ん〜おいしそうなサイダー!実はこれな〜んと長崎名物のカステラ味。
こちらのサイダーはというと…小豆島のオリーブ果汁を使ったサイダー。
今オリジナリティーあふれるご当地サイダーが人気を集めている。
地域の特産物などを使ったサイダーが全国各地で生まれている。
そんなサイダーを陰で支えているのが稲田理沙さん。
飲料メーカーの営業職だ。
稲田さんの会社には農家や食品メーカーなどさまざまなクライアントからご当地サイダーの依頼が来る。
稲田さんは会社の開発担当者とクライアントの間を取り持ち完成までをサポートしている。
しかしサイダー完成への道はいばらの道だ。
ほのかな香りだからもうちょっとしても良さそうな気がするけどね。
試飲ではクライアントの思い入れが強くなかなかOKをもらえない。
会社に戻り開発担当者に説明すると…。
(伊藤)がっつりイチゴとかがっつり日本酒だと入りにくいのでまずは軽めに作ってる。
どっちの特徴もバランスよくしてる。
(稲田)うんうん。
板挟みになる事が私の中では恐れているというか「どうしよう」って焦りますね。
どうやって切り抜けようみたいな。
どちらも納得してくれる落としどころはどこなのか!?はざまで揺れ動く彼女に迫る!佐賀県小城市にある飲料メーカー。
主に炭酸飲料を製造し全国に販売している。
売り上げの半分以上を占めるのがご当地サイダー。
これまでに200種類以上を作っている。
稲田さんは去年この会社の営業部に就職した。
1か月前稲田さんの元にお茶メーカーからある依頼が入った。
若者をターゲットにした抹茶のサイダーを作ってほしいというものだ。
この日クライアントに持って行く試作品がようやく出来上がった。
開発担当の伊藤さん。
これまでもお酢や日本酒などを使った数々の変わり種サイダーを手がけてきた。
(伊藤)こっちと比べると。
あ〜。
(伊藤)大体50%くらいかな。
今回の抹茶サイダー伊藤さんも苦戦しているよう。
問題はこの色。
製造から一週間で抹茶の色が薄くなり茶色く変色してしまうのだ。
例えば色合いにしても。
何ですか?あ〜。
酸化防止剤。
ですよね〜…。
色落ちを防ぐのに添加物を加えるという伊藤さんの提案。
しかしクライアントは無添加の物を望んでいる。
思ったよりう〜んあまりいい話ができないなっていう感じですね〜。
あんまり期待を持って行かない方がいいかなと思って。
稲田さんとりあえずは試作品を持ってクライアント先に向かう事になった。
こういう時の商談って気が重いよね。
こんにちは。
友桝飲料で〜す。
こんにちは。
どうぞどうぞ。
すみません。
ありがとうございます。
失礼します。
ずっとお待たせをしてたんですけどもこちらの方で御社の抹茶蜜を使った抹茶サイダーの試作品をお持ちしましたので。
まずは色についてのリスクを説明。
(古賀)劣化しとるんですね。
あ〜いえいえはい。
もう正直に言って頂ければ。
入れたくないっていうご要望がありましたので。
やはり添加物は受け入れ難いようだ。
もうあの〜やはり…そうですね…。
このままでは商談は物別れに終わってしまいそうだ。
その時!はい。
はい。
私も個人的にすごく飲んでみたいあれなので…。
クライアントからの提案で今度は紅茶サイダーを作る事に。
なんとか次の商談の約束を取り付けた。
早速開発の伊藤さんに報告。
今いいですか?はい。
大丈夫ですよ。
はあはあはあ…そうか…?開発者のやる気を引き出すのも大事。
本物志向?本物志向。
抹茶と同じ本物志向。
で色については抹茶と比べてあまり退色しにくいとか…。
はい。
(伊藤)やり方にもよるんだけどもすごくにごる。
へ〜。
ありがとうございます。
はい。
商談を取り付けた事に満足して何も聞かずに帰ってきてしまった。
正直に甘いとか酸っぱいとかそういうものは?失礼いたします。
味と香りにこだわった本物志向。
これはハードルが高そうだ。
ハハハ…。
なかなかそうですね〜…。
ハハハ…。
お疲れさまで〜す。
お疲れさまです。
向こうの希望としては甘みを強くしたいっていう意見とよりその味自体濃くしたい。
いやすみません。
きついですね確かに。
う〜ん。
私が言えてなかった部分は突っ込まれちゃったので「言わないとな」っていう所とリスクになる部分を言えてなかったんでちょっと悪い癖が出たかなと。
ハハハ…。
この日3度目の電話。
(呼び出し音)・古賀茶業でございます。
お世話になっております。
友枡飲料の稲田と申します。
紅茶の製品をサイダーにした時に現象としてどうしてもにごってしまう可能性が高くなるという事でそういった事に関してご了承頂ければ…。
あっそれならはいあのよかったですはい…。
にごりはそれほど気にならない。
ようやく一歩前進だ。
・
(古賀)よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
失礼いたしま〜す。
板挟みの彼女がホッとできるのが行きつけの居酒屋。
頂きま〜す。
疲れた身体に染み渡る大人のサイダー。
そのサイダーおいしいんだよね〜!お客さんあっての商品作りなのでしょうがない事なんですけど。
うまくそこを営業的に「こうした方がいいんじゃないですかね」っていうような意見を加えながら言えたらいいなと思うんですけどやっぱ今ちょっと言いなりになってるというか言うとおりしてるみたいなそういう方向性にちょっとなりつつあるので良くないなと。
こちらが稲田さんの1週間。
週休2日。
この時期は夏のサイダー商戦に向けて夜9時くらいまで残業する事もあるそうだ。
はいこんにちは。
(取材者)こんにちは。
休日自宅を訪ねた。
(取材者)失礼します。
はい。
(包丁で切る音)自宅でのリフレッシュ法は料理。
平日は忙しいから週末にまとめて作り置きしておくんだって。
実は稲田さん大学時代栄養学を専攻し管理栄養士の資格も取得した。
就職活動中目に留まったのが今の会社だった。
一から作る開発してるみたいな…私物を売る仕事がしたいなと思ってたのでそれもできる…。
何かすごく楽しそうだなと思って応募したのがきっかけでした。
食費は自炊のおかげでたったの1万円。
その代わり友達との飲み会や買い物などに使う交際費は高めだ。
紅茶サイダーの試作品第1号が出来上がった。
大変ですけど。
ここで伊藤さんからある提案をもちかけられた。
紅茶サイダーに香料を加える事だ。
香料を加えると風味を長期間保つ事ができ製造面でも安定した品質を保つ事ができる。
あっおいしい。
甘い。
(伊藤)甘い。
サイダー開発のスペシャリストとして是非クライアントに勧めたいところだ。
え〜!?若干私が古賀茶業さんに対しておびえてるところが自分の中であったんだろうなと思って。
稲田さん今回の商談で決める事ができるか。
初めに出したのはクライアントが希望していた無添加の紅茶サイダー。
うん。
飲んでいいですか?はい。
おっどうやら好感触。
次に開発者が勧める香料が入っている方をアピール。
あ〜。
う〜ん。
残るかもしれない…。
あとはまた検討頂ければと。
(男性)検討させてもらいましょう。
香料についてどうすべきか?結局この日は結論が出なかった。
お疲れさまで〜す。
伊藤さんにまたまた報告。
(伊藤)ああ本当。
まあ多分…まさしくそういう事言ってました。
伊藤さんには甘さを控えた物でもう一度試作品を作ってもらう事になった。
開発側とクライアント。
行ったり来たりしているだけでなかなか先が見えてこない。
難しいですね。
ハハハ。
自分が何を今向こうに開発側の意志をくみ取って向こうの意志も尊重というか向こうの意見も大切にしながら両方ができるところに行けるという落としどころが今自分も分かってないなというか。
う〜んそこを見つけないといけないのにどんどん迷走していきそうな気がしてきて。
稲田さんこの日もクライアント先に向かっていた。
到着後車からなかなか降りてこない。
両方の意見を聞くだけでなく自分なりに落としどころを見つけられないのか考えていた。
こんにちは。
すみません遅くなりました。
どうぞ。
すみません。
お願いします。
…っていう事で作らせてきて頂きました。
香料ありの方から飲んで…。
今回は開発者が勧める香料の入っている方から飲んでもらった。
続いてクライアントが希望する香料の入ってない方。
どうでしょう?ハハハ…。
う〜ん…。
う〜ん。
このままだとまた平行線で終わってしまいそう。
とその時稲田さんからある提案が。
売り場を増やして短いスパンで商品を売り切る事で無添加のサイダーでも販売できるという考えだ。
お客さんも納得し商品化のめどが立った。
ありがとうございます。
はい。
稲田さんなんとか落としどころを見つける事ができた。
終わった。
ハハハ!
(取材者)ホッとしました?ホッとしました〜!開発側の意見私のそれを持った意見あと最後お客さんの感想というのは思いどおりにはやっぱいかないっていうのがありますし。
次回次回その次につながる販売まで考えていらっしゃるなというのはすごく感じたのでその火が今多分付いていると思うのでその火を消さないようこっちもスピーディーに動いていこうかなと思いました。
味が決まった後はデザイナーや生産担当者との交渉が待ち受けている。
稲田さん商品化に向けてまだまだ忙しい毎日が続きそうだ。
2014/07/14(月) 19:25〜19:50
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「飲料メーカー営業」[字]
佐賀の飲料メーカーに勤める主人公(23)は企業や農家、商店などから依頼を受け“ご当地サイダー”を作っている。しかし依頼主と会社の開発担当者との間で板ばさみに。
詳細情報
番組内容
佐賀の飲料メーカーに勤める稲田理沙さん(23)は地元企業や農家、商店などから依頼を受け“ご当地サイダー”を作っている。カステラや柿、お茶など、地域の特産物を使った、他にはないオリジナルサイダーだ。営業である稲田さんは、しばしば依頼主と会社の開発担当者との間で板ばさみになる。今回の依頼は紅茶サイダー。添加物を使いたくないという依頼主の希望を受け、会社の開発担当者に説明に行くが、難色を示される。
出演者
【語り】Mummy−D
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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