「キャ〜!!また鍋を火にかけたままにして〜!!」。
「えっうそ!?」。
「これで何回鍋ダメにしたの?私がいない時は絶対に使わないで!!」。
「何回も台所を横切っていたのに15時間火が付いているのに気づかないって…。
来月のガス代を考えると夜も眠れません…」。
(風間)
人づきあいが苦手だったり注意力が欠けていたり発達障害のリアルな日常を描いた漫画が今ひそかなブームになっています。
その魅力はつらいはずの失敗体験なのになぜかクスッと笑える事
発達障害のある漫画家沖田×華さん。
壮絶ないじめ自殺未遂…つらい過去をあえてさらけ出し漫画で表現してきました
自分の弱みを笑いに変える事で見つけた沖田さんの新たな人生とは
赤裸々に自身の体験を漫画に描いてきた沖田さん。
そしてその作品がこちらです。
(安藤)全部ぶっちゃけて描いてきていらっしゃる沖田さんの作品なんですけど私大ファンで。
ここにある「ガキのためいき」という作品を読んだ時から大好きで怒ってる事を笑いに変える事で「何クソ!」っていうそういうテンションでスカッとするんですね読んでると。
沖田さんが漫画に描いているのは自分自身のごく普通の日常生活。
その毎日を少し見せて頂きました。
ここは沖田さんの自宅。
(笑い声)すごいな〜。
片づけは大の苦手。
発達障害の一つADHDの特徴です。
あ〜もう恥ずかしい。
すいません!パンツがある!すいませんすいません何か…。
…と言っているそばから。
沖田さんの仕事場は自宅から歩いて10分。
築47年家賃4万5,000円のアパートを借りています。
じゅうたんカーテン小物に至るまで青一色。
特定のものへの強いこだわりも発達障害の特徴の一つです。
これとこれとこれと…え〜っと…。
ほんの少し濃いけど。
ちょっと違うけど。
沖田さんには人の気持ちを読み取るのが苦手なアスペルガー症候群の特徴もあります。
例えば…。
「今の仕事やめたくて〜」。
友人が愚痴を聞いてほしくて発したひと言に…。
「だったらやめれば?」。
相手の真意が分からず言葉どおり受け取って怒らせてしまうのです。
そんな失敗を避けるため沖田さんが作ったのが初対面の人との会話マニュアル。
ノリで言った事に対して。
更に沖田さんは突然予定が変わったり生活のリズムが狂う事がとっても苦手。
毎日取材のカメラにつきまとわれて内心パニック状態。
何だか集中できない様子です。
いつもならすんなりOKが出る下書きもこの日は…。
それでもこうした失敗をネタにしてしまうのが沖田さんの得意技。
「アスペルガー持ちの沖田です。
なんと今カメラが入っていま〜すしかし6畳に4人もいるせいか落ちつかずなかなかネームが進まず。
すぐ通るはずのネームもボツだらけ。
次の日体が動かなくて撮影キャンセルしてしまいました…。
毎日はムリ…」。
漫画家の沖田×華さんです。
(3人)よろしくお願いします。
沖田さん。
この番組のために私の取説というのを描いてきて下さったと…。
そうなんです。
見せてもらってもいいですか?前振りがありましてこれは前日なんですけどすごく緊張するんですね。
初対面の方。
第一印象の言葉はどうしたらいいんだろうって来た時にいつもの私だったら見た印象しか言えない特性があって「やっぱり若い」とか「顔ちっちゃい」とかそういう事じゃないんだよっていうのを昨日もんもんと考えて全く眠れませんでした。
(笑い声)自分が登場してるのがめちゃくちゃ私はファンとしてはうれしいです。
本当ですか。
もし私がこの場で大失敗した時2パターン考えてきましてすごい失敗したパターン1。
顔にモザイクをかけてほしいなというふうに思ったのとパターン2はもう私は登場しなくていいからスケッチブックに私の自画像だけポンって置いて音声は別撮りで別の所でしゃべってて2人はここで会話するみたいな感じでやったらあんまりトラブルがないのかなっていう。
それ面白そうですパターン2。
絵から声が聞こえるっていう。
日常生活のさまざまな失敗を笑いに変えてきた沖田さん。
しかし最初それは苦しみでしかありませんでした。
自分のどこが悪いのか。
最初に壁にぶつかったのは小学校の頃でした。
「当時私はクラスで一番忘れ物が多かった」。
「明日は絶対に忘れないって約束しなさい!!分かった!?」。
「え〜?絶対って100%ってことでしょ?3日連チャンで忘れたから気を付けたいけど…それを100%忘れないという自信がないので絶対とは言いません」。
「そしてクラスで一番先生に嫌われてしまいました」。
理由も分からず叱られいじめられ続けた学校生活。
そして何よりつらかったのは大好きな母親にも理解してもらえなかった事でした。
少しでもお母さんの期待に応えたい。
猛勉強の末母親の望んだ看護師になりました。
しかしそこでもうまくいきませんでした。
勤め先の病院では怒られてばかりの毎日が続きました。
そして22歳のある日。
同僚からのひと言がきっかけで張り詰めていた糸が切れました。
本当に自ら命を絶とうとした沖田さん。
結果は未遂に終わりました。
死ななくてよかった。
本当ですね。
運がよくて。
でも死にたいと思うまで追い込まれて何か気付いた事ってありますか?今までずっと母のためとか仕事のためとか同僚に迷惑かけないためっていって結構人の事ばっかり考えて行動して空回って傷つくっていうパターンだったんですけど何か私自分のためにまだ生きてないような気がしたんですね。
22歳だったからもうちょっと楽しい事してから死にたいとか思って。
少し自分に対しての自分の人生をもう一回生き直したいとかって思って。
それから今死ななくてもいいんじゃないかなっていう結果に至って。
それからはやってません。
やってませんっていうか…。
よかった。
よかった。
もう人の目を気にしないで自分のために生きよう。
故郷を出た沖田さん。
自分に自信をつけるためにまず思い立ったのは誰よりもお金を稼ぐ事。
そのために選んだのが風俗の仕事でした。
しかし貯金が増えていく一方でお金だけでは心が満たされない事に次第に気付いていきました。
そんな時沖田さんに転機が訪れます。
ある漫画家と出会い意気投合。
これまでのつらい経験を話したところ驚きの言葉をかけられたのです。
「お前漫画家になれ。
絶対向いてるから」。
沖田さんの波乱万丈な人生は漫画家として大きな武器になると感じた桜壱バーゲンさん。
あなたは普通じゃない。
子どもの頃から否定され続けてきた人生。
それを全てひっくり返す桜壱さんの言葉でした。
私の存在自体が面白いって言われたのが桜壱さんが初めてかな。
今まではちょっとマイナスイメージばっかりだったからダメだダメだって言われてたのにその人生がとっても面白いって言って。
「はっ面白いんだ」って言って。
「へえ〜」って言って。
風俗の仕事を辞め漫画家になると決めた沖田さん。
しかし自分の過去を描く事は簡単ではありませんでした。
思い出すのも嫌で蓋をしてきた記憶と向き合う日々。
時折また死にたいという思いが頭をよぎるほどつらい作業になりました。
そうして描き上げた作品が「ニトロちゃん」です。
この作品を通して自分自身と向き合い続けた沖田さんにはある変化が生まれました。
ダメな部分とかも全部自分だから悪いところを受け入れるっていうのはすごく勇気がいるしとても難しい事なんですけどでも作品をこうやって通していってちょっとずついいのかなって。
私みたいな人でもこうやって描いてく事によって存在とか…認めてほしいじゃないけどいてもいいのかなとかってちょっと思うようになりました。
沖田さん。
師匠から「お前絶対向いてる。
お前面白い」って言われたのってやっぱり「目から鱗」でしたか?すごいびっくりしました。
今まで私の話を聞いててかわいそうって言う人はいっぱいいたんですけど面白いっていう感想を聞いた時に「え〜」って。
描き始めた時やっぱりつらかった自分の嫌なところをもう一回見つめてえぐっていくような内臓を見せていかなきゃいけないってその作業の中でどうやってそれを転じていく力にできたんですか?そうですね。
当時子どもだった時何かすごい言いたい事がいっぱいあったんですけど子どもなのでやっぱり言葉が少ないんですよね。
この少ない言葉の中で…当時の私はどうしても助けてほしかったんだけど言えなかったのでそういった事が本を描いた事によって…成仏って言ったらおかしいですけど願いが達成されたのかなっていう。
そういった感じもします。
4月上旬沖田さんにある依頼が来ました。
大学の講義で発達障害について話してほしいと頼まれたのです。
少人数でもコミュニケーションが苦手な沖田さん。
大勢の学生の前で話すという依頼にもうパニックです。
小学校以来嫌な思い出しかない学校や先生は大の苦手。
今日は勇気を振り絞って足を踏み入れます。
失礼します。
あっどうも。
初めまして。
こんにちは。
初めまして。
講演を依頼したいとうたけひこ教授。
発達障害や精神疾患の患者の心理を研究するために当事者の漫画を活用しています。
今日は…。
大変うれしいです。
この日講義に出席した学生は350人。
中にはカウンセラーとして学校や病院で働く事を目指す人もいます。
沖田さん緊張が隠せません。
お願いします。
では拍手で迎えて下さい。
(拍手)発達障害の当事者の気持ちを分かってほしい。
90分間一生懸命話しました。
終了後学生から質問が。
自分の体験が誰かの役に立つかもしれない。
沖田さんは新鮮な驚きを感じていました。
沖田さんこの大学の講義を終えてどう思いました?いまだにドッキリだって思ってます。
(笑い声)いやだってねえ…看護師をしてた時よりも役に立ってるっていうのもおかしな話なんですけど。
実はですね沖田さんにないしょでお母様から手紙を受け取ってきていますので代読させて頂きます。
マジですか?はい。
おお〜…。
…というお母様からの手紙を。
びっくりした〜!そうですよね。
お母様に今お手紙頂いて逆に返したい言葉というか言いたい事ってあったりしますか?何でしょう?今本当にこれでちゃんと生活できてますよっていうのを伝えたいですね。
お邪魔しま〜す。
どうも初めまして。
こんにちは。
よろしくお願い致します。
じゃあこちらの…。
321。
(リコーダー)はい!始まりました。
という事で「バリバラ」じゃない…「バラバラ」始まりました!よろしくお願い致します。
(拍手)こういった公開的な…こういうのが本当に生まれて初めてなのですごく緊張しているんですけど…。
2014/07/14(月) 13:05〜13:35
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV ブレイクスルー「file6 発達障害の漫画家・沖田×華」[字][再]
新企画ブレイクスルー。第6回は漫画家・沖田×華さん。発達障害のため失敗を繰り返す毎日を漫画に描き、見つけた新たな人生とは。出演:風間俊介・安藤桃子、音楽:若旦那
詳細情報
番組内容
ハートネットTV。月曜日は、壁にぶつかって悩んだ時、一歩前に進むためのヒントを探る企画「ブレイクスルー」。第6回は発達障害の漫画家・沖田×華さん。注意力が欠けていたり、人の気持ちが理解できなかったり、発達障害ならではの失敗を笑いに変え、密かなブームとなっている。壮絶ないじめや自殺未遂、つらい過去を漫画に描いたことで見つけた新たな自分とは。出演:風間俊介(俳優)安藤桃子(映画監督)テーマ音楽:若旦那
出演者
【出演】風間俊介,映画監督…安藤桃子,漫画家…沖田×華
ジャンル :
福祉 – その他
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – その他
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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