(謡と囃子「高砂」)
(謡と囃子「高砂」)
(ナレーション)
古都京都の初夏の風物詩として毎年6月1日と2日に行われている
(謡と囃子「高砂」)
今年は4000人の観衆が集まった
(謡と囃子「高砂」)
最初の演目が終わると火入式である
松明は本殿で灯された神火が移されたものである
「京都薪能」は昭和25年に始まった
戦後の京都に文化の花を咲かせ人々の暮らしに潤いを与えられたら…そんな思いが受け継がれ今年で65回目を迎えた
観世流シテ方能楽師片山幽雪さん
父博通さんは「京都薪能」創設メンバーの一人であった
幽雪さんはその当時を知る数少ない人物である
(片山さん)終戦後のいちばん混乱期から立ち直りつつあるところですね。
そういうときにいちばん古典の能っていうもので薪能をやろうということに非常に京都市の方も協賛していただいて。
京都御所を借りようとか昔市川左團次さんが知恩院の山門で石川五右衛門の芝居をしたということであそこの前でやろうかとかいろんな案が出てきたようですけども最終的に平安神宮となったようです。
雨が降ると滑ったり…滑る所が…全部滑るならまだいいんですけど滑るとことか滑らないとことか…。
でこうどうしても段が出来ますからそれにつまずくとか。
それからふだん慣れてる三間四方の舞台が五間に変わるということ自分たちの歩数が随分変わってくると。
実際に足が滑りそうになったことも何回もあります。
(謡と囃子「松風」)
「京都薪能」は当初梅雨を避け5月下旬に行われていた
だが葵祭と園祭の合間を埋める6月の行事にしたいという京都市の要望で現在の日程になった
忍び寄る闇の足音
(謡と囃子「松風」)
妖しく美しい幻のようなひととき
(謡と囃子「松風」)
京都の能楽師たちが生み出した幽玄な夜
(謡と囃子「松風」)難しいと窮屈だっていわれてるお能を薪能はある程度分かりやすくして短時間に見せるということをしておりますのでお能を新しいお客さんに広めるという非常に大事な役をしていると思います。
全国各地で催しとして行われ人々に親しまれるようになった薪能
その始まりが「京都薪能」なのである
(謡と囃子「石橋」)
観世流シテ方能楽師分林道治さん
東京藝術大学で能楽を学んだ後片山幽雪さんに師事した
能と共に生きてきた分林家は毎年7月決まってある作業を続けている
園祭の山鉾町の一つ…
7月10日「山伏山」の町家に分林さんの姿があった
(分林さん)始めさしてもらいます。
はいよろしくお願いします。
ちょっと道隆おいで。
(道隆くん)あっはい。
(分林さん)神様やからな一礼して。
はい。
分林家は古くから園祭の山に乗せる御神体の着付けを任されてきた
ここ「山伏山」のほかに「鈴鹿山」「黒主山」「役行者山」の着付けも任されている
この日初めて御神体の着付けに同行した
(分林さん)ここで普通人間やったら思いっ切り締めてもいいんやけれども御神体は思いっ切り締めてしまうとあとから物を挟むときにお腹を引っ込めてくれないから。
ああ〜。
(分林さん)あんまりぐいぐい締め過ぎると後が大変。
人やったら「ちょっとお腹引っ込めて」とか言えるやろ?でもな御神体はな引っ込められへんからな。
御神体がまとうのは能楽師と同じ能装束
分林さんも父や祖父に就いて着付けを学んだ
分林さんで五代目になるという
こうしてまた町の誇りが輝きを取り戻した
よろしいですか?・はいありがとうございます。
よろしいですか?ありがとうございました。
ああ〜ありがとうございます。
初めは神様っていう実感は湧かなかったんやけど見てるうちになんか神様らしくなってきた感じがします。
今も能の曲目から…それを題材に取ったお山もたくさんあるんですね。
「木賊山」であるとか「菊水鉾」であるとか「橋弁慶山」「芦刈山」。
8つか9つあったと思います。
京都の人々の営みに能が溶け込んでいる
(分林さん)京都の人たちっていうのは少し歩けばそういう能の…能に関係がある所に行き着くことができますし目に触れることができますし触ることもできます。
そういう意味で言うと非常にこの…心豊かといいますか恵まれた環境にあると思います。
意識しなくても向こうの方から来てくれるといいますか「犬も歩けば棒に当たる」じゃないですけれども「能に当たる」と。
室町時代京都で大成された能が受け継がれていく
手を伸ばせばいつもそこにある
京都の人々にとって能はそのような存在なのかもしれない
建仁寺の塔頭で茶人織田有楽斎や細川家ゆかりの「正伝永源院」をお送りします
2014/06/29(日) 06:15〜06:30
MBS毎日放送
美の京都遺産[字]
「町衆の能・2」
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32722(0x7FD2)
TransportStreamID:32722(0x7FD2)
ServiceID:2064(0×0810)
EventID:192(0x00C0)