おみやさん5 2014.07.14

それが彼女の生きがいだから…。

(刺される音)
(うめき声)
(鳥居勘三郎)
10年前老舗呉服屋の主人が刺し殺された
その老舗呉服屋を支えていたのは番頭の東田秀則従業員の明石幸春そして出入りの手描友禅職人岩本健太郎であった
被害者漆原正之には結婚式を間近に控えた娘千恵がいた
早く妻を亡くし男手ひとつで育て上げた一人娘だった
職人の岩本健太郎がその婚約者であった
漆原が娘のために岩本に作らせた着物を持ち帰る途中で事件は起きた
現場に残された指紋などから暴力団の構成員景山英治31歳が容疑者と断定されたが行方が掴めぬまま事件は迷宮入りし10年が経った…。
そして…
(明石幸春)あぁ…誰かと思ったら…。

(サイレン)
(茅野太一)東田コーポレーション営業部長明石幸春。
(高岡俊介)呉服屋ですよねぇ…。
だなぁ。
(堀真澄)東田コーポレーションってここ数年で急成長したの。
あそう!デザインが斬新って評判。
(茅野・高岡)へ〜。
ちょっとどいて!
(兵藤兵吾)金にも高価な反物にも手をつけてないなぁ…。
(吉川新平)物盗りの犯行ではないって事ですね。
真澄さん高価な着物ってちなみにいくらぐらいするんですか?だいたい200万ぐらいかな…いやもっとかな!
(茅野・高岡)高っけ〜!兵さん!周辺の聞き込み行ってきます!
(真澄)お色目がええねぇ。
ピンクと鶴の…これ上品やねぇ。
(七尾洋子)おっはようございま〜す!あれ〜!?どうしたんですか?それ!あ洋子。
これおたまさんが洋子に…。
えぇ〜!?おたまさんが私に!?あ〜悪いですよそんな!…そりゃあまぁ常日頃からかいがいしく何かとお世話してますけどこんな高価な物までいただいちゃ…!え…?あ〜!!でもせっかくだからありがたくいただきます〜!ん〜ちょっと派手かなぁ〜って気がしないでもないけどまぁ私実際ハタチそこそこに見られるし何着ても似合っちゃうし…あぁ…おたまさんありがと〜!今まで偏屈ババァだなんて思っててごめんなさ〜い!洋子洋子…間違ってる。
おたまさんは洋子にこれを見てもらいたい。
え…?おたまさんが私に買ってくれたんじゃ…?
(おたま)誰があんたになんかこんな高価な物買い与えますか!猫に真珠!豚に小判!…いやそれ逆。
じゃあこのド派手な着物は…?私が着るんです。
ウソ…。
あぁ…。

(兵藤)被害者は路上で殺され橋から突き落とされたって事か。
(星野康夫)現場付近の住民数人がかすかに悲鳴らしきものを聞いております。
まず間違いないかと。
また事件みたいですね。
こっちは資料の整理。
(村井課長)じゃあこのガイシャの明石幸春氏の昨夜の行動はどうなってる?明石幸春…?どうしたんですか?ん…ちょっと…。
殺されたのは呉服屋の営業部長でま番頭さんみたいなものかな?死亡推定時刻は昨夜の1時から2時の間。
胸部・わき腹を数箇所刺されて死亡。
ま財布に手をつけられてないところから物盗りの犯行とは考えにくいかな〜?ガイシャが勤めてた東田コーポレーションは最近急成長してる会社で着物のデザインが特にいいの!最近では通販にも力を入れてるみたいよ。
へ〜詳しいんだ!当たり前よ!何言ってるの洋子。
着物といったら真澄真澄といったら着物でしょ!似合うのよね〜着物が。
…あら?おみやさん。
今あたしの着物姿を想像してニヤっとしたでしょ!ん〜仕方ないですねぇ。
今度着物を着て来ますよここに!ウソ…。
見てやったらどうです?
(茅野)課長!
(村井)おぅ。
(茅野)亡くなった明石さんが勤めていた東田コーポレーションの社長さんです。
(東田秀則)東田でございます。
(村井)ご苦労様でございます。
課長の村井です。
先ほど遺体を確認していただきました。
ハァ…どうして明石君があんな目に…。
何か心当たりはございませんか?心当たり…。
(高岡)明石さんを恨んでいる人物とか…?いや思い浮かびません。
人に恨まれるような男じゃありません。
お久しぶりです。
あれ?お知り合いですか?えっと10年前だっけ…?あの漆原のご主人が亡くなった事件の時お会いしてます。
あぁ…!あの時の刑事さんですか。
漆原はお辞めになったんですか?えぇ旦那様が亡くなったために店を縮小する事になってやむを得ず。
それで一緒に辞めた明石君と一緒に今の会社を興しました。
そうですか。
漆原はお嬢様がおひとりで立派に守っていらっしゃいます。
えっとお嬢さん結婚なさったんじゃないですか?結婚は取りやめになりました。
あの事件のせいで?いいえ。
岩本君が急に結婚をしないと言い出しまして。
え…?手描友禅の職人さんでしたよね?えぇ…真面目な職人だったんですが旦那様が亡くなると急に手のひらを返して…。
そうですか…。
(村井の咳払い)鳥居君!はい。
君は10年前のヤマと今回のヤマが何か関係があるとでも言いたいのかね?それはまだわかりませんけど…。
じゃあ資料課の君が口を出す問題じゃないだろう!戻れ…戻れ!ここではなんですから場所を変えましょう。
どうぞ。
さぁどうぞ!どうぞ。
10年前のヤマってどんなヤマだったんですか?老舗の呉服屋漆原のご主人が金目当ての男に殺害されたヤマ。
今度のヤマのガイシャもさっきの東田コーポレーションの社長さんも当時は漆原で働いてたんですね。
そう。
でホシはまだ捕まっていない…。
指名手配されたけどホシは挙がらなかった…。
結婚がどうとか言ってましたよね。
お!そのフレーズに敏感!洋子だってそうでしょ?お互い様じゃな〜い!ね…。
あっ!おみやさん!ちょっと待って…!
(漆原千恵)ちょっと中川さん!
(中川)はい。
(千恵)こんな傷物をお客様にお売りしたら漆原の信用がどうなるかあなただってわかるでしょう!申し訳ありません。
下げておきなさい。
はい。
こんにちは。
あ…いらっしゃいませ。
お久しぶりです。
思い出していただけました?刑事さん…ですね?はい。
父を殺した犯人が捕まったんですか?いえ…。
ではどういったご用件で?以前こちらに勤めてた東田さんからあなたが1人でこの店切り盛りしてるって聞いたもんですから…。
まぁそれでわざわざ?刑事さんって随分お暇なんですねぇ。
今資料課勤務です。
東田コーポレーションに勤めてた明石さんが殺害されたのご存知ですか?はい聞いています。
突然の事で驚いています。
最近もお付き合いはあったんですか?えぇ。
東田さんも明石さんもこの店を辞めてからも気にかけてくれてましたから。
東田コーポレーションの通販部門でうちの商品も扱ってもらう話が進んでいた矢先に…。
もしかして明石さんが亡くなった事に私が関わってるとでもおっしゃりたいんですか!?そういうわけじゃありません。
でしたらお引き取りいただけませんか?私どもの商売信用が第一です。
警察の方に出入りされるのははなはだ迷惑です!そういう言い方はちょっ…!10年前の犯人も捕まえられない上に今またこうして見当違いの捜査をしてるなんておかしくありません?どうぞお引き取りください!わかりました。
ありがとうございます。
(ため息)10年前のヤマの指名手配犯捕まえられない警察に不信感持ってるんですかねぇ?でもあんな言い方しなくたって。
随分違ってた…。
昔はあんな感じじゃなかったんですか?まるで違う。
でもわかるような気がするな…。
婚約破棄されてあれだけの店を女手ひとつで守ってきたんですよね?しかも10年も。
そうなったら私だって性格変わっちゃうかもな〜。
洋子…。
ちょっと調べたい事がある。
え…?婚約破棄した男まで捜し出してどうしようっていうんですか?
(ノック)留守みたいですねぇ。
あれ…?えぇ!?あの人ですか?元婚約者の着物職人って。
すいません!10年前漆原で働いてた明石さんが殺害されたのご存知ですか?
(岩本健太郎)えぇニュースで。
最近明石さんにお会いになりました?いえ…。
あびっくりしました。
10年前あなた婚約解消したんですね。
いや事件直後私がお会いしたあなたと漆原千恵さんからはとても想像できませんでした。
それにあなた優秀な友禅職人ですよね?それもお辞めになって…。
どうして辞めちゃったんです?着物にも友禅にも興味がなくなった…。
ただそれだけです。
そんな…。
漆原のお嬢さんに対しても同じです。
あの事件で漆原の将来に期待が持てなくなってお嬢さんに対する愛情が薄らいだ…それだけです。
それだけって…随分身勝手ですね!漆原千恵さんがどれだけ傷ついたと思ってるんですか!?もういいですか?ありがとうございました。

(鐘の音)おみやさん何に引っかかってるんですか〜?漆原千恵さんもあの男も今回のヤマには関係ないと思いますけど?…10年前のヤマがさ2人の人生をああいうふうに狂わせたんだね。
でもそれは別におみやさんのせいじゃないしそれにヤマが起きなくて2人が無事に結婚していたとしてもあの男が相手じゃきっと上手くいかなかったですよ!そうかな…?そうですって!千恵さん結婚してなくて良かったんですよ。
今ではあの店を取り仕切って成功してるんだし…。
あ…女はやっぱり結婚より仕事…?ねぇ?
(小池仁美)さぁ…どうですやろ?人それぞれやと思いますけどね。
結婚して幸せを掴む女もいれば仕事に幸せを見出す女もいはるでしょ?あ〜そうか…。
ん〜私はどっちだろう?
(福島重夫)それは結論を急がんでもええんちゃいますか?幸せ言うたらフグですよ。
「幸福」って言うやないですか。
アハハ。
美味しそう〜!いっただっきま〜す!美味しい〜!こういう瞬間が一番の幸福かも〜!
(笑い)
(漆原正之)岩本…見事や!千恵の事をよろしゅう頼むで。
死んだお母ちゃんもきっと喜んでくれてるやろ。
(千恵)お父さん!
(正之)ん?やっぱり私も一緒に行きます。
あかんあかん。
岩本の最高傑作や。
まずわしがこの目で見てこの手でお前に届けてやりたいんや。
お父さん…。
ほな行ってくるで。
いってらっしゃい。

(千恵)お父さん!お父さん…!結婚を…やめるって言うの?あぁ。
どうして…?すまない。
どうして?訳を教えて。
旦那様がいなくなった今君との結婚に魅力を感じなくなった。
君ならもっといい相手が見つかるはずだ。
幸せになってくれ。

(携帯電話の操作音)もしもし…岩本だ。
あんたと話がしたい。
(七尾清一郎)鳥居君!はい。
あの…鑑識の真澄君の事なんだけど…。
頑張ってやってるようかね?頑張ってんじゃないですか多分。
ここに入り浸って君に随分ご執心のようじゃないか。
いや…そんな事ないと思います多分。
いや頭痛の種はな洋子だけでもう十分なんだから。
な?フフフ…署長お部屋に戻った方が。
ほらほら!頼むよ!離しなさい…!大丈夫ですか?署長…はい。
うわぁ!すいません。
課長!容疑者が浮かびました!岩本健太郎という男です!
(村井)どういう男だ?その男は。
(吉川)10年前に漆原を辞めた着物職人です!その岩本が殺された明石ともめていたそうなんです。
(兵藤)東田コーポレーションの従業員が目撃してました。
(岩本)訊きたい事がある。
(明石)どうしたんですか?そんな怖い顔して。
(岩本)あんた俺が昔漆原のために描いた図案勝手に使ってるだろ?これも…これもこれも!全部俺の図案だ。
言いがかりはよしてくださいよ。
そんな事この信用第一のうちがするわけないじゃないですか。
これがねあなたの図案だと言うならその証拠を見せてくださいよ。
漆原に置いてきた原版をお前が勝手に持ち出したんじゃないのか!?知りませんよ!証拠は…必ず掴むからな。
気にしなくていいよ。
ただの言いがかりだよ。
金が欲しいんだよあいつは…。
(高岡)金欲しさの言いがかりって事ですか。
(兵藤)岩本の奴かなり荒んだ生活をしていたようですからね。
従業員の話だと岩本はその後も何度か東田コーポレーションに現れて明石と話をしていたそうです。
(茅野)課長!岩本健太郎の勤務先とヤサがわかりました!その男引っ張れ!はい!ガサ入れの令状お願いします。
よしわかった。
さぁ行こう!
(一同)はい!おみやさんどういう事ですか!?岩本健太郎さん明石さんとは会ってないって言ってましたよね。
岩本何かを隠してる…。
10年前から大きなウソをついて生きてきてるような気がする。
大きなウソ?千恵さんとの婚約破棄を含め10年前から彼の人生大きく狂ってる。
それも自分が…狂わせてるような気がする。
自分で自分の人生を…?でもどうして?いやわからない。
でもその事と今回のヤマが関係あるのかもしれない…。
あっ…!怒られます…!
(シャッター音)へへ…いただきました。
あぁ…いいね!これあたしが撮ったんですよ。
ナイスアングル!ちょっと…現場写真にナイスも何も…。
この写真もっとない?ありますあります。
いっぱい。
あ〜でもやっぱアングルいいですよね。
これ。
いやいや全部見せて。
あ〜持ってくんの忘れた!何?あたしの写真。
バストアップと…そして顔面。
こっちは10年前漆原正之さんが殺害された時に持ってた着物。
嫁ぐ娘のために岩本健太郎に作らせたもの。
こっちが…真澄さんが撮った写真。
殺された明石幸春さんが持ってた自分の店の商品です。
でもこれ同じ柄ですよ?うん。
両方とも岩本さんの図案という事になるよね。
じゃあ…明石さんというか東田コーポレーションは本当に岩本さんの図案を勝手に使ってたって事…?そういう事になる。
あぁ…岩本さんお金欲しさに言いがかりつけてたわけじゃないんだ!なるほど…そういう事か。
となると犯人は岩本健太郎。
自分の図案を盗用された事によって腹を立ててブスッと一突き…。
「京都着物職人殺人事件血染めの友禅!」ってとこね。
またそういう不謹慎な事を…!あ…おみやさん待って!ホントに岩本さんがホシなんですかね?わかんない。
だけど10年前に大きなウソをついて生きてきたっていう事だよね。
えっ…?だって10年前に着物の世界から足洗ったんなら自分の図案が盗用されてるのがわかったとしても何も目くじらを立てて怒る事じゃないだろ?じゃあ…まだあの世界に未練が?だろうね。
だけどそれを隠してる。
…なんで?
(茅野)ありがとうございました。
高岡です。
岩本健太郎ですが今日は無断欠勤してます。
(千恵)この図案どおりもう少し色ぼかした方がいいんじゃないですかね?わかりました。
よろしくお願いします。
同じですよね?…えぇ。
岩本健太郎さんの図案です。
…はい。
でもどうしてこれを明石さんが…?明石さんが漆原を辞める時に持ち出したんじゃないか?岩本さんはそう言っているそうです。
まさかそんな…!あの昔この図案どなたが保管してました?確か…明石さんだったような…。
でもまさか!明石さんに対して図案盗用のクレームを岩本さんが何回かつけにきたそうです。
どうして彼がそんな事を…?まぁ職人としてのプライドと漆原を1人で守ってるあなたのため…ですかね。
そんなはずありません!あの人は職人としてのプライドも…私の事も捨てたんです。
そうでしょうか?10年前彼に何かが起きたと考えられませんか?ウソをつかなければならないような何かが…。
…わかりません。

(管理人)それじゃお願いします。
(吉川)後で鍵返しに行きます。
いや〜女っ気のない独り暮らしですねぇ…。
うん。
何か見つかった?
(吉川)え…?
(兵藤)あ…!おみやさん!何してんすか!?いやいや探し物はさ1人より2人2人より3人3人より4人のがいいと思ってさ。
そ〜そ〜!一理ありますよねそれ。
余計な事言うな!始末書書くの俺だろう!あれ?何か見つかりました?うん…。
え…!?ん…?おみやさんこのデザイン…!兵さん…図案の盗用ってさぁ明石1人の裁量で何とかなるもんかねぇ?それはムリだと思いますよ。
明石は営業部長という肩書きこそありますが何の権限も持ってなかったようですからね。
東田コーポレーションはデザインなど全て東田社長が決めていたみたいです。
(吉川)ワンマン経営ですよ。
だから明石が岩本健太郎の図案を盗用するのはムリなんですよ。
東田が絡んでたとしたら?いやそれは可能ですけどまさか。
いや現実に盗用してるよ。
あ…。
兵さん東田から話訊く必要ありそうだね。

(従業員)女将さんお客様です。
…はい。
まだ何か?少しお時間いただけますか?どうしても見ていただきたい所がありまして。
どこですか?岩本健太郎さんの1人暮らしのアパートです。
…何を仰ってるんですか?私がどうしてそんな所へ。
そこに岩本さんの10年があります。
あなたに知っていただきたい10年が。
私には関係ありません。
私たちは10年間もう別々に生きてきたんです!あの人の事なんか何も覚えていません!ホントにそう言い切れますか?…あなたの10年間岩本の存在はありませんでしたか?どうぞ。
これ…ご覧になってください。
どうぞ。
これもご覧になってください。
どうしてこんな事…!10年間もどうしてこんな事できるのよ!?10年前彼があなたの前から姿を消したのは何か別の理由があるんじゃないでしょうか?え…?あなたにもホントの事を話せない別な理由が。
あなたは…東田さんや明石さんって信用できる人でしょうか?あなたは信じる人を間違えたのかもしれない。
友禅を見る目はあっても人を見る目はないかもしれない。
(携帯電話)もしもし。
「兵藤です」どうした?「東田なんですが会社にいなくて着物の展示会の下見に行ってるようなんです」ちょっと気になる事があるんですよ。
いつも秘書を連れて行く東田がなぜか1人で向かったりやけにそわそわしていたようなんです。
場所どこ?「大覚寺の望雲亭です」わかった。
どうしたんですか?東田の動きがおかしい。
(鐘の音)
(鐘の音)
(岩本)1人で来たんだろうな…?あぁで用って何だ?わかってるだろ?わかっているからこうやって来たんだろ?千恵に…いや漆原に近付くのはもうやめてくれ!何の事だ…?何の話をして…。
とぼけるな!よせ…よせよ。
な?わかった。
話し合おう。
話し合いで解決しようじゃないか。
あんたのデザインは盗まない。
デザイン料払うつもりで…な?こうやって金持ってきてんだよ。
10年前…旦那様を殺したのは…いや…殺すようにチンピラに命じたのは…お前だな?…いくら欲しい?自首してくれ。
そんな事言うなよ〜。
とりあえず200万持ってきたんだ。
(岩本のうめき声)東田!!
(東田のうめき声)
(ナイフが落ちる音)
(岩本)来るなー!
(兵藤)おい!やめろ岩本!
(茅野)おい!やめ…!
(岩本)こいつだけは許せない…。
こいつだけは…!
(東田)助けてくれ!何があったのか…話してくれないか?千恵さんにだけでも…話してあげてくれないか?
(うめき声)10年前…旦那様を殺させたのはこいつと明石だ!
(岩本)こいつは明石にも手伝わせて店の金を流用した。
売り上げのほとんどを独立のための資金として貯めこんだんだ!でも…それが旦那様にバレそうになった。
だから借金まみれの景山に金を渡して殺させたんだ!どうしてその時警察に言わなかったの?…言えなかった。
景山は…行方をくらましたんじゃない。
俺が殺したんだ!俺は…旦那様の忘れ物に気付いて後を追った。
(岩本の声)そうしたら…!旦那様…?旦那様!
(もみ合う声)
(景山英治)待ってくれ…!俺はあいつに頼まれただけや!
(殴る音)
(景山のうめき声)夢中だった…。
すぐに…自首しようと思った。
でもできなかった!景山の言葉が気になって。
俺はこいつや明石が景山を使って旦那様を殺したんじゃないかと思った!だから…こいつらから目を離すわけにはいかなかった!じゃあ…!どうして結婚をやめたの?千恵さんの近くにいてあげなかったの?私は…人を殺しました。
彼女の…千恵の側にいるわけにはいきません。
だからずっと離れて遠くから見守ってたんだね?この10年間ずっと。
10年経った今こいつはようやく持ち直した漆原を乗っ取ろうとしていた!ウソだ!そんな事するわけ…!明石が全部喋ったよ。
こいつは…千恵が立て直した漆原が目障りだった!漆原を手に入れればすべて思惑どおりに行くと考えた。
そんなこいつのやり方についていけなくなった明石は俺に何もかも喋ってくれたよ!…だからお前に殺されたんだ!
(明石のうめき声)
(刺される音)最後はその犯行を岩本さんになすりつけて彼を殺して終わらせようとしたのね?こんな奴は死ぬべきだ!君に人を裁く資格はない!10年前君は景山を殺害した時警察に自首すべきだった。
そしたらこんな悲劇は起きなかった!こんなつらい10年…送らずに済んだ。
君が景山を殺害した時から君のつらい10年は始まった。
君がいなくなってから千恵さんのつらい10年が始まった。
君に人を裁く資格はない。
兵さん。
彼女にアルバム見てもらった。
スケッチブックも見てもらった。
この10年間…君の頑張りだけが俺の生きがいだった…。
君が…元気で生きていてくれるだけで俺は生きてこられた。
その姿を見守るだけでこうやって生きてこられた。
(工事現場の音)どんなに無様でも生きてこられた…。
私はあなたを憎んだ。
あなたに捨てられた時気が変になりそうなくらいだった。
だからあなたを忘れようと思った。
でもどうしても忘れられなかった。
どうせ忘れられないなら…憎むしかないと思った。
あなたを見返してやろうと思って私は一生懸命に働いた。
無我夢中で。
あなたがいなくなったって私はこうして強く生きていけるんだって見せてやろうと思った!だけど…本当は一緒に生きたかった…。
千恵…。
許してくれ…!ちょっと遅くなっちゃったけど2人でやり直せばいい。
丁寧に丁寧に時を重ねていけばいい。
でも…俺は人を殺した…。
これ何のため?君いつか千恵さんと2人で一緒に生きていきたい。
2人で素敵な着物を作っていきたい。
そういう願いが…これに込められてるんじゃないの?2人で失った10年取り返せばいい。
これそのための物でしょ?彼の帰り…待てますよね?…はい。
千恵…。
は〜いごめんよごめんよ!は〜いどいてどいて!ちょ…ごめん…ん〜何これ!もぅ!どうしたんですか!?もぅ!皆様おまっとさんでございました。
鴨川東署マドンナ堀真澄の入場です。
ビビットカラーに蝶々をあしらった艶やかな着物での堀真澄入場でございま〜す。
(刑事課一同の笑い声)なぁに?仮装大会?
(真澄)様になってますね〜真澄ちゃんの着物姿!着物を着るために生まれました堀真澄でございま〜す。
これでおみやさんも私に惚れる事は間違いございません。
堀真澄でございます。
一番いらんやん…。
ねぇねぇねぇおみやさん!はい?岩本さんこれからも素敵な着物たっくさん作っていきますよね?うん。
彼にとってはさ一生の物だからね友禅は。
友禅も千恵さんへの思いも何があっても捨てられなかったんですもんね〜。
いいなぁそういうの。
洋子どっち?結婚か仕事か。
そ〜りゃあ仕事ですよ!よ〜し必ずデカになってやるぞ!オー!あ〜あ…署長の頭痛の種だよ…。
2014/07/14(月) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
おみやさん5[再][字]

「京友禅が呼ぶ殺意!!婚約破棄裏切られた男と女…」

詳細情報
◇番組内容
京都鴨川東署資料課の鳥居勘三郎(渡瀬恒彦)が、部下の七尾(櫻井淳子)と迷宮入りした難解事件を鮮やかに解く、木曜ミステリー好評シリーズ第5弾。
◇出演者
渡瀬恒彦、櫻井淳子、菅井きん、谷啓 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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