アメリカカリフォルニアに食で世界を変えようとしている料理家がいます。
「スローフードの母」と呼ばれています。
化学肥料や農薬に頼らない有機栽培。
地元の新鮮な食材を使う地産地消。
そうしたスローフードの考え方を今から40年ほど前世界に先駆けて提唱したのがアリスです。
アリスの料理スタイルはとてもシンプル。
自然の恵みに感謝し食べる人への愛情を込めて作る。
そして家族や友人と一緒に味わいます。
こうしたアリスの考えは「おいしい革命」と呼ばれ今世界に広がっています。
今回はアリスの自宅を訪ねます。
どのようなライフスタイルで「おいしい革命」を実践しているのかご紹介しましょう。
サンフランシスコ湾の東に位置する町カリフォルニア州バークレー。
1960年代にヒッピー文化が誕生した町です。
時代を動かす学生運動もここから全米へと広がりました。
新しい価値観や進歩的なライフスタイルの発信地です。
アリスは大学時代に東海岸からこの緑豊かな町に移り住みました。
30年ほど前からは町の中心に近いこの家に暮らしています。
Hello.Welcometomyhouse.ここがアリスのキッチン。
アリスのこだわりが至る所に詰まっています。
各地で集めた素朴なアイテム。
その中でも日本のすり鉢はアリスの料理に欠かせません。
キッチンのしつらえにも彼女のセンスが光ります。
隣のダイニングにはアリス自慢の品があります。
飲みきれなかった赤ワインを発酵させ自家製ワインビネガーを造っているのです。
アリスは名門カリフォルニア大学バークレー校の出身。
60年代盛んだったベトナム反戦運動にも参加していました。
一方でフランス文学を専攻していたアリスはフランス料理の奥深さに触れ料理の道に目覚めます。
27歳の時アリスはレストランを開きます。
当時はファストフード全盛時代。
食べる事はおろそかにされがちでした。
アリスはそうした人々の意識を変えたいと考えたのです。
今では世界の人々が憧れるレストランとなっています。
店内にはアリスの思いがちりばめられています。
自宅同様ダイニングとキッチンの間には壁がありません。
その日食べ頃の新鮮な食材のみを使った料理を食べてほしいとメニューは日替わりのコース1つだけ。
「旬を味わうすばらしさを伝えたい」との思いからです。
ある日のメニューです。
書かれているのは前菜パスタメインデザートの4品。
地元で取れた新鮮なオーガニック食材がたっぷり使われています。
開店当時1日1コースのメニューしかないというのはとても珍しいものでした。
シェフたちの手によって今日もアリスの考えがここから世界に発信されています。
アリスの食へのこだわりは自宅の庭にも見る事ができます。
その信条は「庭に食べるものを植える」という事。
一児の母となりレストランも軌道に乗った頃に両親からプレゼントされたりんごの木。
毎年夏に実を収穫し焼き菓子などを作って楽しんでいます。
マルメロは喉の炎症を抑える効果があるといわれる果実。
アリスはジャムにしてパンやチーズに合わせます。
旬のものを味わえるようにさまざまな果物や野菜を植えています。
アリスは料理の時に出た野菜の皮や切れ端などを使って堆肥を作っています。
堆肥はおよそ半年後に完成します。
土から手づくりした緑豊かな庭。
ここで過ごす時間はアリスにとって掛けがえのないものです。
庭にはアリスがよく使うハーブを植えた「ハーブボウル」と呼ぶ一角があります。
レモンバーベナはレモンのような香りのハーブ。
生のままハーブティーにするとその香りがより引き立ちます。
料理の風味付けに使うバジル。
アリスの料理に欠かせないものです。
庭で土と触れる事で自然への感謝の気持ちが生まれるといいます。
この日アリスは庭で採れたハーブで料理をする事にしました。
友人のサミンと一緒に作ります。
作るのはパスタに合わせるバジルのペーストです。
お気に入りのすり鉢で潰しているのはにんにくと松の実。
そこに庭で摘んだばかりのバジルの葉を加えます。
味付けは塩とパルメザンチーズ。
そしてオリーブオイルを注ぎます。
今日はオレキエッテというパスタを合わせる事にしました。
新鮮なバジルの香りをオリーブオイルが引き立てます。
削ったパルメザンチーズを加え混ぜ合わせたら完成です。
庭のハーブを使った料理はアリスの定番メニュー。
採れたてのバジルの香りが取って置きのごちそうです。
アリスはいつものように友人たちと食卓を囲みます。
2014/07/13(日) 16:40〜17:00
NHKEテレ1大阪
アリスのおいしい革命「オーガニックライフへようこそ」[字]
スローフードの母と呼ばれるアリス・ウォータースの世界をカリフォルニアからお届けする。今回は食とライフスタイルのカリスマであるアリスの家や実り豊かな庭を紹介。
詳細情報
番組内容
アメリカで「スローフードの母」と呼ばれ、食とライフスタイルのカリスマであるアリス・ウォータースが、カリフォルニアの自宅キッチンを公開。そこには、銅製のシンクや暖炉など温かみのある道具が見られる。アリスの日課は、お気に入りの庭で果物やハーブを収穫し、とりたての素材で料理すること。庭でとれたバジルを使ってパスタのソースを作りながら、アリス自身がどのようにして食の大切さに目覚めたかも振り返る。
出演者
【出演】料理家…アリス・ウォータース,【語り】HARRY
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – グルメ・料理
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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