撃に至らない侵害、いわゆるグレーゾーン事態への対処についてです。
離島の周辺などで、外部から侵害が起きた際、警察機関が直ちに対応できない場合に、自衛隊が出動の手続きをしている間に、被害が拡大することがないよう、手続きを迅速化するための具体的な検討を行うとしています。
次に、国連決議に基づく多国籍軍などへの後方支援についてです。
支援する他国が戦闘行為を行っている場所では、支援活動を行わないことや、自衛隊が活動している場所で、戦闘行為が起きた場合は、活動を中断するという考え方で、法整備を進めるとしています。
活動地域を後方地域や、非戦闘地域に限定する今の考え方を、見直しています。
そしてPKO活動に参加する国連職員などが攻撃を受けた場合に、自衛隊が武器を使って救援するいわゆる駆けつけ警護を可能とするほか、海外での緊急事態の際に、その国の同意があれば、自衛隊が日本人の救出活動に当たることができるよう法整備を進めるとしています。
では、政治部の田中記者に聞きます。
田中さん、この集団的自衛権の行使を容認する今回の閣議決定。
まずどんな意味を持つんでしょうか?
そうですね、やはり日本が攻撃された場合にしか、武力行使ができないという、これまでの大きな制約が外れるという点です。
きょうの閣議決定を受けて、法整備などが進めば、日本が攻撃されていなくても、同盟国アメリカなどが攻撃を受けた場合にも、武力行使ができるようになります。
そうした意味で、戦後の安全保障政策の大きな転換点を迎えたといえます。
安倍総理大臣は記者会見で、この行使容認の必要性を説明しましたけれども、日本が戦争に巻き込まれることはありえないと強調していましたね。
そうですね。
安倍総理大臣は記者会見で、日本を取り巻く情勢が一層厳しさを増す中、あらゆる事態を想定して、法整備をする必要があると述べました。
弾道ミサイルの拡散など、憲法制定時には想定していなかった、新たな脅威に対応するためには、アメリカなどとの関係をより緊密にし、抑止力を高めなければ、日本の安全は維持できないという主張なんです。
同時に安倍総理大臣は、かつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはないとして、あくまで限定的な行使容認であることを強調していました。
行使容認を巡って、世論が割れる中で、少しでも多くの国民の理解を得たいという姿勢がうかがえました。
田中記者にはまた後ほど、聞きます。
政府はこれまで、集団的自衛権は持っているが使えないと解釈し、その解釈のもと、さまざまな対応を取ってきました。
歴代政権が踏襲してきた解釈が確立されたのはおよそ40年前。
当時、国会に提出された政府の資料です。
自衛権の行使が許されるのは、必要最小限度の範囲で、日本が侵害を受けた場合に限る。
集団的自衛権の行使はそれに当たらないため、憲法上許されないという解釈でした。
しかし、冷戦が終結し、国際情勢は大きく変わります。
政府は、従来の憲法解釈を変えないまま、自衛隊の活動を海外へと拡大させていきます。
平成4年には、武器使用などに厳しい条件を付け、国連のPKO・平和維持活動に派遣。
同時多発テロのあと、平成13年にはインド洋での給油活動、平成16年には、イラクの復興支援にも、非戦闘地域であるとして自衛隊を派遣します。
この間、アメリカからは、日本に集団的自衛権の行使容認を求める声が上がっていました。
その後、日本を取り巻く安全保障環境は、北朝鮮による核やミサイルの開発、中国の海洋進出の活発化などで、厳しさを増していきます。
一国だけで平和を守れる時代ではないと考える安倍総理大臣。
抑止力を高める必要があるとして、集団的自衛権の行使容認を目指してきました。
そして、きょうの閣議決定。
どんなことが可能になるのでしょうか。
政府が挙げる8事例。
例えば、日本周辺での有事の際、海外にいる日本人などを輸送するアメリカ艦船を防護することや、攻撃国に武器を運んでいる可能性がある不審な船舶を強制的に停船させ、検査することなどです。
今回の閣議決定は、こうした具体的な事例を挙げて、集団的自衛権の行使が可能になるとは明記していませんが、政府がまとめた見解案では、8つの事例すべてについて、武力行使の新たな3要件を満たせば行えるとしています。
ただ、安倍総理大臣は、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはないとしているのです。
閣議決定に対する野党の反応です。
新党改革の荒井代表は、抑止力は国民の理解と支持があってこそ、十分に発揮できるものであり、政府・与党は説明責任を果たすべきだという談話を出しました。
憲法9条の解釈を変更して、集団的自衛権の行使を容認した今回の手法について、専門家2人に聞きました。
安倍総理大臣が設置した有識者懇談会の委員、中西寛さんは、時代の変化に応じて、解釈を変えても問題ないとしています。
一方、平成18年まで2年間、内閣法制局長官を務めた、阪田雅裕さんは、一内閣の判断で解釈を変えることに懸念を示しています。
各国はどう見ているんでしょうか。
自衛隊も参加している多国間軍事演習の式典で、アメリカ海軍太平洋艦隊の司令官は。
アメリカ政府で、対日政策に関わっている当局者は、NHKの取材に対し、決定を歓迎するとともに、日本が引き続き、地域の安定に向けて、重要な役割を果たすことに期待する考えを示しました。
一方、中国は。
韓国は、アメリカ政府への配慮などから、明確に反対する立場は取っていませんが、警戒感をにじませました。
再び政治部の田中記者です。
今回の閣議決定、さまざまな反応があるようですが、安倍政権、今後、この安全保障政策、どのように進めていくんでしょうか。
そうですね、きょう閣議決定をしたからといって、すぐに自衛隊が集団的自衛権を行使できるわけではないんです。
関係する法律を改正して初めて、行使が可能になります。
こういった法案ですね。
そうですね。
この関係する法律は、自衛隊法や周辺事態法など10本以上に上るんです。
政府は法整備に向けた準備に着手することにしていまして、準備ができしだい、国会に速やかに提出したいとしています。
今後の議論ですけれども、何が焦点になりそうですか?
憲法解釈の変更によって、集団的自衛権の行使を認めることが、そもそも許されるのかどうかが、国会論戦などの中心になっていくと思います。
それと同時に、与党の協議でも取り上げられましたが、具体的にどのような事例で、集団的自衛権の行使が認められるのかも焦点となる見通しです。
きょうの閣議決定では、柱となる武力行使の新たな3要件などで、集団的自衛権の行使に一定の歯止めをかけていますが、シーレーンでの機雷掃海など、こちらですね、具体的な事例について行使できるのかどうかは、明記されていません。
政府は、この機雷掃海を含む集団的自衛権に関係するとして示したこちらの8事例は、いずれも3要件を満たせば行使できるという見解なんですが、公明党は、周辺有事でのアメリカの艦船の防護などに絞り込みたいという立場を取っているんです。
つまり何ができて、何ができないか、必ずしも明らかになっていないということなんですね。
そうですね。
そのため野党からも、自衛隊の活動範囲が際限なく広がるとか、戦争に巻き込まれる可能性が高まるといった批判が出ているんです。
またNHKが先月行った世論調査では、集団的自衛権を行使できるようにすべきだと思うか訊ねたところ、40%余りがどちらともいえないと答えていまして、集団的自衛権について、その内容を理解していない人や、態度を決めかねている人が多いことが分かります。
安倍政権にとっては、集団的自衛権の行使容認という大転換に踏み切ったんですが、今後の法案作りのプロセスや、国会審議などを通じて、国民の理解を得られるかどうかが問われることになります。
政治部の田中記者に聞きました。
ここまで集団的自衛権の行使を容認する閣議決定について、お伝えしました。
では次のニュースです。
中国の北京で行われていた日本と北朝鮮の政府間協議は、日本時間の午後午後6時半ごろに終わり、外務省の伊原アジア大洋州局長は記者団に対し、北朝鮮側から拉致被害者らの調査を行うために設置する、特別調査委員会の組織や構成について、説明を受けたことを明らかにしました。
協議のあと、伊原局長は記者団の取材に応じました。
伊原局長は、北朝鮮側からの説明内容などは本国に持ち帰り、政府の首脳に報告することにしたい。
その上で、説明内容を見極め、今後の方針について政府全体として、総合的な判断が行われるものと思うと述べました。
また伊原局長は、今回の協議では、北朝鮮が行った弾道ミサイルの発射も取り上げた。
今回の発射が、国連安保理決議などに反しており、改めて遺憾の意を表明するとともに、今後、繰り返さないよう国際社会の要求に真剣に対応するよう求めたと述べました。
伊原局長らは、帰国後、安倍総理大臣らに協議の内容を報告することにしています。
フランスのサルコジ前大統領、身柄拘束です。
フランスのサルコジ前大統領。
7年前の大統領選挙で、みずからの陣営が選挙資金を受け取ったとされる事件に関して、検察当局の幹部から、裁判に関する情報を違法に受け取った疑いなどで、ふらんすのそうさとうきょくに身柄を拘束されました。
フランスの大統領経験者の身柄拘束は初めてです。
フローリングなど床の拭き掃除を行う床拭きロボット。
ロボット型の掃除機を販売するアメリカのロボットメーカーが、日本で販売します。
B5のノートより一回り大きいサイズで、じゅうたんなどの段差を避けることができます。
価格は3万3000円で、今月4日からインターネットで販売されます。
プロ野球はナイトゲーム6試合です。
気象情報は岡村さんです。
こんばんは。
一面の黄色のじゅうたん、ひまわりが満開となっています。
岡山県笠岡市です。
およそ80万本のひまわりです。
梅雨の晴れ間となったきょう、鮮やかな黄色が日ざしを浴びて映えていました。
季節が進んでるなという映像ですよね。
そうですね。
先月は、雷雨が多かったという印象なんですけれども、7月はどんな天気になりそうでしょうか?
今月は梅雨前線による大雨に注意が必要になります。
今月はフィリピン付近の積乱雲、対流活動が活発というのが特徴なんですね。
この付近の上昇気流で持ち上げられた空気が、日本の南に下りてきまして、太平洋高気圧の勢力を強めます。
このため梅雨前線、これまでよりも日本付近へと北上する予想です。
さらに高気圧周辺の湿った空気も流れ込みますから、前線付近では大雨となるおそれがあります。
今月は平年より降水量が多くなるおそれもありますから、雨の降り方に注意が必要です。
ではあすの予報を見ていきましょう。
あなたは…2014/07/01(火) 19:00〜19:32
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]
▽集団的自衛権の行使を容認へ 安全保障政策が大転換 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】上條倫子,【気象キャスター】岡村真美子
詳細情報
出演者
【キャスター】武田真一,【サブキャスター】上條倫子,【気象キャスター】岡村真美子
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