今回は15世紀。
大海原を行く物語。
主人公は世界を変えた冒険家。
未開の海へとこぎ出し新大陸に到達。
英雄ともてはやされました。
しかし彼には多くの秘密がありました。
コロンブスは確信します。
そここそ黄金の国ジパングに違いないと。
目的地は乗組員39人を島に残す。
コロンブス率いる大艦隊が戻ってみると全員殺されていたんです。
えっ!?虐殺や略奪。
新大陸到達は悲劇の始まりでもあったのです。
歴史を変えた英雄か迷惑な侵略者か。
「寺脇博士お元気ですか?」。
「大航海時代の研究をすると聞き筆をとっています。
注目すべきは1492年。
”意欲に燃えるコロンブス”なんて覚えたんじゃないかな。
でもコロンブスはアメリカ大陸を発見したという言い方があるけどこれちょっと違うと思わないかな?」。
「池上彰」。
また池上先輩から試すような質問が舞い込んだな。
最近ではコロンブスの偉業を発見ではなく到達って言うんですね。
コロンブスが発見する前からアメリカ大陸には先住民が暮らしてたから到達って言うようになったのよね。
まっ発見にしろ到達にしろそもそもコロンブスはこの辺りをアメリカ大陸だと思ってなかったんです。
そうなの?じゃあどこだと思ってたわけ?東アジアだと思ってたんです。
東アジアって…この辺りだと思ってたの?そうこれをご覧ください。
相内君!はい!コロンブスが出発する前に流通していた世界地図です。
1474年って書いてありますけど。
さぁこれ何か変だと思いませんか?クイズですよ。
ジパングがある。
はいはい!アメリカ大陸がない!正解ピンポンピンポンピンポン!やった。
コロンブスが大航海に出た時代ヨーロッパの地図にはまだアメリカ大陸がなかったんです。
この地図を信じて大西洋を西へ行くとあらほんと東アジアにたどり着く。
コロンブスが切り開いたのはまさに誰も到達したことのない未開の海だったわけです。
博士コロンブスのことを知りたいわ。
はいわかりました。
世界史を変えた冒険家か?はたまた迷惑な侵略者だったのか?コロンブスの物語を話そう!あっちょっと転んだっす。
あ…。
ヨーロッパ南西部。
イベリア半島にあるスペインとポルトガル。
この2つの国は15世紀競って海外へと進出しました。
歴史に名を残す数多くの冒険家が現れました。
なかでも有名なのがクリストファー・コロンブスです。
彼の航海を支援したのは情熱の国スペイン。
街の声を聞くと。
スペインでは偉大な英雄です。
500年前スペイン南部アンダルシア地方の小さな町。
船です。
しかも結構大きい船が。
スペイン南部アンダルシア地方の小さな町。
こちら家の壁が真っ白ですよ。
真っ白で縁が黄色なんですね。
白い壁はアンダルシア地方の特色です。
この美しい町に500年前自称イタリア人という一人の船乗りが訪れました。
西へ向かえばアジアに着く。
この突拍子もない計画は相手にされず数年間修道院に身を寄せていました。
なぜこの修道院はコロンブスに協力をしたんですか?コロンブスは乗組員を探しにこの町にやってきました。
それで教会が手を差し伸べたのです。
コロンブスは熱心に航海の計画を説明しました。
キリスト教の布教にもつながると。
マリア様ですね。
コロンブスがこの修道院に身を寄せていたとき毎日毎日このマリア様にどうか出航できるようにと祈りを捧げていたそうなんです。
熱意が実りコロンブスはスペイン王室の支援を取りつけます。
出航前に水を汲んだ井戸が残っていました。
今はさすがにもう井戸としてはないんですが航海に最も大切だった真水をここから汲んで船にこのまま運んでいたんですね。
かつてはこの近くに港がありました。
ここからコロンブスは大海原へと出発したのです。
そして未開の海を西へ西へと進みヨーロッパ人として初めてというわけで地図にアメリカ大陸が加わりました。
そもそもなぜコロンブスは新大陸を目指したのか?その理由はここにあります。
『東方見聞録』。
日本のことを黄金の国として紹介してるのよね。
ジパングの宮殿や民家は黄金でできている。
あ〜まぶしい!内容じゃなくて金に目がくらんだんですね。
ベネツィアの商人マルコ・ポーロがまとめた旅行記。
この本を読んだコロンブスはジパングの記述に強く惹かれました。
これは1600年頃に描かれたジパングの地図。
九州と四国はありますが北海道の存在はまだ知られていなかったようですね。
コロンブスはジパングの黄金だけでなく東南アジアでとれる香辛料にも大きな関心を抱いていました。
なんでコロンブスは香辛料に興味があったの?中世ヨーロッパでは香辛料はとても高価な商品だったんです。
アジアでコショウを安く買いヨーロッパで高く売れば大儲けというわけです。
とはいえ大航海に出るには大金が必要でしょ?そうそこでコロンブスはパトロン捜しに奔走します。
最初に売りこんだのは…ポルトガル。
コロンブスのプランはこうです。
まず大西洋を西に進みインゲンス今の東アジアで香辛料を手に入れそして黄金の国ジパングで金をゲットする。
前代未聞の壮大なプロジェクト。
当然それなりの報酬を求めた。
コロンブスはとてつもない報酬を要求しました。
その1。
その2新大陸を支配する副王の地位。
その3金や銀香辛料などその土地から得た利益の10分の1。
はぁ強欲極まりないわねぇ。
で結果は?ダメでした。
ポルトガルはこの計画を不可能と判断しました。
それはそうよねぇ。
しかし捨てる神あれば拾う神あり。
コロンブスはお隣スペインの国の王様と契約を結びました。
売りこみから9年。
1492年コロンブスはスペインのパロス港を出発する。
コロンブスが乗るサンタマリア号を旗艦に3隻の船隊そして90人の乗組員とともに出航しました。
行く手にはさまざまな困難が待ち受けていたでしょ?そのとおりこんなんです。
出航したパロス港の近くに当時の港が再現されています。
うわ〜。
船です。
しかも結構大きい船が。
第1回航海に参加した3隻の復元船。
これがコロンブスの乗ったサンタマリア号です。
やっぱりサンタマリア号がひときわ大きいですね。
コロンブスが乗っていたということなんですが。
なんかちょっとでっぷりとしている船ですね。
船はものや人を大量に運べるように設計されています。
何日かかるかわからない未知の航海…。
大航海に出るために作られたこの大型船に40人が乗り込みました。
当時の船乗りの生活がよくわかるように再現されていますね。
こちらは調理場ですね。
どんなものを食べていたのでしょうか。
冷蔵庫などない時代…。
長い航海に新鮮な食材を持っていくことはできませんでした。
魚を釣ってそれを自分たちの食料にすることっていうのは当時の船乗りの人たちはなかったんですか?彼らはなるほど。
下が…。
倉のようになって…。
何が保管されているのでしょうか。
下はちょっとなんだか湿っぽくてちょっとカビ臭いにおいが漂います。
大量の食料や薪などが積み込まれていました。
なかでも重宝したのが…。
このたくさんある樽…。
これ何が中に入っていると思いますか?実はこれ真水が入っていたそうなんです。
生きるのに欠かせない真水。
未知の航海でどれくらいの水が必要なのかコロンブスには見当がつきませんでした。
ある部屋に案内されました。
お〜!これはコロンブスですか?そうキャプテンのコロンブスです。
船長来る日も来る日も進路を計測し続けました。
コロンブスは西へ2か月進めばアジアに到達できると予測していました。
しかし…。
ゴールの見えない航海。
コロンブス一行ははるかかなたの景色を陸地だと勘違いしては落胆する毎日を過ごします。
船員たちのいらだちは募り彼らを前にコロンブスは宣言します。
するとその2日後。
陸地発見の号砲が鳴り響きました。
文字どおり歴史に新たな一歩が刻まれた瞬間でした。
コロンブスはついにハバナ諸島に到達する。
コロンブスはこの島をサン・サルバドール島と名付けました。
意味は聖なる救世主です。
先住民はさぞかし驚いたことでしょうね。
そうですよね。
コロンブスの記録によると先住民はとても親切で友好的。
常に笑みを浮かべていたとあります。
コロンブスは彼らをインディアスの人東アジア人と信じインディオと呼んだ。
先住民と出会っても東アジアだって勘違いしてたのね。
ということはジパングを探したの?そうなんです。
島民からすごい情報を得るんです。
先住民たちは島の東にシバヨと呼ばれる黄金の産地があると。
シバヨ?シバヨ。
シバヨン…ジパングヨ…ジパング。
コロンブスは確信します。
そここそ黄金の国ジパングに違いないと。
違う違う。
シバ…ジパングヨ…。
違う。
コロンブスは先住民がシバヨと呼ぶ場所をジパングと思い込み探索に向かいました。
黄金の国ジパングを目指し出発!しかし途中サンタマリア号が座礁。
コロンブスたちは撤退を余儀なくされる。
よかったじゃない。
そこにはジパングなんてないんだから。
ところが新たな問題が発生するんです。
それは…船に全員乗れません!そう。
そこで仕方なくコロンブスは乗組員39人を島に残す。
でも一度たどり着いたんだから2回目は楽勝でしょうし次に乗せて帰れば。
それが翌年コロンブス率いる大艦隊が戻ってみると全員殺されていたんです。
えっ?だってとっても親切な人たちだったんじゃないの?ええ。
それはですね第1回の航海のとき先住民から無理やり金銀財宝を取り上げたり何人かを奴隷にして連れて帰ったりしていたので恨みをかっていたんです。
コロンブスは目的である金や香辛料を見つけることができなかった。
代わりに先住民を奴隷にして売り飛ばし次の遠征の財源にしたんです。
はぁコロンブスまったく迷惑な侵略者ね。
コロンブスのアジア到達の知らせを受け支援していたスペインは沸き上がります。
コロンブスは英雄ともてはやされました。
1年後の第2回航海には実に1,500人が参加。
コロンブスは総督としてアジアだと信じた場所に戻りました。
現在のハイチとドミニカがあるエスパニョーラ島に入植を開始しました。
コロンブスたちは先住民を使い黄金探しに奔走します。
しかし発見できたのはごくわずか。
香辛料も見つかりません。
そこでわずかにとれる金を先住民から取り上げました。
更に先住民を奴隷にしてスペインへと売り飛ばします。
しかし食料を巡る暴動や先住民との争いは絶えません。
巨万の富を得られなかったばかりかスペイン女王はコロンブスを見限り総督の地位を剥奪しました。
結局黄金も香辛料も得られないままコロンブスは55歳の生涯を閉じました。
しかしコロンブスの大航海がその後のコロンブスが新大陸からヨーロッパに持ち込んだものがあります。
それは…梅毒です。
梅毒ってあの伝染病の?ええ。
スペイン人は天然痘やインフルエンザなどの伝染病も新大陸に持ち込みました。
コロンブス勇気ある英雄とばかり思ってたのに。
うん先住民にとってはコロンブスはとても迷惑な人物でしたね。
けれども世界史を変えたことは事実です。
例えばこれらが食卓に並んでいなかったかもしれません。
じゃがいもさつまいもとうもろこしにピーマントマト。
へぇ〜。
野菜以外にも…パイナップルいちごチョコレートの原料になるカカオだって中南米産なんですよ。
コロンブスはそれまでの世界地図だけでなくヨーロッパの食卓事情も一新したんです。
チョコはおいしいけどね。
コロンブス英雄なのか侵略者なのか。
あのそれあの私どものチョコですが…。
せめて割っていただければ…。
〜コロンブスのあの有名な話をするのを忘れていた。
コロンブスの卵。
「この卵を立ててみろ!」と言われても…。
いきなり潰して立てようとは思わない。
一見簡単そうに見えても初めて行うのは難しいというたとえだ。
これは新大陸発見の成功を妬む人たちにコロンブスが試したとされる逸話だが実は創作だといわれている。
もともとはイタリアの芸術家の逸話らしい。
コロンブスという人物を魅力的に描くために脚色したんだろう。
ま今で言う逸話のコピペだな。
よしではもうひとつ。
うんあ!生…これ生…。
うわ〜あ〜ちょっと目玉焼きしちゃう…。
飲むあ目玉焼き…。
「おとな旅あるき旅」今週は滋賀県草津をぶらり旅
琵琶湖の夏を満喫します
2014/06/28(土) 18:00〜18:30
テレビ大阪1
137億年の物語【大航海時代の物語 その1】[字]
今回の主人公は「コロンブス」。宇宙が始まってから現在までの歴史を描きます。池上彰の監修で、寺脇博士と相棒の相内助手がわかりやすくドラマ仕立てで解説。
詳細情報
番組内容
1492年、アメリカ大陸に到達したコロンブスは偉大な冒険家として、世界史の主役として、名高い存在です。しかし本当にそうだったのでしょうか?大航海時代の始まりを告げる偉業を検証してみると、そこには驚きの事実が…。相内助手がポルトガルとスペインを取材し、コロンブスの足跡を追いかけます。
この番組は…
話題のベストセラー本「137億年の物語」を映像化。「137億年前に宇宙が始まってから今日までの全歴史」という壮大なテーマを紐解く。
寺脇康文が扮するちょっと変わり者の寺脇博士が模型やイラストなどを駆使して、わかりやすく歴史を解説。世界史が大好きな大家の宮崎美子、世界中の歴史現場を取材する助手の相内優香。ドラマ仕立ての不思議な歴史報道番組。
出演者
【博士役】
寺脇康文
【研究室の大家役】
宮崎美子
【寺脇博士の相棒・助手役】
相内優香(テレビ東京アナウンサー)
【著者】
クリストファー・ロイド
監修
池上彰
ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/137/
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ニュース/報道 – 解説
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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