サキどり↑「子どもの心をつかめ!おもちゃビジネス最前線」 2014.06.29

今月12日から開かれた…飲み物を自ら運んでくれるロボットや…障害物を自動的に避けながら走るミニカー。
そして空を飛ぶ人形まで最先端のおもちゃが続々登場。
子どもだけでなくお父さんやお母さんそしておじいさんまで。
少子化が進む中おもちゃ業界ではあらゆるお客を取り込もうと激しい戦いが繰り広げられています。
負けませんよ!負けませんよ!一方町のおもちゃ屋さんも子どもたちの心をがっちりつかもうと新たな戦略に乗り出しています。
その秘策とは?起死回生に挑む町のおもちゃ屋さんの奮闘の日々に密着。
今日はおもちゃビジネスの舞台裏を全部見せちゃいます!
(2人)おはようございます。
今日のテーマは「おもちゃビジネス最前線」という事でスタジオにはおもちゃご用意しましたよ。
インパクト強いですねこれ。
これは楽しく人体の仕組みを遊びながら学べるというものでおもちゃショーで大賞を取ったものなんですね。
すごいですね。
という事で早速やってみましょう。
オペ開始。
はい。
ピンセット。
はい。
小腸。
はい。
ではスタート!う〜ん…。
そ〜っと…。
キャ〜ッ!あ〜!すごい!びっくりした!うまくいったと思ったんだけどな〜。
でも驚いて楽しみながら学べるものなんですね。
間違いない。
驚いちゃったんですけど驚くべきはこれだけではないんです。
さあ出番ですよ〜。
おっ!かわいいでしょ?こちらもおもちゃショーで話題となったロボットなんですね。
自由自在に走行したり物を運んだりできちゃうんです。
ありがとう!さあ注目して頂きたいのはこちらの数字。
「240億円減」?減っている?そう。
この数字実はおもちゃ業界を震撼させた数字なんです。
そうでしょうね。
だって減ってる訳でしょ?これは一体どういう事なのか?東京おもちゃショーの舞台裏取材しました。
ニューヨークニュルンベルク香港と並ぶ…日本だけでなく世界中からおもちゃのメーカーが集結する1年に1度のビッグイベント。
今年のトレンドの一つがハイテク化。
日本の最先端の技術が満載で16万人のお客さんが詰めかけました。
一見活況を呈して見えるおもちゃ業界。
しかし今業界を揺るがす事件が起きているというんです。
(悲鳴)その事件とは何か?訪ねたのは半世紀にわたっておもちゃ業界の動向を見続けてきた専門家伊吹文昭さん。
実は業界のドル箱といわれる小学生男の子向けのキャラクター商品の売り上げが激減。
1年間で240億円も減っているというのです。
なぜそんな事が起きているのか。
謎を探るため訪ねたのはこの道40年おもちゃ屋さんを営む加藤友司さん。
店内を見てみると意外にも男の子たちがいるじゃないですか。
ところが…。
小学生の男の子に支持されるキャラクターのヒット商品が減少している事が原因だと加藤さんは言います。
実際男の子たちの反応は?最近は子どもたちの興味も移りやすく短期間しか売れないとか。
では小学生の男の子たちの興味はどこに向かっているのか?次に取材班が訪ねたのは子どもたちのライフスタイルに詳しい専門家高橋暁子さん。
そこで見せられたのはこちらスマートフォン。
現在の小学生は2000年以降に生まれたゼロ年代キッズです。
ゼロ年代キッズはおよそ4割の子どもたちがパソコンなどでゲームをしている世代。
高橋さんはネットゲームに依存する子どもたちの流れは今後も加速すると言います。
もう一度子どもたちの心をつかむにはどうしたらよいのか?今年のおもちゃショーをよく見てみると目立ったのが…そう親たちの心をくすぐるおもちゃで子どもたちを呼び戻そうという戦略です。
おもちゃショーに参戦したこちらのメーカー。
今回開発したのはなんと…しかも…2012年には世界最小記録を打ち立てギネスに登録されたリモコンヘリコプターです。
その中には最新の技術がぎっしり。
まずこちらの部品は?3枚のプロペラを回す大事なモーター。
実はこれ…。
小さくできた秘密はスマホのバイブレーターにありました。
ほかにもバッテリーはスマホのリチウム電池。
方向転換はスマホのジャイロセンサー。
高性能な携帯パーツを利用して組み合わせているんです。
更に赤外線に改良を加え同時に3つのヘリが飛べるよう開発。
子どもとお父さんそしておじいさんまで…社運を懸けた新商品の営業を任されたのは石野雄士さん。
石野さん現場に乗り込んでみると長い行列が!自分のブースかと思いきや…。
更に…対抗する強力なライバルが出現。
この会社石野さんたちの近くにブースを構え機能性が高い事を売りにした最新リモコンヘリをアピール。
(スタッフ)さあクアトロックスが…お〜!フゥ〜!これは楽しめる!がぜん闘志が湧いた石野さん。
実はある秘策を考えていたのです。
その秘策とは…3世代で遊ぶ楽しさを伝えるショー。
親子3世代にふんした社員がリモコンヘリで風船を割る遊びを披露します。
(スタッフ)少年が…はいゴールイン!3着がお〜おじいちゃんという結果になりました。
最初に反応したのは子どもではなくシニアの皆さん。
夢中で遊ぶおじいさん。
初めて体験するリモコンヘリに感激。
次第にお父さんやお母さんも興味津々。
そして最後は子どもたちも。
いや〜240億円も減っているその裏でいやだからこそというこの開発競争なんですね。
あの手この手で取り組んでましたね。
すごいですね。
さあ小学生の息子さんがいらっしゃるというせいじさん。
どうご覧になりますか?このおもちゃショーは今回は息子の都合で行けませんでしたけど去年も行きましたし…。
あの〜すごいですよ。
僕たちが子どもの時に遊んでたおもちゃがどんどん改良されて素材とかも…。
ちょっとびっくりするのは僕らの時ってケガをするようなちょっととがった部分とかが結構あったんですよ。
足で踏んだらケガするとか刺さるとか…。
そういうのが見た目はカッチカチに見えるけど触ったら「柔らか!」とか「何やろ?この素材」みたいなのもいっぱい出てますね。
相当進化してると。
素材が進化してますね。
さあスタジオにはもうお一方です。
NHKで最もおもちゃに詳しいという片岡解説委員です。
お願い致します。
お願いします。
この企画を待ってました。
はい。
相当進化してますよ。
びっくりです。
おもちゃっていうのはそもそも技術の進歩の映し鏡といわれているんですね。
まさに今の時代の顔となる技術が巧みに取り込まれているんですね。
例えば先ほどのちっちゃなヘリコプターの場合ですね。
あれはスマートフォンの技術が使われてましたね。
それからミニカーありましたね。
自動操縦する。
あれは赤外線センサーで障害物を感知して壁を避けながらずっと移動していくんですけどまさにあれと同じ原理を使ってですね最近時代の顔となったヒット家電商品があるんです。
何だと思いますか?これはお掃除ロボット?そうです。
ロボット掃除機ですね。
あの円盤の。
あれもまさに赤外線センサーで壁を感知しながらその情報をマイコン…マイクロコントローラーというんですがその半導体で処理して動いていってるんですね。
このレベルまで達していると大人も本当に楽しめちゃいますよね。
そうです。
そりゃそうですね。
楽しいと思います。
片や現実を見ると240億円減?
(片岡)はい。
240億円減っているっていうのがまさにおもちゃメーカーにとっての一つのドル箱である男の子向けのキャラクター商品なんですよ。
キャラクター商品っていうのはテレビの人気と連動するんでその人気に左右されやすいんですね。
しかも番組ってせいぜい1年で終わるでしょ?メーカーはその1年でとにかく稼げるだけ稼ごうとまあ当然する訳ですよね。
それで何を考え出したかっていうと例えばある変身ヒーローがいました。
このヒーローある時点で次の形に進化します。
武器も変わります。
そのための変身スイッチも手に入れます。
さすがお詳しい。
むちゃくちゃ買いましたよ。
とにかく切りがないんですね。
ものすごい…。
あの今ねポーズとかとりませんから。
あっそうなんですか?今ポーズとかとりませんよ。
それも物ですもんね。
それを買わなあかんので…。
(片岡)ずっと買い続けるんですね。
それを…。
懐が大変っていう事もあるんですけどやっぱり僕ぐらいキャラクターが好きな人間でもですねええ加減にせえよっていう感じになってくるんですよ。
キャラクター魅力的なんですよ。
言うときますけど。
私も大好きですから。
その移ろいやすい子どもの購買欲をうまく刺激して買い続けてもらう見事なビジネスモデルなんですね。
ビジネスモデルとしてはいいんですけど一方で何が起きるかっていうと子どもはそのおもちゃを買って遊ぶというよりも誰よりも早くたくさん全てのアイテムを手に入れるっていう事が目的になる。
つまり…だからちょっと盆栽的な要素ありますね。
(片岡)キャラクター商品は盆栽なんですね。
観賞?お互いが持ち寄ってお〜なかなかいいね〜みたいな…。
子どもたちの心をつかむためにはどうしたらいいのか。
取材班が向かったのは…新たな挑戦をするおもちゃ屋さんがあるというんです。
訪ねてみると朝から家族連れで大にぎわい。
お店の年商は4億円。
これだけの売り上げを誇る町のおもちゃ屋さんは全国でもほとんどありません。
人気の秘密は…おもちゃごとに専用ブースがありまるでおもちゃのテーマパーク。
男の子に人気の電車のブースには…大きなジオラマが!家では見る事ができないおもちゃの世界が広がります。
こちらは全国でも珍しいオリジナルのミニカーが作れるブース。
車体や座席のパーツを選ぶとその場で組み立ててもらえるんです。
ねっ。
そう!見て触って一緒に遊べる店づくりが子どもたちの心をがっちりつかんでいるのです!お店を経営するのは3代目社長の吉田修一さん。
店の主力商品は世代を超えて愛されてきた定番おもちゃだと言います。
吉田さんが店を継いだのは13年前。
少子化などの影響で売り上げは下がり続けていました。
当時の主力はテレビゲーム。
利幅が少なくブームが短いため安定した経営は困難でした。
店をどう立て直すか悩んでいた吉田さんの背中を押したのは売り場で耳にしたある言葉でした。
自分たちが売ったゲームが親子で一緒に遊ぶ時間を奪っているのではないか…。
親子で遊ぶ楽しさを伝える事が自分の使命ではないか。
吉田さんはゲーム売り場を大幅に縮小する事を決意しました。
主力商品を定番おもちゃに切り替え親子で遊べる店づくりを開始。
10年掛かりで今のような人気店によみがえったのです。
ぶ〜ん!そんな吉田さんが今新たに取り組んでいるのが全国のおもちゃ屋さんと連携した生き残り大作戦。
(吉田)畠山さんは山陽。
加藤さんは埼玉。
全国およそ40のおもちゃ屋さんで組織を作り共同でイベントを開催。
ほかにも商品の売れ筋情報を共有する事で効率的に販売をしたりお店同士で商品を融通し在庫のリスクを減らすなどバラバラだった全国のおもちゃ屋さんたちが連携する事で大手チェーン店や量販店に対抗するのがねらいです。
そしてこの春吉田さんたちは町のおもちゃ屋さんによるオリジナル商品の開発に乗り出しました。
この日訪れたのは山形にある工房。
そこで作られていたのは…。
100年以上もの間ほとんど変わらないデザインが受け継がれてきたけん玉。
吉田さんたちは自分たちのお店だけで販売できるけん玉を作ろうと考えたのです。
けん玉は昭和50年代に全国でブームを呼びかつては多くの家庭で遊ぶ姿が見られた定番中の定番です。
それが今欧米で大ブームに!吉田さんは人気が下火になっている日本でも改めてけん玉の魅力を伝えたいと考えました。
目指すのは今の子どもたちにも支持されるかっこいいけん玉です。
1か月後。
山形の工房から新しいけん玉が届きました。
これまでになかった鮮やかな色使い。
スタイリッシュなけん玉です。
いよいよ新しいけん玉の発売日です。
子どもたちの目に留まるよう正面の入り口から一番見やすい場所に陳列する事にしました。
開店と同時に店内はいつもどおりの大にぎわい。
ところが…。
けん玉には見向きもしてくれません。
閉店後吉田さんは売り場の社員を集めました。
果たして自分たちに何ができるのか。
吉田さんが帰ったあと若手だけで話し合います。
会議は夜遅くまで続きました。
翌朝早速売り場を変更する社員の姿が。
けん玉の魅力を伝えるため昔ながらのけん玉も含めて並べる事にしたのです。
そしてお客さんを見つけると突然走りだしました!一番の若手大門一也さん。
得意だったけん玉を披露する事にしたんです。
すると…。
売り場の雰囲気が変わりました。
あっちでも…こっちでも。
思わず夢中になっているお父さんも。
これやってみる?じゃあこれだけ。
えっできないよ。
ゆっくりだよゆっくり。
あ〜惜しい!あ〜入った!入った!
(取材者)上手ですね。
おもちゃの魅力を伝えたい。
それが町のおもちゃ屋さんの使命だと吉田さんは言います。
いや〜町のおもちゃ屋さん頑張ってますね〜。
こういうおもちゃ屋さんだったらもう連れていきたくなるんじゃないですか?あれ何の発売日でもないのにあんな行列が出来ている事にちょっとびっくりして…すごいですね〜。
という事でその吉田さんたちが作ったけん玉をご用意したのでやってみましょう!せいじさん得意ですか?けん玉何年もやってませんよ。
カビラさんも。
僕も小さい頃やってないな。
何年も…。
やってないから…。
どうですか?ちょっとやってみますわ。
おっ!ああ難しいわ。
おおっ!うまい!
(片岡)できましたね。
童心に返ったような。
こんな難しかった?ここしか無理だな〜。
(せいじ)え〜?フ〜!OK!
(拍手)結構これ大人も夢中になっちゃいますね。
…でこれはいわゆる共同でプロジェクトなのでこのバージョンはそのおもちゃ屋さんに行かないとない。
(片岡)実はそこがねらいなんですよね。
全国町のおもちゃ屋さんの会に行かないと買えないと。
じゃあ一番近所のおもちゃ屋さん行こうか。
行ってみると何か店員さんも対応がいいし何か見てると陳列も面白いしこれいいよねっていうんで実はねブログとかにその事を書いてくれる人がいるんですよ。
そうなるとそれを見た人があっ俺も行こうかな僕も行こうかなとなって実は吉田さんのねらいはこのけん玉を売りまくる事ではなくてこれをきっかけに町のおもちゃ屋さんのよさを知ってもらって足を運んでくれる人を増やすっていうそこが実はねらいだったんですね。
ネットで何でも買えるけども現場でちゃんと見て。
ああ〜それ大事やな。
僕が思うのはやっぱり何か知らんけどヨーヨーうまいおっさんがそのスーパーに来て4人ぐらい並んですごい技見せるみたいなやっぱり子どもの時はあれはもうわくわくしましたから。
やっぱりプロのものとかを見るとすごいわくわくするからそういうスペシャルな人のものを見たいですよね。
けん玉って実はいいとこに目ぇつけたなと思うんですけどこれって実はおもちゃの本質が凝縮されてると思うんですね。
つまりおもちゃっていうのは本来買ったあとにどう遊ぶかっていうのがポイントだと思うんですよ。
つまりコレクト…集めるんじゃなくて。
買ったあとにまさにこうけん玉を手になじませながらまさに腕を磨いていく。
…でしかも自分のオリジナルの遊び方を考えていくんですよ。
その事でみんなと一緒に競いながら「オレこんなん考えたでー」とか言いながらコミュニケーションをとりながら遊んでいく。
まさにコミュニケーションをしながらイマジネーションも広げていってというようなおもちゃらしいおもちゃなんですよね。
丸い方で…こう載せたりしてね。
(片岡)やってた人いましたね。
よく考えるな思たんですけど。
いや〜真剣に遊ぼう。
遊びましょう。
ほんまに。
真剣に遊びましょう。
もう今日は早よ帰って子どもさんと一緒におもちゃで遊んだ方がいいんじゃないですかね。
いや〜でも今日はね初日なんですよね。
このあと僕。
片山さんおもちゃは友達でした?友達でした。
一緒に遊んでそして学んで。
楽しかったな〜。
そうですよね。
集めるのもいいけれどもやっぱり真剣に遊ばないとね。
友達も増やしてくれますしね。
おもちゃは。
エンディングナンバーは「トイ・ストーリー」からです。
RandyNewman「You’veGotaFriendinMe」。
おお〜!イエイ。
おお!おお!おお〜!
(拍手)おお〜!
(拍手)できた!2014/06/29(日) 08:25〜08:57
NHK総合1・神戸
サキどり↑「子どもの心をつかめ!おもちゃビジネス最前線」[字]

おもちゃビジネス最前線★3世代の心をつかめ!開発競争の舞台裏★空飛ぶ人形★自動走行ミニカー★人気キャラクタービジネスの秘密★あの定番おもちゃがブームに!?

詳細情報
番組内容
6月に開催された「東京おもちゃショー」。最新技術を駆使した商品が続々登場! 中でも注目は「3世代で遊べるおもちゃ」。その影には子どもを獲得するためのし烈な闘いが! 一方、町のおもちゃ屋さんでも、生き残りを賭けてオリジナル商品を開発。その商品とは、伝統的なおもちゃ「けん玉」。果たして子どもたちの反応は? 番組では、おもちゃビジネスの最前線を取材。わくわくドキドキするおもちゃの深〜い話を紹介します。
出演者
【ゲスト】千原せいじ,【解説】NHK解説委員…片岡利文,【キャスター】ジョン・カビラ,片山千恵子

ジャンル :
情報/ワイドショー – その他
ニュース/報道 – 経済・市況
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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