奇跡の地球物語 サグラダ・ファミリア〜ガウディが予測した未来テクノロジー〜 2014.07.13

スペイン第2の都市バルセロナにそびえるカトリックの大聖堂。
すばらしいすばらしい。
信じられないわ。
言葉にできないわ。
写真とは比べ物にならない。
天才建築家アントニ・ガウディが「神は完成をお急ぎではない」そう言って残した壮大な設計は工事期間300年22世紀までは完成しないと言われてきた。
そんなサグラダファミリアについて昨年驚くべき発表がされた。
完成予定が大幅に早まり2026年なんと100年以上も短縮されたというのだ。
コンピューター・グラフィックによるその完成イメージがこちら。
サグラダファミリアを特徴づける高くそびえる塔は完成すると18本が立ち並び中央のイエスの塔は高さ170メートルに及ぶ。
なぜ完成時期が早まったのか?今回特別に許可を得て地上90メートル建築現場の最上部へと向かった。
未来のテクノロジーを予測していたかのようなガウディの壮大な構想。
サグラダファミリアの完成を早めた最新の技術に迫ります。
そもそもサグラダファミリアは「聖家族」つまりイエスとマリアそしてヨセフに捧げるための教会。
アントニ・ガウディはその2代目の主任建築家。
バルセロナに数々の実験的な建築を残した彼は元の図面を大幅に修正し数々の仕掛けを施した壮大な聖堂を計画した。
建物外部の彫刻群はイエス・キリストの誕生や受難死と栄光を描いておりサグラダファミリアは別名石でできた聖書と言われている。
その内部に施されたガウディの壮大なデザインから見てみよう。
壮大な空間に圧倒される聖堂は市民がミサを開くために集う場所。
1万3000人を収容する事ができる。
天井までの高さは最も高いところで45メートル。
柱の形状にも独創的な工夫が見られる。
9代目の主任建築家ジョルディ・ファウリさんに教えてもらった。
あちらの柱を見てください。
下では1本ですが上の方で枝分かれしています。
多くの支点を設けてこの大きな天井を支えているんです。
こうする事で天井からかかる重さを効率的に床に逃がす事ができます。
構造的に優れているだけではない。
ガウディが大切にしたのはそのデザインだ。
ガウディは柱を木に見立てたのです。
木をつぶさに観察しそのコンセプトを建築に反映しました。
天井にはシュロの葉をモチーフにした模様。
シュロは殉教のシンボルだ。
教会内部は植物のイメージに溢れまるで森の中にいるような印象を与える。
窓の設計も巧みだ。
森の木漏れ日のような柔らかな光が教会内部を満たす。
彼は自然が自分の師だと言っていたそうです。
ガウディはこんな言葉を残している。
神が創造した自然からそのメッセージを読み取る。
目指したのは神の意思を建築に反映させる事だった。
ガウディは音にもこだわった。
10本を超える塔の1本1本にはたくさんの切れ目が設けられている。
彼はこの大聖堂を音楽を奏でる装置として考えていました。
例えば塔の内側の最上部に鐘をつるしその音を街中に響かせようとしたのです。
そのために塔に切れ込みを入れています。
どのように響くか角度を計算したとされています。
その秘密は切れ目のひさしの構造にある。
塔の中で鳴らされた鐘の音は反射しながらすりぬける事によって広い範囲に広がっていく。
騒音のない早朝には半径およそ2キロメートル周囲の街に鐘の音を響き渡らせる事を狙った設計だと考えられている。
様々なアイデアを盛り込んだガウディの設計。
しかし残されているサグラダファミリアの完成像は1枚のスケッチのみ。
一体どうやって現在まで建築は進められてきたのか。
その答えは地下につくられたこの部屋にあった。
ここはサグラダファミリアの設計に必要な模型を作る場所です。
ガウディ自身が作った模型はほとんど燃えてしまいました。
ガウディは図面より模型を大事にした。
各パーツの模型を石膏で作りひとつひとつ確認しながら設計を進めたという。
しかし1936年ガウディの死後に起こった市民戦争により模型のほとんどが焼失。
残ったのは破片だけだった。
例えばこれはガウディが作った模型の写真です。
歴代の建築家たちはこういった模型の写真や破片そしてガウディの残した文書を頼りに彼の作った模型を根気よく復元していきました。
そして我々はそれをベースに詳細を詰めていきます。
例えばガウディが考慮していなかった非常口の設置についてや安全性を高めるためにはどうすればいいかというのを考えながら設計を進めていくのです。
残されたわずかな資料をもとにガウディの狙いを推し量り議論を重ね設計図を起こしてようやく建設に着手できる。
完成までに膨大な時間がかかる理由がここにある。
ただし我々のオリジナルをつくるのではありません。
常に我々はガウディが本当につくりたかったものを想像しながら設計をしているのです。
それでは完成までの時間が大幅に短縮されたのはなぜなのか?テクノロジーの進歩によって私たちは色々な可能性を素早く試せるようになりました。
まず設計に要する時間が早まった。
最新の設計ソフトによりかつては手作業で行っていた図面作りの効率が飛躍的に上がったのだ。
さらに建築技術の進歩が完成を早めた。
今まさに建築が進められている現場に向かう。
こちらはサグラダファミリアを真上から見た映像。
中央にそびえるイエスの塔の工事中だ。
完成すれば高さおよそ170メートルになるイエスの塔。
その上には15メートルにも及ぶ巨大な十字架が設置されるという。
今回特別に工事現場最上部での撮影許可を得た。
現場監督の案内で建設中の足場を慎重に上っていく。
バルセロナの街を一望する現場でまず目にとまったのは驚きの作業。
体ひとつで塔に登る人が見える。
一体何をしているのか?あそこでは塔先端のモザイク加工がとれていないかなどのメンテナンスをしています。
着工から既に100年以上経過しているサグラダファミリア。
部分的な修復を行いながら建設が進められている。
彼らは万一の事故の時にレスキュー隊としても活躍する。
高所作業のプロだけに許された現場だ。
サグラダファミリアの完成が100年以上も早まった理由。
最新の技術がこの先に待ち受けていた。
(男性)今日は写真と言葉で想いを届けるフォトレターを作ります。
気持ちをまっすぐ伝えることの大切さを感じてほしい
そんな願いを込めて私たちはフォトレター出張授業を行っています
(女の子)いつもおいしいご飯を作ってくれるのでフォトレターで感謝の気持ちを伝えたいです。
(一同)ありがとう!
「PIXUS」で「想い」を届けよう!
(能年)あっ失礼します。
なんかかっこいい。
(シャッター音)ああ速い。
タッチ。
(シャッター音)
自分の思ったところにピントが合ってなんか面白いです
(シャッター音)すげー。
おおー!うさぎが…。
あっまつ毛。
EOSM2
まつ毛がある。

SNSの写真そのままだといいね。
ですが
(観客)うんうん。
「PIXUS」でプリントすると
(無音)
(桐谷)いいね〜!
…になります
タブレットからもう一度
いいね〜!!
もちろんカメラからも直接
(無音)やっぱりいいね〜!!
(拍手・歓声)
どんな写真もカンタンキレイ
100年以上完成が早まり2026年にいよいよその全体像を披露するサグラダファミリア。
今回特別な許可を得て工事中の最上部に上った。
地上から90メートル地点。
そこに完成を早めた最新の技術が待ち受けていた。
ここでは1番大きな塔になるイエスの塔を建設しています。
完成すれば高さおよそ170メートルサグラダファミリアの中央にそびえ立つイエスの塔。
困難を極めると思われたこの建設を大幅に短縮させた技術がある。
私たちが今やっている工事はここで組み立てるのではなく外で組んだ大きな部品をつけていく作業なのです。
そのためクレーンも高性能でなくてはならないのです。
かつては小さな部品を少しずつ上に運び上の現場で組み立てていた。
狭く危険な現場での作業は決して効率の良いものではなかった。
大型クレーンを使えば下で組み立てた大きな部品をつり上げる事ができる。
作業効率が格段に上がったのはクレーンの進歩のおかげだ。
例えばこのクレーンは特注です。
通常柱は四角いのですがここは高所で風が強いためその抵抗を逃がすよう丸くしています。
さらにサグラダファミリアには欠かせない石材の切断や加工。
こちらも機械の進歩が加工時間を大幅に短縮してくれた。
私が思うにはもしガウディが今の時代に生きていたらきっとこういった技術を使っていたのではないでしょうか。
ガウディの時代にも電気はあったしモーターもあった。
進んだ考えの持ち主だったのだから後の世にどういった技術が生まれるかも想像しながら設計していたのかもしれません。
ガウディが生きていたら最新の技術を遺憾なく活用するはず。
まるで未来のテクノロジーを予測していたような壮大なデザインが現実のものになろうとしている。
ただしガウディが予想もしなかった幸運なできごともある。
2005年の世界文化遺産への認定。
2010年の内部聖堂完成などに伴い世界中から年間300万人の観光客が集まるようになり完成を待たずして入場料など収入が増加。
その資金によって最先端技術への設備投資が可能になったのだ。
神からのメッセージを建築で表現しようとサグラダファミリアを設計したガウディ。
壮大なアイデアその完成の日に向け建築は着々と進んでいる。
スペインに魅せられた日本人フォトグラファー。
彼女が教えてくれた最高のサグラダファミリアをご紹介します。

(妻夫木)なぜわかったんですか?…影?
(シャッター音)
(シャッター音)
EOS70D
1日のある限られた時間にだけサグラダファミリアは最高の姿を見せるという。
教えてくれるのは日本人フォトグラファーカミジオーリまどかさん。
スペインの魅力を尋ねると…。
色んな人の温かさとかも色んな事が挙げられるんですけど…。
すごく住みやすいうん。
みんな陽気で気分がいい事が一番大きいですね。
人も自然もスペインのすべてが気に入り移住して5年。
現在はイタリア人の夫ジョルダーノさんと娘のミナミちゃんとの3人暮らし。
(まどかさん)ラーメンみたいに…。
良かったら今日10時からまた撮ってますので…。
そちらにいらしてみるといいと思います。
サグラダファミリアの真向かいにある公園で夜の10時に待ち合わせ。
ここからどんな姿が見られるのだろう。
見えますか?今日風がないからまた…。
すごいきれい。
日が沈みきった夜10時からおよそ2時間だけライトアップされるサグラダファミリア。
そしてその下には…。
池に映った逆さサグラダファミリア。
実はガウディもサグラダファミリアの塔を光を放つ照明にして天空や地上を照らす光の殿堂にする事を計画していたという。
光に浮かぶ複雑な凹凸が生み出す荘厳な陰影。
緻密に計算されたデザインが生むもうひとつの夜の姿。
日本とスペインの交流が始まって今年で400周年。
それを記念し日本各地では様々なイベントが開催され盛況を博している。
自分が生きている間完成した姿を見る事ができないほどの壮大な構想を残したガウディ。
没後100年に当たる2026年いよいよその全貌が明らかになる。
2014/07/13(日) 18:30〜18:56
ABCテレビ1
奇跡の地球物語 サグラダ・ファミリア〜ガウディが予測した未来テクノロジー〜[字]

ガウディ作、サグラダ・ファミリア。完成まで300年以上かかると言われたが、昨年、工事期間が100年以上も短縮され2026年完成予定と発表された。その秘密に迫る!

詳細情報
◇番組内容
スペイン・バルセロナ。天才建築家、アントニ・ガウディが残したカトリックの大聖堂「サグラダ・ファミリア」。工事期間300年、22世紀までは完成しないと言われた未完の大聖堂だが、昨年、完成予定が100年以上も短縮され、2026年には完成すると発表された。大幅に工事期間を短縮できたワケとは?世界遺産 サグラダ・ファミリアの建築現場に潜入し、その謎に迫ります!
◇番組内容2
古代のミステリーから日常のふとした疑問まで、人間を取り巻くあらゆる物事を最先端科学で紐解いていく…。明日誰かに話したくなる、新しい発見がいっぱいの番組です。
◇出演者
【ナレーター】山寺宏一
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/miracle-earth/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
サンプリングレート : 48kHz

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