日曜サスペンスドラマ 松本清張特別企画「黒い画集〜紐」 2014.06.29


(祝詞)〜
(中村)ありがとうございました。
(梅田安太郎)それでは私はこれで…。
いい家が建つといいね。
ああ。
ところで中村さんあの話考えてくれた?あの話…?ああ上海に不動産会社作るから出資しないかっていう…。
いやねぇ家の建て替えで金が要っただろ。
本当に儲かる話ならいいんだけどねぇ…。
本当に儲かる話だよ。
いや無理にとは言わないよ。
他にも出資したいっていう氏子さんはいるし…。
神主さん!分かった。
出資するよ。
おたくの神社とは先祖代々のつきあいだ。
一口200万円だったね。
倍にして返すよ。
(小林健吾)ヤス…!精が出るな…。
(梅田静代)どうぞ。
じき戻ると思いますから。
(難波達郎)地鎮祭かぁ。
神主らしいことをやってるんだ…。
神主ですから…。
あそうね。
おふくろさんは…?客を迎えに行ってる。
来る途中で道に迷ったらしくてさ…。
大変だなぁ2人で…。
う〜んハハ…。
けど奥さんの気持も分かるよ。
いきなり会社を辞めて田舎でペンションをやるなんて言ったら誰だって戸惑うさ。
反対するのも無理はない。
かもな…。
東京に未練はないのか?え〜っないよ。
あのまま会社にいても先はなかった。
それにおふくろも歳だろう…。
いつまでも独りにしとくってわけにもいかないしな…。
それだけか?えぇ?佐渡に帰ってきた理由はそれだけかってこと。
他に何があるっていうんだよ。
いや…ひと山当ててがっぽり儲けろよ。
そしたら復縁してくれるかもしれないぞ?奥さん。
例の投資の話か?うん。
前にも言ったけど有り金全部このペンションにつぎ込んでしまってな貯金一銭もないんだ。
悪いけどそういうことだから…。
そうかぁ残念だなぁ。
絶対儲かる話なんだけどなぁ。
そういうことその恰好で言うなよ。
どういう神主なんだよ。
ハハハハ…。
確かに今の中国は高度成長の真っただ中だからなぁ。
不動産需要も増える一方なんだろうな。
うん。
オリンピックも控えてるしな…。
でも現地法人を立ちあげるとなるといろいろ面倒な手続きが必要だろう?そういうの誰がやるんだ?そのためのパートナーがちゃんといるさ…。
なあコバ!俺はこのままただの神主で終わる気はないよ。
戻ってきたお前に言うことじゃないかもしれんがなぁこんな島でやれ地鎮祭だの棟上げ式だの決まりきったことの繰り返しで一生終えるなんて真っ平だ!もっとでっかく生きてやるでっかく…!
(ドアベルの音)
(健吾の母)お疲れになったでしょう。
こんにちは。
お邪魔してます。
じゃまたな…。
悪いな力になれなくて…。
またいつでも寄ってくれよ。
お前のほうこそたまには家に顔出せよ。
静代も喜ぶから…。
ヤス…!いやいいんだ。
頑張れよ。
ああ。
(難波)ここが今開発中の「虹橋地区」だ。
そしてこれがこの間一緒に見にいった物件!100平米で1,000万円ちょっとだったな。
そしてこれが今「龍柏」で新築中のマンションだ。
龍柏…ああここか。
うん。
ここもあっと言う間に値上がりすると俺はニラんでる。
いくらだ…?120平米で1,500万円。
・よし…。
2つとも手付けを打とう。
資金繰り大丈夫か?大丈夫!2008年のオリンピック2010年の万博までは絶対に下がらない。
上がるしかないんだよ…。
あなた東京のお義姉さんから…。
あとでかけ直すよ。
だって…。
すまんな。
うん何?
(青木繁子)何じゃないわよ。
その後事業どうなってるの?・うまくいってるよ。
ほんと?・ほんとだよ。
私だってうちの人に内緒で500万円出資してるんですからね。
経過ぐらいちゃんと報告しなさいよ!今度東京に行ったときに詳しく話すよ。
今難波が来てるんだ。
打ち合わせ中だから…。
じゃあちょっと静代さんに代わって…。
(電話の切れる音)もう…あいかわらずね…。
じゃ来週に…。
待ってる。
気をつけて…。
ああ。
ねぇお義姉さんお金出したことお義兄さんに言ってないんでしょ?他人にお金出させて失敗したらどうするの?失敗なんかしないよ。
そんなこと言ったって…。
ビジネスにリスクはつきものだ。
失敗を恐れてたら何もできないだろう?何もしなくていいじゃない。
今だって贅沢しなければ食べていけるんだから…。
ねぇなんで急に事業なんか始める気になったの…?急にじゃないよ。
前から考えてたことだ。
あの難波さんていう人信用できるの…?当たり前だろう学生時代からの友達だぞ。
だって…。
俺はこっちのほうがむいてるんだ。
もともとなりたくて神主になったわけじゃない。
またそんなこと言って…。
お前はどうなんだ静代。
今の暮らしに満足してるのか?どういうこと…?ただ食べていくのに困らないってだけでそれで満足なのかって聞いているんだ。
小林のペンション人手がなくて困ってるみたいだぞ。
お前手伝ってやったらどうだ。
何言ってんの…。
自分に正直になれってことだ。
俺と別れて小林とよりを戻したければそうすればいい。
バカなこと言わないで!いいじゃないかバカでも。
たった一度の人生だ。
たとえバカと言われようと俺は自分に正直に生きるよ。
〜正式な手続きを踏んでたらいつ認可が下りるか分かったもんじゃないからな。
政府の役人に顔の利く人間を紹介してもらったら…。
どうぞ。
あすみません。
ありがとう。
で…?「古北」にある外国人向けのマンションだ。
持ってて損はない物件なんだがなぁ。
ここの一室をただで役人に貸せばすぐに法人登録できるように便宜を図ると言うんだな?ああ。
いくらなんだこれ…?2,000万円。
2,000万円…!?おいおいまさか出すって言うんじゃないだろうな?やめとけ!税金は余計に取られるがしばらくは個人投資家としてやっていけばいいんだから…。
いややっぱり会社でなきゃダメだ。
梅田…。
なんとかするよ2,000万円。
まじっくりやっていこうや。
ここ自分の事務所と思って自由に勝手に使っていいから…。
スペアキー渡しておくよ。
すまんな。
無理よそんな大金。
この家を担保に借りられないかな。
うちの人にそんなこと言えるわけないでしょう?私名義の定期解約したのだって話してないのに…。
そうか…。
そうだよな…。
いったいどうなってんの…?うまくいってるんじゃなかったの?静代さんは何て…?あいつは初めからこの話には反対だよ。
俺を応援しようなんて気はないさ。
やっぱり無理か。
神社は…?あの土地を担保に借りたら…。
もう抵当に入ってる。
なんですって…?事業計画が頓挫したらあの神社も手放すことになるだろうなぁ。
ダメよそんなぁ。
代々守ってきた神社を手放すなんて!そうは言うけど跡を継ぐ者もいないし…。
悠介に継がせます。
何よ。
別に驚くような話じゃないでしょ。
あなたたちは子供もいないんだしだったら悠介に継がせるしかないでしょう。
勝手だな。
勝手なのはどっちよ。
親父が死んだとき俺にあの神社を継げって言ったのは姉ちゃんだぞ!俺は神社なんか継ぎたくなかった。
家のためにしかたなく継いだんだ!それを今になって子供に継がせるから俺の自由にはさせないって言うのか!そんなにあの神社が大事なら姉ちゃんが佐渡に残ればよかったんだ!〜いいよ…もう頼まない。
姉ちゃんなら分かってくれると思って相談したのが間違いだった。
もう金のことでは面倒かけないよ。
(玄関ドアの閉まる音)
(青木良作)ただいま。
おかえりなさい。
やあいらっしゃい。
お邪魔してます。
どうだい会社設立の目処はたったのかい?ええまあなんとか…。
そりゃあよかった。
繁子のやつ自分が出資したわけでもないのに気をもんじゃって…。
今日泊まっていくんだろ?1杯やりながら話聞かせてくれ…。
やっちゃん…。
いいよ。
お金借りてあげる。
姉ちゃん…。
そのかわり絶対成功させるのよ。
うん。
どうしたんだヤスは…。
まるで何かに追い立てられてるみたいだ。
あなたに対抗意識を燃やしているんでしょう。
俺に…?脱サラして新しい人生をやり直そうとしているあなたが羨ましいんでしょう。
俺なんか挫折して田舎に舞い戻ってきた人間じゃないか…。
その挫折すらあの人したことないもの…。
私もそう。
一度もこの島出たことない…。
出る勇気がなかった。
心配してくれてありがとう。
いや多分俺の取り越し苦労だよ。
どうした?信じてやれよヤスを…。
そうだね。
じゃあ…。
野菜ありがとう。
〜ダメって何が?お金はもうとっくに振り込んだんでしょう?・騙された…。
えっ?難波の奴金ごと消えやがった。
なんですって…!?それで今どこにいるの?えっ…?どこだろうなここは…。
とにかく難波を捜すよ。
見つけ出して金を取り返すまで家には帰らない。
静代にもそう伝えてくれ。
やっちゃん。
もしもしやっちゃん…!〜あっごめん!何やってんだよ!うわ〜!
(パトカーのサイレン)本庁だ。
ご苦労様です。
(三枝警部)ホトケさんは…?
(原刑事)あそこです。
〜首を絞められてるな。
(坂上刑事)その紐で絞め殺したんでしょう。
身元が分かるものはないのか?何も…。
財布手帳所持品は見当たりません。
何か…?
(田村警部補)いや…発見されたときの様子は…?今朝早く土手でキャッチボールをしていた少年2人が見つけました。
転がったボールを捜しにこの穴からこちらへ入って死体に出くわしたというわけです。
これは今我々が開けたんですが発見当時この穴しか出入り口はありませんでした。
ペンチのようなもので切られています。
昨日までこんな穴はなかったと言っています。
犯人でしょうか?死体を運び込むために切った…。
ということはどこか別の場所で殺されてここへ運ばれた。
うん。
運んだとしたら当然車でしょうね。
すぐ目撃者を当たれ!はい。
君…。
(戸田刑事)あはい。
どうした何か気になることでも…?あいえ…。
怨恨か物盗りかま身元が割れればはっきりするだろう。
〜青木繁子?姉か…。
朝刊の記事を見て自分の弟ではないかと…。
10日前から行方が分からないそうで捜索願が出されてます。
・はい。
お悔やみ申しあげます。
やっぱり弟は殺されたんですね。
やっぱりと言いますと…?大学時代の友人の難波っていう男に誘われて…。
弟は10月の30日に上京して私どもの家に泊まっていたんです。
でも最後にお金を振り込んだあたりから難波と連絡がとれなくなったみたいで…。
騙されたって電話があったのが11月4日でした。
捜索願を出したのは…?6日です。
借金は全部でいくらあったんですか?私が出した分も含めて4,000万円です。
金を取り返すまでは帰らないそう言ったんですね?はい。
で…その難波って男の居所は…?ここです。
弟から電話があった次の日私もそこへ行ってみたんです。
でももう引き払った後でした。
初めから騙すつもりでいたんです。
その男が弟を殺したんです!被害者は梅田安太郎。
47歳。
佐渡島にある神社の神主だ。
死因は首を絞められたことによる窒息死。
死亡推定時刻は一昨日11月13日土曜日の午後8時から10時の間だ。
田村警部補…。
現場は小田急線の和泉多摩川駅から川沿いに北へ約500メートル行ったところです。
ここは夜になると灯も人通りも少ない場所で…。
それよりも被害者の交遊関係を…。
被害者は多額の借金を抱えており難波達郎という男に金を騙し取られたと遺族は主張しています。
金銭トラブルの末殺害された疑いがある。
この難波達郎という男が関わっている可能性が高い!班長!何か…?解剖医の所見で気になる点が…。
なんだ?死斑の出方です。
死斑?はい。
死斑は通常死後1〜2時間で出始めて時間とともに濃くなるんですがこの被害者の場合死斑が体の前面と背中の両方にありました。
で前面の死斑の色のほうが背中より濃かったんです。
これはあお向けにされていた時間が短くうつ伏せの状態が長かったことを示しています。
解剖医の話では死後2〜3時間はあお向けの状態でその後発見されるまでの9〜10時間はうつ伏せにされていたと考えられるとのことです。
どこかで殺されてあお向けのまま現場に運ばれその後うつ伏せの状態で放置されてたってことか?はい。
現場の金網が切られていることを考え合わせるとそうみるのが妥当ですね。
他には…。
はい。
犯行当日の11月13日午後10時半頃不審な車が現場を走り去るのをジョギング中の近所の男性が目撃してます。
ナンバーまでは見なかったそうですが黒っぽいセダンだったと証言しています。
以上です。
難波でしょうか?よし。
被害者の友人難波達郎の行方を追うとともに引き続き聞き込みに当たってくれ!被害者の妻梅田静代が到着しました。
そうか…。
お待たせしてすみません。
あどうぞおかけになったままで…。
こんなときに申し訳ありませんが犯人逮捕のため捜査にご協力ください。
はい。
どうぞ。
お義姉さんからご主人がいなくなったとの知らせを受けて上京されたそうですがそれはいつですか?11月の6日です。
義姉と相談してその日のうちに捜索願を出しました。
それで佐渡に戻られたのは…?14日昨日の朝です。
では昨日佐渡へ帰ってから遺体発見の知らせを受けて今朝また上京されたわけですか。
それは大変でしたねぇ。
お義姉さんは1,500万円ですかご主人のために銀行から借金して用立てたそうですが…。
2,000万円って言われたそうです。
最初は。
でもそれしか借りられなかったって…。
その前にも定期を解約して500万円…。
主人のせいで義姉には大変迷惑をかけてしまいました。
あなたはご主人の事業には反対だったんですか?不安でした。
人の意見も聞かないでどんどんのめり込んでいくあの人が…。
難波という人のこともよく知らなかったはずです。
世間知らず…いや失礼。
騙されやすいタイプですかご主人は。
どうでしょうか。
ただ自分はこんな田舎で終わる人間じゃないって…そう思いたい人でしたから…。
騙しやすかったんですかね…。
「なりたくて神主になったわけじゃない」それがあの人の口癖でしたから…。
それを言われると義姉は弱くて…。
反対できなかった…。
身内の情が仇になったんだと思います。
なぜ紐が死体の脇に置かれていたかですか?ああ普通紐で首を絞めたらそのままほうっておくだろう。
なんでわざわざ解いたんだよ。
死体を運ぶのに邪魔だったからじゃないですかね。
そんならその場で捨てればいいだろう。
なぜわざわざ持ってきて死体の脇に置いたんだ?運ぶ間に自然に解けたっていうことはないですかね?ないだろうなぁ。
首には3本のうっ血の痕が認められた。
紐を三重に巻きつけて引っ張ったってことだ。
これだと紐は首に食い込んで簡単には解けないはずだろう。
そう言われればそうですよね。
気になるんだよなぁ…。
それとあのうっ血の痕が3本きれいに並びすぎていることもなぁ…。
(矢野)あぁこの人ならうちに来ましたよ。
そう11月4日。
休み明けで忙しいときでねぇ。
迷惑だったよなぁ。
ところが翌日もう一度やって来てね…。
運送屋のトラックとか…見ませんでしたか?昨日も言ったけどさ上の事務所がいつ引っ越したか何も知らないんですよ。
すみません。
なんでもいいですよ。
何かご存じありませんか?このとおりです。
俺何も分からないんだよ。
その難波って人のことも何も…。
どんなことでもいいんです。
お願いします。
そういえばさぁ…事務の女の子がいたんですよ。
その娘が夜この近くのパブで働いているのを思い出して教えてあげたんですよ。
でそのパブの名前は…?「Emanon」っていう店です。
1回行っただけですけどね。
難波がいなくなったことには気づいてたんですか?車見かけなくなったからね。
どんな車でした?車種は分かんないけどなぁ黒のセダンだったな。
(原刑事)難波っていう人の事務所で働いてた娘…。
(店長)それだったら清美ちゃんでしょうね。
吉野清美。
難波さんにはかわいがられてましたよ。
でもこの人が店に来てたかどうかはちょっと分からないですねぇ。
あ清美ちゃん。
梅田っていう人のことで刑事さんが…。
難波は店の客だった。
通ってくるうちに親しくなった。
彼の事務所で働いていたのは梅田さんを騙すための芝居だった。
そういうことですね?梅田さん難波の居所を聞きに来ませんでした?
(清美)来たわよ。
逃げられると困ると思ったんでしょ。
家までつけてきて…。

(悲鳴)あなた…。
やめてはなして!警察呼ぶわよ!呼んでくれ!その前に聞きたいことがある。
教えてくれ難波は今どこにいる!知らないわよ。
どこに行けばあいつに会える!知らないったら!捜しても無駄よ!あんたから巻き上げた金は今頃全部博打でスッちゃってるわよ。
あんな男の言うことを信じるほうが悪いのよ。
馬鹿じゃないの!馬鹿!〜
(清美)しばらくそうしてたけどそのうち諦めて帰っていったわ。
(泣き声)そうあの人殺されたの…。
難波の行方を追ってるのだけどねぇ。
ほんとに知らないかなぁ奴の居所…。
ほんとよあたしはただ彼の事務所で働いてるフリをするよう頼まれただけなんだから。
でも深い仲だったんですよね。
もう終わりにしたかった。
いいかげんな男だもの…。
そんなことも見抜けないなんて馬鹿よ。
(着メロ『ゴッドファーザー』)あ今行きます。
店長…早く店に戻れって。
懐かしいね…『ゴッドファーザー』。
ああ…。
もういいでしょ?難波から連絡があったら知らせてくれるよね?するわよ。
お取り込み中すみませんが少しよろしいですか?はい。
あご主人ですか?そうですが何か…?いえちょっと…。
今日はお仕事お休みですか?こんなときに会社でもないでしょう。
あそりゃそうですね。
どうぞ…。
失礼いたします。
じゃあ静代さんは今度はこちらにお泊まりじゃないんですか?はい。
ホテルを取ったそうです。
水臭いですね。
弟があんなことになってしまったんで一緒にいる気分じゃないんでしょう。
(将棋の駒を打つ音)静代さんに何か…?いえご主人が殺された日の前後ちょうど東京にいたというのがちょっと気になりましてねぇ。
ちなみにお姉さんは11月13日の夜は何をされていましたか?13日ですか?ええ安太郎さんが殺された日の夜です。
あの晩はたしか家族で駅前のレストランに食事に出かけたはずです。
そうよねあなた。
ああ。
差し支えなければお店の名前を…。
はい「テキサス」っていうステーキ屋さんです。
弟がいなくなってから気の抜けない日が続いたもんで離れて住む大学生の息子も誘って気分転換に…。
そちらには何時から何時までいらっしゃいました?え〜と7時頃にお店に着いて9時頃には出たかしら…。
家に着いたのは9時半頃でしたから…。
その後はどこへも出かけていない?はい。
弟の安太郎さんですがお姉さんからみて夫婦仲はどうでしたか?どうって特に良くも悪くもなかったように思いますけど…。
子供のいない分難しいところはあったかもしれませんが…。
冷えきっていたわけじゃない。
いやぁあなたは弟さんのために銀行から借金までしてお金を作ってあげたわけですが妻の静代さんのほうはどうも冷たいといいますか夫である安太郎さんのことをあまり信用していなかったようなんで…。
静代さんの判断が正しかったってことだ。
〜お出かけですか?はい。
明日お帰りになるそうですね。
その前にいくつか確認したいことがあるんですけど。
いいですよ。
出かけるといっても特に当てがあるわけじゃないし…。
何でしょう?ここじゃなんですからちょっと出ますか…。
13日は…午前10時頃日暮里の義姉の家を出ました。
主人から連絡はないし家の中でじっとしてるのもなんだか疲れてしまって…。
それで電車に乗って銀座に出ました。
銀ブラですか…古いですね。
こりゃ失礼。
いいんです。
私も東京といえば銀座…。
田舎の人間ですから…。
ハハハハ…。
まぁ掛けますか…。
で…銀座では何を…?しばらくデパートやブランド品のお店を見て回って途中でハンバーガーを食べて3時頃ですか地下鉄で渋谷に出ました。
佐渡にはないような大きな雑貨店で目移りしながら台所用品をいろいろ買い込んで宅配便で自宅に送ってもらいました。
〜ほう!宅配便で…。
あのたしか控えが…。
〜夫が行方不明だというのに不謹慎だと思います?いいえ別にそうは…。
いいんです。
自分でもそう思いましたから…。
そう思うと余計主人に腹が立って…。
人にさんざん迷惑かけて連絡もよこさないでどこで何をしてるんだろうって…。
まさかあんなことになるなんて…。
これお預かりしてもよろしいですか?どうぞ。
その後は…?その後は新宿へ行きました。
6時過ぎだったと思います。
おなかがすいたのでデパートの中にあるイタリアンレストランに入りました。
キノコのクリームパスタお願いします。
はいかしこまりました。
あそれと…。
はい。
グラスワインの赤1つ。
かしこまりましたそれは何ていう…。
え〜と何でしたっけ…。
「デラータ」…。
そのお店で私ワイングラスを倒してしまって白いテーブルクロス汚しちゃったんです。
ふだんワインなんか飲まないのに見栄張ったから…。
それからどちらへ?7時過ぎにそのお店を出てまだ帰りたくなかったので映画館に入りました。
ちょうど7時半からの回があって。
『きみに読む物語』という映画です。
映画は何時に終わりました?9時半です。
では7時半から9時半の間はずっと映画館にいた…。
はい。
疑うんですか?いや…。
なぜ?そういえば映画の後半で私の席の近くでケータイが鳴りました。
若い女の人で周りの人の顰蹙を買ってました。
それは何時頃のことですかね?多分9時頃だったと思います。
ちなみにその映画の半券なんてお持ちじゃないでしょうね?持ってます。
いつも全部こういうのとってあるんですか?捨てられない性質なんです。
貧乏性というか臆病で。
じゃあ私これで…。
助かりました。
何か出来すぎって感じもしますけどね。
さっきの配送伝票…。
あ…。
ランチョンマット2枚。
エスプレッソマシーン1台ミートハンマー…原君…。
はい。
ミートハンマーってなんだ?さあ?何なんですかね…。
ミートハンマー…。
いてててて…もうちょっと弱く。
(美鈴)なによ強くって言ったり弱くって言ったり…もう…大袈裟なんだから。
はい起きて…肩…肩…。
そうか…ミートハンマーって肉を叩くやつか…。
そう…ステーキとかとんかつの肉を柔らかくする金づちみたいなもの。
ふ〜ん…肉を柔らかくね〜。
そのハンマーで叩きゃこの石みたいなお肉も柔らかくなるかしらね…。
いてててて…。
もっと優しく扱ってくれよ。
こうみえても中身は壊れやすくできてんだから…。
あ〜そうだったんですか〜?そうですよ〜。
あんたどうしたの?妬いてんのか?いつも自分が中心じゃなきゃ気がすまないんだから。
人間の子供とおんなじだなおまえ…。
あっ!それじゃあパパとお散歩ね〜。
ねっパパ〜。
よしじゃあ散歩に行くか…。
では難波の指紋と確認されたんだな?紐についていた指紋のひとつが奴のものと一致しました。
前科があったということか?ええ。
弁護士を騙った詐欺有印私文書の偽造住居不法侵入。
食わせ者ですよこいつは。
決まりだな。
難波達郎を重要参考人いや梅田殺しの容疑者として緊急手配だ。
ちょっとよろしいですか。
何か?気になることがあるんです。
だから何だ?紐です。
紐?首を絞めるのに使ったと思われる紐は解かれた状態で死体の脇にありました。
つまり絞め殺したあとわざわざ解いたということです。
で…。
もし難波が犯人だとしたら奴はなんでわざわざそんなことを?さあ?本人に聞いてみたら…。
難波の犯行と断定するにはまだ何かがひっかかるんです。
どうでしょう私と原君はもう少し他の線も洗ってみたいんですが。
そういう勘に頼った捜査は古いと思うがま…仮にも先輩の言うことだ。
尊重しましょう。
他の者は大至急難波を捜せ。
お待たせしました。
梅田静代様11月13日にお受けしております。
間違いありません。
それですか?ミートハンマー…。
いましたいました。
ワインをこぼした女の人。
確かですか?ええ。
土曜の夜に女性の一人客は珍しいのでよく覚えてます。
あっ…ヤダ…。
すみません。
お洋服大丈夫ですか?すみません。
ごめんなさい。
あ…いえあんまり何度も謝るのでこっちの方が恐縮しちゃって。
帰り際にクリーニング代まで出そうとして。
いや…もちろん受け取らなかったですけど。
ええ確かに9時頃そういうことがありました。
間違いないですか?11月13日の最終回のことなんですが。
覚えてます。
ケータイの切り忘れはよくあることなんですがその方は目に余りましたのでロビーに出られた時直接注意を…。
目に余ったというのはなかなか切らなかったということですか?それもありますしクライマックスのいちばんいいところでしたから。
静代の話に嘘はなさそうですね。
あっちはどうだった?日暮里の青木繁子…。
あっちもウラが取れました。
駅前のステーキレストランの店主があの日は家族3人9時過ぎまで店にいたと証言してます。
そうか…。
もし身内の犯行だとしたら動機は何なんですかね?腹へったなメシ食おうか。
〜本日は亡くなった主人のためにお集まりいただき〜心よりお礼申しあげます。
〜主人の存命中は物心両面で支えていただきましたのに〜このようなことになって〜お詫びの言葉もありません。
〜ですが皆様からお預かりしましたお金は〜私どもが責任をもってお返しいたしますので〜どうかその点ご心配なさらぬよう…。
〜〜やっちゃん自分の命と引き換えに後始末をつけたのね…。
〜よさないか…。
〜だって…。
〜〜田村さん。
あったか?はい。
殺された梅田安太郎には1億円の保険がかけられてました。
受取人は?妻の静代です。
保険に加入したのはいつだ?1年半前です。
1年半前…。
1億円!?知らなかったんですか?静代さんは安太郎の1億円の保険加入知ってたんですか?それはそうでしょう受取人は静代さんですから。
昨日本人から保険会社のほうへ請求があったそうです。
静代さん保険についてはなんて?私たちは5,000万円と聞いてます。
あ…そうですか。
1億円だなんて初耳だわ。
静代さん…どうしてそんな嘘をついたのかな?しかし5,000万円でも保険がおりれば借金は返済できる。
あなた方もこの家を失わずにすみます。
何が言いたいんですか?いいえ…昨今は借金を苦にして自殺をする人間があとを絶ちませんからね。
弟は殺されたんです。
自殺なんかじゃありません!そう。
自殺では保険はおりません。
契約後2年以内はね…。
どういうことですか?安太郎君は借金を返すためにわざと殺されたとでも言うんですか?いくらなんでもそんな器用な事はできないでしょう。
わざと殺されるなんて…。
(悠介)じゃあ俺帰るから。
大学あるし。
あと…神社とか継ぐ気ないから。
悠介っ待ちなさい。
あなたは奥さんがこの家を担保に銀行からお金を借りたことは知らされてなかったんでしたね。
ええ。
さぞ驚かれたでしょう?それは…叱り飛ばしましたよ。
しかしその時はもう安太郎君の行方は分からなくなっていた。
今はどうですか?安太郎さんが死んでくれて実はほっとしてるんじゃないですか?安太郎さんが死ねば保険がおりる。
それで借金はきれいにできる。
もう厄介事を持ちかけられる心配もない。
死んでくれたらどんなにいいか…そう思ったことありませんか?あ…あんたね言っていいことと悪いことがあるぞっ。
二度とうちに顔出すなっ。
失礼しました。
今日はこれで帰りますじゃまた。
しかし…。
仮に繁子夫妻と静代が保険金目当てで殺したとしてアリバイどうなります?3人とも犯行当夜のアリバイはウラが取れてるんですよ。
日暮里から来るとしたら山手線で新宿に出て小田急に乗り換える。
梅田が殺されたのは8時から10時の間。
間に合わないか?いや…無理ですよ。
9時過ぎに駅前のレストランを出てそれから電車に乗って和泉多摩川の駅に着くのは早くて10時前。
それから現場まで10分以上歩くんですよ。
静代にしたってそうです。
新宿の映画館でのケータイ騒ぎが9時。
仮に7時半にいったん入場してその直後に劇場を出てここへ向かったとしても9時のケータイ騒ぎまでに戻るのは不可能…。
いや往復の時間だけなら可能かもしれませんがそれだと現場にはほんの数分…。
殺す時間はありませんよ。
それに金網が切り取られてたことどう説明します?被害者は別の場所で殺されてからあそこへ運ばれたんでしょう?だとするとますます3人の共犯というのは考えにくいな。
静代は車を運転しないし繁子の家の車は随分前に大学生の息子が持ってった…。
黒のセダンか…。
はい戸田…。
了解。
難波の足取りがつかめました。
難波達郎さんだね…。
警察の者だ。
なんだはなせよ俺何もしてねぇ!梅田安太郎殺害の容疑で逮捕する。
あぁ?おい…。
はなせよ!来い!電話で呼び出されて行っただけで梅田は殺してないと?そうだよ。
しかしケータイは替えたんだろ?なんで新しい番号を梅田が知ってるんだ?知らないよっ。
13日の夜9時前あいつから電話があって…。
よく分かったなこの番号…そうなんだ事務所変わったんだ。
すまない…ちょっとバタバタして…すっかり連絡が後回しになって。
えっ?…うん…俺も変だと思ったさ。
だけどあいつ電話のむこうで笑いながらこう言うんだ。
連絡が取れなかったのは金策に走り回っていたからだろう…。
だったらもっと資金を回すから多摩川の河原に来てくれって…。
どこまでお人好しなんだと思ったよ。
騙されてることも知らずにまだ金を出す気かって…。
しかしハメられたのは俺のほうだった…。
おいっ梅田…。
梅田っ。
なんでこんな所にわざわざ呼び出すんだ…。
おいっ…梅田…あの目…暗がりで宙を睨んでやがった。
その目を見たとたん俺は震えあがって一目散にそこから逃げた。
紐にお前の指紋が付いてたのはその時うっかり触ったためと?信じないならそれでもいいさ。
行った時にはあいつは死んでた。
俺はあいつを甘く見すぎた。
電話があった時罠だと気づくべきだった。
だけど俺をハメたのは誰だ?梅田か…梅田を殺した誰かか…。
お前が言ってることが全部嘘でお前が殺したとも考えられる。
そう考えるのがいちばん自然だ。
俺じゃないっ。
(机を叩く音)なんべん同じことを言わせるんだおいっ。
これは濡れ衣なんだよ!俺はな梅田を殺しちゃいない!誰か俺に罪を着せようとしてる奴がいるんだ!おいっ。
まあ落ち着け。
梅田は暗がりで宙を睨んでいたそれは本当か?ああ。
ということは死体はあお向けだったのか?そういうことになるな。
そして紐は死体の横にあった。
そうだよ。
9時前に電話で呼び出されてお前が河原に着いたのは何時だ?10時頃じゃないか…そんなもんだろう。
なんだよ〜。
いや…。
難波の言うことを信じるのなら奴が河原に着いたのが10時。
その時死体があお向けだったならそのあと誰かが現場を訪れうつ伏せにしたということになる。
なんのためにですか?分からん…。
分からんがそれを言うならもうひとつ分からんことがある。
紐だよ。
首を絞めたあとなぜその紐を解いたんだ?まだあの紐に?考えすぎじゃないですかね。
難波には不利な証拠がそろってます。
指紋目撃証言…。
それに運転手だって梅田の死体を見たわけじゃない。
口裏を合わせてる可能性だって…。
梅田に居所を突き止められて金を返せと迫られた。
それで邪魔になって殺したんですよ。
かもしれん…。
家族3人でやってきて3人で帰ったんですか?
(店主)そうですよ。
奥さんが中座したなんてことはなかったんですか?いいえ。
途中でご主人だけ先に帰ったということは?いいえ。
3人ともデザートまで食べて9時すぎに帰られましたよ。
そうですか…。
何なんですかいったい?たいしたことじゃないんですよ。
うまいですねここの肉…。
どうもありがとうございます。
よく来るんですか?青木さん一家は…。
ええ…ご主人が肉が好きでしてね〜。
息子さんが家を出てからは3人で揃って来る機会は減りましたがそれでも月に数回はご夫婦で。
この前は奥さんの弟さんが泊まりに来てたとかでいや〜義弟がいると肉が食べられなくてとこぼしてました。
その義弟さん肉は食べないそうなんです。
中性脂肪とかの値が高くて特に肉は控えるよう医者に言われて。
義弟は肉は食べない…そう言ったんですか?ええ。
コーヒーか紅茶がつきますけど。
あ〜コーヒーを。
これからどうするの?〜ヤスがいなきゃ神社の仕事成り立たないだろう…。
〜〜あそこは人に譲ってうちのペンション手伝わないか?〜〜いや…もしその気があればの話だけど。
〜〜人目があるわ。
〜〜そうかな?何をするんだって人目はあるよ。
〜現にこうして会ってるだけで変な目で見られる。
〜だったら一緒に働いたほうが言い訳が立つんじゃないか?〜言い訳って何の?〜〜少し考えさせて。
怖いの。
〜〜死んだあの人に見られているみたいで…。
〜考えごとですか?ちょっとな〜。
寝てるより歩くほうがいい考え浮かぶそうよ。
体にもいいし。
もう…やめてっ。
悪い癖よ?顔の上に物のせるの。
死んだ人連想するからやめてって言ってるでしょう…。
あなたが死んだら私ひとりなんですからね。
長生きしてよ?分かってるよ。
それと…。
パッチの散歩だろう?分かってますよ。
俺が死んでもお前がいるよな〜。
長生きしろよパッチ。
そうか…人が死んだら身内が布で顔を隠す。
目が開いていたら閉じてやる。
それと同じだったのか…。
じゃあ解散。
待ってくださいっ。
難波を起訴するのは早いと思います。
自白も取れてません。
証拠は揃ってる。
十分立件できるよ。
いくら身内の線を追ってもアリバイを崩せないんじゃしようがない…。
もちろん自白はほしい。
なに3日もあれば落とせる。
そしたら本部は解散だ。
ちょっと田村さん…。
この女性なんですが…。
あの日の最終回の客の中にこの人がいたかどうかもう一度思い出してもらえませんか…。
お客様は大勢いらっしゃるのでお一人お一人のお顔までは…。
最終回の時この女性が入場してすぐに外に出たようなことは?さあ〜よく覚えていません。
そうですか…。
もう一度お聞きしますが…例のケータイ騒ぎがあったのはちょうどクライマックスにさしかかった9時頃のこと…。
そうです。
どんな場面ですか?は?クライマックスです。
それはどんなシーンです?主人公が別れた昔の恋人と再会しボートに乗るんです。
その湖にはたくさんの白鳥がいて2人は餌をあげながらまた失われた恋を取り戻すっていうそういうシーンです。
その時に着信音が鳴り響いてなかなかやまなかったんですね。
いえ着信音じゃなくて着メロでした。
着メロ?ええ…ほら何だっけあの曲…。
ええ〜と何の曲だっけ…。
あぁ!「タララララララ…」『ゴッドファーザー』の曲?そうそうです。
それが静まり返った場内に鳴り響いて。
(着メロ『ゴッドファーザー』)『ゴッドファーザー』って…。
どうぞ…。
失礼します。
失礼します。
こんなのしかないけど…。
どうも。
そう難波のケータイの番号を教えたのはあたしよ。
あの人が現れたら難波に知らせることになってた。
知らせなかったけどね。
騙されるあんたが悪いのよな〜んて言っちゃったあとなんだか気の毒になっちゃってさ。
あたしも難波には騙されたクチだからさ。
そうだよな自業自得だよな…。
待って。
ん?そしたら何日かしてまたやって来てこの間のお礼も含めて10万円出すからもうひとつだけ頼まれてくれないかって…。
それが映画館でのケータイ騒ぎか?そう。
ただ映画館で映画を見てくれるだけでいい。
9時にあんたのケータイに電話する。
しばらく鳴りっぱなしにして周りの注意をひいてくれ。
なるべく派手なほうがいい。
ちょっと…着信音を聞かせてくれ…。
フッ…何それ。
別々に入りたいから先に行ってくれ映画館には別々に入ったわ。
あの人はすぐに出るからって…。
あとは打ち合わせのとおり…。
(着メロ『ゴッドファーザー』)お客様困ります。
上映前に携帯電話の電源を切るようご注意申し上げたはずです。
すみません。
気をつけてください。
すみませんこれで終わりよ。
知ってることは全部話したわ。
あの人難波に殺されたの?いや。
じゃ誰に?って聞いてもしようがないかそんなこと…。
騙されるほうも悪いけど騙すほうはもっと悪いよね。
そう言ったらあの人いややっぱり騙されるほうが悪いんだって…。
そんなもんかしらね…。
これは梅田が計画した嘱託殺人だ。
目的は自分が加入した1億円の保険金。
それで借金を清算しようとしたんだ。
しかし自殺では保険金はおりない契約後2年以内はな。
保険に加入したのは1年半前だ。
だからどうしても他殺である必要があったんだ。
それで妻である静代を使って自分を殺させた。
まいずれにしろ吉野清美の証言だけでは弱いですね。
当の梅田はもうこの世にはいないし…。
(カモメの声)ありがとうございました。
じゃあ神社は手放すんですか…。
あの人の甥が継ぐという話もありましたけど本人が嫌って。
あの人もそう言えればよかったんです。
もっともそうしたら私とは結婚してませんけど。
なるほど。
わざわざお参りに来てくださったんですか?いえ。
あなたに確かめたいことがあって来たんです。
ご主人が殺された11月13日の夜あなた本当はどこにいました?あなたはあの日…映画館へは行っていない。
吉野清美という女性が話してくれましたよ。
ご主人に頼まれてあなたのアリバイ工作に手を貸したことをね。
なんのことですか?あの夜吉野清美と一緒に映画館へ入ったご主人は自分だけ先に出てあなたの待つ場所へと向かった。
そして9時になるのを見計らって映画館にいる吉野清美のケータイに電話をし騒ぎを起こした。
あなたはまるでその騒ぎに居合わせたかのように証言した。
実は映画なんか見ちゃいない。
その時間はご主人と一緒にいたんです。
何を言っているのか私にはさっぱり…。
ではあくまで映画館にいたと言うんですね?ええ…。
じゃあケータイ騒ぎがあった9時スクリーンにはどんな場面が映っていたか話してください。
どうです?見たのなら言えるでしょう…。
主人公がかつての恋人に再会して湖でボートに乗るんです。
周りには白鳥がたくさん泳いでいて2人はかつての恋心をよみがえらせるんです。
合ってます?その時に鳴ったケータイの着信音はとても特徴のある音だったんですが覚えてます?あれは…。
『ゴッドファーザー』の曲でした。
それではなぜご主人は吉野清美に映画を見てくれと依頼したんですか?彼女もご主人から頼まれたとはっきり言ってるんですよ。
さあ〜愛人だったんじゃないですかね…主人の。
愛人?…彼女が…。
私を困らせようとして適当なことを言っているのか。
それとも刑事さんにそそのかされたか…。
いい加減なことを言うんじゃないっ。
ご主人を殺したのは難波じゃない。
あなただ。
筋書きを考えたのはご主人。
あなたに自分を殺させ難波に罪を着せようとした。
目的は金と復讐…。
そうなんでしょう?違います。
そっちこそ証拠もないのにいい加減なこと言わないでくださいっ。
まいいでしょう。
こっちだってあんたが簡単に落ちるとは思っちゃいない。
少しこの辺りでも見て帰りますか…。
何か手がかりがつかめるかもしれない。
無駄だと思いますけどね〜。
尻尾をつかまれるようなことはしていない?それはどうですかね…。
急にお呼び立てしてご迷惑じゃなかったですか?いいえ。
島の人から聞きましたがあなたは亡くなった梅田さんとは幼馴染みで奥さんの静代さんとも長いおつきあいだそうですね…。
長いといってもこっちへ戻ってきてまだ半年ですから。
喜んだでしょうね〜あなたが戻って。
梅田さんですよ子供の時からの親友と再会できたわけですから。
ああ〜。
おやっ?喜んでくれなかったんですか…。
あの用件は何ですか?こう見えても忙しいんで。
失礼…。
ではもったいぶらずに聞きます。
あなた最近静代さんから何かもらいませんでしたか?何かプレゼントのようなものを…。
いいえ。
では手料理を振る舞われたことは?ありません。
でも親しいんでしょう?今日だって本当は会う約束をしてたんじゃないですか?ペンションでは肉料理も出されますよね。
そりゃまあ…。
あなたは肉料理はお好きですか?好きですけど。
やっぱり。
何を探ろうとしているのか知りませんけど僕たちにやましい点はありませんから。
ヤスは死んだんです。
死ぬ間際まで彼女のことを気にかけていた。
僕は…ヤスを裏切ることはしていません。
あなたはそうでも…静代さんはどうでしょうね〜。
彼女だってそうですよ。
ヤスにつくしてた。
でも…ヤスはもういない。
別の人生に目を向けることは悪いことですか?そうは言ってない。
だったらほっといてください。
やあご主人今お帰りですか。
どうも…。
この間は不躾なことを言ってすみませんでした。
どうです?お詫びに1杯。
おごらせてくれませんか。
いいですよ。
私も刑事さんとお話したいと思ってたんで。
えっ…?私の行きつけの店でいいですか?えぇ…。
いやぁ…あの言葉ずしりときましたねぇ。
「安太郎君が死んでくれて実はほっとしてるんでは」ってあれ…。
いやいやいや〜。
この商売長くやってますとつい悪いクセが出ましてねぇ。
ホントすみませんでした。
あいえいえ。
いや…ほっとしてるのかもしれませんよ。
女房も私も…。
いやいい奴でしたよ安太郎君は。
ただ神主の暮らしは彼の望んだものじゃなかったんですねぇ。
私と結婚してさっさと田舎を出た姉さんに甘ったれてるって言っちゃあなんだけどいつももたれかかってるようなところがあって…。
女房は女房で安太郎君に負い目があったのか必要以上に面倒を見て…。
そんな身内同士のねじくれた絆は傍で見ていてあまり気持のいいもんじゃありませんでしたねぇ。
静代さんが除け者にされたように感じたのも無理はありませんよ。
でもその静代さんもねじくれてたんじゃあないのかなぁ。
いつも夢のようなことを言ってる安太郎君に手を焼いてたけど…。
本当はあの女性も夢のひとつも見たかったのだと思いますよ。
そうね…安太郎君が死んでくれてよかったのかもしれませんねぇ。
あいや誰だって…そんな厄介な身内を抱えてたらふとそんな気になるんじゃないですかねぇ。
いっそ死んでくれたらいいのに…って。
怖いですねぇ。
(笑い声)すみません。
誰かに吐き出してしまいたかったものですから…。
すみません。
そりゃそうでしょうねぇ。
夢を見てたかもしれませんねぇ静代さん…。
実は…男がいたんじゃないかってそうニラんでるんですよ。
証拠でもあるんですか?ミートハンマーってご存じですか?肉叩きのアレでしょ。
知ってますよ。
さすが肉がお好きなだけある。
しかし安太郎さんは肉は食べなかった。
そうですよね?ええ。
ところが静代さんこのミートハンマーを渋谷の雑貨店で買い込んでるんですよ。
そしてそれを佐渡の自宅の方へ宅配便で送ってるんです。
しかもですねぇその品物を買った日が安太郎さんが殺された11月13日の午後4時45分。
つまり安太郎さんがまだ生きてる時です。
安太郎さんが遺体で発見されたのは翌14日の朝です。
それなのに静代さん…まるで安太郎さんが亡くなることを見越していたかのように夫が食べない肉叩きの道具を買っていた。
いったい誰のために…?静代さんが前つき合ってた方が佐渡に戻ってきてるそうですが聞いてます?いや私は何も…。
そうですか…。
しかし静代さんに男がいたなら安太郎さんは浮かばれませんよ。
1億円の保険金を手にした妻は自分の知らないところで浮気を…。
実に怖い話です。
さっきの話なんかねぇ比較になりませんよ青木さ〜ん。
その話…女房にするつもりですか?えっ?いやあぁいいんです。
〜〜なんですか?えっえぇいや…〜まぁ1杯。
〜男がいたの?警察はそうニラんでる。
お前には知っとく権利があると思ってる。
だが今さら静代さんを責めてもなにもならん。
すべては安太郎君が言い出したことなんだから…。

(汽笛)わるいわねぇしいちゃん…ほんとにもう。
こんなこと頼んでいいのかしら?体動かしてるほうが気がまぎれるし。
そ〜う?迷惑だったら言ってください。
迷惑だなんてそんなこと…うちは大助かりよ。
それなら…。
(肉を叩く音)
(玄関のチャイム)
(チャイム)私が出るから〜。
(健吾)ああ…。
ありがとな。
は〜い。
〜お義姉さん…。
〜神社には寄らないで来たわ。
どうせもう守る人なんか〜いないんだから。
〜元気そうねぇ。
なんだか生き返ったみたい。
〜そんな…。
〜〜話があって来たの。
〜〜はい…。
〜〜どうぞ。
いえ。
(波の砕ける音)安太郎…1億円の保険に入ってたそうね。
私たちには5,000万円だなんて言って。
あなたの差し金?あの人がお義姉さんには黙ってろって言ったんです。
手を下すのは私なんだから正直に言う必要はないって。
「死人に口なし」ですもんね。
何とでも言えるでしょうよ。
あなたがどうして安太郎を殺すことができたか分かったわ。
私にはできなかった。
いくらそれしか方法はないって言われても…。
でもあなたにはそれができた。
あの男がいたからよ。
違います。
何が違うの?あなたは安太郎が邪魔で疎ましかったんでしょ!だからあんなむごいことができたのよ。
安太郎はあなたに騙されたんだわ。
あなた頼まれてしかたなくあの子を殺したんじゃない。
安太郎の頼みはあなたにとって好都合だったのよ。
もしそうだったとしたら…何がどう変わるっていうんです?警察に行って本当のこと話します?いいですよそれでも…。
でも私が捕まったら保険はおりませんよ。
そしたら借金も返せない。
それでいいんですか?私を警察に突き出すためには知ってる事を喋らなきゃならない。
お義姉さんだってただじゃすまないんですよ。
それに借金が払えなかったらあの家だって失うことになる。
そこまでの覚悟お義姉さんあります?ないでしょ!あの人にはそれが分かっていたんです。
だからこそあんなことが頼めたんです。
分かりませんか?お義姉さん。
お義姉さんもまたあの人に試されたんだってことが…。
お義姉さんにとってあの人は重荷だった。
お義姉さんこそあの人が死んでよかったと思ってるんでは…?でたらめ言わないで!私は1度もそんなこと思ったことないわ!嘘よ!だったらなんであのとき止めてくれなかったんです?あのとき「破産してもいいから思いとどまれ」と言ってくれたらそしたらあの人死なずにすんだんです!〜私だって…あの人を〜殺したくなかった。
だけどああするしか〜なかったのよ。
〜あなたに男がいたことを繁子さんが知ったらきっと確かめずにはおかないと思いましてねぇ。
後をつけさせてもらいました。
それにしても来たかいがありましたよ。
確証を得るためにはどうしてもお2人の口から本当のことを聞く必要があった。
(戸田)行きましょうか。
ミートハンマーの具合はどうです?亡くなったご主人は肉は食べないんでしたねぇ?どんな気持だったんです?あれを買ったとき…。
さぁ…どんな気持だったのか…。
ただこれを使ってみたいなあ…そう思ったんです。
ず〜っとこの島を出たことがなくて神社の暮らしもな〜んの不満もないはずでした。
だけどそうじゃなかった。
こうなってみてそれが分かったんです。
ご主人に話をもちかけられたのはいつですか?捜索願を出して3日後のことでした。
あの人に呼び出されて私たち…。
繁子:じゃあ難波は最初からあなたを騙す気だったってこと?どうして見抜けなかったのよそんなに簡単に騙されて!絶対成功させるって言ってたのはいったいなんだったのよ!
(安太郎)ごめん。
ごめんじゃないわよ〜!ねぇ借金どうするの?氏子さんからかき集めたお金と私の2,000万円は?ねぇ…。
静代さん…あなたそばで見てて変だと思わなかったの?ねぇ…どうして止めてあげなかったのよ?止めました私は。
だけど…。
ああ!もういいわ…。
今さらそんなこと言ってもはじまらないし…。
それより…これからどうするかってことよ。
私だってこのまま家に帰れないし…。
あぁ首でも縊るしかないわ。
姉ちゃんがそんなことする必要はない。
死ねばいいのは俺だよ。
俺が死ねば…保険がおりる。
それで借金を返すよ。
あなた…。
なに言い出すの?自殺するっていうの?自殺は駄目だ。
契約してまだ2年経ってないから自殺では保険はおりない。
じゃあどうするの?殺してもらうしかない。
やめて!そうよ!誰がそんなことするっていうの!静代か…姉ちゃんに殺してもらいたい。
いや!私だっていやよ!そんなことできるわけないじゃない!じゃあどうすればいい?他にどんな方法がある?警察に行きましょう。
ねぇ。
そうしましょうよ。
警察に行ったところで…金は戻らないぞ。
借金は全部で4,000万円。
5,000万円の保険に入ってるから借金を返してもお釣りがくる。
それを2人で分けたらいい。
5,000万円…?うん。
心配するな。
お前や姉ちゃんが捕まったりすることがないようちゃんと計画は立ててある。
計画…?難波を犯人に仕立てるのさ。
いつまでもあいつのいいようにはさせない。
そんなことに手を貸すなんて冗談じゃないわ!じゃあ…あの家を取られてもいいのか?神社が人手に渡ってもいいんだな?なあ!姉ちゃん…こうするしかないんだよ。
こうなったのは俺の責任なんだし自分の命で償うよ。
私は…私は聞かなかったことにするからね!姉ちゃん…姉ちゃん。
逃げちゃったか…。
自分が悪者になるのが嫌なんだな。
ねぇ…どうして1億円の保険に入ってるって言わないの?手を下さない奴に余分な金をやることはない。
俺があの保険に入ったのはお前を見返したかったからだ。
俺が死んだら1億円入るぞってな。
そのときが来たと思えばいい。
そんなお金欲しくない。
じゃあ何が欲しい?何が欲しかった?あの人にそう聞かれて答えられませんでした。
でも死んでほしいと願ってたわけじゃない。
本当です。
(ドアの開く音)お義姉さん…。
止めてください!今なら間に合います。
あの人が思いとどまるよう言ってください!お借りしたお金は2人で一生かかっても返します。
だから止めてください。
お願いします!ねっ!お義兄さん聞いたでしょ!止めてください!あの人を助けてやってください!誰もあの人のことを止められなかった。
みんな自分がかわいかったんです。
(静代の泣く声)最後に2人で東京の街を歩きました。
何時間もあてもなく…。
こうして見ると…ただの街だな。
ちょっと人が大勢いて賑やかなだけだ。
人の暮らしなんてどこもそう変わりゃしない。
俺だって別に大層な人間である必要はないんだって…。
今ならそう思える。
だったら佐渡に帰りましょうよ。
もういちどやり直せばいいわよ。
やり直すには遅すぎる。
いや…やり直したい何かなんて俺には最初からなかった。
神社があるじゃないの。
(安太郎の小さな笑い声)そう思えないからこうなったんだ…。
でっかいことがしたかった。
しかし何をやればいいのか…最後まで分からなかった。
〜わるかったな静代…。
お前を幸せにしてやりたかったができなかった。
〜〜幸せだったわ私…。
〜〜ほんとよ。
〜ありがとう。
〜その言葉を聞けば十分だ。
もう思い残すことはない。
〜〜あなた…。
俺のことは忘れてくれ。
〜神社なんか売っ払って好きに生きていいから…〜あなたはご主人と暮らして幸せだったと言いご主人はあなたに「好きに生きていい」と言った。
最後にふさわしいやりとりですねぇ。
だけど本当の最後は…そんなきれいなもんじゃなかったんじゃないんですか?あなたが持っていた映画の半券にはご主人の指紋がはっきりと付いていました。
映画館を出たご主人とはどこで何時に落ち合ったんですか?8時に新宿駅で…。
〜映画はその前に会ったとき一緒に見ました。
映画の半券だこれから起きるケータイ騒ぎと着信音のこともあらかじめあの人から聞かされてました。
ああどうせそんなことだろうと思ってたよ。
足りない資金は俺がなんとかする。
相談したいからこれから言う場所に来てくれないか駅に着くとあの人は電話で難波を呼び出して…。
〜〜じゃあ待ってるよ〜それからその吉野という〜女の人のケータイに〜電話しました。
〜俺の身元が分かるもの全部だ。
処分してくれ。
〜〜急ごう。
〜早くしろ!手縛ってくれ。
首…。
早くしろ!一思いに引っ張ってくれ。
何してるんだ?お義姉さん来るかも…。
この場所教えたのか?1人じゃ怖くて…。
来やしないさ。
全部お前におっかぶせるつもりだ。
やってくれ。
今さら他者を当てにするな。
〜〜い〜っ!〜〜痛〜い!痛い…。
紐が縒れて痛い!〜きちんと巻いてくれ!〜〜こう…?あぁこれでいい。
〜〜さあ!〜でももっと痛いんじゃ…。
〜ぐずぐずするな!〜もう20分もしたら難波が来る。
もう後戻りはできないんだ。
〜お前がやるしかないんだ。
俺のためにもお前のためにもこうするしかないんだ…。
〜〜静代…。
〜〜あぁ〜。
〜〜あぁぁ…。
〜ごめんねごめんね…あなた痛かったねぇ。
ごめんねごめんね…なぜ紐が解かれて置いてあったのか最初からず〜っと気になってたんですよ。
あれはそのままでは忍びないという身内特有の気遣いだった。
うつ伏せにしたのもそうです。
目を剥いたままでは見るに忍びない。
そう思ってあなたはわざわざあそこへ戻って死体をうつ伏せにしたんです。
いいえ…。
うつ伏せにしたのは私じゃありません。
お義姉さんです。
(小刻みにガラスの当たる音)
(ドアの開く音)今…安太郎にお別れ言ってきたから…。
行ったんですか?あそこに…。
〜〜あっ…あ…。
〜やっちゃん…。
〜〜やっちゃん…。

(繁子)目を剥いて死んでたから閉じてあげた…。
〜それと縛られた手が下になって痛そうだったからうつ伏せにしてあげたから…。
〜お義姉さん…〜〜
(むせる声)〜そうでしたか〜。
あれがなければ難波の証言が事実と食い違うこともなかった。
そしたらあなたのアリバイを洗い直すこともなかったでしょう。
身内の情が仇になった…。
なるほど…。
あなたが言ったとおりだ。
ねぇ刑事さん…。
はい。
あの人…どこまで予測してたと思います?自分が死んだら私は彼のもとへ走る…そう確信してたんでしょうか?さあ…それはどうでしょうねぇ。
いずれにせよあなたには別に心を寄せる男性がいたことそれから1億円の保険金のことをお義姉さんたちに隠していたのは…あなたにとって不利な材料ではあります。
私…なんだかあの人に騙されたような気がする。
これじゃああの人を騙したことになるんじゃないかってそう思ってずっと怯えてたけどほんとはあの人が私を騙したのかも…。
どういうことです?あの人難波を犯人に仕立てようとした。
でもそれは…私を騙すための口実で本当は私が捕まることを願ってたんじゃないかって…。
こうなるように仕向けたのはご主人だと…?分かりません…。
でもそんな気がするんです。
私を…道連れにしたかったんじゃないかって…。
あなたはどうなんです?〜本当に殺意はなかったんですか?〜どうです?〜〜分かりません。
〜〜分からないんです。
〜人の心は分からない。
自分の心の中はもっと分からない。
(汽笛)時間です。
行きますか?はい…。
(車の近づく音)〜どうしました?やっと…この島を出る日が来たんだと思って…。
さようなら…。
2014/06/29(日) 10:30〜12:49
テレビ大阪1
日曜サスペンスドラマ 松本清張特別企画「黒い画集〜紐」[字]

誰が夫を殺したか?完璧アリバイの保険金殺人に挑む老刑事の執念!佐渡〜東京の点と線を結ぶ犯罪捜査が明かす骨肉の争い!

詳細情報
番組内容
佐渡島の古い神社の神主・梅田安太郎は、親の仕事を継いで神主をしている。しかし安太郎は親の仕事だった神主の仕事に満足せず、ある事業計画を進めていた。それは学生時代の友人である難波の誘いで、中国に不動産会社を設立するというものだった。妻の静代はその計画に反対するが、安太郎は必ず儲かると氏子に出資を募り、金策に走る。さらに東京に住む実の姉・青木繁子からも夫に内緒で500万円を出資させていた。
番組内容2
1週間後、安太郎は打ち合わせのために東京の難波の事務所を訪れる。難波はすぐに法人登録をするためには、あと2000万円が必要だという。すでに神社を担保に入れてしまっている安太郎は、姉の繁子に自宅を担保に借金するように頼み込む。かつて嫌がる安太郎に神社を継がせた負い目もあり、繁子は仕方なく家を担保に借金する。
番組内容3
しかしその半月後、難波の事務所が空になっているのを目にして、呆然と立ち尽くす安太郎の姿があった。難波は初めから安太郎を騙すつもりだったのだ。安太郎は繁子に「難波を見つけ出すまでは家に帰らない」と連絡し、姿を消してしまう。10日ほど後の11月14日、東京・小田急線和泉多摩川駅に近い多摩川べりの河原で、身元不明の死体が絞殺死体となって発見される。
番組内容4
死亡推定時刻は13日午後8時から10時の間。死体は両手足をビニール紐で縛られ、うつ伏せに倒れていた。首には紐を三重に巻いたことを示す3本のうっ血の跡があり、その紐は死体の横にほどかれて置いてあった。現場に駆けつけた警視庁捜査1課の田村警部補は、首に三重に巻かれた紐がわざわざほどかれていることに疑問を抱く。
番組内容5
さらに謎なのは、検死の結果、死体は死後2、3時間は仰向けにされた状態で、その後うつ伏せにされたことが判った。誰が、何のために?
出演者
梅田静代・・・余貴美子
梅田安太郎・・内藤剛志
青木良作・・・石橋蓮司
原雅志・・・・山田純大
小林健吾・・・田中隆三
田村総介・・・大地康雄
青木繁子・・・真野響子
難波達郎・・・萩原流行
吉野清美・・・小沢真珠
田村美鈴・・・根岸季衣 ほか
原作脚本
【原作】松本清張
黒い画集(新潮文庫)「紐」より
【脚本】田中晶子
監督・演出
【監督】松原信吾

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

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