熱いわよ。
アチ…アチッ!ごめんなさい!ハハハッ!…あー!美味しい!
(雷鳴)
(鈴木晴子)すいません。
ちょっと胸の音聞かせてくださいね。
ありがとう。
(警報音)
(警報音)
(石嶺聡)戸村!何やってんだ?
(戸村隆正)いやガスのにおいが…。
(警報音)
(ガスの漏れる音)
(警報音)
(警報音)
(石嶺)こんなとこで何やってんだ!いやあのその…。
(非常ベルの音)
(非常ベルの音)
(晴子)わかりますか?わかりますか?どうした!?枕外して!気道確保してください!先生呼んでください!わかりました!心マ開始します!どうした!?
(非常ベルの音)
(所長)待ってください。
我が青梅医療刑務所は法務省管轄です。
(内村完爾)しかし殺人の捜査にはうちの鑑識が必要なんですよ。
(中園照生)それならうちの捜査員による捜査が条件です。
うちの刑務官の捜査を乱すようなことがあれば警視庁の捜査員には撤退していただくこともあります。
もちろん心得てますよ。
(パトカーのサイレン)
(芹沢慶二)うわっ…。
(三浦信輔)おい早く。
(伊丹憲一)行くぞ。
(伊丹)あご苦労さん。
(伊丹)あっ…!
(三浦)警部殿と警部補殿…!?なんでいるんですか?
(杉下右京)医療刑務所で殺人事件とお聞きしまして。
(神戸尊)でも普通は司法警察職員の資格を持った刑務官が捜査するはずでしょ?よく警視庁が入れましたね。
だからこそ我々が揉めている場合ではありません。
あっ刑務官だけで捜査する口実を与えちゃいますね。
というわけでお互い仲良くしましょう。
(伊丹)マジかよ…。
18時4分浪岡収造の死亡を確認しました。
(米沢守)炊場つまり調理場の包丁だそうです。
(相田宗太)でも夕飯の片づけの確認した時はありました。
(芹沢)じゃあそのあと犯人がこれを盗んだ。
事件発生時刑務所内に部外者は?いません。
つまり犯人は刑務所内にいるということですね。
(騒ぎ声)おい静かにしろ!
(騒ぎ声)騒ぐな!騒ぐな!静かにしろ!
(市倉康弘)ここです。
(井上洋子)なんでもありませんから安心してお休みください。
あの…鍵はかけてないんですか?
(市倉)ええ自力で動けない重病人の房にはね。
いざという時鍵の開き閉めしてると手遅れになる場合があるんで。
なのにここだけ鍵を閉めてた。
ええ。
浪岡は回復に向かっていて動けたので。
(三浦)ということは犯人はここの鍵が開けられる人物。
あっ鍵を開けたのは自分です。
佐野先生に頼まれて。
佐野先生?どうぞ。
こちらが教誨師の佐野先生です。
(芹沢)教誨師?罪人を教え諭し正義に導く人です。
あの…被害者にどんな用があったんですか?
(佐野一郎)浪岡さんに教誨を受けてもらおうと思いまして。
でも拒否されました。
(市倉)先生だから無理に教誨を勧めないでくださいとあれほど…。
すみません。
まさかこんなことになるなんて…。
だとすると看護師さんが来るまでここには被害者と佐野先生だけってことになりますけど。
ああ私は看護師さんが来る前にここを出ました。
廊下で変な音が鳴っていたので気になって。
(芹沢)佐野先生も炊場から包丁を持ち出せますよね?いやしかし…。
聖職者を疑いたくはないんですがこれも仕事なんで。
佐野先生は被害者以外にも教誨を勧めていたのでしょうか?いえ私の知る範囲では浪岡だけだったと。
なぜ浪岡さんだけなのでしょう?警部殿。
あの…そんなに捜査したいなら分担しませんか?はい?いや職員は我々が調べます。
お二人はあの…病気の受刑者を。
なるほど。
病気の受刑者はほとんどが動けない人ばかりですからねぇ。
しかも動ける人の房には鍵がかかっている。
なるほど。
容疑者の可能性が低いから僕たちに押しつけるんですね。
我々は構いませんよ。
神戸君。
はーい。
問題のガスレンジの指紋は?あこちらです。
こちら部分的に指紋が消えていました。
あとこちらなんですが…。
凶器の包丁があったここも一部指紋が消えていました。
なるほど。
つまり犯人は手袋をしていた可能性が高い。
ということは犯人は夕食の片づけが終わり誰もいなくなったここに忍び込んで包丁を盗み出し…。
ガスのつまみをひねって出た。
やがてガス漏れで報知器が作動。
刑務官がここに駆けつけ房の警備が手薄になったすきに浪岡を刺し殺した。
(刺す音)
(浪岡収造)ああっ…!
(相田)受刑者フロアと職員フロアを仕切る扉には鍵がかかっています。
よってここには職員しか入れません。
ここで調理をする経理夫はどうでしょう?経理夫…?刑務官の作業を手伝う短期の受刑者です。
そういう健康な人の房には鍵がかかってるんじゃないですか?はい…。
でもその時間戸村という経理夫が油ゴミが気になると言ったのでここに入ることを許可しました。
つまり入れたのは職員と戸村という経理夫。
(三浦)経理夫ですか…。
あっ!あれ?受刑者の捜査は僕らの担当では?いやお二人は病気の受刑者です。
健康な受刑者は我々が調べます。
殺された浪岡収造は暴力団員だったようですね。
10年前…。
(茂田信)やめろって!
(刺す音)
(茂田)ああっ…!ケンカの仲裁に入った男性を刺し殺し懲役12年の判決で調布刑務所に服役。
その後服役中に肝硬変を発症。
去年の12月危篤状態で青梅医療刑務所に移送されています。
回復に向かっていたと言ってましたねぇ。
治療が成功して14日だから…あっ今日には元の刑務所に戻る予定だったみたいです。
つまり医療刑務所にいるのもあとわずかだった。
元の刑務所で満期まで過ごす予定だったんでしょうね。
何せ暴力団員には仮釈放はないですから。
いえ浪岡は暴力団を抜けたようですよ。
えっ?前の刑務所で離脱指導を受けています。
あの離脱指導って…?
(角田六郎)ヘッ…知らないの?ハハ…受刑者が暴力団を抜ける意思を示すとねその暴力団を管轄する警察に離脱願が送られるんだよ。
その離脱願を受理した警察は暴力団の責任者に足抜けを承認させる。
それが離脱指導です。
勉強になりました。
(市倉)確かにそれで浪岡は仮釈放になる予定でした。
最近取り消しになりましたけどね。
えっ?暴力団からの離脱が嘘だとわかって。
どうして嘘がわかったのでしょう?
(市倉)浪岡は出所後の身元引受人に内縁の妻を指定したんですがその女との間に交際の事実がなかったんですよ。
女は浪岡と同じ暴力団員の妻でした。
つまり浪岡に暴力団をやめる意思はなかった。
まったく反省してなかったんだ浪岡って男は。
それで最近仮釈放を取り消された。
(石嶺)1週間前です。
自業自得ですがひどく荒れましてね…。
くそっ!ふざけんじゃねえぞこの野郎!
(揉み合う音)何見てんだよてめえ!
(江田勉)ざまあみろ…。
その受刑者も浪岡同様ここで治療中。
ええ。
余命はどれぐらいでしょう?なんでそれ…。
そうですか。
やはり手遅れでしたか。
すいません。
こういう人なんですよ。
口外はしませんから。
(江田)それがないとどこも行けなくてね。
なるほど。
だから鍵がかかってないんだ。
お向かいは浪岡さんのお部屋ですね。
死んでくれて清々した。
おや…死んだとは言っていませんが。
ゆうべ非常ベルが鳴った。
向かいが騒がしくなった。
あんたたち刑事が来た。
病死じゃないよね。
殺されたんだろ?だとすると何か心当たりが?あるよ。
天罰だ。
天罰?あいつはね俺と同じような病気で俺と同じ人殺しだ。
つまり江田さんあなたの罪状も殺人。
なのにあいつだけ助かるなんて不公平だろ?ゆうべ向かいから何か物音しませんでした?非常ベルが鳴った。
…が鳴る前に。
さあね。
じゃあ最近は?…叫んでたな。
叫んでた…?浪岡がなんて?殺してやるって。
えっ…。
殺してやる…。
誰を?さあね。
(洋子)入ります。
ちょっと見せてください。
あ…俺構わないよ。
オムツ替えるの刑事さんたちが見てても。
あっ…これは失礼。
あっありましたね。
2日前の夜19時過ぎに。
誰のことを殺してやるって叫んでたんですか?さあ…。
そんなことよくあるんで。
殺してやる死んでやる呪ってやるって受刑者は夜精神的に追い詰められてよくもがるんです。
もがる?ああ…もがり笛知ってます?もがり笛…季語ですね冬の。
ええ。
我々も受刑者も俳句をする者が多いんで。
強い風が電線や竹垣の間を通る時に出す音です。
あの甲高い笛のような。
(風の音)転じて狭いところに押し込められた人が上げる悲鳴。
刑務所ではそういう解釈をしたりします。
興味深いですねぇ。
ところで1つお聞きしたいのですが。
あっ江田の独房にあった封筒でしょ?ええ受刑者が便箋や封筒を要求することはあると思うのですが。
でも封筒だけってのは珍しいですよね?いえ便箋2枚と封筒を1通与えたはずです。
1週間前被害者遺族に手紙を出したいという理由で。
被害者遺族へ手紙を…。
(石嶺)まあ結局書かなかったようですけどね。
すみませんが江田の身分帳をお預かりできますか?江田勉64歳。
若い頃から窃盗や傷害など犯罪に手を染めてますね。
唯一の肉親であった父親が死亡したあと調理師免許を取得し更生。
しかしこれを読む限り犯罪歴がわかるたびに解雇されていたようですねぇ。
60歳の時に勤めていた飲食店でまた犯罪歴がばれた。
お願いします!追い出されたらこの歳では他に仕事なんかないんです!
(伊藤昌洋)前科者に包丁は持たせられない!包丁を使う犯罪なんてしてませんよ!犯罪に違いがあるか!
(江田)お願いします!そんな…。
うるさい!出て行け!この前科者が!店長!
(刺す音)
(伊藤)ああっ…!被害者の伊藤昌洋さんは死亡。
江田は懲役12年を命じられています。
山梨刑務所で吐血をしたのが去年の10月。
それで移送され末期の胆のうガンが発見されています。
罪状も判決も病気も浪岡によく似てますね。
だからですかねぇ浪岡とは仲が悪かったです。
同じような病気で浪岡だけが助かったからですか?かもしれません。
治療を始めたのも同じ頃でしたから。
その江田が1週間前被害者遺族に手紙を出したいと言い出した。
他に最近彼に変わった様子はありませんでしたか?同じ頃急に教誨を希望しましたね。
教誨を…?1週間前彼はなぜ突然教誨を希望したのでしょう?
(佐野)さあ…私がここにいる日だったからでしょうか。
ここにいる日とは?
(佐野)私が教誨に来るのは週に一度なんで。
あれ?でも先生昨日も今日もいますよね。
私のせいですから浪岡さんの死は。
私が彼を1人にしたせいで…。
あいや…。
誰もそんなふうには思ってないと思いますよ。
あの…なぜ江田さんが教誨を希望した理由を調べてるんですか?浪岡さんの事件と何か関係が?江田勉は被害者遺族に手紙を出そうとしました。
えっ?そのすぐあと教誨を希望した。
ともに1週間前です。
1週間前彼の身に何かが起きた。
僕はそう思います。
(佐野の声)1週間前江田さんが教誨を希望された日の朝…。
(江田のうめき声)
(佐野の声)すぐにドクターを呼びに行きました。
彼女はなぜ医者も看護師も呼ばずに…。
私の見間違いかもしれません。
見間違いであなたの不利益になってはいけないとその人はまだそのことを刑務官に話していません。
見間違いじゃありません。
(洋子の声)痛みで苦しむ江田さんを私はただ見ていました。
(うめき声)呼ぶな…。
(洋子)でも…。
(うめき声)
(洋子)足がすくんで動けませんでした。
でもかなりの痛みのはずですよね?看守に告げ口したら承知しないぞ。
ずいぶん井上さんの肩を持つのですねぇ。
あっ…。
こちらの封筒と一緒に便箋を2枚もらったはずですが結局手紙は書かなかったとか。
書き損なったから捨てたんだ。
捨てた。
2枚ともですか?そうだ。
受刑者のゴミは刑務官が点検するはずですね。
ええ1週間前のゴミでも嘘ならわかっちゃいますよ。
あっいい。
そんな無理しない…。
失礼。
これは佐野先生からもらったものですか?1週間前から教誨を受けているとか。
暇つぶしにな。
暇つぶしにもらったカードをお守りのように枕の下に入れていましたか。
あっ…。
車イス先ほどの場所から動いていますね。
あっ…。
もしかして1人で乗れますか?車イス。
(江田)介護士がどかしたんだオムツ替えるのに邪魔だから。
たたまれて部屋の隅にあった車イスを邪魔だからわざわざ広げてベッドの近くにどかした。
看守に告げ口したかったらするがいい。
そうですか…1人で乗れるんですか。
浪岡にあげたでしょ?自分の分の果物。
果物ってここではごちそうなんだって?かわいそうだと思ってムショの中で病気で…。
でも自分の食べ物あげるって懲罰の対象だろ?刑務官が言ってたよ。
経理夫は頻繁に受刑者と接するからどうしても弱みを握られやすいって。
江田はあの時間被害者の房に入れたはずですよね。
被害者の房も江田勉の房も鍵は開いていました。
そして江田は車イスで自由に動ける。
だとすると疑問が1つ。
はい。
誰が凶器の包丁を用意したのか。
江田は炊場つまり調理場へは行けません。
協力者がいるってことですよね。
(神戸の声)あの時間炊場に入れたのは職員全員と戸村という経理夫。
戸村の線は捜査一課が調べているでしょう。
では僕たちは職員の線で。
(開錠音)調べたんですか…。
江田勉とつながりのある職員を調べたところ驚きました。
まさか偶然とか言わないですよね?最初は偶然だったんです。
とおっしゃいますと?全国で初めて介護士の募集をした医療刑務所に興味を持って見学をお願いしたんです。
なるほど。
その見学の際に江田を見かけた。
運命だと思いました。
気になってたんですね江田のこと。
当然です。
前科者に包丁は持たせられない!
(洋子の声)私の父を殺した男ですから…。
父が殺されたあと母は心労で寝たきりになりました。
その介護のため介護士の資格を取ったんです。
でも資格を取った時には母はもう…。
江田のいる刑務所にお勤めになった理由はなんでしょう?もちろん復讐するためです。
(うめき声)呼ぶな…。
痛み止めを先生に…。
罰なんだ…。
これも罰なんだ…。
呼ぶな…!
(洋子の声)でも江田はまるで罰を受けるように生きていた。
復讐する気持ちは消えましたか?江田が生きてる間彼の介護をしようと思います。
死んでいく姿をしっかり見ておこうと思います。
強いのですねぇ。
あの…このことは刑務所側は知らないんですよね?黙っててください。
もちろん江田にも。
もちろん。
きっと江田は気づいています。
彼女に復讐されるかもしれないという恐れから急に教誨を希望したと考えるのが自然ですよね。
つまり1週間前には気づいていた。
でもどうやって気づいたんでしょう?それはわかりませんが江田が遺族に手紙を出そうとした理由はわかりました。
えっ?1…2…12…。
1…2…12…。
(伊丹)だから炊場から房へ戻る足取りを聞いてんだよ!
(戸村)足取りってなんですかそんな離れてませんよ!
(芹沢)つまり途中で浪岡の房に寄ることもできる。
ああもう…!調理場のお仕事はいいんですか?調理担当から外されました。
へぇ〜でもこうして1人で歩き回れるんだ。
経理夫は一般受刑者に比べ刑務官から信頼されているようですよ。
…じゃない。
はい?殺したのは俺じゃない。
あんたらの目は節穴かよ!ちょっと大声出したら困るのそっちでしょ。
ほら…。
どうかしましたか?なんでもありません。
大丈夫です。
戸村早く房に戻りなさい。
(戸村)はい。
あんたらの目は節穴かよ…今そうおっしゃいました。
つまり戸村さんあなたの目は何かを知っているんですね?職員の悪口になるかもしれないから…。
捜査上知りえた秘密は決して口外しませんよ。
1週間ぐらい前です。
(戸村の声)刑務所で使用している便箋でした。
刑務官以外に手紙を託すのは重大な懲罰の対象です。
佐野先生だって知ってるはずなのに…。
便箋を書き損ねたから捨てた…ってあれ嘘ですよね?あなたはそれに何かを書き佐野先生に託した。
令状を取れば先生に提出させることもできます。
(ノック)
(佐野)失礼します。
教誨の日ではないのに今日もいらっしゃいましたか。
ちょうどよかった。
先生にお聞きしたいことが…。
ダメだ!あれ絶対見せちゃダメだ。
は?あなたに渡した手紙のことを言っています。
こいつら令状とかなんとか言って先生からあれ無理やり取る気だ。
江田さん落ち着いて。
体に障ります。
でもねあれだけは…。
大丈夫。
たとえ令状を示されても断ります。
そんなことできるのか?警察の押収を拒める職業の1つが宗教家です。
あっそうでした。
僕としたことがついうっかりしていました。
(米沢)浪岡の遺品にありました。
浪岡あての手紙ですか。
差出人は茂田早奈江。
(刺す音)
(茂田)ああっ…!
(米沢)浪岡が殺害した男性の奥さんです。
えっ?浪岡は彼女に謝罪の手紙を出し続けていたそうです。
失礼。
仮釈放をねらって離脱指導を受けたような男が…。
謝罪の手紙を出し続けたのも仮釈放を受けるための姑息な手段ですか?はい。
刑務官たちもそう思っていたようですな。
でも返事が来たんだ。
「私の夫を殺したことは絶対に許せません」「出所したら真面目に償うことを望みます」心の広い被害者遺族ですね。
それがそうでもないんです。
ちょっと失礼。
これいいですか。
あの…このメガネかけてもらえますか。
調べた結果鉛筆で番号が振ってある文字がありました。
消しゴムで消されてますがこうすると筆圧が浮かびこの番号どおりに文字を読むと…。
まず1。
「出所したら」…。
2。
「殺」…。
3。
「す」…「出所したら殺す」。
これが被害者遺族の本心なんでしょうかねぇ。
いえ番号を振ったのは被害者遺族ではないと思いますよ。
(米沢・神戸)えっ?少なくとも番号が振られたのは刑務官がこの手紙を検閲したあとのはずですから。
(市倉)「出所したら殺す」…。
こんなもの見逃すはずありません。
この手紙が届いた日の夜ではありませんか?は?浪岡が殺してやると叫んでいたのは。
あっそうです。
なるほど。
「出所したら殺す」それを見て逆に被害者遺族を殺してやると叫んだ。
この手紙が届いたのは仮釈放が取り消されたあとでしたねぇ。
ええ内縁の妻が偽者だとばれて。
それです。
なぜ偽者だとばれたのでしょう?保護観察官が再調査したんです。
匿名の告発文が来て。
告発文?ええ。
(茂田早奈江)浪岡が殺された件ですね。
ニュースをご覧になったんですね?殺した犯人は?はい今調べてます。
わかったら教えてください。
はい?犯人の罪が軽くなるためにできるだけのことをしなくてはなりません。
私の代わりに殺してくれたんですから。
神戸君。
はい。
浪岡からの手紙はこれだけです。
失礼。
すべて読まれたようですね。
茂田さんあなたから浪岡に手紙を出したことは?まさか。
念のため筆跡をとらせていただけますか。
筆跡鑑定の結果この手紙は茂田早奈江さんの筆跡ではありませんでした。
じゃあ誰かが彼女の名をかたって出した。
保護観察官に届けられた匿名の告発文はどうでした?問題はそれです。
保護観察官に届けられた告発文です。
浪岡が仮釈放の身元引受人に指定した内縁の妻は彼と同じ組員の妻です…そういった内容です。
あなたの筆跡でした。
どうやってこの事実を知ったんですか?その女を調査会社を使って調べました。
なるほど。
それで?偽装離脱っていうのを初めて知りました。
浪岡はやっぱり反省なんてしてなかったんです。
だから保護観察官に匿名で告発を?私…何か罪になるんですか?はぁ…被害者遺族には被害者遺族の執念ってのがあるんですね。
その被害者遺族の名をかたり浪岡に返事を出したのは一体誰でしょう?その手紙に「出所したら殺す」と番号を振れるのは刑務所内の人間ですよね。
番号が書かれたのは手紙が刑務所に届き検閲されたあと浪岡に渡されてからのはずです。
書いたのは浪岡の単独房に入れる人物。
しかし浪岡の房には普段は鍵がかかっています。
つまり江田も忍び込むのは難しいと…。
あっ佐野先生って浪岡に教誨を勧めてたんですよね。
ええそのたびに房に入っていたはずです。
事件の時も最後に浪岡の房にいたのは佐野先生。
先生に託した江田勉の手紙やはり知りたいですねぇ。
(非常ベルの音)あっどうしたんだろ?こっちだ!どうした!?江田!江田の房です。
(洋子)許さない!死ぬなんて許さない!ちゃんと償って!最後まで生きて償って!
(晴子)アンビュー!代わります!アンビュー開始します!点滴の準備入ります!345678…。
償って…。
(晴子)345678910!
(晴子)12345678…。
介護に行ったらシーツで首をつってて…。
(相田)どいて…!江田の房にこんなものが…。
刑務所で使用している封筒です。
「浪岡収造を殺したのは私です」「その罰を受けるため残りわずかな命を放棄します」
(石嶺)遺書…。
僕としたことがとんでもない思い違いをしていました。
(鐘の音)同じものを江田が持っていました。
浪岡さんが殺した男性の被害者遺族も持っていました。
(杉下の声)茂田早奈江さん。
お会いになったことがありますよね?誰が教会に通ってるかは守秘義務に当たります。
そうですか。
彼女はこちらに通っているのですか。
すみません。
これ以上は何もお答えできません。
茂田さんには浪岡殺しの動機があります。
もちろん彼女があの医療刑務所に忍び込むことは不可能です。
しかし佐野先生あなたならば可能です。
そしてあなたには彼女との接点がある。
これを捜査本部に話せば茂田早奈江さんは浪岡殺しの容疑者として捜査の対象になります。
やめてください!ええそんなバカな捜査をやめさせるために話してください。
どうやって会ったんですか?茂田早奈江さんに。
わかりません。
でも…。
(早奈江)私はクリスチャンではありません。
きっと主のお導きです。
どんなお悩みですか?私は…人を殺してしまうかもしれません。
恐ろしい考えです。
詳しく聞かせてください。
あの男が仮釈放されるってそう手紙に…。
落ち着いて。
あの男というのは…?浪岡という男です。
私の夫を殺した…。
(早奈江)私は…あの男が出所したら殺しそうです…。
(佐野の声)その時すでに私はあの医療刑務所で教誨をしていました。
当然すぐに浪岡さんがわかりました。
茂田早奈江さんは無関係です。
犯人は別にいます。
その容疑者が自殺未遂をしました。
江田さんです。
まさか…。
江田さんがどうして!?自分が浪岡さんを殺したという遺書を残して。
信じられない。
真実は佐野先生あなたの手の中にあります。
江田さんがあなたに預けた手紙の中に。
あれはお見せできません。
江田さんは回復次第医療刑務所で取り調べを受けることになります。
また目を盗んで自殺するかもしれません。
江田勉が佐野先生に託した手紙です。
そこにはもし自分があなたに殺されたら自分は情状酌量を強く願う…そんな内容が書かれています。
自分の死後公にしてほしいと告げたそうです。
彼は気づいていたのでしょうねぇ。
あなたが自分の殺した男性の被害者遺族だということを。
どうして…。
もしそうだとしたら彼の今回の自殺未遂はあなたをかばってのこと…。
その可能性が出てきます。
この刑務所の中で自殺をしてまでかばうのはあなたしかいません。
この手紙を見ればそれがわかってしまう。
だから…。
推測ですよね?私が浪岡さんを殺したというのは。
はい。
ですが…。
この手紙と照合するためにあなたの筆跡を採取する理由くらいにはなるんですよ。
あなたが書いたんですよね?いかがでしょう。
筆跡鑑定を待ちますか?この刑務所に勤めたのは復讐のためです。
(うめき声)これも罰なんだ…。
呼ぶな…!
(洋子の声)でも末期ガンの痛みに耐えながら罰を受けるようにして生きる江田を見たら…。
くそっ!ふざけんじゃねえぞこの野郎!
(洋子の声)江田と同じ人殺しなのになんの反省もなく偽装離脱という手を使ってまで仮釈放されようとした男を見ました。
とてもじっとしていられませんでした。
浪岡も江田のように苦しむべきだと思いました。
そうでなかったら被害者遺族は…。
浪岡こそ被害者遺族の恨みを知るべきなんです。
それでこの手紙を…。
手紙はこの刑務所に届き刑務官が検閲してから浪岡に渡されたはずです。
そのあとあなたは彼の房に入りすきを見て手紙に番号を振った。
その夜浪岡は再び手紙を見てそれに気づき…。
殺せるもんなら殺してみやがれ!
(石嶺)どうした浪岡!
(浪岡)俺のほうから殺してやるよ!
(揉み合う音)出所したらぶっ殺してやる!落ち着け!
(浪岡)離せー!離せー!
(洋子の声)私が出した手紙のせいでなんの罪もない人を危険にさらすことになってしまいました。
それもあなたと同じ被害者遺族を。
しかも浪岡はもうすぐ元の刑務所に移されいずれ出所してしまう。
あんな男出所させちゃいけない…そう思いました。
(洋子の声)それができるチャンスはあの夜だけ…。
(ガスの漏れる音)
(警報音)
(いびき)
(刺す音)
(浪岡)ああっ…!いつ知ったのでしょう?井上さんが被害者遺族だということを。
浪岡が殺される1週間前だ…。
(江田)これも罰なんだ…。
呼ぶなだから…。
許さない…。
絶対に許さない。
確かにそう聞いた。
だから遺族に手紙を出したいなんて言ったんですね?それで間違いないって確信した。
だから彼女に殺される覚悟もしましたか。
おかげで死を覚悟することができた。
末期ガンだってわかってもできなかった覚悟がね…。
不思議なもんだ。
死ぬ覚悟ができたら教誨っていうのを受けてみようっていう気になって。
(佐野)たとえそのままでも私は決して見ませんよ。
(江田の声)生まれて初めて人を信じてみようっていう気になった。
その時だ。
あんなことが起こったのは…。
(刺す音)
(江田の声)なんでそんなことをしたのか知らないけどきっと俺のせいだ。
俺が彼女を鬼にしちまった。
だから彼女の罪を背負って死のうとしたんですか?生まれて初めて神様ってやつを信じたよ。
俺に罪を償う機会を与えてくれたんだって…。
江田さんあなたの自殺未遂を救ったのは…。
わかってる。
その時彼女はこう言っていました。
(洋子)最後まで生きて償って!
(杉下の声)彼女のあの姿を見た時僕は思いました。
人の罪をかぶるという償い方は絶対にありえないのだと。
じゃあ…どうすりゃよかったんだ…。
どうすればよかったか…。
まだ考える時間はあるはずです。
もしかしたらともに考えてくれる人も…。
(ノック)
(風の音)2014/07/01(火) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒 season9[再][解][字]
「もがり笛」
詳細情報
◇出演者
水谷豊、及川光博 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
福祉 – 音声解説
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
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