(雷鳴)
(元太)おいやべぇぞ!まだ犯人いるんじゃんかよ!!
(光彦)とっとにかくここから逃げましょう!!
(歩美)ででもその男の子助けなきゃ!!
(コナン)おいオメェら!俺のそばから離れるんじゃねぇ!
(灰原)そう…バラバラになったらアウト。
その男の子の二の舞になりかねないわよ。
(元太・光彦・歩美)うわぁぁ〜!!
人生決めるその瞬間自分に嘘をついてはいけない
人影のない別荘に響き渡るピアノの音色と日記の秘密
たった1つの真実見抜く見た目は子供頭脳は大人
その名は名探偵コナン!
お客さんこりゃダメだ。
オイル漏れでエンジンが焼け付いちまってる。
(阿笠)はぁ…。
修理工場に持ってって直さなきゃ動きませんよ。
とりあえずレッカー移動しますので。
おおいワシらはここに置いてけぼりか?そうですね…。
公共の交通手段を使って街まで…って言ってもこんな山の中じゃバスもタクシーも通りそうにないですね。
えぇ〜っ!?歩いて山を降りんのかよ?かなり距離ありますよ〜!あなたたちの車には乗せてはくれないの?いや…大人1人ぐらいなら乗せられるけど君たち全員は…。
じゃあ博士だけ乗せてってもらえば?え?街まで送ってもらってレンタカーを借りてくればいいじゃない。
往復1時間ぐらいだし。
おお!そうじゃな。
じゃあ君らにはおとなしく待っていてもらおうかのぉ。
…って博士が行ってからもう1時間半。
遅ぇなぁ。
(歩美)道に迷ってたりして。
(光彦)ありえますね。
(元太)あぁ〜腹へったなぁ。
とんだタケノコ掘りになっちゃったわね。
いっぱい採ったのにね。
チェッ!今晩は博士ん家でタケノコご飯だったのによぉ。
ん?あっ…雨?ママジかよ〜!僕たち傘持ってませんよ〜。
そう言えばさっき車で通った所別荘地だったから雨宿りさせてもらおうか。
(光彦)そうですね。
(元太)おいコナン誰もいそうにねぇぞ。
まあシーズンオフだからな。
(灰原)そうね。
(歩美)暗くなってきちゃったね。
とりあえず軒下にでも入りましょう。
んで?博士とまだ連絡取れねぇのかよ?
(灰原)ええ…さっきからかけてるんだけど電源が入ってないみたいで。
(携帯の着信音)ん?博士ん家から?
(ピッ!)おい何やってんだよ博士。
(阿笠)スマンスマンタケノコを掘る時に落としちゃイカンと思って財布と携帯電話を哀君のデイパックに入れておいたの忘れておってのぉ。
結局家まで取りに戻ったから時間を食ってしまって。
今からレンタカーで向かうからあと2時間ぐらい辛抱してくれ。
(ピッ!)だってよ。
え〜っ!2時間も待つんですかぁ!?ウソーッ!ったく…雨は強くなってくるしよぉ。
(灰原)我慢しなさい。
腹を立ててもお腹は膨れないわよ。
(お腹が鳴る音)アハハハハ…。
ホントですねハハハ…。
♪〜
(ピアノの音)ピアノの音…。
ん?聞こえますね。
♪〜
(ピアノの音)あの家から聞こえるね。
この曲聞いたことありますよね?そそそ…そうか?バイオリンで弾いてるの聞いたことある。
何て曲だっけ?コナン君わかる?えっ?いや…俺音楽には疎くて。
(灰原)ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲。
え?管弦楽組曲第三番ニ長調第二楽章アリア。
通称G線上のアリア。
あっその名前なら聞いたことあります。
演奏者はプロ並に上手いわね。
んじゃまあ雨宿りさせてもらおうぜ。
うん!タケノコご飯作ってくれっかな?それは無理なんじゃ…。
(ピンポーンピンポーン)おっ?ピアノの音止まったね。
優しい人だといいですね。
うん!来ねぇな。
インターホンからも返事はないわね。
変ですねぇ。
(ピンポーンピンポーン)あっ!?ん?鍵開いてるじゃん。
ごめん下さ〜い!ちょっと雨宿りしたいんですけど〜。
ま真っ暗。
なんで明かりつけていないんでしょうか?うわぁ!!何か踏んじまった!エェーッ!?ヘッヘッヘッ!!
(元太)ポポ…ポテチ?廊下にいっぱい散らばってるぞ。
行儀の悪い子がいるようね。
あっ!?ん?ねぇみんな来て来て。
(歩美)ピアノ見〜っけ!うわぁ〜!でもこのピアノを弾いてたんならなんで出迎えてくれなかったんでしょうか?
(灰原)弾いていたとは限らないわよ。
オーディオ機器もCDも揃ってるから。
もしかしたらここにあるCDをかけていたのかも。
上手すぎたし。
(ピン!)いや間違いなくこのピアノの音だよ。
さっきの演奏も…。
(ピン!)この音だけ微妙に調律ズレてたし。
相変わらず音痴のくせに耳はいいのね。
ほっとけ。
歩美が何か弾いてあげよっか?「ネコ踏んじゃった」ならできるよ。
やめとけ怒られるぞ。
それより家主を見つけねぇと。
(小さな物音)ん?うわぁ〜!!光彦くん?背の高い人がそのドアの窓からのぞいてたんです!えぇ?じゃあ家主じゃねぇか。
挨拶しなきゃ。
え?何かに引っかかってんな。
ん?台車?
(元太)おっおい!廊下の明かりつけたはずだろ?ええ!誰かが消したってこと?ももしかして俺らを閉じ込めようとしてたんじゃ。
ままさか…。
すみませ〜ん!僕たち怪しい者じゃありませんから〜!出て来て下さ〜い!!あっ!明かりがついてる部屋があるよ。
本当ですね。
誰かいるかも!
(光彦)キッチンのようですね。
(光彦)でも何ですか?このテーブルの上。
(歩美)カラアゲやパンやハムの食べかすがいっぱい。
(元太)犬とかが食い散らかしたみてぇだな。
随分とワイルドな家主みたいね。
ワイングラスも倒れたままだし。
ん?《手帳?》《この別荘の家主の物か?》「4月20日晴れ。
話してみるとなかなかいい子だ。
よく笑うしよく遊ぶ。
今自分が置かれている立場を理解しているかどうかはわからないがこの子も相当抑圧された日々を過ごしていたのだろう。
とにかくあと2日それまでの辛抱だ」。
「4月22日曇り。
バッハモーツアルトショパンベートーベン心を震わす旋律同じ時代に生まれた天才よその才能が恨めしい。
この状況で奏でる曲には相応しくないが時を忘れることは出来る。
あと1日何事もなく過ぎてくれ」。
「4月23日雨。
まずいどうやらこのボウヤは私が誰だか知っているようだ。
このことを口外されたら将来の妨げになる。
可愛そうだが殺すしかないようだ」。
こっ殺す!?どどっどういう事ですか!?おそらく誘拐ね。
誰かが小さな男の子を誘拐してこの家に閉じ込めたのよ。
そそんな!?つつつ…次のページなんて書いてあんだよ!?ページが貼りついててうまく剥がれねぇ。
あっ!て停電!?それより今のページ何か赤いものが付いてましたよね!?ちぃぃ血じゃねぇのか?しかも内容は「ボウヤすまなかった許してくれ」。
うん。
〜
(G線上のアリア)はっ!?ピアノの音!?ささっきの曲です!やべぇぞ!まだ犯人いるじゃんかよ!?
(光彦)とにかく早くここから逃げましょう!
(歩美)でもその男の子を助けなきゃ!おい待て!ひいぃ!?いたっ!いたた…。
ああっ!?オメェら!俺から離れるんじゃねぇ!そうバラバラになったらアウト。
その男の子の二の舞いになりかねないわよ。
(光彦)ひっ棺!?
(元太)ひぃぃうわぁぁ!おい確かG線上のアリアが脚光を浴びたのって…。
バッハの死後100年経った後…。
その位ここに眠らせておくつもりだったのかもしれないわね。
その男の子をこの棺の中で…。
日本中を夢と感動で包み込んだあの国民的コミックのまだ描かれていない本当の始まりがアニメーション映画化
(元太)ココナンどうすんだよこれ…。
まあとりあえず開けてみるっきゃねぇだろ。
ちょちょっと待って下さい!さっき見つけた日記の内容からすると誰かが小さな男の子を誘拐してここに監禁していてその子が自分のことを知っているようだから殺すしかないって書いてありましたよね?ええしかも日記の最後のページには赤い何かが付着していて書いてあった文章は「ボウヤすまなかった許してくれ」。
じゃじゃあその棺の中って!?その子の遺体が入ってるんじゃ…。
ああかもしれねぇな…。
そそんな…。
おい灰原こいつらを遠ざけてくれ。
子供の見るものじゃない。
そうね。
ってお前も子供じゃんかよ!
(灰原)いいから離れて。
うっ!?空だ何も入ってねぇ。
ふぅ〜。
良かったぁ。
となるとその男の子まだ生きている可能性も出てきたわね。
殺害したならさっさと棺に入れたいはず。
のんきにピアノを弾いてるわけないから。
とにかく警察に連絡だ。
誰か携帯電話持ってねぇか?えっ…。
俺のはさっきデイパックに入れて置いてきちまってよ。
僕もです。
歩美も。
俺も。
おいまさか置いてきた場所ってこの別荘に来て最初に入った…。
〜
(G線上のアリア)あ…。
また…。
さっきの曲…。
G線上のアリア。
〜なんで全員ピアノの部屋に置いてきちまったんだよ!だってコナン君が置いたから!僕たちも一緒に…。
しゃあねぇだろ?それよりよぉみんなでピアノの部屋に行って携帯取り返そうぜ!ですね!バカね相手がどんな武器を持っているか見当もつかないのに迂闊に近づいたらどんな目に遭うか分からないわよ。
ででも!早くなんとかしないとその男の子が!博士が車でここに着くのは約1時間後…。
それまでここから出て待つって手もあるが外はどしゃ降りだし…。
いっ!?ただ待ってるのもなんだからその誘拐された男の子をみんなで捜してみっか。
(歩美)うん!危険すぎない?誘拐犯はまだここにいるのよ?いぃ!?大丈夫だよ。
このピアノの音が鳴っている間は犯人はあの部屋にいるんだから。
でも犯人が1人だとは限りませんよ?たぶん1人。
日記は一人称だったし仲間を思わせる文章もなかったしワイングラスも1つだったしな。
その代わり俺のそばから絶対に離れるんじゃねぇぞ!おおう!ででもなんで犯人は私たち捕まえに来ないの?顔を見られたくないからじゃないかしら?下手に襲って逃げられて警察に自分の人相を告げられたら困るから。
だから暗闇でピアノを鳴らしているのかも。
不気味がらせて私たちをここから追い出すために。
あの日記を見て誘拐犯だと私たちが気付いたなんて思ってないでしょうしね。
しかしどのみちここの家主を後で調べたら犯人が分かっちゃうんじゃないですか?家主じゃないかもしれねぇな。
ええっ?この段階じゃあこの家のどこかの鍵をこじ開けて中に入り別荘を持ってる金持ちを装ってその男の子をここに招き入れたと考えた方が自然だぜ。
♪〜おいピアノの音してるか?ええ鳴り続けてます。
真っ暗なのによく弾けるね。
指が鍵盤の位置を覚えているのよ。
盲目のピアニストもいるわけだから。
でもなんだ?この部屋。
子供部屋みてぇだな。
女の子の部屋だね。
ん?ここにもお菓子が散乱してるわ。
ああ…。
《ん?携帯ゲーム機…》《それに何だ?この新聞のチラシの裏にびっしり描き込まれた暗号みてぇな図形は?》それモンスターゲッター