古来から神社のご神体としてまつられてきた鏡。
人々はその輝きに魅せられ神の存在を重ねてきた。
輝きを左右するのが…実はこの技術は世界を変える可能性を秘めている。
砂漠に造られた太陽熱発電装置。
太陽の光を反射させて集める事ができれば人類は莫大なエネルギーを手にできる。
そして巨大な反射望遠鏡。
遠くにある星の光を一点に集めて観測。
宇宙誕生の謎を解く事も夢ではない。
今回は最高の磨きのワザを持つ匠たちの頂上決戦。
まずは400種類以上の研磨剤を自由自在に操るハイテク企業。
対するは鍛え抜かれた腕一本であらゆる金属を磨き上げてきた職人集団。
勝つのは最新の機材を駆使するハイテク企業か?それとも熟練のワザを持つ磨き職人か?さあ究極の磨き対決を制するのはどっちだ?折れました〜!うあ〜!衝撃の結末を見逃すな!こんばんは。
「超絶凄ワザ!」でございます。
今回は究極の磨き対決です。
金属の曲面を形を崩さずにいかにピカピカに磨き上げそしていかに光を一点に集められるかという対戦です。
さっきもVTRにありましたけれどもピカピカにすればするほど…する事により宇宙の始まりが見える?そうなんですよ。
すごいですね。
1つに光を集めるというのはどういうふうにするんですか?これがですねこちらアルミ製のパラボラを設置してあります。
はい。
今回の対決ではこのパラボラの曲面を究極の磨きワザで磨いて頂きます。
はい。
こちらが対決の舞台。
10m離れた場所からアルミ製のパラボラに向けて光を当てる。
その明るさは薄曇りの日と同じぐらいだ。
そしてパラボラの前には鉛の棒。
今回はパラボラを磨いて光を一点に集めて温度を上げこの鉛を溶かそうというのだ。
このパラボラは入ってきた平行な光を一点に集められる理想の形をしている。
しかし磨かれていない状態では光を十分反射しない。
無論このままでは鉛が溶けるはずもない。
これ溶かすんですか?溶かすんです。
来て返ってきた力で?そうですそうです。
え〜あれ普通のピンスポでしょ?そうです。
いつも舞台で多分ジュニアさんが浴びていらっしゃるライトです。
へえ〜。
そうなんです。
今回この難題に挑んで頂く2組の皆さんご紹介しましょう。
まず一組目…。
ここに世界がその技術に注目するハイテク企業がある。
サンドブラストという磨きのワザで年に45億円を稼ぎ出す。
これがサンドブラストだ。
小さな粒を高速で吹き付けあらゆる物を磨き上げる。
見よ!アルミ缶の表面の塗料だけをはがしピカピカに磨く事など朝飯前だ。
これまでさまざまな研磨剤を開発。
植物の種からドライアイスまで実に400種類以上。
たゆまぬ努力がその技術を支える。
こうした研磨剤を使いこなすのが今回の難題に挑戦する6人だ。
若き精鋭たちを率いるのはブラストの魔術師・内海裕介。
内海たちは磨く物の材質形によってさまざまな研磨剤を使い分ける。
メンバーたちの頭脳と最新の機器を使えば磨けないものなど無い。
続いては職人集団。
ここは100年以上前から磨き職人が集まる地域として知られている。
その伝統を今に受け継ぐのが…31の町工場で結成された磨き職人の集団でそれぞれ多彩なワザを持っている。
みんなの力を結集すればどんな物でも磨く事ができる。
それが磨き屋シンジケートだ!その実力をご覧頂こう!車1台丸ごと塗装をはがして磨き上げた。
なぜ磨くかだって?磨きたいから磨くんだ。
そして今回の難題に挑むのが磨き屋界の生ける伝説小林一夫。
そして一番弟子の光野卓。
磨きのワザを競う全国大会で優勝した若き天才職人だ。
その実力は世界が認める。
人気携帯音楽プレーヤーの磨きを任されあのジョブズをもうならせた。
それぞれに渡されたパラボラは3つ。
これを3週間で磨く。
軟らかいアルミ製のパラボラはすぐに形が変わってしまう。
もともとの形を崩さずいかに極限まで磨き上げるか。
さあどうする?まず動き出したのは磨き屋シンジケート。
光野と小林はパラボラの表面のあるものに注目した。
「引き目」とはこのパラボラを作った時にできた細かい加工の跡だ。
これが引き目。
その高さはわずか1,000分の3mm。
だがこの凹凸が光の反射を妨げているのだ。
他の職人が帰った夜7時。
光野は一人作業を始めた。
磨きに使うのはバフと呼ばれる円形の布。
軟らかいアルミを傷つけないよう何種類かのバフを使い分けて磨く。
磨き方は極めてシンプルだ。
回転するバフにパラボラを押し当てその摩擦で表面を磨く。
頼るのは己の感覚だけ。
コンピューターは一切使わない。
1,000分の3mmの高さの引き目が少しずつ削られていく。
パラボラの重さは8.7kg。
ズシリと重く微妙な動きは難しい。
それでも磨き職人としての経験と勘を頼りに押し当て具合を絶妙にコントロールしていく。
集中して磨く事2時間。
どうにか引き目を無くす事ができた。
磨く前のパラボラと比べて見てほしい。
その差は歴然。
格段に美しくなった。
しかしここで大きな問題が…。
試しにライトを当ててみると光が一点に集まらない。
引き目を無くす事に集中するあまりパラボラの形自体が崩れてしまったのだ。
同じ失敗は許されない。
さあどうする光野?一方の天下一ブラスターズ。
内海たちはまず実験を始めた。
アルミのテストピースを使って引き目を無くすための研磨剤の効果的な吹き付け方を探る。
引き目に対して研磨剤を平行に吹き付けた場合。
直角に吹き付けた場合。
どんな角度で研磨剤を当てれば一番うまくアルミを磨けるのかデータをとって比較する。
そして研磨剤選び。
硬い研磨剤を使うとアルミの表面にかえって凹凸を作る恐れがある。
そこで内海が選んだのはこの軟らかいゴム状の研磨剤。
ゴム状の研磨剤は表面に張り付くような動きをする。
この動きで引き目を無くす事ができると考えたのだ。
それぞれのやり方でアルミがどれくらい磨けたのか反射率を比較する。
一番上のグラフが目標となるアルミの理想の反射率。
しかし今回の実験では目指す反射率には遠く及ばなかった。
予想以上に手ごわい。
一体どんなふうに磨けばいいのか…。
ここでチーム最年少の近藤が一つのアイデアを出した。
近藤が注目したのは研磨剤を吹き付けるスピード。
実験では時速350kmの速さで研磨剤を吹き付けていた。
しかし近藤は軟らかいアルミの場合噴射速度を遅くした方がよく磨けると考えたのだ。
いわば傷つきやすいアルミを優しく磨く作戦だ。
さあ反射率はどうなる?グリーンですね。
グリーンです薄いグリーン黄緑。
ゆっくりと吹き付けて磨いたアルミはこれまでで最高の反射率を示していた。
磨き方のヒントをつかんだブラスターズ。
ここからが本番だ!う〜んすごい対決ですね。
データに基づいたやり方とホントの手の感覚だけというこのデジタルとアナログのね。
いやあ面白い対決ですね。
ガチンコです。
ブラスターズの皆さんは優しくゆっくり研磨するという方法を…。
近藤さん。
やっぱりアルミなんで軟らかくてすぐに傷ついてしまうのでいかに優しくゆっくりと削ってあげるかがポイントかなと…。
でもやっぱそれだけ時間がかかるんでしょう?そうですね。
それだけ難しい材料だという…。
光野さん。
磨き屋になるためのような名字ですね。
よく言われます。
ええ名前やな。
光る野ですよ。
ホントですよね。
なかなかやっぱり一点に集めるのは難しかったですか?そうですね。
どうしても引き目を取るという事だけに集中しすぎちゃって大事なのが抜けてるのかなって感じです。
磨き屋シンジケートの光野。
元の形を崩さないでパラボラを磨く方法を探し続けていた。
どこまで磨けばいいのか?その限界を知る手がかりはないか…。
光野の目にとまったのが邪魔者だと思っていたパラボラの引き目だった。
前回は引き目を無くそうと磨きすぎてパラボラの形を崩してしまった。
そこで今回はパラボラの形を崩さないよう引き目を残しながら磨く事にした。
しかし引き目を残しすぎては十分に光を反射しない。
引き目が見えるか見えないか限界まで磨き上げられるかが勝負だ。
引き目の高さはわずか1,000分の3mm。
究極の磨きを目指した光野の挑戦が始まった。
極限まで集中しほんの少し磨いては引き目を確認する。
8.7kgのパラボラを全身で操り光野はまだ磨き続ける。
肉眼では引き目はもう見えない。
大丈夫か?光の反射の中にかすかな引き目が…!パラボラの形は崩れていない。
凄ワザだ!若き天才職人光野の顔にようやく笑みがこぼれた。
一方こちらは天下一ブラスターズ。
秘密兵器を用意していた。
ロボット研磨機。
入力したプログラムどおり正確に研磨剤を吹き付ける。
肝心のそのプログラムを作るのはブラスターズ随一の使い手小泉絵里子。
しかし一筋縄ではいかない。
パラボラの表面を崩さないためにはアームを精密に制御する必要がある。
3次元の曲面に沿って微妙に吹きつけ方を変えるよう何度も計算をやり直した。
小泉は丸2日かけてようやくプログラムを完成させた。
ゆっくり優しく磨くため噴射速度は時速250kmに設定。
研磨剤が引き目に直角に当たるようにアームを動かす。
メンバーのひらめきをプログラムに取り込み自社開発のロボットで正確に磨いていく。
完成したパラボラの反射率は目標の9割に達した。
アルミの限界に迫る値だ。
残る問題はパラボラの形。
光を一点に集める事ができているのか?レーザー光線を使って確認する。
おっおお〜!すごい!よし!行った行った!加工前と比べると一目瞭然。
パラボラは強い光を一点に集中させていた。
最先端のロボットの能力を存分に引き出したメンバーたち。
ハイテク技術を使いこなした凄ワザだ!このあとスタジオでその実力を見せつける!究極の磨き見せて頂きましょう。
お願いします!
(拍手)こちらが完成品となります。
スタジオの天井がしっかり映って…。
ホンマですねえ。
磨き上げられた両者のパラボラ。
微妙に違った輝きを放っている。
いよいよ対決の時。
先攻は天下一ブラスターズ。
まず10m先からパラボラに光を当てる。
その明るさは薄曇りの日と同じくらいだ。
この光を余す事なく反射して一点に集め鉛の棒を溶かせるのか。
制限時間は5分。
いざ勝負!皆さんでは用意はよろしいでしょうか?サングラスをおかけ下さい。
渡されましたはい。
まぶしい戦いとなると思いますので。
なかなかおもろい絵ですね。
それでは皆さん準備はよろしいでしょうか。
はい。
それでは参ります!お願いします!
(アナウンス)「321…」。
(ブザー)さあ光が当たり始めました。
さあ鉛の棒に当たっている光。
非常に強い光を放っています。
これが溶けるんですか?ホンマかな。
内海さん非常に心配そうに見つめています。
内海さんどうですか?一点に集まっている感じですね。
そうですね。
もうちょっと集まった方がいいんですけど…。
30秒1分。
鉛が溶ける様子はない。
しかし少しずつ表面温度に変化が現れ始めた。
来た来た来た。
3分50秒を越えたところで鉛の色が赤くなってきました。
うわ〜スゲエ。
煙出た。
まもなく4分です。
4分越えました。
(アナウンス)「4分経過」。
表面の温度は300度以上に…。
鉛は溶け始めてきたか?時間が…。
さあどうでしょう?5秒前。
4321…。
(ブザー)5分です。
溶けませんでした。
惜しかったですね。
いや惜しかったですけど…。
そりゃそうでしょ。
溶けませんでした。
そりゃそうでしょって感じですけどね僕。
信じてたんですけれども…。
はい。
ハイテクを駆使したブラスターズ。
鉛をほんの少し溶かしただけだった。
続いては磨き屋シンジケートの光野。
若き天才職人が腕一本で磨き上げたパラボラで鉛に挑む!
(アナウンス)「321…」。
(ブザー)今光が照射されました。
こちらも一点にしっかりと光が当たっています。
シンジケートの皆さんから歓声が上がりました。
光野さんがサーモグラフィーの様子をしっかりと見ています。
速いですね。
まず速いですね。
これは厳しいな。
速いです。
すごいです。
どんどん色が変わってきました。
あっ来てる来てる。
光野さんいい感じですね?そうですね。
ビックリしました。
30秒のところで黄色くなって…。
ああ来た来た来た。
30秒越えたところで既に赤い色が見えてきました。
スゲエ。
速いですね。
あれ速っ。
もう真ん中が白くなってきました。
すごい!まもなく時間は45秒…。
折れました〜!うお〜!何と45秒で鉛の棒が折れました!
(拍手)あっという間に折れました!すっげえ!マジで。
ちょっと皆さんザワザワしております。
うわ〜!もう真っ二つですね。
これスゲエよ。
すごい!いや〜すごい。
ちょっと…。
逆に速すぎますって。
どんだけ磨いているんですか。
ちょっとビックリです。
平さん涙が少しこぼれて…。
うわ〜ねえ。
だってさっき溶けなかったから。
いやあすごいものを見せてもらいましたね。
速かったですね。
速い速いすごいです。
またこれは自分の感覚だけでって言うところがねえ。
我々ふだんそれだけでやってるんでそこだけは譲れない部分なんで…。
いや今年上半期一番声出てもうたん違うかな。
職人のワザの凄みを存分に見せつけた磨き対決。
更なる高みを目指し匠たちの挑戦は続く!2014/07/15(火) 00:10〜00:36
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!「反射光で金属を溶かせ!〜究極の“磨き”対決〜」[字][再]
新潟県の職人集団と、東京のハイテク研磨メーカーが『磨き』の技で激突!アルミ製パラボラを磨いてライトの光を反射し、金属を溶かすという難題に挑む。驚きの結末、必見!
詳細情報
番組内容
金属の加工に欠かせないのが『磨き』の技術。今回は新潟県燕市の職人集団「磨き屋シンジケート」と、東京のハイテク研磨メーカー「天下一ブラスターズ」が、その『磨き』の技を競い合う。両チームが挑むのは、アルミ製のパラボラを磨いてライトの光を反射し、金属を溶かすという超難題。光が1点に集まる設計にはしてあるものの、柔らかいアルミは磨き過ぎればすぐに形が崩れてしまう。果たして『磨き』の技で金属を溶かせるのか?
出演者
【出演】対決企業…不二製作所,小林研業,大学教授…土肥俊郎,【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】福島泰樹
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
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