きょうの健康 脳ドック 異常が見つかったら「くも膜下出血を防ぐ」 2014.07.14

(テーマ音楽)脳の血管を立体的に見ています。
ここに見えるのが脳の血管のこぶ…大きさは1cmほどです。
本来血管の太さはおよそ3mm。
この動脈瘤では3倍ほどに膨らんでいます。
膨らんでいる所では血管の壁が弱くなっていて破れてしまうと脳に血液があふれ出すくも膜下出血を引き起こしてしまうのです。
皆さんの毎日の健康に役立てて頂きましょう。
「きょうの健康」です。
この2日間はこちら…健康意識が高まってまいりまして人間ドックを受けるとともに脳ドックも受けてみたという方が増えているんですよね。
実はこちらをご覧下さい。
脳ドックを受けた人のおよそ5%に先ほど見た脳動脈瘤脳の動脈にこぶが見つかるそうなんですね。
この瘤はくも膜下出血にもつながりかねない。
これは心配になりますよね。
ただ過剰な心配はいらないという事なんですね。
ではどう対処していけばよいのでしょうか?今日のテーマはこちら。
今日も専門家をお迎えしています。
分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
脳神経外科特に脳血管障害の治療手術がご専門です。
どうぞ今日はよろしくお願い致します。
脳ドックを受けてみました。
「結果はどうですか?」と聞きますと「瘤がありますね」と言われると心配になりますね。
どう考えればいいんでしょう?脳ドックではやはり5%程度に動脈瘤が見つかってきております。
この動脈瘤は診断機器が非常に発達しまして2〜3mmの小さいものまで見つかるようになってきた事がこのような頻度になっていると思います。
しかし破裂する割合は約1%と比較的低い状態である事がはっきりしておりますのであまり動脈瘤が見つかったからといって過剰な心配をする必要はないと思います。
そうしますと破裂する確率としては低い訳ですから見つかったと言われるだけで大慌てをしなくてもいいんだと。
ここ大事な事なんですね。
更にこの中で詳しく教えて頂きたいと思いますがそれではその脳ドックではどんな検査が行われるのかを見ておきましょう。
久田さん。
脳動脈瘤だけではなく脳卒中や脳の血管の動脈硬化などを調べる脳の健康診断が脳ドックなんです。
脳ドックで行われる検査は主に3つ。
まずMRAでは磁気を使って脳の血管を診ます。
未破裂の脳動脈瘤を調べる事ができるんです。
そしてMRIでは脳の断面や立体的な画像を見る事ができ脳梗塞を調べる事ができます。
更に脳ドックでは首の超音波検査をする事もあります。
これは脳梗塞につながる頚動脈狭窄症を調べるためです。
実はこの3つ全てが無症候性といって自覚症状が現れないものです。
脳ドックではこうした脳や脳の血管の異常を発見して脳の病気の予防につなげようという事なんです。
この脳ドックですがどういう所で受けられますか?広く普及していますか?脳神経外科とか神経内科のある医療機関では脳ドックは随分増えてきておりまして日本では今600か所以上の施設で脳ドックを受ける事ができます。
費用はどれぐらいかかるんですか?費用は検査項目とか種類によってだいぶ違いますが大体4万円から10万円ぐらいの範囲で受ける事ができます。
ではこの脳ドックで行われるMRAという検査で先ほどの脳動脈瘤どのように見えるのか見てみましょう。
MRAではこの真ん中の部分ですね。
ここの所におだんごのような形で見えるのが動脈瘤です。
動脈瘤はこういう大きな血管が小さい血管に分かれていく所に出来やすいといわれています。
枝分かれする所ですね。
大きな血管から小さい血管に枝分かれする所は非常に動脈の壁にストレスがかかりましてこれが動脈瘤が出来る一因とされています。
そしてこれですが一度出来るとどうなんですか?自然には消えないんですね。
動脈瘤が脳ドックで見つかって消える事はまずないと思って頂いていいと思います。
また動脈瘤は時間がたつと大きくなったり形も変わったりして破裂する事があります。
破裂するとくも膜下出血が起こりまして非常に重篤な病気となっていきます。
怖いですよね。
ではこの脳動脈瘤とくも膜下出血について少し知識を得ておきましょう。
久田さん。
脳動脈瘤が出来るのは脳の大きな動脈です。
その大きな動脈は脳の表面を通っているんです。
そのため脳動脈瘤が破裂すると脳を包んでいるくも膜という膜の内側に出血を起こします。
これがくも膜下出血です。
くも膜下出血を起こす事で脳の血流が悪くなったり脳が激しくむくんだりして命に関わる重大な事態に陥ります。
この脳動脈瘤がくも膜下出血につながらないようにしたい訳ですがどうなんですか?まず脳ドックで動脈瘤が見つかった場合はMRAという方法で診断されていますがもっと詳しい検査ですね。
このような3D−CTとかこういったものによって動脈瘤の位置とか大きさそれから形更には複数ある場合の数ですね。
そういった事をチェックして頂く事。
それで破れやすい動脈であるかどうかという事を判定して頂く事が大切です。
また動脈瘤の破裂に関しては家族歴すなわちご家族の中にくも膜下出血が起こった方がいらっしゃるかどうかと。
あるいは高血圧がそのままであるとか喫煙を続けているとかこういった事が非常に関係します。
こういった事から手術をするとか経過観察をするとかそういった事を専門の先生に判断して頂く事が大切だと思います。
今のご説明の中で瘤の大きさですね。
5mm以上はリスクが高いと今理解しましたがそうしますと仮に「あなたの動脈瘤は2mmから3mmぐらいですね」と言われた。
これはどう考えればいいでしょうか?基本的には2mmとか3mmとかっていうのは精密検査を受けた結果であれば非常に破裂する危険性は少ないと思います。
しかし生活習慣ですね血圧とか喫煙とかそういったものに関してはしっかり見直して頂きたいと思います。
一度はしっかり医療機関で精密検査を受ける事が前提ですね。
状態をはっきりさせると。
では経過観察はどういう事をしていくんですか?先ほど言いましたように動脈瘤は形が変わったり大きくなったりする兆候が出てきますのでMRIとかCTで形が変わらないかとそういった事を画像診断で定期的な検査一年に1回ぐらい受けて頂きたいという事です。
また高血圧は動脈のストレスを非常に高めますので破裂しやすいとか形が変わりやすい原因になるので血圧のコントロールをして頂くと。
最後にあまり動脈瘤がある事だけでそういったストレスを感じ過ぎますと決していい事はありませんのでこういった事はあまり最終診断を頂いた段階では気にして頂きたくないと。
心配を強くして頂きたくないです。
つまり大きさも小さいしあまり破裂するリスクはありませんよと説明されたら心配しないという事ですか?そうですね。
しかしね…。
やっぱりなかなか不安が消えない人も多いのではないでしょうか?そのような場合は1つの施設ではなくてセカンドオピニオン等で複数の施設から同じような評価を頂いて納得頂く事が一番大切だと思います。
専門の医療機関でしっかり状態を確定して頂くと。
それで「心配いりませんよ」とご説明を受けると。
なお心配な方はセカンドオピニオンで聞いてみて2つの専門家から大丈夫ですよと言われたらこれはもう大丈夫なんですね。
それでは手術を考えなきゃいけない事ももちろんあると思いますがどういった手法が行われているんでしょうか?現在は開頭クリッピングという方法とコイル塞栓術と。
これが確立した方法としてあります。
ではまずこの開頭クリッピング術の様子を見てみましょう。
これは今真ん中に動脈瘤1.2cmぐらいの大きさが出ていますが周りから動脈瘤の壁を隔離しましてまた動脈瘤の根元から細い血管が出ているのを確認しています。
これは2本のクリップを使っておりますがこのように2本目のクリップを今動脈瘤の正常な血管に沿って根元を遮断して正常な動脈の壁同士がくっつき合うような形で遮断をしています。
このようにして破裂を完全に防ぐ事ができます。
挟む事によって血管の内側から見ますと正常な壁同士がくっついてくれるという事ですね。
やがてそこが正常な壁としてしっかりしてくるとそう考えればいいんですね。
なるほど。
今画像に映っておりましたクリップの実物がこちらですね。
クリップはこのようにさまざまな形で100種類以上が今作られておりますがこれは動脈瘤の形とか大きさとかそれから正常な血管の形に合わせて使い分けています。
素材は金属?純チタン製でありまして頭の中にずっと入れておいてもMRIの検査もできますし何も問題はありません。
これが入っているからといってもう検査ができなくなるという事ではない訳ですね。
この治療法はかなり歴史が長いんでしょうか?1970年代から完成されてきまして今最も根治性が高い動脈瘤の治療方法となっています。
根治性が高いという事はしっかり治療の結果がよいという事ですね。
それではもう一つ手術の手法がございました。
コイル塞栓術とありますがこれはどういった方法…。
これは足の付け根の大きな動脈からカテーテルを動脈瘤の所まで持っていきまして動脈瘤の中にプラチナ製の細いコイルを詰めていきまして動脈瘤を内側から塞ごうという方法です。
まずこちら。
ここに動脈瘤があるんですね。
これを治療しようという事でございますが…。
カテーテルを動脈に沿って動脈瘤の根元までずっと持っていきます。
この動脈瘤の中にコイルをこういった形で詰めていきます。
最終的には十分詰まりますとこういった形でコイルの周りに血液の塊が出来てきまして完全に封鎖できる状態になります。
コイルの周りに血液がへばりついて固まるようなイメージでよろしいですね。
そうするとここが安定してくるという事なんですね。
こういった治療法がありますが…。
この2つの手術の長所と短所はどのようなものでしょうか?開頭クリッピング術はやはり全身麻酔が必要ですから体の負担が大きい事。
あとは開頭しますのでやはり怖いというイメージが強いという事です。
頭を開く訳ですからね。
しかしどんなタイプの動脈瘤にも対応できますし万が一処置中に破裂してもほとんど乗り越える事ができます。
コイルの方はやはり局所麻酔でできますから怖いという面では非常に少ないし体力も必要がないという事で非常にそういった面ではいいと思います。
体を切り開いたりする事はこれはないという事ですよね。
しかし動脈瘤の形とか位置例えばカテーテルが届かない所ではこれはできない事がありますしまた動脈瘤そのものの入り口は塞いでありませんから再発の可能性がある事がちょっと問題点となっています。
実際今処置をなさっているので比率はどれぐらいの率になっていますか?私たちの施設ではやはり開頭クリッピング術が8割弱ぐらいコイル塞栓術が2割強ぐらいになっています。
それぐらいの率なんですね。
よく治療の特徴をご説明を受けて選んだ方がいいんですね。
今日は脳ドックで「脳動脈瘤がありますよ」と指摘されたらという事でお話をして頂いておりますが過剰な心配はいらないとおっしゃいました。
そこのところをもう一度教えて頂けますか?脳動脈瘤が見つかったという事は現代の医療が日本は進んでいますので脳ドックで未破裂の状態で見つかった事は非常に恩恵にあずかっているとまず考えて頂きたいと思います。
それで破裂がしやすい動脈瘤かそうでないかという事を専門家の先生に判断して頂いてそれに基づいて冷静に対応して頂きたい。
経過観察に関して非常に不安が続くとは思うんですがやはり生活習慣を十分注意して頂いて定期的な検査で動脈瘤が変化しない事をチェックして頂いて動脈瘤が見つかったという脳ドックの結果をポジティブに見て頂けたらと思います。
2014/07/14(月) 20:30〜20:45
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 脳ドック 異常が見つかったら「くも膜下出血を防ぐ」[解][字]

脳の健康診断が「脳ドック」で、血管の状態などが分かる。脳の動脈にできた「こぶ」は、破裂すると「くも膜下出血」を起こす。見つかった場合の対処法などを紹介する。

詳細情報
番組内容
脳の健康診断が「脳ドック」。主にMRA検査、MRI検査、超音波検査の3つで、脳や首の血管などの状態などが分かる。脳の動脈にできた「こぶ」は、破裂すると「くも膜下出血」を起こし、場合によっては命に関わることもある。こぶの大きさや場所によっては、たとえ見つかっても心配し過ぎず、経過を観察する。また、こぶの血流を止める手術には「開頭クリッピング術」と「コイル塞栓術」があり、医師とよく相談し選択する。
出演者
【講師】東京女子医科大学教授…岡田芳和,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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