生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
きょうの担当は島田敏男解説委員です。
テーマは集団的自衛権と国民の視線です。
政府が閣議決定した憲法解釈の変更を国民の皆さんがどう見ているかということですね。
島田⇒集団的自衛権というのは密接な関係にある他国に対する攻撃をみずからに対する攻撃とみなして実力をもって阻止する反撃をする権利ということです。
歴代の内閣はそれを行使するのは憲法上許されないとしてきたんですが安倍内閣は今月1日の臨時閣議で限定的に行使できるというこういう解釈に変更しました。
しかし今月のNHK世論調査を見ますと、国民の受け止めはかなり厳しいですね。
それが安倍内閣の支持率にも影響しているんですね。
安倍内閣を支持すると答えた人は先月より5ポイント下がって47%。
支持しないは6ポイント上がって38%でした。
第二次安倍内閣の発足以降支持率が50%ラインを割ったのは今回が初めてです。
支持すると支持しないの差は僅か9ポイント差まで接近しています。
こうして支持率が低下している原因は集団的自衛権の問題ということですか?それを言う前に、もう1つこれまで安倍内閣の高い支持率を支えてきた経済政策に対する期待感に変化が表れています。
経済政策を評価するという答え先月より4ポイント下がっています。
どうしてなんでしょう?やはり背景には景気回復の実感が国民の間に広がっていないという現実があります。
消費税率は引き上げられましたが賃金引き上げの恩恵が自分のところには回ってきていない。
株価も横ばい先行きが楽観できないといった声が期待感に、かげりを生んでいるようです。
それに加えて集団的自衛権の問題ということですね。
そうなんです。
安倍内閣はこれまでの政府の憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をしました。
それに対する国民の受け止めです。
評価する38%に対して評価しないが56%に上りました。
半分以上ですね。
詳しく見ますと与党支持者では評価するが6割台。
これに対して野党の支持者、無党派層では7割が評価しないと答えています。
これをどう見たらいいんでしょう。
与党の支持者でも評価するが圧倒的に多いわけではない。
一方で野党の支持者この中には集団的自衛権行使に賛成する政党もあるんですが全体として見ますと、野党支持者評価しないという答えのほうが高い割合を占めているということです。
その結果、全体で見ると評価しないが半数を超えているということですね。
はい。
その傾向を生みだしているのが女性なんです。
男女別に見てみますと評価するが男性では50%に達しています。
女性では6割以上が評価しないと答えています。
今も昔も、よく言われますように軍事力を使ってなんとかという勇ましい話には、女性は強い警戒心が働くということです。
その女性に理解してもらうには説明の努力がまだまだ足りないということです。
また、今月の世論調査では政府の議論や説明が十分かどうかについても聞いていましたよね。
こちらです。
集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行うにあたって十分な議論が行われたと思いますか。
行われなかった、あるいは、どちらともいえないという選択肢です。
結果は、十分な議論が行われなかったが59%でした。
閣議決定に至る自民党と公明党の協議では突っ込んだ議論が交わされたようなんですがやはり非公開の場での議論です。
国民の側には十分な議論と映らない、これは当然だと思います。
閣議決定ですから基本的には政府の責任で行ったということですよね。
そうですね。
その責任ということの中には当然国民への説明責任も含まれます。
安倍内閣の日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているため集団的自衛権を限定的に行使できるようにする必要があるという説明に納得できるは42%でした。
納得できないが51%。
どうも政府の説明にリアリティーを感じないと受け止めている人が少なくないようです。
政府は歯止めはかけられていると言っていますが、その点はどうでしょうか?安倍内閣は憲法で許される武力行使は自衛のための必要最小限度のものでその歯止めはかけられていると説明しています。
しかし納得できるという人は36%。
納得できないが58%に上っています。
先ほど今回の閣議決定に対して女性の受け止め方が厳しいとお伝えしました。
この歯止めの説明についても女性では納得できないという人が6割を超えています。
これでは集団的自衛権の行使に関して政府の説明が浸透しているとは言えないですね。
そうですね。
おととい、きのうとこの問題の国会の中継がありました。
まだまだそうした議論や論戦が足りないということです。
22年前に今のPKO協力法が成立したときもそのときのことを思い返しますとほぼ1年近くにわたって政府と与野党が国会で論戦を交わして修正も加えてそして初めての自衛隊海外派遣の法律を作りました。
集団的自衛権の問題はあのとき以上に日本にとっての大転換を図るものですから政府が関連法案を提出する前もあともさらに深く掘り下げた議論が必要だと思います。
そしてもう1つ、きょうは原子力発電所の運転再開に向けた動きもあるようですね。
鹿児島県の九州電力川内原子力発電所に関する原子力規制委員会の審査が終了します。
政府は安全を確認した原発の運転は再開するという方針ですがその政府の方針に対する受け止めは厳しいです。
数か月おきの調査結果を見ますと赤い部分、反対が4割前後で、最も多いですね。
そして、どちらともいえないという答えが3割。
青い部分、賛成が大きく伸びていないのが現状です。
経済界の人たちは、原発再稼働を急ぐべきだと言うんですけれどあまり急ぎすぎますと、かえって国民の反発を買うことになります。
ですから安倍総理にとって要注意の課題だと思います。
最後になりますが各政党の支持率は今月はどうだったんでしょう?自民党が34.3%で一強の状態は変わっていません。
これに各党が続いています。
ただ自民党にもかげりが見えています。
自民党を示す赤いライン2か月連続で政党支持率が下がっています。
内閣支持率と同様の傾向です。
先日の滋賀県知事選挙で自民党と公明党が推した候補者が元民主党の衆議院議員に敗れました。
集団的自衛権や原発再稼働について国民に丁寧に説明する必要があるという反省が自民党の関係者からも出ています。
そうした反省をどこまで実行に結びつけることができるかここが注目点です。
一方で野党側に国民から期待されるものは何でしょうか。
やはり日本の将来に深く関わる集団的自衛権の問題や原発の問題こうしたテーマで議論を深めてどこまで明確な主張を展開できるかというところです。
数集めの離合集散の駆け引きというよりもこの政策テーマに対する討論議論が大事です。
国の基本に関わる問題ですので今の野党各党どうしても考え方がまちまちなところがあります、独自性を出そうとして。
だけど野党であるかぎりは政府与党にどう向き合うのか、ここが大事です。
その姿を明確に見せてもらいたいと思います。
島田敏男解説委員でした。
2014/07/16(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「集団的自衛権と国民の視線」[字]
NHK解説委員…島田敏男,【司会】岩渕梢
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出演者
【出演】NHK解説委員…島田敏男,【司会】岩渕梢
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ニュース/報道 – 解説
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