PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜 #03 2014.07.15

(金田一)あんただわ。
幸運の女神。
僕会社の情報漏えいなんてしてませんから。
(統一郎)残念ながら君の疑いは晴れなかった。
(財前)昇格の話がある。
(彩矢)専務に何言われたんですか?
(模合)もう…。
部長じゃない。
(彩矢)私も懲戒解雇になったんです。
(金田一)ホントに悪いことしたんですかね?彼女も俺も。
(両太)はいどうぞ。
(佐倉)この三日月は山中鹿助幸盛。
(彩矢)あの。
これ私のなんですけど。
(佐倉)ラーメン2つじゃ足りねえだろ?好きなもん注文しな。
(貫太)マジで!?
(両太)僕チャーハン。
(金田一)いや。
ちょっと待てって。
(貫太)そうだよ。
そんなさ飯物なんていらねえから肉食え。
(金田一)いや。
そういうことじゃないって。
何でいきなりおごってくれるんすか?
(佐倉)これくれりゃあな。
(彩矢)ご存じなんですか?
(佐倉)山中鹿助幸盛。
(佐倉)戦国武将シリーズは初代から最新のバージョン8まで全部集めてる。
(貫太)いくらでもあげるよ。
(両太・貫太)どうぞ…。
あげる。
(彩矢)はっ!?ちょっと。
これ私にくれるって言ってなかった?
(貫太)だってあんたがおごれんのってラーメン2杯だけだろ?
(貫太)こっちにあげた方が全然お得じゃん。
なあ?
(両太)僕やっぱり空揚げ。
(金田一)いいとこいくね空揚げ。
(金田一)空揚げ。
油物。
(彩矢)金田一さん…。
金田一さん。
(彩矢)お願いします…。
これはもう諦めて。
(彩矢)お願いお願いお願い…。
諦めて。
あんたは?うわー。
キムチチャーハンまである。
えっ…。
(貫太)どうしたの?
(両太)金田一。
どうしたの?すいません。
俺食い物いいんで。
(貫太)はっ?雇ってもらっていいっすか?
(佐倉)そいつは剥がし忘れだ。
いやいやいや。
バイト代安くていいんで。
じゃなかったらこれあげらんないっす。
これは。
(貫太)金田一。
お前ふざけんなよ。
何だよ。
(彩矢)ちょっと。
これ私がもらう約束…。
うるせえな!なりふり構ってらんねえんだよ。
どうっすか?親父さん。
あっ。
ヤバい。
これ首取れちゃう。
(彩矢)駄目駄目駄目。
取れちゃう取れちゃう。
のぶ。
あっのぶさん?仕方ねえな。
あっ。
マジっすか?
(彩矢)ちょっちょっちょっ。
(貫太)ちょっ。
おごりおごり。
(彩矢)ああ!?やった!やった!よし!バイト決定。
(貫太・両太)金田一!おごりどうすんだよ!?鹿助すげえ。
(貫太)おい!よっしゃ!なあ?怒んなよ。
バイト代出たらちゃんと飯おごってやるから。
(貫太)焼き肉だぞ焼き肉。
高えやつ。
分かった。
んなことよりお前俺は今日で日銭稼ぎから卒業だから。
(かしわ手)ありがとうございます。
(両太)いっつも500円ぎりぎりだったしね。
うるせえ。
(彩矢)家賃としては格安だと思うけど。
(貫太)つうかさ姉ちゃんマジでうちのアパート来んの?
(彩矢)えっ?部屋がないってどういうことですか?
(一厘)どうもこうもあんたいっぱいなんだよ。
(貫太)何いまさら驚いてんだよ?いや。
普通あるって思うだろ。
どうすんだよ?この姉ちゃん。
(両太)金田一の部屋。
(一厘)あっそうそう。
犬でも猫でも拾ってきたやつが責任取ると。
いや。
相手女ですよ。
(一厘)ヘヘッ。
いいんじゃないの?本人がよければ。
(彩矢)ここに?2人で?そう。
うん。
無理です。
だよね。
(一厘)はい。
・「私幾つでも私誰でも」
(彩矢)あの。
ウエットティッシュですけど。
(一厘)うちは風呂なしだからね。
(一厘)結構すっきりするよ。
あ痛て。

(貫太)金田一。
早く。
・うるせえよ。
まあ早く抜け出したいと思うなら気ぃ張ってるってこった。
なじむと流されちまうからね。
フフフ。
・よっしゃ。

(貫太)ちゃんとしっかり…。
ここも真っすぐでいいよな?
(貫太)うん。
そうそう。
OK。
よいしょ。
ああ。
一応これ作ってみたんで向こう側どうぞ。
(彩矢)どうも。
(貫太)風呂?
(彩矢)風呂じゃないし。
何?風呂って。
(貫太)ってかさあのラーメン屋さんホントにバイト代くれんの?何かあんまり繁盛してなさそうだったし。
いや。
お前心配すんなって。
ちゃんと稼いでおごってやるから。
(貫太)いや。
でも焼き肉食べるためには最低1万円は必要だな。
最近見てねえしな。
福沢諭吉。
っていうかさお前らさここに1万あったら何に使う?
(貫太)1万円!ハハハ。
何に使う?
(両太)僕ラジコン買う。
金田一は?ラジコンなぁ。
俺?俺迷うな。
1万あったら大抵のことできるしな。
(彩矢)あの!痛っ。
何?これ。
何かこの生活にずいぶんなじんでるみたいですけどそれでいいんですか?それでって?
(彩矢)私たちは不当解雇されたんです。
それに事実を知ってる模合さんは口をつぐんで出世までしてます。
悔しくないんですか?まあ色々事情があるんじゃないの?それに俺あの人のこと嫌いじゃないし。
(彩矢)何すか?それ。
だいたいあの人は…。
それよりさ二階堂さんは今ここに。
ヘヘッ。
1万あったら何に使う?
(彩矢)えっ?
(貫太・両太)何に使う?1万。
(貫太・両太)1万1万1万…。
(彩矢)あの!1万円ではしゃぐほどお気楽じゃありません。
おやすみなさい。
(貫太)怖っ。
(徳子)統括本部長昇進おめでとう。
(奈美)おめでとう。
(模合)ありがと。
ありがと。
(徳子)乾杯。
(奈美)おめでとうパパ。
(奈美)私見直しちゃった。
(徳子)こんなもんじゃないわよパパは。
これからどんどん出世コースに乗っていくんだから。
(奈美)おおー。
(徳子)地味にさまっとうにやってきたかいがあったわね。
(模合)そうだね。
(徳子)あっ。
しょうゆがない。
(模合)しょうゆがないね。
おはようございます。
のぶさん。
今日からよろ…。

(社員)榎本おはよう。
(榎本)おはようございます。
(榎本)おはようございます。
模合部長。
(模合)おお。
おはよう。
(榎本)あっ。
すいません。
今は統括本部長ですよね。
(模合)いや。
いやいやいや。
いいいいいいんだよ。
部長で部長で。
全然部長で。
あっ!?
(落ちる音)終わりました。
次は何…。
(佐倉)買い出し。
はい。
後は長ネギ2。
(従業員)ご来店の皆さまお待たせいたしました。
本日は野菜。
野菜のタイムセール…。
危ねえな。
何考えてんだ。
(従業員)どれも一袋100円。
100円です。
長ネギダイコンニンジンと…。
長ネギ!?
(従業員)さあ各種野菜ゲートイン。
係員離れてタイムセールスタート。
さあまずいいスタートを切ったのは1枠のニンジン。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
長ネギ。
長ネギ。
長ネギ。
長ネギ長ネギ。
長ネギ。
(女性)よいしょ!痛い痛い痛い痛い!?痛い痛い痛い痛い。
(従業員)男性頑張れ。
取れよ!サボってねえで!
(従業員)さあ長ネギか?ゴボウか?
(社員)聞いた?経理の二階堂さんの話。
(社員)あっ。
また情報漏えいでしょ。
(社員)そうそう。
それで社員寮即行追い出されたって。
(社員)でもあれぬれぎぬっていう噂もあるみたいだけど。
(佐倉)無理して食わなくていいぞ。
いや。
賄い付きはすごい助かるんで。
はい。
それにしてもお客さん来ないっすね。
うちはいつもこんなもんだ。
(財前)まったく迷惑な話だよね。
つまらない噂が出回るのって。
(模合)アハッ。
まったくです。
はい。
(財前)さあさあ。
うなぎうなぎ。
もしもし。
ああ。
ああ。
それは急ぎなのか?分かったよ。
悪いがうなぎは今度だね。
模合君。
ああ。
お気遣いなく。
次の機会楽しみにしております。
(財前)はいはい。
はいはい。
はいはい。
はい。
はい。
うん。
で何なんだよ?うん。
うん。
うなぎの前に言えよ。
いいから。
あっ。
こんにちは。
(女性)ここ?
(女性)ああ。
違う違う。
こんなとこじゃない。
あっちあっち。
あっ?
(従業員)お待たせしました。
あっちから2名さまどうぞ。
いつもありがとうございます。
ありがとうございます。
あの。
ここってうまいんすか?
(男性)ああ。
まあまあだよ。
値段も安いし。
ほら。
ああ。
すいません。
(女性)ちょっとすいません。
(女性)割り込みしないでほしい…。
してねえよ。
あの。
そこの青春軒だったらすぐ入れますけど。
(男性)ハハハ。
あの店は駄目だよ。
昔はかなりうまかったけど今親父さんが全然やる気なくてさ。
ああ。
そうなんすか。
よく知ってますね?昔はよく行ったんだよ。
ああ。
そうなんすか。
青春軒どうですか?
(2人)行きません。
(模合)金田一と一緒に?
(彩矢)先日お話しした古くて狭いアパートに。
話していただけませんか?模合さんが知ってること。
(模合)何のこと?
(彩矢)とぼけないでくださいよ。
金田一さんと私が解雇されたのには何か裏があるんでしょ?
(模合)何も知らないよ私は。
(彩矢)出世を盾に口止めされてるのかもしれないですけどこういうことは放置すべきじゃありません。
それに今度は模合さんが解雇される側になるかもしれない。
(模合)悪いが君の役に立つことはできないよ。
ホントに私は何も知らない。
それに会社の決定に逆らう気もない。
金田一にそう伝えてくれ。
(彩矢)金田一さんは模合さんを信じてます!・
(萌)みんな今日は来てくれてホントにありがとう。
アリーナの皆さん。
私の元気届いてますか?
(萌)デビューから2年。
みんなと一緒に歩いてきて…。
(一厘)おおおおおお。
ちょうどよかった。
はい。
これ。
(彩矢)えっ?何ですか?これ。
(一厘)廊下と便所の掃除。
あのバカと一緒にね。
(彩矢)あの人誰ですか?
(萌)それでは聴いてください。
富沢萌のデビューシングル『八百屋でグー!』
(一厘)ああ。
(萌)あっ!何するんですか?会場のみんなも盛り上がってたとこだったのに。
会場のみんな?
(一厘)脳内コンサートだってさ。
(萌)今日は初めてのドームだったんです。
(彩矢)えっ?ド…ドーム?ドームってここドームじゃないし。
(萌)あっ。
(彩矢)えっ?
(萌)ああ。
カワイイ!私とユニット組みません?
(彩矢)はっ?
(彩矢)《金田一さんは模合さんを信じてます!》
(榎本)うなぎと仕事どっちが大事なんすかね?
(社員)お前お前お前お前。
ちょちょちょちょ。
いたらどうすんだよ?お前。
(社員)大丈夫?
(榎本)いや。
大丈夫っすよ。
(社員)いや。
模合さんってさやたら新社長と財前さんに気に入られてんだよな。
(社員)模合さんあの実力であのポストはないよ。
(榎本)っていうか模合さんめっちゃ影薄いっすよね。
(社員)薄いね。
(社員)薄いよなぁ。
(男性)1,000円置いとくよ。
ちょうどです。
ありがとうございます。
ありがとうございました。
(貫太)うーん。
普通だな。
(両太)一味足りないね。
偉そうに言ってんじゃねえよ。
(貫太)今日でこの店客2人目だ。
(両太)人気ないんだねこの店。
聞こえんだろお前。
今日もう閉めんぞ。
えっ?でもまだ時間全然ありますよ。
あの。
のぶさん。
あっ。
あしたは本気のラーメン作ってもらっていいっすか?
(佐倉)何で?いや。
客は俺が連れてくるんで。
(佐倉)のれん下げとけよ。
(貫太)つうか金田一。
今日の家賃500円どうすんだよ?あっ。
なあ?なあ?なあ?バイト代出るまで待ってもらえねえのかな?
(両太)お姉ちゃんに借りたら?あの人ちゃんとしてるっぽいし。
お姉ちゃん?・
(萌)1・2・3・4・5・6・7。
バン。
(両太)あっ。
(萌)こういうのとかこういうのもあるんです。
路上アイドルね。
(萌)こういう衣装で生ポラ売ると結構いいお金になるんですよ。
彩矢さんなら1万はいくと思って。
1万!?えっ?これ売るだけで1万もらえるの!?
(彩矢)売らないですからもう。
恥ずかしいから。
いやいや。
恥ずかしいとか言いながらすごいよこれ。
決め決めで撮ってて。
(彩矢)もうほっといてください。
ああ。
もう。
あーあ。
(萌)これもカワイイ。
ねえ?
(彩矢)うん?ちょっと手伝ってほしいことあんだけどいい?
(彩矢)えっ?
(貫太)こんなもん効果あんの?何にもやらないよりましだろ。
(彩矢)あの。
私に何か手伝えっていうのは?えっ?ああ。
ビラ配り。
さっきの格好で配ってくれればすげえインパクトあるし。
(彩矢)はっ?ちょっと。
冗談やめてくださいよ。
(両太)でも似合ってたよ。
なあ?スタイルもいいじゃんな。
(両太・貫太)うんうん。
(彩矢)そういう問題じゃなくて。
私忙しいから。
それに今だって前の会社に復帰して前みたいな生活に戻ろうと思ってるし。
それかなり厳しいんじゃない?いや。
もちろん社内の人間の協力が必要ですよ。
今日だって模合さんに会ってきたし。
模合さん何て?あの人最低ですよ。
会社に逆らう気はないって。
あの人金田一さんが思ってるような人じゃありません。
金田一さんも直接会って何か文句の…。
今やらなきゃいけないのはこっち。
《本気のラーメン作ってもらっていいっすか?》
(佐倉)ううっ。
ああ。
青春軒をお願いします。
ラーメンおいしいです。
青春軒お願いします。
あの。
ラーメン。
青春軒。
あの。
すごくおいしいんで。
(生徒たち)怖い。
怖い怖い。
いや。
怖くないし。
全然。
ありがとうございます。
(女性)よろしくお願いします。
青春軒ラーメンおいしいです。
どうぞ。
青春軒お願いします。
青春軒お願いします。
あっ。
模合さん。
びっくりした。
(模合)仕事始めたのか?ええ。
昨日から。
バイトですけど。
ああ。
お願いします。
でも店ぼろぼろだし人も全然入ってないんすけどね。
(模合)大丈夫なのか?うーん。
まっ大丈夫ですよ。
うちののぶさんっていう人今は全然やる気ないみたいなんですけど。
腕は確かみたいだし。
まあそのうち立て直します。
じゃああの。
これ戻ります。
金田一。
はい。
何か言いたいことあるんじゃないか?ああ!そうだ。
昇進おめでとうございます。
いや。
おめでとうって。
今度うちでお祝いさせてくださいよ。
あんまりお金無いんで大したごちそうできないっすけど。
フフフ。
じゃあ青春軒よろしくお願いします。
青春軒よろしくお願いします。
(統一郎)彼元気そうですね。
(模合)社長!?今日ちょっと付き合ってもらえます?・青春軒よろしくお願いします。
お願いします。
のぶさん。
今日は大忙しになると思うんでよろしくお願いします。
おかしいなぁ。
もうちょっとしたらどどーって来ると思うんで。
そのときはもうお願いします。
ビラなんざ無意味だよ。
(模合)ご無沙汰をしてホントにあの。
申し訳ありません。
(林部)ご出世されてお忙しいでしょう。
(模合)いえ。
(林部)前はよくお仕事ご一緒にしましたね。
林部社長にはホントにずいぶん助けていただいて。
(林部)ミラクル魔法瓶さんは先代のころからうちの一番の取引先ですから。
(統一郎)そろそろ本題に入ってもよろしいですか?
(林部)あっ。
すいません。
今日こちらに伺ったのは今後の取引を見合わせることをお伝えするためです。
(模合)社長?
(林部)どういうことでしょうか?
(統一郎)ことしに入ってから御社の業績は落ちています。
古くからの付き合いとはいえ経営状態に不安のある会社との取引を継続するのはリスクがありますから。
ではそういうことで。
行きましょう模合統括本部長。
はい。
(林部)お…お待ちください。
あの。
今ミラクル魔法瓶さんに切られたらわが社はおしまいです。
コスト面なら。
あの。
見直します。
どのような条件でも構いませんから。
(統一郎)決定は変わりません。
ご理解ください。
(模合)社…。
(林部)模合さん。
模合さん。
もうやめてください。
ねっ?
(林部)模合さん。
(模合)社長。
なぜ私に同行を?あなたに私のやり方を理解してもらうためです。
今の時代自分の身を守るためには相手の改善を待つよりも切り捨てた方が早い。
人であれ取引先であれ情に流されていては共倒れするかもしれませんからね。
分かってくれると信じてますよ。
模合統括本部長。
(榎本)うん。
(榎本)金田一さん。
いまいちですね。
痛っ!はっきり言うなよ。
(榎本)やめてくださいよ。
電話一本で呼び出されてこうやって食べに来てるんですから。
っていうか何で一人で来てんだよ?いっつも一緒にいるやついんだろ。
あの石みたいな顔したやつとか。
社内じゃ金田一さんの名前出せませんもん。
あっそっか。
(榎本)あと何か新社長になってから雰囲気良くないんですよね。
何か業績業績ってすごいうるさいんですよ。
あともう噂と陰口のオンパレードです。
うん。
大変そうだな。
(榎本)模合部長もせっかく出世したのに評判悪いんですよ。
何で?
(榎本)えっ?だってもう社長と専務の腰巾着ですよ。
お前が陰口たたくなよ。
(瑤子)あっ。
(瑤子)あっあの。
(彩矢)はい。
(瑤子)このアパートの方ですか?
(彩矢)えっ?まあ。
(瑤子)ここにふみ君じゃなくて。
金田一さんって方は住んでますか?あっ。
はい。
(瑤子)ホントにここに?
(彩矢)今バイト中だと思いますけど。
バイト?
(彩矢)あっ。
よかったら場所教えましょうか?
(瑤子)あっ。
ちょちょちょ。
ちょっとちょっと。
あの。
(彩矢)えっ?
(瑤子)あの。
あの。
あっ。
金田一さんのことよくご存じみたいですけど。
(彩矢)あっまあ。
あっ。
もともと同じ会社だったんですよ。
っていうかあの人のせいで私までここに住む羽目になっちゃって。
今では同じ部屋で生活してますから。
同じ部屋!?
(彩矢)はい。
っていうかえーっと。
あなたは?彼女です。
ふみ君の。
えっ?
(瑤子)失礼します。
(彩矢)あっいや。
あっ。
ちょっと!うわっ!
(一厘)ヘヘッ。
ちょっとした修羅場だね。
ウフフフ。
ちょっと。
もう変なこと言わないでくださいよ。
(彩矢)こんばんは。
あっすいません。
もうお店…。
あっ。
あっ?どうしたの?
(彩矢)いや。
あの。
さっき金田一さんの彼女だっていう人が訪ねてきて。
瑤子ちゃん?えっ?ひょっとしてあのアパート見ちゃったの?
(彩矢)はい。
あっ。
でもバイトでいないって言いましたけど。
言っちゃったの?
(彩矢)はい。
ああー。
会社に戻れるかもしれないって俺言ったんだよなぁ。
何かちょっとだけ誤解されちゃったかもしれなくて。
誤解?
(彩矢)はい。
とにかくフォローしといてくださいよ。
それは仕事がどうにかなったらの話。
今日はどうでした?何が?
(彩矢)仕事。
ああ。
ビラ配りの効果全然なし。
この店マジでヤバいかもしんない。
ふーん。
あっ。
この店の仕入れ伝票とか売上票とかあります?何で?
(彩矢)いや。
会計で整理ができるところがあるかもしれない。
これやってくれんだ。
これ。
これこれ。
ちょっ待って。
のぶさん。
のぶさん。
(佐倉)うん?すご腕の経理がこの店のこと心配してくれて会計のチェックやってくれるって言うんすけど。
あっ。
あとあの。
これを機に仕入れの見直ししたらどうっすかね?安くてもいい食材使ってうまいラーメン作ればお客さんだってがんがん来ると思うんですよ。
あしたから来なくていいよ。
えっ?
(佐倉)お前さんみたいにやる気のあるバイトはいらねえ。
(佐倉)金やるからさっさと辞めちまいな。
辞められないっす。
まだ客呼べてないですし。
のぶさんが作ったうまいラーメン食ってないっすから。
こないだのぶさん金もらえりゃ一緒だって言ってましたけど。
いや。
俺思うんすけど。
せっかくだったら客が「うわー。
食った。
うまかった」って笑って帰れるようなラーメン作った方がよくないっすか?のぶさん。
作ってくださいよ。
あの。
「いや。
もう食い過ぎた」ってみんなが言うようなラーメン。
のぶさん。
のぶさん?あれ?のぶさん!ちょっ。
どうしたんすか?大丈…大丈夫っすか?ねえ?電話電話電話。
電話!
(彩矢)電話電話電話。
救急車!
(彩矢)救急車。
はい。
のぶさん!のぶさん!あっ。
のぶさん。
大丈夫ですか?
(彩矢)ここ病院ですよ。
いや。
でもホントびっくりしましたよ。
いきなり倒れるんですもん。
最初は屋台やったんや。
えっ?40のとき脱サラして店始めた。
あのころは日本一のラーメン屋にするとか息巻いてな。
青春軒なんて恥ずかしい名前付けてしゃかりきにやってた。
(佐倉)店構えて何年かは客足も絶えんでな。
俺の作ったラーメンうまいうまいいうて食うてくれる客の顔見んのが何よりの幸せやったんや。
(佐倉)でもその一番ええ時期に体壊して店閉めることになってしもた。
無理の利かん体でまた店開けたはいいが隣には威勢のええ別の店ができててな。
閑古鳥は鳴く。
仕入れには事欠くでしまいには夢もやる気も何もかもうせてもうてた。
世の中どうしたってうまいこといかんってことはあんのや。
(佐倉)未練たらしく続けてきたけどあの店も潮時や。
お前さんには悪いがまた別の働き口探してくれ。
じゃあこのまま店閉めるんすか?最後の最後にのぶさんの本気のラーメン作ってもらえませんか?お願いします。

(一厘)何してんだい?えっ?いやあの。
はさみをちょっと借りようと思って。
はい。
後でちゃんと返しなよ。
すっげえなあの人。
(彩矢)何やってるんですか?あっ!まただ。
ねえ?これいる?はい。
何のセンサーなの?これ。
えっ?いや。
またビラ作りですか?だってあの店ってもう。
最後の最後にさお店をお客さんでいっぱいにしてあげたいじゃん。
でも俺にできるっつったらこれぐらいしかないし。
ふーん。
何でそんなに頑張るんですか?何でって?うん。
だってあの店って関わったのってここ最近ですよ。
それにバイト代だってちゃんと出るかも怪しいし。
何で?分かんねえ。
・ねえ?あのさ。

(彩矢)はい。
・何もすることないんだったらさ。
あっ。
おかえりなさい。
(佐倉)これ奇麗なって落ち着かんな。
いや。
最終日ですから。
行くぞ。
どこ行くんすか?築地。
築地?あっ築地!はい。
(彩矢)あの。
青春軒です。
お願いします。
ちょっ。
(彩矢)もう。
(彩矢)青春軒です!よろしくお願いします。
本日最終日です。
よろしくお願いします。
私と一緒にラーメンとビールはいかがですか?
(貫太)次ここ行くか。
(両太)うん。
(貫太)よし!次行くぞ。
(両太)うん。
おい。
はい。
味見るか?いや。
でも客の分がなくなると困るんで。
あるわけないやろんなこと。
ああ。
じゃあいいっすか?ほい。

(彩矢)ラーメンギョーザビール食べに来てください。
本日最終日です。
よろしくお願いします。
青春軒です。
よろしくお願いします。
青春軒です。
よろしくお願いします。
あっ!
(模合)いや。
君。
何…。
何?何?どうしたの?
(彩矢)いやいや。
あの。
あの。
この格好には触れないでください。
(模合)ああ。
(模合)えっ?最終日?
(彩矢)はい。
あっ。
よかったら来てください。
最後の最後まであがいてますよ金田一さんは。
何でか分かんないけど損得抜きで。
何時?
(彩矢)お客さん来ませんね。
・出前の電話じゃない?これ。
(彩矢)あっ。
はい。
青春軒。
はい。
よっしゃ。
はい。
はい。
すいません。
失礼します。
(彩矢)えっ?どこっすか?どこっすか?
(佐倉)苦情の電話。
(彩矢)えっ?ポストにビラ突っ込むなとよ。
(模合)うわっ!びっくりした。
すいません。
(財前)お疲れ。
模合君。
(模合)お疲れさまです。
はい。
(財前)今日はこれから何もなかったよね?あっはい。
(財前)急な話で申し訳ないんだけれども社長のお供で所沢先生と会食だから。
えっ?私も?
(財前)うん。
あっあっ。
はい。
はい。
(貫太)この時間で客ゼロか。
(両太)あんなにビラ配ったのに。
(佐倉)うちの店らしい最後や。
(佐倉)後は一人で大丈夫や。
(佐倉)バイト代。
ちょっと少ないが堪忍してくれ。
(佐倉)ありがとうな。
すいません。
頂きます。
(貫太)さっきの1万円はやっぱり焼き肉だな。
(両太)ラジコンでしょ。
(貫太)ラジコン?いやいや。
焼き肉だろ。
(両太)スポーツカー速いんだよ。
(貫太)焼き肉焼き肉。
(両太)えっ?スポーツカー。
(貫太)いらないって。
だって待ちに待った焼き肉だぞ。
なあ?
(両太)スポーツカーがいい。
(貫太)スポーツカーいらねえって。
(彩矢)金田一さんはどうしたいんですか?
(両太)スポーツカー。
(貫太)絶対うめえって。
(両太)速い。
(貫太)カルビとかさあんだぞ。
(両太)スポーツカーのラジコン。
なあ?貫太。
両太。
焼き肉もラジコンも。
悪い。

(貫太)すいません!チャーシューメンとエビチリ!
(両太)僕空揚げとチャーハンとギョーザ。
あの。
この店の最後の客俺たちでいいですか?こいつでばーっとやりたいんで。
(貫太)ばーっと。
(両太)ばーって。
いらっしゃい。
(貫太・金田一)よっしゃ。
イェーイ!
(所沢)いやー。
今日はすっかりごちそうになっちまって。
(統一郎)とんでもありません。
こちらこそお時間頂きありがとうございます。
(所沢)いや。
ハハハ。
君の手品もなかなかよかったよ。
おおー。
(模合)あっ。
ああ。
(所沢)またご披露してくれたまえ。
(模合)あっ。
恐縮です。
では気を付けて。
(所沢)おっ。
見事に取り入りましたね。
なかなかうまいじゃないですか。
(模合)いえ。
とんでもありません。
今後もこの調子で頼みますよ。
(模合)あっ。
(両太・貫太)いただきます!いただきます。
(彩矢)うーん。
うめえ!
(彩矢)ああ。
おいしい。
(両太・貫太)超うめえ。
行列できんじゃね?
(佐倉)1万円使うならどんどん頼みな。
(両太)じゃあ僕ギョーザとマーボー丼。
おう。
(貫太)あっそうだ。
おばあちゃんに空揚げとレバニラ炒め。
《大丈夫ですよ。
そのうち立て直します》
(彩矢)《最後の最後まであがいてますよ金田一さんは》《何でか分かんないけど損得抜きで》
(統一郎)《自分の身を守るためには切り捨てた方が早い》
(彩矢)《金田一さんは模合さんを信じてます!》《模合さんは絶対に間違わない》・
(バイクのクラクション)・模合さん?模合さん?
(模合)あっ。
ああ。
来てくれたんすか?
(模合)いや。
ああ。
どうぞ。
(模合)アハッ。
そう?どうぞ。
(模合)あっ。
じゃあ。
入ってください。
(模合)ああ。
ありがと。
お邪魔します。
いらっしゃいませ!
(貫太)こんばんは。
あっどうぞ。
模合さん座って。
(模合)いや。
でもここ誰か。
すぐにビール出しますから。
(模合)あっ。
グラスは。
まだお祝いできてなかったから。
(彩矢)お祝いって?えっ?模合さんの昇進祝い。
危ねえ。
はいどうぞ。
じゃあ俺もちょっと失礼して。
よし。
それじゃ。
おい両太。
(両太)うん?乾杯だよ。
はい模合さん。
乾杯!
(模合)あっ。
(両太・貫太)あっ。
乾杯。
(模合)あっ。
ありがと。
ほれ。
(両太)乾杯。
(模合)ありがと。
(3人)乾杯。
乾杯。
ああ。
うめえ。
(模合)金田一。
俺…。
はい。
いや。
遠慮しないで。
どうぞ。
(模合)ああ。
ああー。
うまいな。
でしょ?仕事の後のビール最高なんすよ。
(佐倉)はい。
ギョーザ。
あとビールな。
いや。
俺取ってきます。
お宅は?
(模合)元上司です。
へえー。
変わり者の部下であんたも苦労したろ?えっ?いえ。
そんな。
(佐倉)面白い兄ちゃんやな。
何であいつ会社辞めたんや?さみしいやろ。
ああいうやつがおらんようになると。
あっ。
ごちそうさま。
(貫太・彩矢)えっ?
(彩矢)帰っちゃうんですか?ちょっと。
模合さん!よいしょ。
ああ。
よいしょ。
ハァー。
あれ?模合さんは?トイレ?
(彩矢)今帰りました。
謝罪の一言もなくて何かやな感じ。
うん。
ふーん。
でもまあ飲んでくれたし。
(佐倉)はいよ。
春巻き。
ちょっと残ってんじゃん。
(貫太)おっ。
これ1万円で足りるかな?
(貫太)うわー。
(彩矢)9,980円。
計算しながら頼んでましたから。
すっげえな。
さすがだな。
(彩矢)フフフフ。
ああ。
9,980円?
(彩矢)うわー。
あれ?家賃の500円は?あっ。
「あっ」じゃねえだろ。
そこ一番大事じゃんかよ。
どうしよう?うわー。
まあ何とかなるか。
あれ?のぶさんは?あれ?のぶさん!あっ。
フフフ。
(せきばらい)ごちそうさまでした!いやー。
フゥー。
(佐倉)最後にええ仕事させてもろた。
いえいえいえ。
はい。
えっ?いいんすか?すいません。
いや。
でもホントあの。
のぶさんのラーメン最高でした。
そうか。
ああ。
すいません。
ヤベっ。
これくれたお礼や。
ああ。
お前うちののれん引き継ぐ気ないか?えっ?のれん?えっ?あの。
店ですか?ここは畳む。
土地売って田舎に引っ込むよ。
ああ。
引き継がせたいのは…。
ブッ!
(せき)2014/07/15(火) 15:53〜16:48
関西テレビ1
PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜 #03[再][字]

「1万円のラーメン」
木村拓哉 中井貴一 香里奈 藤ヶ谷太輔(Kis−My−Ft2) 小嶋陽菜(AKB48) 藤木直人

詳細情報
番組内容
 金田一二三男(木村拓哉)の無実を証明しようとした二階堂彩矢(香里奈)も『ミラクル魔法瓶』を解雇されてしまった。株で失敗し、貯金もない彩矢は『幸福荘』に転がり込んで来る。しかし『幸福荘』は満室。鞠丘一厘(夏木マリ)は、拾ったものは拾った者の責任と、金田一の部屋に住むようにと告げる。もちろん、お断りの彩矢だが他にあても無いため、金田一の部屋を急造のカーテンで仕切って暮らす事になった。
番組内容2
 金田一は彩矢、貫太(前田旺志郎)、両太(田中奏生)と行った中華料理店『青春軒』の店主、佐倉辰彦(木村祐一)に頼み込んで、働き始める。しかし、店は閑古鳥が鳴いていた。近くに人気の店があるのはともかく、『青春軒』のラーメンはまずく、何より佐倉にやる気が無い。以前は、うまかったようだが…。
 その頃、彩矢は模合謙吾(中井貴一)と会っていた。彩矢は自分と金田一に何があったのかを聞き出そうとするが、
番組内容3
会社側につくことで出世した模合が教える事はなかった。
 金田一が『幸福荘』に帰ると、コスプレ衣装を着た彩矢が出てきてビックリ。以前から住んでいる路上アイドル、富沢萌(小嶋陽菜)の仕業だ。その姿を見た金田一は、あることを彩矢に頼む。金田一は『青春軒』に、客を呼び戻そうとしていたのだ。
出演者
木村拓哉 :金田一二三男 
中井貴一 :模合謙吾

香里奈 :二階堂彩矢 
藤ヶ谷太輔 :榎本小太郎 
蓮佛美沙子 :広瀬瑤子 
升毅 :藤沢健 
前田旺志郎 :鞠丘貫太 
田中奏生 :鞠丘両太
 ・ 
中村敦夫(特別出演) :大屋敷巌 
イッセー尾形 :財前修
 ・ 
夏木マリ :鞠丘一厘

藤木直人 :大屋敷統一郎
原作・脚本
【脚本】
古家和尚
監督・演出
【演出】
鈴木雅之

【プロデューサー】
牧野正 
村瀬健
音楽
【主題歌】
The Rolling Stones「Jumpin’ Jack Flash」
制作
フジテレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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