ルソンの壺〜6月号〜「関西発!世界と戦う日本代表企業」 2014.06.29

(助左衛門)
FIFAワールドカップブラジル大会。
世界一の栄冠を目指して熱戦が続いてますな〜
皆さん分かりましたか?
正解は日本代表として世界と戦っている関西の社長さん。
各業界で日本一となり更に世界の頂点を目指しているんです
中小企業もいい事をやってたら十分世界で通用します。
一体どんな戦略をとれば世界で戦えるのか?社長さん教えてちょうだ〜い!
という事で今回は…和食の定番…世界一の技術を持つ卵のパック詰め機械メーカー。
海外で直面した思わぬ壁とは?今回は…社長の海外戦略に森島さんならではの視点で迫ります!「ルソンの壺6月号」です。
さあサッカーワールドカップブラジル大会名越さん盛り上がってますね。
もうね僕にとっては時間泥棒ですね。
もう見たら離れられないから。
テレビの前からね。
そうなんですよ。
今月の壺ナビゲーターは中島さなえさんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ワールドカップ盛り上がってるという事で今日はこの格好で来ました。
意外に似合ってるよね。
似合ってますかね。
今回なんですけれども今月のテーマこちらです。
世界に進出している日本の企業はたくさんあるんですけれども今回は関西の企業がどうすれば世界と戦っていけるのか探っていきたいと思っています。
という事でなんとサッカー元日本代表の森島寛晃さんと一緒に取材に回ってきました。
今日是非スタジオにもお越し頂いて解説頂きたかったんですけれどもサッカーの解説があるという事で今まさにブラジルにいらっしゃるんですよね。
では最初はどんな企業ですか?まずは私たちにもおなじみのあの食べ物の日本代表なんです。
森島さんの解説にも注目してご覧下さい。
港町神戸。
日本の10番香川真司選手が育ったこの町に日本代表企業があります。
どうもよろしくお願い致します。
どうも。
こんにちは。
この会社が経営しているのはセルフ式の讃岐うどんチェーン。
日本各地に展開し店舗の数はおよそ800。
この業界で国内トップの売り上げを記録しています。
海外進出を始めたのは3年前。
これまでに業界最多となる世界10の国や地域に進出しています。
この会社を率いるのは…昭和60年に創業し一代で成長させてきました。
では早速世界と戦う上で必要なビジネスのツボを聞いてみましょう!それはずばり「日本らしさ」です。
「日本らしさ」。
「日本らしさ」。
そういうところがあると思うんですね。
これはまさしく…「日本らしさ」をキーワードにチームを率いたオシム監督。
日本人の特長である俊敏性を生かしたサッカーで世界と戦いました。
(森島)テクニックというのも非常にありますし…通ずるんじゃないかなと思いますね。
この会社が世界と戦う武器だと考える「日本らしさ」。
それは一体何なんでしょうか?ポイントは日本人にとっては当たり前ですが海外の人には珍しいもの。
お店の中に3つあるという事で探してみる事に。
器を…では正解。
お店に製麺機を置き出来合いのものでなく打ちたての麺をその日のうちに出しています。
カツオなどの削り節と昆布から作るこれぞ日本の味。
海外でも味を変えずに提供しています。
釜からモクモクと上がる湯気や天ぷらを揚げる音。
お客さんに臨場感を楽しんでもらおうとちゅう房をオープンにしています。
熱いですから気を付けて下さいね。
はい。
おいしいです。
次回のワールドカップ開催国ロシアでその真相を確かめてみました。
この会社は去年首都モスクワの中心部に店を出しました。
店内に入ると日本と同じセルフ式の注文カウンターが!ちゅう房を見ると…ありました製麺機!そして打ちたての麺や天ぷらを客の目の前で調理しています。
実はロシアにはちゅう房をオープンにしている店はほとんどありません。
日本でおなじみの光景がロシアではとても珍しく大きな付加価値となっています。
味ももちろん日本と同じです。
ちなみにモスクワで人気があるのは…本格的なうどんがお手ごろ価格で食べられるとあって…なぜモスクワで「日本らしさ」がウケているのか?現地の社員に聞いてみました。
日本では当たり前の事が海外では大きな武器になる。
これがこの会社が考える日本らしさ戦略なんです。
へえ〜。
普通は「郷に入れば郷に従え」っていってさ向こうのそのパターンを模してやるでしょ?そうしないと受け入れられないというイメージはありますよね。
実はVTRで紹介したもの以外にもこの会社には日本らしさ戦略というのがあるんですね。
こちらなんです。
ジャン。
「日本式の接客」?接客ですね。
例えば…うどんがおいしかっただけじゃなくて…ビジネスの要素になるというのはすてきですよね。
それはやっぱり日本人が教える訳ですね?日本人の方が行って教えてらっしゃると。
それも大変そうですよね。
そうよ。
文化が違いますかね。
では中島さん続いてはどんな会社ですか?次は「日本らしさ」で海外に打って出たものの厳しい現実に直面した会社を取材してきました。
ご覧下さい。
続いて訪れたのは京都。
昭和52年設立のこちらの会社一体何の日本代表企業なんでしょう?この会社が手がけているのは卵のパック詰めをする機械。
養鶏場から届いた卵を洗浄検査し商品化するところまでを自動で行います。
卵のパック詰め機械のトップメーカーです。
世界49か国へ輸出をしていて世界シェアではオランダの会社に次いで第2位です。
この日本代表企業を率いるのは卵一筋35年…この会社の強みは世界最高といわれる品質管理へのこだわり。
「安心・安全な卵を食べたい」という日本の消費者の声に応えようと技術を磨いてきました。
サッカーも機械も。
例えばこれは卵の中に血などの異物が混ざっていないかを検査する装置。
そしてこちらは殻にひびが入っていないかを検査する装置。
南部さんの会社が世界で初めて開発しました。
小さなハンマーで殻をたたきその音をコンピューターで分析して判定します。
今卵流れてきますから。
あっ。
入ってますねひび。
触っただけじゃ全然分からないですね。
ご覧のとおり…まさに世界最高の技術です。
う〜んそうですね。
こうです。
南部さんが「徹底した現実主義」を重視し始めたのはある意外な体験がきっかけでした。
どうですか?うちのひび卵検査装置。
世界最高です。
じゃあここでクイズです。
クイズ?はい。
じゃあ私から。
はい。
きゅうきゅうにちょっと詰まり過ぎてる。
値段がちょっと高すぎるというところで「でもな〜」って言ってたのかなと思ったんですけどね。
「ただ…」って何か問題でもありますかね?えっ?「性能が良すぎて使えない」?はい。
実は韓国ではひびの入った卵が全体の1割未満であれば販売してもいいという慣例があります。
この会社の検査装置は僅かなひびも逃さない優れもの。
全てのひび割れ卵を排除してしまう検査は韓国では必要とされていなかったのです。
ほかの国でも「性能が良すぎる」という声が続出。
南部さんは厳しい現実に直面しました。
やっぱりちょっと…なぜ海外の人はこの会社の機械を「性能が良すぎる」と言うのでしょうか?実は…海外では火を通すため日本ほど厳しい衛生基準がないのです。
そこで南部さんは…従来より性能を下げた機械を新たに開発し各国の事情や要望に応えていく事にしたのです。
ではここで森島さんの解説です。
ワールドカップ直前のテストマッチで負け続けた岡田ジャパン。
厳しい現実を突きつけられた岡田監督は守備重視への戦術変更を決断。
これが功を奏しベスト16という結果を残しました。
通ずるものがあると。
はい。
最高の技術を持ちながらも「徹底した現実主義」で世界と戦う南部さん。
目指すは世界の頂点です。
難しい!いや〜悔しいな〜!せっかくそういう最高の…完璧を目指して作ったものを。
ちょっと精度を下げてというか性能を落として…。
実際そうだったんじゃないですか?だから逆に言うたらもっと長期戦略が必要やんね。
そこで一旦折れといてだんだん向こうの使ってる会社に欲が出てくるやん。
目が肥えてくるやん。
その時に「ほんまはもっとええ製品欲しいねん」「ありますよ」と。
そこまでこう…「負けて勝つ」みたいな。
なるほどなるほど。
では中島さん次はどんな会社でしょうか?これから紹介する会社は全く日本では無名ながら海外に打って出て成功した会社なんです。
続いてやって来たのは大阪。
日本代表のエース本田圭佑選手の出身地です。
こちらは昭和63年設立の機械メーカー。
社員46人を率いるのは…これが…ロボットを制御する賢いモーターなんです。
従来ロボットを動かすにはモーターのほかにたくさんのパーツをつなぎ合わせる必要がありました。
玉井さんはこれらを1個のモーターの中にまとめようと考え14年前日本で初めて開発に成功しました。
この画期的なモーターを世に知らしめたのは4年前の上海万博。
高さ20mのはしごをロボットが上っていく姿に世界中が注目。
これまでに世界シェアおよそ50%を獲得しています。
(森島)コンパクトサッカーですから。
玉井さんはこのモーターを介護の現場でも役立てたいと考えています。
浮いてます。
浮いてます。
これは手元の操作だけで重さ100kgまでの人を持ち上げられる介護ロボット。
これ触ってるだけです。
人材不足が続く病院や介護の現場へ導入しようと玉井さんが中心となり開発を進めています。
まさに我々のツボはこれですね。
玉井さんの戦略はずばり日本より海外の市場に力を入れる事。
国内の販売店は2か所。
海外はシリコンバレーなど7か所に拠点を置いています。
国内と海外の売り上げを比べてみると確かに海外の方が圧倒的に多い!なんとアメリカの国防総省で開発中のロボットにも玉井さんのモーターが採用されているんです。
(森島)ジーコはその当時中村俊輔選手とか中田英寿選手とか海外で活躍してる選手たちを中心にチーム作りをされてたんですけども海外にどんどん挑戦する選手たちが出てきてその選手たちがチームの中心になってましたよね。
海外で活躍する選手を重視するジーコ監督の戦術。
そして海外との取り引きを重視する玉井さんの戦略。
この両者には通ずるものがあると森島さんは考えたのです。
玉井さんの海外重視戦略。
その背景には苦難の物語がありました。
14年前画期的なモーターを開発した玉井さん。
自信満々で大企業へ売り込みに行きました。
ところが担当者から意外な言葉が。
「う〜ん…販売実績がないとちょっとね〜」。
なんと販売実績がないという理由だけで相手にされず。
日本で鳴かず飛ばずだった玉井さん。
駄目でもともとの気持ちでアメリカの展示会に参加する事に。
モーターを会場に並べると…。
瞬く間に大勢の人だかりが出来ました。
玉井さんが恐る恐る「ノー」と答えると…「それはすばらしい!だったら俺が最初の客になってやるぜ」。
玉井さんは確信しました。
積極的に海外に売り込みに行くと次々契約が成立。
欧米やアジアで飛ぶように売れ…たとえ日本で売れなくても…これが玉井さんが海外を重視する理由なのです。
ちょっとむかつきますよね。
「実績があるか」とかっていうのは。
でも会社としては客観情報に頼りたくなるんじゃないですか?そんなねロボットっていうのはこれからのシェアの部分で「実績ありますか?」って。
「ロボットはこれからでしょ」って話やんね。
何でもかんでもそれはちょっと…。
全部そうですよ。
例えば芸術の世界なんかでもそうじゃないですか。
これはいかんね。
その世界世界そのジャンルジャンルにおける真実ってあると思うんですよ。
なるほど。
お客さんになってくれた。
そうそう。
honestyですよ。
誠実さですよそれが。
僕そんな気がしました。
では中島さん今回の「中島のツボ」。
教えて下さい。
私「中島のツボ」はこちらです。
自分が立っている場所からの目線ではなくって…。
上から見てる感覚がある。
サッカーもそうですし…
関西を元気にする人たちが集うルソンズカフェ。
ここに来ると過去の失敗談をつい打ち明けてしまうそんな不思議なお店。
今日はどんなお客様がいらっしゃるのでしょうか
おはようございます。
杏子ちゃんどうも。
おはようございます。
どうぞどうぞお掛け下さい。
いらっしゃいませ。
今日は名越さんお越しです。
初めまして名越です。
どうも安田です。
安田さん。
安田憲司さん。
東大阪の会社の社長さんでいらっしゃるんですけれどもボルトとかネジという部品を検査するための専門の機械を作ってらっしゃる会社。
検査なんか必要なんですか?今はもう品質管理うるさいですからね。
あ〜そうなんや。
特許もたくさん取ってらっしゃって…。
今もいろいろ申請中ですけどね。
じゃあ本当に日本代表ですね。
すごいですね。
私が代わりに説明致しましょう。
6年前安田さんはネジやボルトを360度全方向から一度に検査できる機械を世界で初めて開発。
「すごい機能です!」と日本全国に宣伝販売を開始した。
しかしその1年後出張先の海外で安田さんはとんでもないものを発見!「えっ!こ…これうちのと同じやないか!」。
ドイツの国際見本市で外国メーカーが安いコピー製品を展示していたのだ!外国メーカーは既に特許まで申請済み。
国際特許を取得していなかった安田さんは海外シェアの大半を奪われてしまったのだ…
鳥肌立ったわ。
えっ?海外へ行っていきなりもう何て言うんですか…出来上がり品があったんですか?概算したらどれぐらい損したとかそんなんあります?そこなんですよ。
そうか。
それは海外というのはドイツの方で特許を取ってなかったという事ですか?やっぱり…ええ。
それはどういう事ですか?ものが出来たら…そうか。
職人さんは自分が作る事が本分ですもんね。
それをどう守るかとかそういう事はほんまに考えないもんなんですか?その時は考えませんでしたな。
社長この大失敗から学ばれた事は何でしょうか?「これ作りましたよ。
ちゃんと守って下さい」って。
向こうはもうけになる思うたら絶対やるしね。
じゃあ「これは取っとけ。
これは待て」とかいう感じですか?そうですね。
いい話ありがとうございました。
いえいえとんでもないです。
やっぱり世界に出るという事はそれだけ知らない所に行って知らない落とし穴に直面するっていう事なんですね。
だからさ痛さをずっと覚えてるやん。
安田さんね。
彼は。
でも痛さを覚えてるから臆病になる場合もあるしね。
そうですよね。
思い知ったら普通ビビるもん。
ビビってるのよどこかで安田さんも。
でも何かそれがエネルギーに転化してる。
1発目の失敗でどこまで思い知るかみたいなそういう話でもあったんと違う?2014/06/29(日) 07:45〜08:25
NHK総合1・神戸
ルソンの壺〜6月号〜「関西発!世界と戦う日本代表企業」[字]

FIFAワールドカップで世界中が沸く今月は、関西から海外へ進出している「日本代表企業」を特集!世界で戦う上で必要な“ビジネスのツボ”を社長から教えてもらう。

詳細情報
番組内容
FIFAワールドカップブラジル大会で世界中が沸く今月は、関西から海外へ進出して戦う「日本代表企業」を特集!セルフ式うどんチェーンがロシアで人気を得た意外な戦略とは?世界最高の技術を持つ卵のパック詰め機械メーカーが海外で直面した壁とは?国内で無名の中小企業が世界シェア約50%を獲得した秘策とは?今回は、サッカー元日本代表の森島寛晃さんが参戦。社長が考える“世界で戦う上で必要なビジネスのツボ”に迫る!
出演者
【出演】森島寛晃,名越康文,中島さなえ,田代杏子,粟田貴也,南部邦男,玉井博文,安田憲司

ジャンル :
ニュース/報道 – 経済・市況
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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