ドラマ10 ハードナッツ!(4)「ラブレターと企業恐喝テロ」 2014.07.15

(テレビ)「今日の午後世田谷区の高齢者福祉施設やちよホームで水道水を飲んだ入所者13名が次々と体の不調を訴え病院に搬送された事件で警察は施設内の水道の蛇口に取り付けられていたサエキ浄水社製の浄水器『硬軟です』のカートリッジに刺激性の異物が仕込まれていたものと見て捜査を開始しました。
また今日夕方事件の犯人を名乗る人物から犯行声明文がマスコミ各社宛てに送られてきました」。
(犯人)「拝啓水がおいしい季節でございます。
皆々様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
このたび株式会社サエキ浄水様の浄水器を使われた方々が体調を崩され病院に運ばれましたが幸いどなたも大事にいたらなかったと聞き誰よりもほっとしているしだいでございます。
と申しますのもカートリッジに細工をいたしましたのはほかならぬこのわたくしだからでございます。
サエキ浄水様の浄水器『硬軟です』は従来の浄水機能に加え切り替えスイッチひとつで水が軟水にも硬水にも変わるという優れものです。
私はこの浄水器をもっともっと多くの皆様に知っていただきたいのです。
つきましてはこれからは今までのものに替えまして本物の毒を仕込ませていただくことにいたしました。
中身は変わっても味の方は全く変わりませんので皆様には今まで同様おいしい水をお召し上がりいただけるものと存じます。
なお警察の皆様方におかれましては大変な捜査のお手をわずらわしますことを重ね重ねお詫び申し上げます」。
くそ〜!バカにしやがって。
(小林)カートリッジに仕込まれていたのはカプサイシン。
とうがらしの成分で人体に直接の害はない。
ただしカートリッジは厳重に包装されて出荷されている。
これは素人に簡単にできる犯行じゃない。
(青山)つまり犯人は本気だ。
次は本物の毒物を仕掛けてくる可能性が高い。
被害者が出る前に必ず犯人を見つけ出せ。
(一同)はい!心の声
(くるみ)「あなたと出会ったあの日から私はあなたの事が好きでした。
今晩私は一人です。
研究室の鍵は掛けずに待っているわ。
どうぞ私を好きなようにしていいのよ」。
フフッ気持ち悪い。
心の声「あなたへの気持ちを50音の最初の2文字を使って表せと言われたら私はためらわず愛そう愛と答えるでしょう」。
当たり前か。
「計量文献学」。
はっ…そっか。
世界中の誰も気付いてはいないけれどこの世の中を動かしているのはいくつかの数式だ。
絵画や彫刻音楽そして文学の世界だって例外ではない。
センテンスの長さ形容詞の使用頻度読点の打ち方助詞の使い方全ては数値に置き換えられどんなに偽装しようとも書き手の特徴は必ずその数値に現れる。
それを解析しようというのが計量文献学だ。
かつて数学者や統計学者たちはこの計量文献学を使って「源氏物語」は本当に紫式部が書いたのかシェイクスピアは1人だけだったのか。
などという事を解き明かそうとした
「おおあなたはなぜロミオなの?」。
「こんな塀軽い恋の翼で乗り越えました」。
この計量文献学を逆に使えば究極のあらゆる男たちの心を揺さぶらずにはおかないラブレターを書く事ができる…はずだ。
何に使うのかって?ウフフ。
ある男を使ってちょっとした行動心理学の実験をしてみたいと思っているだけだ
はぁ〜。

すごい完璧だ。
究極のラブレター。
これをもらったらどんな人間もどんな人間も…。
あれ?えっ?
「硬軟です」…え…。
そんな…。

(伴田)君か。
どうした?伴田さん私…飲んじゃったみたいです。
何を?「硬軟です」の水…毒が入ってたみたいで…。
何!?
(サイレン)う〜ん…。
すみません伴田さん捜査で大変なのに…。
君は余計な心配をするな。
はい。
意外と優しいんだ伴田さんって
(テレビ)「先日3日に届いた声明文の犯行予告を受け昨年の発売以来爆発的なヒット商品となった『硬軟です』がスーパーや量販店から姿を消しています」。
(テレビ)「また同社の株価は大きく下落を続けており毒物混入事件が長引けば危機的な状況に陥る事が避けられないもようです」。
(佐伯)「この度は私どもの製品により皆様方に多大なるご迷惑をおかけ致しました事深くお詫び申し上げます」。
製品に関しましては検査体制の見直し等万全な安全対策を進めていく所存でございます。
犯人に心当たりはないんですか?全くございません。
私どもは常に法にのっとった健全な経営を心掛けてまいりました。
恨みを買うような覚えは全くございません。
(記者)内部犯行についてはどうですか?それも全くございません。
ん〜…ふわぁ〜。
あ〜よく寝た…はい。
えっここどこ?そっか。
水飲んでたら急にめまいがしてきて…。
あれ?気分爽快!何で?
もしかしてただの寝不足?
そういえば3日間寝てなかったしな。
やっぱ寝ないと駄目だな
おえっゴホッうっぷ…。
ゴホッゴホッ…ゴホッ。
ああお〜。
う〜。
科捜研に浄水器を調べてもらった。
君が飲んだ水には毒物は入ってなかったそうだ。
え〜?「ただの寝不足じゃないか」って病院の先生は言ってた。
え〜?よかった安心したよ。
エヘッ。
帰りは1人で帰れよ。
はい。
これ頂いたの。
どうぞ。
ありがとうございます。
どうぞどうぞはい。
(テレビ)「はいこちら文京区にありますサエキ浄水本社ビル前です。
警察の発表によりますと今日の午後回収された『硬軟です』の複数のカートリッジから致死量の毒物が検出されたという事です。
毒物の具体的な種類や成分に関する情報は今のところ出ていません」。
(舌打ち)この犯人のせいでこんな恥を…。
本当にこちらでよろしいんですか?ああ。
ちょっとそこで買い物して帰る。
お疲れさん。
お疲れさまでした。

(川上)遅い!どうして社長と連絡が取れないんだ?副社長!今朝ロビーのドアにこんなものが。
(犯人)「さてこの度貴社の社長佐伯隆弘様の御身柄をお預かりいたします次第と相成りました。
お返しいたします必要がございますればまことに勝手ながら手数料といたしまして金1億円をご用意頂きたくここにお願い申し上げます」。
(小林)「お返事は明朝の朝刊の尋ね人の欄で頂きたく存じます。
その際私の名は三郎ということでお願いいたします。
シアン化カリウムも余っております故今後は別の使い方も考えなくてはと思っております」。
くそ!
(青山)要するに社長を誘拐したから1億円出せ。
警察に言ったら命はない。
回りくどく長々と書き連ねているという訳だ。
毒物を入れたのと同じ犯人の仕業でしょうか?まず間違いありません。
この文章。
それに犯人はこの手紙の中で毒物の名前を正確に指摘しています。
これだけはどこの報道機関にも流していません。
本当に犯人に心当たりないんですか?えっ?これは外部の人間に簡単にできる犯行じゃない。
うちの社員にそんな人間は…。
ほう…。
刑事さん。
我々としてはこの取り引きに応じさせて頂きたいのですが。
もちろんそうして頂きます。
身代金受け渡しの現場は犯人確保の最大のチャンスですから。
いやしかしそれは…。
(小林)ご安心下さい。
我々も犯人に気付かれないよう万全の態勢で臨みます。
(小林)「10月10日朝連絡します。
準備よろしく。
三郎」。
確認よし。
社長の携帯からです。
読み上げて下さい。
「国道455号線に入り時速40キロでそのまま北上楓ヶ原公園前のバス停のベンチの下を見よ」。
出発しましょう。
メールを送ってきた携帯の位置は?すぐに電源が切られ分かりません。
間もなく目標のバス停に到着します。
すいませんすいません。
すいません。
あった。
「そのまま時速40キロで走行せよ。
一本松交差点の廃遊園地エデンの森の中でたぬきが待っている」。
スピードを出し過ぎないで下さい。
検問に引っ掛かったら全部水の泡です。
はい。
たぬきです。
たぬきがありました。
「待て」。

(ベル)「道なりに460号線に入り時速40キロで走行。
東堀之内の交差点を左折。
500m行った柵でこいが泳いでいる。
その下の空き缶の中を見よ」。
東堀之内の交差点。
ここを左折して500m先…。
見て下さい!下を455号線が交差して走ってます。
読めた。
犯人はここから現金を投げ落とさせるつもりだ。
「屋根にばつの付いた白いワゴンが見えたならバックを下の道に落とせ」。
白いワゴン車?白いワゴン車。
刑事さん。
ワゴン車見えたら本当にバッグ投げていいんですね?犯人の指示どおりにして下さい。
まだか…。
刑事さん来ました。
来ました白いワゴン車です。
来ました白いワゴン車です。
落とします。
かばん落とします。
川上さん落ち着いて。
刑事さんワゴン車が戻っていきます。
畜生。
どうした!?すいません気付かれました!バカたれ追え!どうなってるんですか?いや落ち着いて下さい。
バレちゃったんじゃないですか刑事さん。
落ち着いて。
(テレビ)「誘拐犯は身代金受け渡しに指定した地点に白いワゴン車で現れましたが身代金を受け取らず逃走。
現在もその足取りはつかめていません。
誘拐されたサエキ浄水の佐伯隆弘社長の安否も依然不明のままです。
一方サエキ浄水に送られていた犯人からの手紙の全文が先ほど警察によって公開されました」。
(犯人)「この度貴社の社長佐伯隆弘様の御身柄をお預かりいたします次第と相成りました。
お返しいたします必要がございますればまことに勝手ながら手数料といたしまして金1億円をご用意いただきたく…」。
君か。
もう体の方は大丈夫なのか?ゴホッゴホッ。
いえちょっとまだめまいがするんですけどでも心配しないで下さい。
それより警察が犯人を取り逃したというのニュースで見たんですけど伴田さん大変なんじゃないかなと思って。
分かってるならかけてくるな。
いやあのちょっと気になる事があるんです。
「計量文献学」…?はい。
人は文章を書く時どこかに必ず本人が気付かない癖が出てきちゃうんです。
例えば読点から読点までの平均の文字数。
それからK特性といって同じ単語を繰り返し使ってしまう割合。
それらを数値化して解析していくんです。
そうするとどんなに隠そうとも隠しきれない文章の指紋とでもいうべきものが見つけ出せるんです。
それを使って今まで送られてきた2つの文書を解析してみたんです。
これからはカートリッジに本物の毒を入れますという手紙と社長を誘拐しましたという手紙。
そしたら意外な事が分かったんです。
その結果がこれです。
びっくりしたでしょう。
え…何なんだ?これは。
え?あ〜間違えた〜!すみません。
これは後で好きな男の人にあげるつもりで…。
ウフフ。
思ったとおり動揺している。
まあいい。
今は事件の話だ
これです。
2つの手紙は別の人物によって書かれた可能性が高いんです。
あの慇懃無礼で持って回った言い回しはどう見ても一緒だろ。
2通目は1通目を誰かがまねして書いたんじゃないかと思うんです。
残念ながらそんなはずはない。
ニュースではわざと言ってなかったがどちらの手紙にも出荷前のカートリッジから見つかった本物の毒物の名前が正確に書かれていたんだ。
犯人じゃなきゃ知りえない情報だよ。
そうなんですか…。
そもそも文章を数学で分析しようなんていうのが無理な話なんじゃないか?でも海外では実際にこれが誘拐事件の犯人特定に役立ったりしてるんです。
伴田さんたちがここに来て5分くらいしたら向こうから犯人の白いワゴン車がやって来たんですよね?ああ。
犯人はなぜそんなに遅れたんでしょうか?早めに来て待ってたら怪しまれるだろう。
でも犯人は走る速度を指定したり目覚まし時計を使ったりして伴田さんたちがここに着く時刻を正確にコントロールしようとした訳ですよね。
なぜ肝心な時に5分も遅れて来たんでしょうか?犯人は最初から身代金を受け取るつもりはなかったんじゃないでしょうか?何?受け取ろうとしたんだけれども警察がいたため慌てて逃げたというふうに見せかけたかったんじゃ…。
何のために?さあ…それが問題なんですけど。
わざわざ危険を冒してまでそんな事する犯人はいないだろ。
警視庁宛てに犯人の友人を名乗る人物からタレコミがあった。
「サエキ浄水の佐伯社長が誘拐された件ニュースで知りました。
犯人は私の知り合いではないかと思っての情報提供です。
私が誰かは決して詮索しないで下さい。
荒川第3鉄橋近くに小さな小屋があります。
そこから時折うめき声が聞こえます。
もしかしたら佐伯社長はそこに監禁されているのかもしれません」。
行くぞ。
警察だ!
(佐伯)お〜い…う〜…。
うぐぐ…。
佐伯社長です!大丈夫ですか?けがはないですか?犯人の顔は見ましたか?以前うちに勤めていた従業員だ。
秋山…秋山修平という男です。
秋山さん。
(ノック)警察です。
ちょっとよろしいですか?秋山さん。
本部と救急に連絡!はい。
「犯人は私でございます。
半年前私は会社の金をほんの少しばかり使い込んだ事でサエキ浄水を解雇されました。
しかしながらお金はいずれ返すつもりでおりましたし十分に反省している者を解雇するというのはあまりに愛情がなさすぎるのではないでしょうか。
しかたなく私は会社を去る前にカートリッジのフィルターにこっそり細工をさせて頂いたのです」。
(小林)「どうやら私の事を告げ口した人間がいるようです。
もはや逃げきれないと思い死を選ぶ事と致しました。
最後はシアン化カリウムを私自身でのむ事と致します」。
う〜ん…。
秋山は生産ラインに乗る前のカートリッジ用のフィルターにあらかじめ細工をしておいたようです。
そのフィルターのついたカートリッジがいつごろ市場に出回るのかも分かっていた。
最初の方のフィルターにはカプサイシンを。
後の方のフィルターにはシアン化カリウムを仕込んでおいた。
そしてその製品が市場に出回る時期を見計らって手紙を送っていたんです。
犯人は秋山に間違いないんだろうね?はい。
部屋にあった毒物もカートリッジに仕込まれていたものと一致しました。
当社の元従業員秋山修平は半年前当社の金を横領し解雇されました。
今回の事件はその事を恨みに思っての事でございました。
消費者の皆様方には大変なご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。
これからも「硬軟です」をよろしくお願い致します。
(テレビ)「事件解決を受け『硬軟です』が店頭に戻りサエキ浄水の株価は持ち直して上昇に転じています」。
犯人の友人といわれる人から警察に送られてきた手紙と秋山さんの部屋に残っていた遺書を前の文書と一緒に解析してみたんです。
これを見て下さい。
あっすみません!また間違えました。
こちらです。
わざとやってないか?いいえ。
そんなに気になりますか?要するに何だ?いいですか?最初に送られてきたのがこれからはカートリッジに本物の毒を入れますという脅迫の手紙。
そのあとが佐伯社長を誘拐しましたという手紙。
そのあとが社長の居場所を警察に知らせる手紙。
最後が秋山さんが残したとされる遺書。
普通に考えたら…。
1と2と4が犯人の書いたもの。
そして3だけが別の人が書いたものという事になりますよね。
でも4つの文書を解析した結果1だけが別の人が書いた文書そして234が同じ人の書いた文書という事になったんです。
なぜだ?1は恐らく秋山さんが書いたものだと思うんです。
そのあとで誰かが社長を誘拐しその居場所を警察に知らせ秋山さんのふりをして遺書を残した。
何だってそんなバカな事を?それが分からないから伴田さんを呼んだんです。
この事件やっぱり何かあると思うんです。
事件はもう解決したんだ。
君は余計な事を考えるな。
一応解析したデータ持っていって下さい。
あ間違えた。
秋山さんの人柄について教えて頂けますか?そんな悪い事をする人とはね…。
休みの日も野球やったりとかしてもうみんな「信じられない」って言ってますよ。
それはプライベートでも?そうですね。
あ刑事さん。
秋山の事件について調べてるんですよね?あの少しお話ししたい事が。
秋山はもともと会社の不正を内部告発しようとしてたんです。
うちの会社龍闘会って暴力団がバックにいていろいろと…悪い事をやってました。
で会社側は無理やり秋山が横領してたっていう証拠をでっちあげて彼を解雇したんです。
それを知って黙ってるんですか?いえ全くです!秋山が死んでしまった今証拠は何もありません。
それに会社ににらまれたら私もどうなるか…。
解けました。
(権堂)「今後こういった事件が起こった場合に備えて政府に法的整備を急がせるとともにサエキ浄水を含めて企業のトップの方々に直接会って私のアドバイスをしていきたいとかように思っております」。
(板東)まあそんな荒っぽい事しないようにな。
はい。
(板東)まあよろしく頼むわ。
分かりました。
失礼します。
(板東)おお伴田。
飲むか?いや勤務中なんで。
フフフ…。
しかしお前が刑事とは世も末だな。
ちゃんとやってんのか?当たり前じゃないですか。
それより龍闘会について何か聞いてませんか?相変わらず俺たちの商売の邪魔ばかりしやがる。
それに最近かなり羽振りがいいらしいな。
ああ。
例のあの浄水器の事件あったろ?あいつらあれで大もうけしたらしいんだよ。
事件が起きてサエキ浄水の株が下がった。
やつらその時にその株買い占めたんだよ。
そして犯人が自殺して株価が戻った時に全部売り抜けた。
やつらは事件がいつ解決するか事前に知っていたって事ですか?多分な。
板東さんちょっと頼みがあります。
龍闘会を潰すチャンスかもしれませんよ。
あ伴田さん。
君の勘は正しかったかもしれない。
誘拐事件を仕組んだのは秋山とは別の人間だ。
その事でしたら私今からサエキ浄水の社長と会って話を聞く事になってるんです。
うちの大学の権堂教授の使いだって言ったら会ってもらえる事になって。
バカなまねはやめろ!伴田さんには迷惑をおかけしないようにうまくやりますから。
おい!あすいません。
お待たせしました。
しばらくお待ち下さい。
はい。
こんなとこに残しておく訳ないか。
えいとの8と1123の組み合わせ?フッいやいや。
まさかまさか。
この5桁の数字の組み合わせは60通り。
という事は60回試してみれば。
フッフッフッフッフッフ…。
あ〜。
こんな単純な人はごみ箱に入れただけでファイルが削除されると思いがちですがいやいやまさかまさか…。
フフフフフ…やっぱり。
全部社長が書いたものだったんだ。
(佐伯)何をしているんだね?
まずい…。
まずいぞこれは
はあ…。
パスワードを解除されたあげくごみ箱までのぞかれたら誰だっていい気はしませんよねお嬢さん。
本当に申し訳ありませんでした!お忙しそうなので今日はこれで。
浦賀造船所の海に突き落としましょう。
あそこなら事故で足を滑らせたように見えます。
(佐伯)あそこで大丈夫か?夜は人けがないので問題ありません。
(佐伯)すまんな。
よろしく頼む。
はい。
あの…。
何か?初音署の伴田です。
ついさっきここに東都大の女子大生が来なかったでしょうか?見えてませんが。
そうですか。
君ね私は忙しいんだ。
話があるならきちんと上を通してもらいたい。
秋山修平さんを殺したのはあなたですね。
何?秋山さんは半年前会社の不正を内部告発しようとしていた。
あなたは横領の罪をでっちあげて彼を解雇した。
秋山さんは今回それを恨んであなたの会社の製品に細工をした。
あなたは秋山さんが犯人である事はすぐに察知した。
しかし秋山さんが捕まり本当の事をしゃべられてしまうとあなた自身の身が危うい。
だから自らの誘拐事件を仕組み秋山さんをその事件の犯人に仕立て上げたあげく自殺に見せかけて殺したんだ。
身代金要求の手紙を書いたのもタレコミの手紙を書いたのも秋山さんの遺書を書いたのもあなただ。
何をバカな。
あんたは以前から会社とつながりのあった龍闘会がいた。
あんたは龍闘会にいつ事件が解決するかを教えて巨額の利益を上げさせてやるのと引き換えに秋山さん殺害に協力させたんじゃないですか?証拠はあるのかね?いいえ。
全部私の推測です。
フフフフフ…フフフ…。
そんな事だろうと思った。
君の事は捜査一課長の青山君にきっちりと報告させてもらうよ。
分かりました。
そうまでおっしゃるんだったら私の勘違いだったんでしょう。
お邪魔しました。
嫌だ〜離して離して下さいよ!黙れっつってんだろ!プップッ!うわ汚ねえ!ああ〜!ああ〜!うるさいおら!
ここは?あっそうか。
私殺されてしまったんだ
私のロミオに出会う事もなく死んでしまうとは…
くるみ!伴田さん。

こ…このシチュエーションは…
え?伴田さん?あイタッ!ちょっとちょっと…。
え?伴田さん?大丈夫か?伴田さん。
え?ここで待ってろ。
はい。
(佐伯)どうだ?女子大生無事に始末したか?残念ながら失敗しました。
何?お前らに今回の事でどれだけもうけさせてやったと思ってるんだ。
女子大生の一人や二人…。
フフッ…。
お前誰だ?さっき会ったじゃないですか。
初音署の伴田です。
あなたの今の言葉全部録音させて頂きました。
どうしてお前がそこにいるんだ?私の知り合いに龍闘会を快く思っていない連中が大勢いましてねひそかに動きを監視させてたんですよ。
そしたらちょうど女子大生を連れ出して殺そうとしてるところに出くわしたらしくて。
あんた…もう終わったね。
これの使い方はお任せします。
ん?いいのか?せっかくの手柄なのに。
板東さんとの関係がバレたらこっちの身が危ういですよ。
ハハハハ…そりゃそうだ。
(くしゃみ)佐伯社長が犯人だったとはね。
龍闘会と対立する連中からタレコミがあったんです。
申し訳ありません。
危うく真犯人を逃すところでした。
ま結果オーライという事で。
これで龍闘会も一網打尽にできる。
伴田さんなら気付いてくれると思ってました。
この数字ごとに文字を読んでいくとメッセージになってるんです。
うらがぞうせん。
分かる訳ないだろこんなもの。
フフッとぼけないで下さいよ〜。
だったら何で私がいる場所分かったんですか?どうでもいいだろそんな事は。
それよりこれ。
絶対に渡さない方がいいと思うよ。
えっ?
もしかして嫉妬?
じゃあ。
心の声「大切なあなたへ。
私にとってあなたは精力満点の栄養ドリンクのような存在。
いえ誤解なさらないで下さい。
精力満点といっても今とっさにあなたが想像したようなふしだらな意味で申し上げたのではありません。
こんな私の気持ちを愛と呼ぶべきなのでしょうか?それにはまず愛という言葉を定義しなくてはなりません」。
2014/07/15(火) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
ドラマ10 ハードナッツ!(4)「ラブレターと企業恐喝テロ」[解][字]

水道水の浄水器のカートリッジに異物が混入され、多くの被害者が出るが、犯人から「次は毒物を混入する」との脅迫状が届く。くるみ(橋本愛)はその水を飲んでしまうが…。

詳細情報
番組内容
水道の浄水器カートリッジに異物が混入され、多くの被害者が出るが、犯人から「次は毒物を混入する」との脅迫状が届く。そのカートリッジの水を飲んでしまったくるみ(橋本愛)は、意識が薄れるなか伴田(高良健吾)に助けを求めるが、倒れたのは寝不足が原因だった。同日、被害会社の社長(目黒祐樹)が誘拐される。犯人に恥をかかされたことを憤るくるみは、ニュースで流れる身代金要求の脅迫状の文章に、ある違和感を感じる。
出演者
【出演】橋本愛,高良健吾,勝村政信,矢島健一,波岡一喜,目黒祐樹
原作・脚本
【作】蒔田光治
音楽
【音楽】和田貴史,橘麻美

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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