さあそれでは皆さんにはこのまま浸って頂きたい楽しんで頂きたいと思います。
「軍師官兵衛」いよいよ本能寺の変です!いや〜。
楽しみ〜。
ねえ〜。
ささやいたんですか?うん。
二度言いました。
(利三)止まれ〜!未明。
天下を揺るがす事件が起ころうとしていた。
(光秀)我らはこれより京へ向かう。
敵は…本能寺にあり!
(秀吉)官兵衛よ!今宵は妙に蒸し暑うてよう眠れん。
(秀吉)お〜見事な景色じゃのう。
しかし田畑を台なしにしてしもうた。
(官兵衛)心配はございませぬ。
万事取り計らっておりまする。
さすがは官兵衛じゃ。
かような事で殿の評判を落としたりは致しませぬ。
(秀吉)もうすぐ上様がおいでになる。
さすればこの戦も終わる。
はい。
(兵と馬の駆ける音)
(お濃)いかがなされました?
(テーマ音楽)
(光秀)我らはこれより織田信長を討ち果たす。
これは遺恨を晴らすためにあらず。
この国を守るための義挙なり!かかれ!
(小姓1)何事だ?
(小姓2)分かりませぬ。
明智?はっ!
(銃声)
(信長)いかがした?
(蘭丸)謀反にございます!
(信長)いずこの軍勢だ?桔梗の紋明智にございます!
(お濃)光秀殿が?是非に及ばず。
(喊声)信長じゃ〜!
(銃声)
(弦が切れる音)
(蘭丸)上様!信長はまだ討ち取れぬのか?はっ。
敵は信長えり抜きの腕利きぞろい。
少々てこずっております。
なれど必ず討ち果たします。
相手は信長…くれぐれも油断するな。
はっ!
(侍女たち)キャ〜!お濃女と共に逃げよ!光秀なら手荒なまねはすまい。
濃は上様のおそばを離れるつもりはありませぬ!どこまでもついてまいります。
さすがは蝮の娘。
肝が据わっておるわ。
よかろうついてまいれ!はい!放て!上様!上様!
(信長)蘭丸!ここは我らにお任せを!お任せを!逃すな!追え!一人も討ち漏らすな!かかれ〜!
(一同)オ〜!え〜いっ!信長!死ね〜!お濃!お濃!お濃…。
しかとせい!お濃!共に…世界を…見とうございました…。
とどめを…上様の手で…。
お濃…。
わしの女房はそなたでなければ務まらなかった。
上様…。
生きて…生き尽くして下され。
(秀満)信長を捜せ!信長を捜すのじゃ。
信長の首を取るのだ!
(一同)オ〜!心の声生か…死か…。
生か…死か…。
生か…死か…。
生か…。
信長…。
「人間五十年下天のうちを比ぶれば夢幻の如くなり」。
「一度生を得て」。
「滅せぬ者の」。
「あるべきか」。
生きるも死ぬも一度限り…。
存分に生きたぞ。
信長は?あの火では助かりますまい。
間違いなく信長は死んだのか?骸を捜せ!
(秀満利三)はっ!・信長の骸を捜せ〜!・
(一同)オ〜!・裏へ回れ!・信長の骸じゃ!・急げ!・信長の骸を捜せ!・裏へ急げ!
(兼孝)光秀がついにやりおったか。
(兼和)勅使を送った方が…?
(兼孝)いやいやまだや。
明智の勝ちがはっきりするまでいましばらく様子を見た方がええ。
まるで曇り空が晴れ上がったようでございますな。
これ!めったな事を言うもんやない。
明智光秀謀反にございます!本能寺は焼け落ち上様ならびにお方様信忠様お亡くなりになられたようでございます。
信長殿が…?
(侍女)御前様!
(家臣)御前様!御前様…。
(おね)それは誠か?はい。
お濃様は?お濃様は!?恐らく上様と共に…。
(侍女)お方様!皆を集めなさい。
(侍女たち)はっ。
集めなさい!
(騒ぐ声)お方様かくなる上は城を枕に討ち死にするまで!殿のお恥とならぬよう命の限り戦いまする!お方様籠城の支度をお命じ下さい。
逃げるのです。
え?こんな年寄りと女が束になっても物の役には立ちませぬ。
逃げるが勝ちです。
城を捨てて逃げる訳にはまいりませぬ!城より命!これは留守を預かる私の命じゃ。
命を無駄にしてはならぬ。
よいですね?
(一同)はっ。
すぐに支度を。
(一同)はっ!父上。
お倫…。
私は父上を誇りに思っております。
荒木一族の無念だし様のご無念をお晴らし下さりました。
かつて荒木の嫁であった身としてお礼の申しようもありませぬ。
備中におる秀吉は無論の事柴田や滝川もこの光秀の首を狙いに来るであろう。
だがいずれも遠方。
しばしの時がある。
今のうちに同心する者を募れ!
(一同)はっ。
朝廷のご威光をもって信長が打ち壊せしものを作り直し元のあるべき姿に戻すのだ。
さすれば乱世は終わり太平の世が訪れる。
上様が…。
(本多忠勝)今京周辺は明智の兵であふれているようでございます。
いずれここにも兵を差し向けるのは必定。
(井伊直政)すぐに逃げましょう。
(榊原康政)殿!無駄じゃ。
(直政)何が無駄にござりまするか。
あの明智光秀じゃ。
ぬかりはあるまい。
逃げ道など塞がれておろう。
行ってみねば分かりませぬ。
本来なら上様の仇を討つべきところだがこの手勢ではそれもかなわぬ。
かくなる上は潔く腹を切る。
何を仰せか!生半可な事をして恥をかくよりその方がましじゃ。
なりませぬ!逃げるのです。
いかにして逃げるというのだ。
我らは袋の鼠だぞ。
諦めるのは早うござる。
確かに主な道は閉ざされておるかもしれませぬ。
ならば道を通らねばよい。
何?山を越えるのでござる。
かような所で死んではなりませぬ!殿!分かった。
わしが間違っていた。
生きて三河へ帰る。
一同頼んだぞ。
(一同)はっ。
(忠勝)この命に代えても。
前へ進め!次の者前へ回れ!進め。
荷物を見せろ。
何も怪しい者じゃ…。
お待ち下さい!荷を下ろせ!これ中を見せんか!商売道具でございます!お待ち下さい!羽柴様にお届けせよ。
よいかくれぐれも毛利より先に報せるのだ。
事件の翌日官兵衛は本能寺の変をいまだ知らなかった。
(蜂須賀)明智殿の援軍は1万3,000。
ここら辺りに陣を張ってもらうか?よきお考えにございます。
そこであれば敵の目にも援軍が来た事が一目瞭然。
うむ。
(善助)殿!殿大変でございます。
いかがした?水につかった村の百姓どもに米を配っていたところ思いも寄らぬお人が…。
誰だ?御着の殿でございます。
政職様か?
(九郎右衛門)こちらです。
どうかお見逃し下さい!ご病気でございます。
(九郎右衛門)案ずるな。
手荒なまねはせぬ。
(善助)邪魔するぞ。
どうかどうかどうか…。
(氏職)官兵衛…。
いや官兵衛殿。
お手をお上げ下され斎様。
ご立派になられましたな。
元服し氏職と名を改めました。
氏職様…。
父はこちらです。
殿…。
官兵衛にございます。
お久しゅうございます。
(政職)あ〜。
官兵衛…。
ずっと…おことに…謝りたかった…。
許してくれ…。
もはや過ぎた事。
あの時は見抜けなかったそれがしの失策でございます。
(政職の泣き声)官兵衛…。
すまぬ…。
官兵衛…。
氏職を…頼む…。
おことしか…頼る者はおらぬ…。
若はそれがしがお守り致します。
よかった…。
あの世でお紺に…叱られずに済む…。
よかったのう…。
よかった…。
父上…。
(秀吉)そうか…。
小寺政職はそんな所におったか…。
はい。
最期を看取れたのがせめてもの幸せでございました。
お人よしじゃのう官兵衛は。
静かじゃのう。
戦のただ中とはとても思えぬ。
いつまでにらみ合いが続くか…。
間もなく明智勢が到着致します。
いましばらくの辛抱でございます。
うむ…。
(休夢)今頃備中は戦のさなかでございましょうな。
(職隆)うむ…。
(光)いつまで続くのでしょうかね。
(職隆)毛利との決戦じゃ。
長引く事は覚悟しておいた方がよいぞ。
(赤ちゃんの泣き声)熊之助か…。
(休夢)元気じゃのう。
ハハハハハ。
元気すぎるわ。
(笑い声)お福?熊之助!さあさあさあ。
うん?
(お福)どうしたのでしょう…。
今日は珍しく夜泣きなど…。
どれどれわしが代わる。
どうした?熊之助。
(泣き声)父上…。
きっと父親が恋しいのでしょう。
うん?うん?父上は今備中におりますよ。
戦が終わったらきっとすぐに会えますよ。
(泣き声)ご機嫌が悪うございますねえ。
うん?熊之助…。
(長政)ご苦労。
変わりはないか?
(見張り)はっ。
・
(物音)
(兵庫助)何やつ!
(辰蔵)こ…ここは…羽柴様のご陣所でございますか?わしが黒田官兵衛だが。
お人払いを。
無礼者!兵庫助!下がれ。
はっ。
それがし長谷川宗仁様の使いで参りました。
宗仁殿といえば上様のご信任あつきお方…。
一体何事だ?一刻も早く羽柴秀吉様か黒田官兵衛様にお報せせよと申しつかってまいりました。
そのお二人以外には断じて知られてはならぬと。
何があった?ご無礼ながら黒田様であるという証しをお見せ願えますか?この傷は有岡城の土牢に幽閉された際に負った傷の名残。
足もこのとおりだ。
確かに黒田様とお見受け致しました。
これは…。
お主…命が惜しいか?はっ。
惜しければ他言無用だ。
承知しております。
善助!・
(善助)はっ。
この者に食事を与えねぎらってやれ。
わしは少し一人で考える。
誰も通すな。
はっ。
下がれ。
あ〜っ!・善助。
はっ。
善助!何かございましたか?決して漏らすな。
腹を決めよ。
毛利には知られてはならぬ。
網を張れ。
はっ。
・
(杖をついて歩く音)・殿…。
官兵衛にございます。
(秀吉)お〜官兵衛か。
いかがした?こんな夜分に。
京にいる…長谷川宗仁殿からでございます。
宗仁殿?心してお読み下さい。
あ…あっあっあ〜あ〜あ〜!上様!あ〜っ!上様!嫌じゃ嫌じゃ!あ〜!上様〜!あっあ〜っ!殿…。
(泣き声)殿!
(泣き声)一刻を争います。
お気を確かに!分かりますか?分かりますか?分かりますか!殿のご運が開けたのですぞ。
開けました。
ご運が開けました。
今は亡き竹中半兵衛様の思いをお忘れか?半兵衛様は殿が天下に名乗りを上げるのを待ち望みそれがしが軍師で支えるよう言い残して逝かれました。
今こそその時でございます!上様の死を毛利に悟られる事なくすぐさま京に引き返し誰よりも早く謀反人明智光秀を討つのです。
それこそが亡き上様のため!そして…。
天下のためでございます。
官兵衛…。
分かった。
して…どうすればよい?全てこの官兵衛にお任せ下さい。
分かった。
官兵衛…分かった…。
官兵衛…官兵衛…。
(泣き声)官兵衛よ!・
(善助)殿。
恵瓊殿夜分に失礼致した。
(恵瓊)は〜寝入りばなを起こされた。
ハハッ。
火急の用件ゆえ失礼致した。
一体何事でござる?毛利と早急に和議を結びたい。
ん?毛利8か国の本領安堵はお約束致します。
フッ本領安堵…。
いかなる事でござる?何故急にそこまで譲られるのじゃ?秀吉様が天下に名乗りを上げる好機が訪れたのでございます。
羽柴様に…?織田信長公が亡くなられました。
明智光秀の謀反でござる。
黒田官兵衛一世一代の大勝負がここに始まった。
我らが織田信長様の仇を討つのじゃ!明智を討ち果たす事。
このままじゃ明智の天下。
(隆景)謀ったな官兵衛!殿はこの事を知っておられるのでしょうか?長政!又兵衛!文句があるか!
(秀吉)戦はだまし合いじゃ。
(宗治)黒田官兵衛!
(隆景)官兵衛お主を信じよう。
天正10年1582年。
天下を揺るがした本能寺の変はここで起きました。
現在の本能寺は秀吉によって北東に600mほど離れた場所に再建されたものです
境内には三男織田信孝の命で建てられた信長の霊廟と供養塔が残されています
本能寺の変の前日信長は僅かな供回りを従え茶会を開いていました。
そこに光秀の思わぬ襲撃があったのです
黒田家譜には官兵衛が秀吉に「天下を取る好機」と助言したとあります。
信長の死により秀吉と官兵衛の天下取りがついに動き出したのです
2014/07/13(日) 20:00〜20:45
NHK総合1・神戸
軍師官兵衛(28)「本能寺の変」[解][字][デ]
光秀(春風亭小朝)の謀反で信長(江口洋介)は炎の中、劇的な生涯を閉じる。高松城を囲む官兵衛(岡田准一)は、最も早くその報に接し、知略全開で一世一代の勝負に出る。
詳細情報
番組内容
光秀(春風亭小朝)が謀反、京・本能寺に攻め入った。お濃(内田有紀)が刃に倒れ、信長(江口洋介)も炎の中に消えていく。事件を知らずに備中高松城を包囲していた官兵衛(岡田准一)は、付近の農家でやつれ果てた政職(片岡鶴太郎)と思わぬ再会を果たす。やがて一大事のしらせが京から備中に届き、いち早く知った官兵衛は秀吉(竹中直人)の天下を実現するため、知略の限りを尽くした一世一代の大勝負に打って出る。
出演者
【出演】岡田准一,中谷美紀,寺尾聰,松坂桃李,江口洋介,内田有紀,春風亭小朝,竹中直人,濱田岳,速水もこみち,高橋一生,大谷直子,山路和弘,堀内正美,阿知波悟美,ピエール瀧,柿澤勇人,東幹久ほか
原作・脚本
【作】前川洋一
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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