趣味の園芸・選「立ち姿が美しいカラーとアガパンサス」 2014.06.29

12回シリーズでお届けしている「漢方でもおなじみおいしい植物」。
次回は「ウコン」です。
テキストも是非参考にして下さい。
おはようございます。
「趣味の園芸」ナビゲーターの三上真史です。
今日は2009年6月に放送しました「立ち姿が美しいカラーとアガパンサス」をお届けします。
それではご覧下さい。

(テーマ音楽)「趣味の園芸」司会の山田香織です。
今日のテーマは立ち姿が凛と美しくこれからの季節清々しい印象を与えてくれる「カラーとアガパンサス」です。
スラッと伸びた形が魅力のカラーと小さな花が繊細で涼しげな印象のアガパンサス。
どちらも夏の暑さを忘れさせてくれる清々しい花です。
今日はそんなカラーとアガパンサスの魅力をたっぷりとご紹介します。
後半は「フルール」です。
暑い季節に涼しさを演出してくれる「吊りシノブ」を園芸研究家の山口まりさんがご紹介します。
こちらもお楽しみに。
まずはカラーとアガパンサスからご紹介していきましょう。
教えて下さるのは園芸研究家の小黒晃さんです。
(2人)よろしくお願いします。
今日のテーマは「カラーとアガパンサス」ですがこの2種類共通点はありますか?どちらも南アフリカ原産の植物なんですけどやはりスラッとした立ち姿ですね。
これの美しい植物ですね。
丈夫で作りやすくて毎年咲くのが特徴ですね。
どちらも丈夫という事ですけれどもまずはカラーからご紹介頂きたいと思います。
こちらにすてきなカラーのブーケがありますね。
清楚でいいですね。
こちらは結婚式用のブーケです。
ほんとに「清楚」という言葉がぴったりのお花ですよね。
このカラーは「ウエディングマーチ」という品種名ですが名前にぴったりですね。
「カラー」という名前は「色」という意味ではなくて「襟」という意味なんだそうですね。
もともとカトリックの修道女の白い襟から来てる名前なんですね。
色の「カラー」ではなくて。
日本名が「海芋」といいます。
「海の芋」と書くんです。
芋ですか!?なぜ海の芋なんでしょう?カラーはサトイモ科の球根の植物なんですね。
南アフリカ原産ですがヨーロッパ経由でオランダから渡ってきた海を渡ってきた芋という事で「海芋」と呼ばれています。
なるほどそれでなんですね。
カラーは葉っぱも観葉植物的な美しさありますよね。
大きな葉っぱが特徴ですよね。
いろんな葉っぱがありまして形が三角形のものや縦長のもの大きな葉っぱのもあります。
こういった「斑入り」斑点の模様の入るカラーがあります。
向こう側が透けて見えますよね。
ちょっと面白い斑ですね。
斑というか透けているんですね。
窓のようになってますよね。
カラーは通常は切り花でよく目にしますよね。
実はカラーには2つのタイプがありまして切り花で使われてるのは「湿地性」といって水辺を好む種類ですね。
もう一つは「畑地性」といって水はけのいい所で作る。
そういった2つのタイプがあります。
私たちが目にする白いカラーは湿地性という事なんですがこのカラーがどういう所で育っているのかご覧下さい。
水が流れていますね。
こういった水辺ですね。
川のほとりとか池の縁を好むのが湿地性のカラーですね。
随分と株が大きいですね。
葉が大きく茂って大株になります。
草丈も高くて茂った葉っぱの中から花がスッと立ってくる。
そういった種類ですね。
お花は清楚ですが葉っぱは野性味がありますね。
ワイルドな感じがしますね。
今日は小黒さんが育てている湿地性の株をお持ち頂きました。
湿地性という事で水分を好みますので受け皿に水をためて乾燥しないようにしています。
こうするとよく育ちますね。
いわゆる「腰水」ですよね。
湿地性のカラーを私たちが手に入れる事はできますか?切り花の流通は多いんですけどもなかなか鉢では出回ってなくて手前にある「畑地性」という水はけのいい所で作る種類が鉢物でよく出回ってますね。
いろんな色があるんです。
今いろいろ映っていますけれども黄色いお花のもの…。
湿地性は白い色が多いんですけど畑地性は黄色やピンクの品種などいろんな色がありますね。
こちらは少し変わった色です。
濃いオレンジの品種ですね。
赤に近い色。
それからこういった黒っぽいチョコレート色のようなユニークな品種もありますね。
白いカラーを見ているとガラッと印象が変わりますね。
カラフルでいろんな色があるのが畑地性の特徴ですね。
この畑地性のカラーはどんな特徴がありますか?水はけのいい所で作りますので他の一般の草花と同じように寄せ植えにも使えますね。
大きさがコンパクトという事ですけれども。
このカラーの開花中の管理は?やはり日光を好みますのでできるだけ日当たりのいい所に。
暗い所に置いておきますと葉っぱが枯れてきますからできるだけ明るい半日くらい日の当たる所で管理して下さい。
室内では窓辺の日の当たる所。
そして屋外の場合は?午前中くらい日の当たる所がいいですね。
水やりはいかがでしょうか?用土が乾いてきたらたっぷり水をやるようにして下さい。
先ほど湿地性のカラーは腰水をしましたが畑地性の場合は?畑地性の方は水をためておくと腐りやすくなりますので水はけを良くしておきます。
そこは性質が違うわけですよね。
肥料はいかがですか?花が咲いてからは肥料要りませんので花が咲くまでに肥料をやって咲いてからあとは水やりだけで肥料やらなくていいですね。
お花は大体どれぐらいもつんでしょうか?大体1輪が1か月くらいは咲いてますね。
かなり長く楽しめるわけですね。
長い花でもいずれは終わりが来ますよね。
花がらはやはり摘むべき?花が終わりますと色も悪くなって花が垂れてきたりこういうふうに中にタネが出来てきますね。
出来てますね大きく。
こうなったら?花がらの摘み取り可。
根元から引っ張ると抜けますので簡単に抜けますのでこういう感じで抜いていきますね。
私もやってみます。
あっ簡単に。
簡単に花の老けたものは引っ張ると抜けますのでね取っていきますね。
ちょっと力を入れれば簡単に抜けるんですね。
花の終わった順にどんどん摘んでいくといいと思います。
こんな感じですね。
このように花がらの処理をしたあとの管理は?秋まで葉っぱが残ってますから普通に水やりして管理します。
秋になって葉っぱが枯れてきます。
休眠してきますのでそしたら水をやらないで乾かしてこのまま凍らない所で冬を越させますね。
冬は葉はなくなるわけですよね?なくなって球根だけになります。
庭植えの場合は?場所によっては植えっぱなしでいいものもありますけども心配な場合は掘り上げて鉢に移し替えて乾かして冬の間は貯蔵しておくと安全ですね。
貯蔵した球根を春にまた植えつけるわけですよね。
いつぐらいがよいですか?4〜5月ですね。
ちょうどヤエザクラの咲く頃が適期になりますのでその時期になりましたら球根を出して庭に植えつける。
あるいは鉢に植え直します。
同じ場所で作るとだんだん生育が悪くなってきますのでできれば庭に植える場合は場所を少しずつ変えていくとか鉢植えの場合は用土は新しい土に替えて植えて下さい。
また立派に咲きますので。
よく育つわけですね。
毎年花を楽しめるカラーという事でした。
続いてはアガパンサスです。
あちらで教えて下さい。
スタジオにたくさんお持ち頂いたアガパンサスきれいに咲いていますがサイズもいろいろあるんですね。
背の高くなるものから背の低いものいろんなタイプがありますね。
こちらは大きめのタイプでしょうか?丈が伸びてますけど背の高い「プルートベ−ル」という品種ですね。
こちらは白い花を咲かせる「ホワイトダイアモンド」という品種ですね。
真っ白なきれいなお花ですね。
そして前の方にあるのが…。
丈が30cmくらいですね。
背の低い品種になります。
小型の品種ですから鉢植えに使いやすい品種ですね。
移動もしやすいですし扱いやすいと思います。
更に斑入りの葉のものもあるんですね。
葉っぱに白い筋の入る品種ですけれども。
これは花が終わっても観葉植物として使えますね。
「白晃蘭」という品種ですね。
そのお隣にあるのが?お花がよく見るとグラデーションになっているんですね。
薄く青色の入る品種ですけど「シルバーベービー」という品種ですね。
近くで見ると淡いグラデーションが入っています。
比較的小型の品種ですね。
そして奥にあるのが非常に立派な…。
大株に育つとこんななります。
放射状に花があがってとても豪華です。
このアガパンサスどんな特徴があるんでしょうか?まず根がよく張って乾燥に強い植物なんですね。
丈夫で育てやすい種類です。
冬も葉っぱが茂る常緑のものと冬に葉が枯れる落葉種があります。
落葉のものは庭植え鉢植え両方できますので。
庭植えは寒い地方の方は大丈夫かと心配になるかもしれませんが…。
特に落葉種は寒さに強くて私のいる八ヶ岳でも冬はマイナス15℃ぐらいになりますけどちゃんと冬を越して毎年咲いてくれますね。
大丈夫なんですね。
寒さに強い種類ですね。
では今の時期どういう形で私たち入手できますか?ちょうどポット苗や花の咲いた苗かつぼみの苗が出回ってますからこういった形で入手できますね。
お好きな大きさのもの色のものを選べばよいという事ですね。
草丈とか色で選んで頂けるといいと思います。
ではアガパンサスの苗を植える際のポイントを教えて頂きます。
山梨県北杜市にある小黒さんが管理するガーデンです。
苗を植える場所はどんな所が向いてるんでしょうか?日光が大好きなので半日以上は日の当たる場所を選んで下さい。
このようによく日の当たる所。
そうですね。
植えつける前にやるべき事は?やはり土壌改良ですね。
水はけの良い土にしておく事が大切ですね。
植える場所にまず表面に腐葉土をまきます。
腐葉土またはたい肥でもいいですけども。
肥料は緩効性の肥料を元肥に2つかみぐらいまいておきます。
まき終わったら土とよく混ぜていくんです。
深く掘り起こして土を軟らかく根がよく張るようにしておきます。
しっかり混ぜるといいですね。
フカフカの土が出来ます。
軟らかいいい土ですね。
このあとは植えつけですね。
どのくらい株と株を離して植えればいいんでしょうか?株が増えてくるので40cmくらいは空けた方がいいと思いますね。
まず植える前に場所を決めて鉢を置いてみます。
株間を十分取って。
場所を決めたら植えつけていきます。
根は崩さずに植えるんでしょうか?びっしり張ってますけどこのまま植えつけて構いません。
アガパンサスは根が太くて強いですからね。
新しい根がすぐ出てきます。
植え終わったあとに株の周りにバークチップでマルチングをしておくと後の生育がいいですね。
表面の土が硬くなりにくくなりますし泥が跳ねなくて葉っぱにかかる事もありません。
植え終わったらたっぷり水やりをして下さい。
もうこれでよいわけですね。
丈夫ですから植えつけてしまえばしっかり育ちますからあとはもう大丈夫ですね。
あまり心配要りませんと。
その後の管理もお伺いしたいと思います。
植えつけ時の管理で注意点はありますか?場所ですね。
日当たりのいい場所を選ぶという事と土づくりをしっかりしておく事。
あとは手がかかりませんので。
肥料は元肥を入れてありますから特に要らないわけですね。
しばらくは要らないですね。
お花はどれぐらい楽しめるんでしょうか?たくさんありますので1か月は十分見られますね。
次々と咲いてきます。
こうして見ますと1つの花茎に20輪ぐらいは…。
それが次々開いてきますね。
この花がらはどのように取っていけばいいですか?花の終わった順に見栄えが悪いですから摘んでいくといいですね。
ちなみに緑色になってるのはタネですよね。
タネですね。
サヤですけども。
サヤを観賞する方は摘まないで花がらだけを取ればいいですね。
実を残してしばらく観賞する事もできます。
全部花が終わってしまったら?全部終わりましたら茎の元の方から切って構いません。
終わり次第切っていくという事ですね。
もう一つ教えて頂きたいんですけれどもアガパンサスを育てていると時にこのように葉が乱れてしまって葉っぱが途中で折れてしまう事があるんですけれどもこんな時の対処法こうならないための方法を教えて頂けますか?やはりこれは日照不足ですね。
日光が足りないとだらんとなりやすくなりますし水と肥料が多いと柔らかく伸びて倒れてしまうんですね。
我が家のアガパンサスも葉が長くなってしまってたんですけれども今お伺いして水と肥料が多かったのかなと思いましたね。
ですからなるべく日に当てて肥料を控えてこれから出てくる芽新しい葉をしっかり育てていく事ですね。
実際折れてしまった葉は切ってしまってよろしいですか?途中から切っても構いませんしだらんとなって枯れてきた葉…。
こういうのも取ってしまって。
色が悪くなった葉っぱとか。
これをしていくとだいぶスッキリしてきますのでね。
これから夏の季節ですから特に蒸れやすいですもんね。
まずは葉を長く育てないためにも日当たりの良い所に置いて…。
肥料をやり過ぎないという事ですね。
水もやり過ぎてはいけませんと。
乾燥に強いですから少しぐらい乾かしても大丈夫ですのでね。
基本的には育てやすい種類なわけですからね。
皆さんもカラーとアガパンサス挑戦して頂きたいですよね。
多年草で毎年楽しめますのでね。
意外に丈夫で手のかからない花ですから毎年楽しめますね。
豪華な花是非皆さんも毎年楽しんでみて下さい。
今日はいろいろ教えて頂きましてありがとうございました。
続いては「フルール」です。

(風鈴の音)風鈴の音が響く夏の縁側。
軒先を飾るのは吊りシノブ。
木や竹などにコケを巻きシノブを植えつけたものです。
吊りシノブが出来たのは江戸時代の中頃。
植木職人が贈り物として作ったといわれています。
植物のおしゃれな飾り方を提案する園芸研究家の山口まりさんに今日はシノブの楽しみ方を伺います。
吊りシノブっていろんな形があるんですね。
今日かけてある「月に雲」ですとか「井桁」の他にいろんな形があるんですよ。
昔ながらの形ですね。
伝統的なものだけでなく最近ではこんなものも作られています。
フワフワしている葉が茂ってくれて風にほのかに揺れるでしょ?そういった姿がとっても涼しげでいいですよね。
江戸時代の人は目から涼しさを感じてたみたいですよ。
涼しげに見えますよね。
吊りシノブは浮世絵にも描かれています。
江戸の夏にはよく見られる風景でした。
シノブって「耐え忍ぶ」っていって耐えて忍んでいる様子の名前が付いてる植物なんですよ。
シノブはシダの仲間。
乾燥に強く丈夫な植物です。
厳しい環境でも育つ姿からこの名が付きました。
そんなシノブを簡単に楽しめる山口さんの吊りシノブ。
まずは銅線を2本用意し片方の端を曲げて炭に刺します。
根をほぐして洗ったシノブに銅線を通します。
水で湿らせたピートモスで形を整えコケを張ったら出来上がり。

(風鈴の音)水をやる時はバケツに水を張りそのままつけましょう。
一日に1回たっぷり水を染み込ませる事がポイントです。
更に置いて飾るシノブもお勧め。
シックでおしゃれな空間が演出できます。
シノブを使って涼しげな夏のアイテム皆さんも作ってみませんか。
今日の「趣味の園芸」いかがでしたか?「カラーとアガパンサス」そして「フルール」は「趣味の園芸」テキスト6月号に掲載されています。
今後の放送日時と併せて参考になさって下さい。
夏から秋にかけての管理のコツをご紹介します。
それではまたお会いしましょう。
2014/06/29(日) 08:30〜08:55
NHKEテレ1大阪
趣味の園芸・選「立ち姿が美しいカラーとアガパンサス」[字]

カラーとアガパンサスはスラリとした花茎の先端に花をつける清楚な植物。立ち姿が美しい宿根草の栽培方法を紹介。<コーナー・フルール>シノブで夏を涼しく演出

詳細情報
番組内容
カラーとアガパンサスはスラリとした花茎の先端に花をつける清そな植物。立ち姿が美しい宿根草の栽培方法と楽しみ方を紹介する。<ミニコーナー・フルール> シノブで夏を涼しく演出 山口まり(園芸研究家)
出演者
【講師】園芸研究家…小黒晃,園芸研究家…山口まり,【司会】山田香織,三上真史,【リポーター】牧田哲也,【語り】上田純子

ジャンル :
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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