(三味線)おはようございます。
「演芸図鑑」三遊亭小円歌でございます。
え〜本日も都々逸いい文句見つけてまいりました。
・「持ちつ持たれつ相合い傘に」・「よける浮世の雨と風」っての。
人生ね〜。
(三味線)え〜それでは本日の演芸でございます。
はい。
本日の演芸は…。
あっポカスカジャンの皆さん。
私大好きでございます。
そして落語は金原亭世之介師匠。
本日は「辰巳の辻占」を聞かせて下さいます。
それではお楽しみ下さい。
(拍手)
(一同)どうも〜こんにちは〜。
はいどうも〜。
・「今日も元気に」・「ポカスカジャン」・「のんきなもんだね」・「ポカスカジャン」・「笑って歌って朗らかに」それでは今日も最後まで。
・「よろしくね」
(拍手)それではまずは絵描き歌からいきます。
この絵描き歌はあの郷ひろみ…郷ひろみの歌った「2億4千万の瞳〜エキゾチック・ジャパン〜」を絵描き歌バージョンでお送りします。
(郷ひろみのものまねで)・「円を描くレーザービームが2本」郷です。
ハハハハ。
・「お嫁サンバの黒い瞳は燃えている」ハハハハ。
・「エキゾチックエキゾチック」・「エキゾチック」・「やかん」
(拍手)どうもどうも〜。
ありがとうございます。
改めましてポカスカジャンです。
(一同)よろしくお願いします。
(拍手)ありがとうございます。
さあ今日もポカスカ脱線音楽という事でさまざまなジャンルの音楽を我々独自のアレンジでお送りしたいと思います。
さあ続いては日本の伝統的な邦楽でいきたいと思います。
いいですか?今日邦楽でやるのは映画「ロッキー」の主題歌。
・「タタンタ〜ンタタンタ〜ン」シルヴェスター・スタローンね。
映画です。
この有名な映画音楽を邦楽でアレンジしました。
こちらタマちゃんの横笛と。
僕が横笛を吹きます。
2人の口鼓ご堪能下さい。
それでは続いてのナンバーは「ロッキー」の邦楽。
よう!
(口鼓)いよっ!
(口鼓)いよっ!
(口鼓)いよっ!
(口鼓)
(横笛)
(見得を切るまね)
(口鼓と横笛)ロッキー!
(見得を切るまね)
(口鼓と横笛)ロッキー愛してるよ。
俺もだ〜。
ロッキー!アポロは強いね。
エイドリア〜ン!
(拍手)さあそれでは「ロッキー」の邦楽が決まったところ…。
待ってもらっていいですか?みんな口が真っ赤なんですけど。
そんな力入れなくても。
ちょっと手応えある痛さでした。
赤いですか?じゃあちょっと気にしないで下さいね。
こうやってしゃべるんで。
気になるんでサラッといきましょう。
続いてはですねジャズのビートをアカペラで歌います。
しかも設定が立ち食いうどん屋さん。
お送りしましょううどん屋ジャズ。
・「うどんドンドンドンドンドンドンドンうどんドンドンドンドンドンドンドン」・「ダシッ!一味七味一味七味ダシッ!一味七味一味」・「かつおだし!」・「うどんうどん」・「バ〜シバシバシバ〜シバシバシバシバシバシバシ割り箸」パシッ。
・「トロロトロロとろろうどん」・「とろろうどんとろろうどんにちくわぶ載っけて」・「タタンタタンたぬきうどんドンドンドンコロ〜ッケもつけて」・「食券買った?」・「食券買った?」・「食券買った」・「食券買った」・「食券買った」・「買った買った買った領収書切った」・「お冷や」・「うどんドンドンドンドンドンドンドン」・「ダシッ!一味七味一味七味」・「バン!バンバンかも南蛮カレー南蛮南蛮南蛮バンバン」・「ドドドドドドドどうもありがとう」・「毎度毎度ドドド」ゴー。
・「ザ〜ザザザザザ〜ン」
(一同)うどん。
(拍手と笑い)
(拍手)さあそれでは本日最後はスペインのフラメンコいきましょう。
さあ皆さんでバッと盛り上がってまいりましょう。
スペインのフラメンコ特徴が4つあります。
まずは踊り。
激しい踊りね。
で手拍子。
「オーレ!」の掛け声。
ほう。
使う楽器はこちら。
カスタネット。
皆さんもね昔やったと思うんですけど。
(カスタネット)
(どよめき)プロ。
そんな大した事やってないですよ。
うれしいですけど。
このスペインのフラメンコ非常に情熱的な熱い音楽です。
そこで我々ポカスカジャンこのスペインのフラメンコを今日本で一番情熱的な熱い場所じゃなかろうかと思われる魚市場でアレンジしましょう。
魚市場でアレンジ。
ねっ。
さあそれではお別れのナンバーは魚市場フラメンコ!
(ギターとカスタネット)競り!・「マグロ持ってけ!イワシサバサバ」・「ブリブリブリヒラメ持ってけ!」・「ブリは50ヒラメ248」・「カレイ持ってけ!タチウオ持ってけ!」・「タチウオ14…」・「セ〜」・「アジアジ」・「ウ〜」売れ!・「手締め」それでは皆さん手締めの手拍子チャチャチャンチャチャチャンチャチャチャンチャン。
全員でご一緒に。
(一同)よ〜れ!
(手拍子)すばらしい!よ〜れ!いい感じ。
(手拍子)
(手拍子)次ラスト!ラスト〜よっ!
(手拍子)チャ。
・「商売繁盛」
(一同)競り!ありがとうございました。
(拍手)・「いかがでしたか?」・「ポカスカジャン」・「楽しめましたか?」・「ポカスカジャン」・「また会うその日を楽しみに」それでは皆さんまた会う日まで。
・「ごきげんよう」ありがとうございました。
落ちた〜。
(拍手)ありがとうございました。
(拍手)
(出囃子)
(出囃子)
(拍手)え〜たくさんの拍手ありがたいところでございますな。
え〜このごろね我々落語会の方も女性パワーというんですかね女の噺家というのが増えました。
大変ですよもう。
何の影響かなと思ったら「あまちゃん」を遡る事6〜7年前ですよ。
あのNHKの「ちりとてちん」というドラマですよ。
女の噺家が大成功するというね。
あれで「私もなれるんじゃないかな?」というのが入ってきちゃった訳でございますよ。
もう楽屋なんか大変ですよ。
今鈴本演芸場に出てるんでございますけどもね。
鈴本演芸場の前座の50%は女ですよ。
50%ですよ!まあもっとも2人しかいないんで1人女だったんですけどね。
ええ。
ですからね落研なんてえのは大概いろんな大学にありましたけども今女子校にもこの落研というのが増えた。
で我々なんかにね「来て頂けないですか?」なんて話がある訳ですよ。
彼女たちも落語しゃべるんですよ。
教卓の上に座布団か何か敷きましてね。
ところがね落語しゃべるのを後ろで聞いておりますと変な事言っておりますよ。
CDですとかチェックした落語で覚えてますから高座に上がって落語しゃべってるのを聞いてるとおかしいですよ。
「よく我々の方では飲む打つ買うというのをやりますが」ってお前らやるのか?そんな事を…。
後で注意してあげる訳ですね視聴覚準備室に呼びましてね。
まあ皆さんもご案内のとおり飲む打つ買うといえば三道楽でございますな。
飲むというのはお酒。
打つというのは博打。
買うというのはご婦人の事でございますけれどまあ江戸時代はというと大概若旦那坊ちゃんなんて呼ばれてる連中はこの遊びにほうけたそうでございますよ。
あんまり遊びが過ぎるってえとおじさん辺りが小言を言う。
これ親父が言ったんじゃ駄目だそうですね。
親父が言うとだんだんだんだんと腹立たしくなってきて「お前は勘当だ!」なんてね。
かんどうったってねえ「レ・ミゼラブル」見たあとの感動とは訳が違うんです。
昔は勘当というと人別帳から外されちゃう訳で大変な事でございますからおじさん辺りに小言を言ってもらう。
こういうのが大体落語の始まりだったりなんか致しまして「バカ野郎お前夜も日も明けず遊び歩いてるってえじゃねえかバカ」。
「何ですおじさん誰がそんな事言ったんですか?お父っつぁんが?嫌だな〜。
別に遊び歩いてるってんじゃないんですよ。
人助けに出かけてるんです」。
「人助け?こら頭から怒っちまうとこだった。
何だ?その人助けってえのは」。
「じゃあおじさんの前だから言いますけどね…あの子がね」。
「何だ?」。
「いやあの子が…若旦那に3日会えないと死ぬってそう言うんですよ。
お父っつぁんやおっ母さんは私に3日会えないからって死ぬ気遣いはないですよ。
でもねあの子は死ぬって。
人間の命という…」。
「バカ野郎女に会いに行ってんじゃねえかそれは。
ええっ!?その女ってえのはシロかクロか?」。
「ブチなんですよ」。
「俺は素人か玄人かって聞いてんだよ」。
「洲崎なんです」。
「辰巳かなるほどな。
女に惚れて通ってるこれはしょうがねえ。
遊びが好きで通ってるったらまた違う所へ出かけていくのは当たり前なんだなあ。
どうだ?お前だって親父にもしもの事がありゃ〜なあの身代を継がなきゃならねえんだ。
女の1人や2人覚えとかなくちゃしょうがねえんだ。
その女がお前に本気で惚れてる。
お前の方も本気で惚れてるってんだったら話は別だよ。
え?分からねえ。
そうだろうなああいうとこの女ってのは難しいからな。
どうだ?人を騙すってのはよくねえけれども一つ芝居を打ってみねえか。
この芝居に乗ってくるようだったらこら本物だ。
なあ?そしたら身請けの金ぐらいおじさんが出してやらねえ事はねえぞ」。
「ど…どうすればいいんですか?」。
「う〜ん俺は洲崎ってとこ遊びに行った事はねえんだけれどもあそこはお茶屋へ女呼べるのか?呼べる?おおそれだったらいいや。
女お茶屋へ呼んでなお前の方から話しかけちゃいけないよ。
向こうの方から『若旦那どうしたんですか?』と言われたら初めて口利くんだ。
なあ。
実の事を言いますとここへ通うために親父の金ならいいんですけれども義理ある人の金を。
そうだな…3百両ってところか。
3百両使い込んじゃった。
これが見つかって後ろに手の回るような事になりました。
ついちゃ生きていく事ができないので死のうと思います。
かわいそうだと思ったら折れた線香の一本も仏壇にあげてもらおうかと思って挨拶に来たとこう言ってごらんよ。
女の方でもって『あら若旦那じゃあその3百両私がどうにかするわ』って立ち上がっていなくなったら諦めな。
その女戻ってきやしねえや。
でも女の方が『若旦那が死ぬんなら私も死にます』と言ったらこれは本物…」。
「大丈夫です。
あいつは必ずそう言います」。
「泣くなバカ。
口で騙すのが商売だ。
言われたからって信用はできねえぞ。
なあ。
確かあそこは裏が海になってたな。
一緒に海に飛び込もうってんでそれでもついてくるようだったらこら本物だ。
その手引っ張っておじさんのとこ連れてこい。
身請けの金でも何でもなおじさんがな全部出してやらあ」。
「分かりました。
どうもありがとうございます」。
「お〜コラどこへ行くんだ公!しょうがねえな」。
奴さん表へ飛び出すってえと洲崎の大門をくぐりまして行きつけのお茶屋へ通される。
さあ女を待つ段になってだんだん心配になってきちゃった。
「はあ…。
おじさんにはああ言ったけどねえあいつの事だからね『あら若旦那その3百両どうにかするよ』っていなくなっちゃうかもしれないよ。
心配になってきちゃったな。
はあ…。
こんなとこに巻き煎餅があるよ。
煎餅でも食べて待ってよ。
あら!これ辻占になってるよ。
これで占ってみよ」。
「『初手はさほどに思わぬけれど』いい文句だね〜。
俺とお玉の境涯詠んでんな。
『初手はさほどに思わぬけれど今もさほどに思わない』ああ…。
何だよおい。
余計悲しくなってきちゃった。
もう一回やってみよ」。
「『年が明けたらあなたのもとへ』これだ!こういう文句が出なくちゃいけねえんだ。
『年が明けたらあなたのもとへきっと行きます断りに』。
ああ…お玉〜」。
「ちょいと若旦那どうしたんだい?こんな早くから来てくれて。
若旦那どうしたの?下向いちゃって。
頭でも痛いのかい?おなかでも痛いの?そこにいたいの?」。
「何くだらねえ事言ってんだよおい。
ええっ!?俺の顔見て何かおかしいと思わねえか?」。
「どうかしたのかい?」。
「実はなここへ通うために親父の金ならいいんだけれども義理ある人の金を3百両使い込んじゃったんだよ」。
「若旦那が?3百両も!?あらまあ…上手なんだね」。
「いやそうじゃねえよおい。
それが見つかって後ろに手の回るような事になっちゃったんだよ。
ついちゃ生きていく事ができねえんで死のうと思ってな。
かわいそうだと思ったら折れた線香の一本でも仏壇にあげてもらおうかと思って挨拶…」。
「ちょいちょい…ちょいとお待ちよ。
なにも3百両で死ぬ事ないよ。
3百両…3百両?若旦那3百両も使ったかい?もう一杯お酒飲もうって言うとお茶でいいお茶でいいとか言ってるじゃない。
少しずつ?まあしょうがないんだけどね。
逃げらんないのかい?頭丸めちゃったりなんかして。
駄目?どうしても死ぬの。
そりゃ若旦那が死ぬってんならさじゃあ一緒に死んであげようか」。
「死んでくれる?」。
「ちょっと待ってよ。
死ぬったってどうやって死ぬの?首くくるなんて嫌だよ。
はながたれて汚いんだから。
どうやって死ぬの?」。
「あのな裏の二号の埋め立て行ってなあそこから海飛び込もう」。
「海は駄目だよ。
私今風邪ひいてんだよ」。
「風邪ひいてたってそんな事はいいじゃねえか。
あのね表回るってえと目立つから裏のね木戸抜けて二号の埋め立てで必ず待ってるから来るんだぜ。
分かったな」。
「ちょいと待っておくれよ。
若旦那若旦那!何だね自分の言いたい事だけ言って行っちゃうんだから。
死ぬったって都合があるじゃないか。
あらまこんなとこに羽織おっぽり出してしょうがないね。
とりあえず行くって言っちゃったんだから一応行ってみようかしら。
おかあさん。
ヘヘッ。
今そこんとこ若旦那駆け出していかなかった?」。
「すごい勢いで駆け出してったよ。
どうかしたのかい?」。
「目がキュッてつり上がっちゃってたでしょ?」。
「ううんニコニコ笑ってたよ」。
「いえすぐ戻ってきますから。
向こうから何か言ったらおかあさんうまく言っといて下さい。
そいじゃちょっと出かけてきますから」。
若旦那はってえと洲崎の大門を逆にくぐりまして大回りをして二号の埋め立てへやって来る。
辺りはもう真っ暗でございます。
遠くの方で袖ヶ浦の明かりだけがチラッチラッと見える。
「アイタタタタ…チキショウ石がゴロゴロゴロゴロしちゃって。
お〜寒くていけねえやな。
おじさんもおじさんだよ。
こんな真っ暗だったら提灯か何か持ってけって言ってくれりゃいいじゃねえかな。
それにしても遅いねお玉は。
お玉!お玉!」。
「若旦那どこだい?若旦那」。
「お玉か?こっちだい。
ここだよ」。
「ここだよここだよったってさ真っ暗で何にも見えやしないよ。
『声はすれども姿は見えぬ。
まるでお前は屁のような』ってここから出たのかね?アイタ!アイタタタ。
冗談じゃないよ。
石がゴロゴロ下駄の下に挟まったりなんかしてホントに。
私だって死にたくて来た訳じゃないんだから。
そうだ。
この石でごまかしちゃおう。
若旦那。
私ね足が痛くなっちゃって先にこっちで行くからね。
ごめんね。
よっこいしょっと。
南無阿弥陀仏ひいのふうのみい」。
ドボ〜ン!「飛び込んだ。
冗談じゃないよ。
だからこういう事になっちゃうだろ。
おじさんの言う事を聞くっていうんじゃねえんだな。
飛び込んで助けたいけどね俺も泳ぎができないしな。
弱っちゃったなどうも。
ああそうだ。
こういう時こそ慌てちゃいけない。
まずおじさんとこに相談だよ。
そうだ。
それまでこの石で我慢しておくれ。
そんなつもりで呼び出したんじゃねえんだ。
ああ必ず後で戻ってくるからそれまでこれで我慢しておくれ。
南無阿弥陀仏ひいのふうのみい」。
ドボ〜ン。
「飛び込んだよあのバカ。
石放り投げたんだか人が飛び込んだんだか分かりそうな…。
まあでもね3百両も背負って死んじゃったんだからね。
若旦那。
私もねおばあちゃんになったら必ずそっちに行くと思うからそれまで1人で待っててね。
それじゃあ失礼」ってこんな失礼なやつはいない。
若旦那ってえとおじさんのうちへ取って返しましたけれども羽織を脱ぎ忘れたのを思い出して慌てて戻ってくる。
女の方はってえと裏木戸を抜けてお茶屋の前でこの2人がばったりと顔合わしちゃった。
「あら!?お前お玉」。
「あらまあ若旦那。
どうも久しぶり」。
「何だよ?『久しぶり』ってえのは。
一体どこが久しぶりなんだよ?」。
「だって2人は娑婆で会ったきりじゃないか」。
(拍手)本日のゲストはですね私ちょっと困ってます。
プロデューサーの並木さんが「どうしても」とおっしゃるんで。
私嫌だったんですよ緊張しちゃうから。
ええあの…都々逸でご紹介致します。
こんな方でございます。
おっす!おはよう。
どうも。
おはようございます。
座っていいのかな?はいどうぞ。
すみません師匠。
大丈夫ですか?はい大丈夫。
ありがとうございます。
ホントにね。
大丈夫だよ。
ありがとう。
そんなにじじい扱いするなよ。
えっ!だっておじいちゃまじゃないですか師匠。
あのねNHKから電話があってねお前と対談だって言うんだよ。
何か別れた女と2度目に会うような気がして。
よろしゅうございましたねホントに。
ありがとうございます。
本日はホントに師匠にいらっしゃって下さると思わなかったんで。
思っちゃって。
えっ?俺すぐ喜んだの。
喜んじゃったんですか?師匠。
「NHKから電話です。
小円歌さんと対談です」って。
「空いてる?」って。
空いてんだよ。
(笑い声)偉そうに混んでるみてえな顔してね。
そうですか。
実はね師匠ほら私たちいくらあれでももう33年いますので今更何か話すのもね何だろうってんでちょっとねNHKの方が作って下さったんですよ。
師匠に質問状を。
ああ前やったな。
米丸君と。
ああそうですか。
よろしいですか?はい。
「なんで女優にしてくれなかったの?」。
ホントの事言うとねあの時お前背が高すぎたんだよ。
170cmありますからね。
だからねあるやつが「親父無駄だよ。
あの人より大きな背の高い日本の男役ってのは少ないよ」って。
そのあとお前が俺の弟子になった時にお前と妹と「鏡獅子」踊ったろ?はいはい日本舞踊のね。
あれ見てね「ああこの子はやっぱりこういう芸に向くな」と思ったよ。
ありがとうございます。
よかったねなって。
おかげさまで。
いやいやホントに。
シャレでなくよかったよ。
一番最初は師匠と私の出会いというのは私が女優さん…いろんなとこで言ってますけど新人養成所にね。
そうそう。
いて。
夏場だけ特別に。
夏期ゼミナールっていうの。
あれで行ったの俺が。
余計にお足払って。
俺が払ったの?私が払ったの。
ああそうか。
そこに師匠が…。
講師に。
講師でいらっしゃって一席ずつ何か。
やらしたんです。
小ばなしですよね。
何やったか覚えてる?覚えてますよ。
「雷門」。
はいそうです。
「せがれのこたつ
(炬燵)が致します」。
最後の落ち。
あのねなぜお前がこれいいかなと思ったの江戸弁だったんだよ。
そこでやってる中でね江戸の言葉ってのはねお前しかいなかったんだ。
そうですか。
うん。
これはどうにかなるんじゃないかなと。
じゃあ私はホントラッキーだったんですね。
師匠がほらあれじゃないですか「鈴本行くけど」って。
「俺のタクシー乗ってくやついるか?」って。
そしたらお前が浅草なんで。
「はい」って手挙げて乗ってそのタクシーの中で弟子入りが決まっちゃいました。
早いね。
早いですねホントにね。
圓歌の弟子って事は相当な武器です…と思いますよ。
だって師匠もうホントに私なんかは師匠に一番最初に言われたじゃないですか。
「お前俺の前に出て俺の悪口いっぱい言っていい」って。
「そうすれば俺が後から出ていって『今のやつはなこれこれこうでまだ入ったばっかりで』っていくらでも俺はフォローできる」ってそういうふうにおっしゃって下さった。
それがものすごい…。
でもね偉いなと思ったのはまだ入って何か月かたたないうちに国立演芸場お前出したんだ。
はいあれね。
初舞台でございました。
そうだろ?はい。
圓歌独演会。
あれ出てな。
前のおかみさんが車椅子でわざわざ病院から見に来て。
はいそうでした。
あの時に「ああこの子すごいな」と思ってたの。
いやいやいやもうあの時は大変だった。
ただ舞台度胸というのは6つの時から踊りをやってるのでそれはあったんですけど。
7分ぐらいの高座をやらせて頂いたんですけど長くて長くてね。
ものすごい。
で笑って頂いてるというより笑われてるという感じでしたねまずは。
それはね芸人さんとしてはまず笑われるっていう事が最初恥ずかしいんですよ。
ああそうですね。
僕でもそうだったもん。
ああそうですか師匠。
のっけにね笑ってるんだか笑われてるんだか分かんないの。
すると先代の師匠がこうやって見ててね「おいお客さん笑ってくれたよ」って言うの。
「くれたよ」っていうのと「笑われてるよ」とは違うんだよ。
でも一番最初は私なんかは師匠に連れてこられたっていうのがものすごいあったのね。
あるある。
それは分かるよ。
師匠がほかのお弟子さんと私を並べてですねお前…「あす歌」って私はその時あす歌っていったんですけど「あす歌は俺が連れてきたんだ。
お前たちは自分で入ってきたんだ。
だからそこが違うんだ」って線引きをなさいましたよね。
そこがものすごい嫌で。
そうかな?ありがたい反面何かほかのお弟子さんが私を見る目というのがとてもあの…「同じ弟子なのにな」って。
長い事それ思わしてたんならね謝るけどねホントにお前以外は全部俺の弟子になりたいって来てる訳よ。
お前の場合は俺が勝手に連れてきちゃったんだよ。
その線引きはねしてやんないとお前にかわいそうだと思ってやっただけ。
ありがとうございます。
今だったらそれは分かるんですけどその当時はねものすごい何かそれがどうも特別扱いされてるというんじゃないんですけども。
だからそのかわり前座と同じように寄席置いといたろ。
ただいきなりお前が色物でボンときたんじゃなくてそういう修業してるから今になってお前が一番みんなに重宝に思われてる。
重宝って分かんねえかな?この人に出てもらうと座が立派になるとか次に出る俺がよくなるとかそういう役割を担うようになったんだ。
昔は「膝代わり」なんていうのは大変なんだ。
そうですねはい。
まあ膝に入るようになってからホントにやっぱり…。
昔は出番でも一番前の方に出させて頂いてると師匠の弟子ですから「これでもかこれでもか」って師匠と同じようにやるんですよ。
そうするとお客さんから跳ね返ってくる感じが分かるんですね。
それである日最初から最後までず〜っと後ろで見ていて。
そうするとだんだんだんだん膝に入ってきた時にお客さんはもうトリに意識が行ってて。
昔はそうだよね。
トリに意識が行ってるので私は別にここで頑張らなくてもこの膝のところで頑張んなくてもいいんだなって思った時にちょっと引く芸というか同じ事やってても「わ〜」と押すんじゃなくて。
三十何年やってんだからね押す芸とね引く芸はよく分かるよ。
そうですね。
何か難しい話してるよ。
ご覧なさい。
みんなシ〜ンとしちゃったよ。
でもなかなかこういう話師匠私たち…。
嫌だよ。
お前と2人きりでこんな話してるの。
気持ち悪いよお前。
あれ?何ですか?「気持ち悪い」って師匠。
じゃあいっちゃいますよ最後。
アハハハハ!師匠こんな事お聞きしちゃなんでございますが…。
ない。
えっ?ない。
やっぱり。
私絶対そうおっしゃると思いました。
お前なんかどうなの?何かやりたい事あるの?私ですか。
私はそうですね。
どうでしょうか?こう師匠に育てて頂いたあれもありますので三味線漫談でですねもうちょっと頑張って小円歌という。
いやなれ!もう一流になれんだからなりなさい。
お前なんかの場合はお客から色気で見られてる間いいんだよ。
なあ。
「あのおねえちゃんいくつになったんだろ?」なんて。
まさかお前が68って知らねえんだから。
げっ!げっ!でもホントよかったよ。
俺今日お前としゃべれてうれしかった。
ありがとうございます。
師匠がものすごい楽しみにして下さってるという事でもうありがたいありがたい。
ホントにありがとうございます。
これが遺作にならないように。
えっ?何?師匠これが…いえ何でもありません。
おしまいの番組にならないように。
聞こえてるわやっぱり。
気持ちは分かるけどねまだうまく逝かねえんじゃねえかな。
大丈夫師匠。
まだまだ。
まだまだはいいよ。
えっ?「昨日までここの楽屋で元気だったんですよ」ってそういう死に方したいな俺。
あっなるほど。
それいいですね。
「えっまだ寝てるの?」なんていうの嫌だ。
そうですか。
時々高座で言うんだけど「年老いて万事枯れゆく昨日今日むさ苦しさになるまいぞ夢」。
芸人だからね汚くなったねと言われないように。
これを努力しなきゃ。
だから僕は「圓歌師匠いつまでも若いですね」って言われるより「お元気ですね」って言われる方が好きだよ。
あっそうですか。
「お元気ですね」の方がいいんですか?好きだね。
いつまでももうきれいなおじいちゃまでいてほしいです。
第一その「おじいちゃん」が気に入らねえんだ。
分かりました。
お兄様とか。
お兄様がいいんですか?師匠。
じゃあそう言わせて頂きます。
それじゃあ師匠飲みに行きましょうか?行こう行こう!ね!こんな朝早くから?2014/06/29(日) 05:15〜05:45
NHK総合1・神戸
三遊亭小円歌の演芸図鑑・選「ポカスカジャン、金原亭世之介、三遊亭圓歌」[字]
三味線漫談・三遊亭小円歌のナビゲートで、とっておきの演芸と対談をお届けします。演芸は、ポカスカジャン、金原亭世之介の落語。対談のゲストは、三遊亭圓歌
詳細情報
番組内容
三味線漫談・三遊亭小円歌のナビゲートで、とっておきの演芸と対談をお届けします。演芸は、ポカスカジャン、金原亭世之介の落語。対談のゲストは、三遊亭圓歌。
出演者
【出演】三遊亭圓歌,ポカスカジャン,金原亭世之介,【ナビゲーター】三遊亭小円歌
ジャンル :
バラエティ – お笑い・コメディ
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – その他
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