今日の『ボクらの時代』は先週に引き続きこちらの3人
(杉田)こういうところに出るのは?
(吉岡)もうたぶんこれが最後ですよ。
ホントに。
もうトーク番組には出ることがないかもしれない…
彼が父のように慕う…
そして吉岡さんが尊敬してやまない後輩…
「吉岡は埼玉で髪染めて暴走族やってる」って…。
先週だけでは放送しきれなかったトークを今日は余すところなくお送りします
杉田成道さんは『北の国から』のシリーズを手掛けた演出家
「これですものこれですもの。
たまりませんよ」
吉岡秀隆さんとはおよそ35年にわたり交流があります
「あなたのそういうみっともないところを今僕はすてきだと思えます」
(妻夫木)でも『北の国から』を客観的に見てたときから思ってたんですけど杉田さんが撮る絵って何か生きてる感じがすごくして。
生ものっぽいっていうか。
例えば邦衛さんが吉岡さんのことを初めてぶってうわー!っていうお互いのカットバックとかの絵とかもすごい印象に残ってるんですよ。
たぶん僕小学校のとき再放送見てるはずなんだけど。
でも後々吉岡さんに話を聞いたら1回でOK出てないっぽいなと思ったりとかして。
追い込み方がだからすごかったもん。
なるほど。
何かねそれこそ永堀っていうチンタ役の子とか。
チンタの芝居場のシーンがあって。
朝一緒に…同い年だから食事するでしょ。
監督が来てガッてテーブル蹴って「お前よく飯なんか食えるな」マジで?「すげぇな」って。
超怖いそんな監督。
「見せてもらおうじゃねえか」っつっていってぱーって去ってって。
俺は黙々とハムエッグを食べてたけど前の永堀君カタカタカタカタ。
そりゃそうだよだって。
それでそいつ朝飯食わせないで昼ももちろんあいつお皿持って並んでると「お前何並んでんの」って言って「お前向こう行ってろ」って言って一人で畑の中ぽつんといさせて。
畑とぼとぼ下りてくるところから芝居が始まって。
いきなり開けてやるんだけどもう頭真っ白になってて。
いきなり手上げて「やぁー何とかー!」とか。
みんな「何なんだ?これは」って。
役者さんが壊れた瞬間を見た。
ハハハハ!あぁ壊れちゃったあーあって。
壊し屋だよね。
壊し屋なんですね。
クラッシャーだよね。
おかしかった。
「理屈じゃねえんだよ!」「家族だから一緒に住む。
それはごもっともな意見だしこれ以上ない理屈だよ。
ああ」「でもな肝心なことを間違えてる。
お前は家族じゃねえ!」「そんなわけないでしょ」
厳しい演出で知られる杉田さんが監督妻夫木さんと吉岡さんが共演するドラマ『若者たち2014』
「金よりも大事なものがあるんだよ!」
共に暮らす貧しい5人きょうだいと彼らに関わっていく人物を描く青春群像ドラマです
「でき婚ってどうですか?」
妻夫木さんは撮影が始まる前に早速杉田監督から洗礼を受けたそうです
まだ出演するって決めてないときに僕会ったんですけど。
そしたら「君本気でやってもらわないと困るんだよ」って言われて。
決めてないんだけどなと思って。
決めてない自分に向かってそういうことを言ってくれたっていうのが監督はこの作品で一緒に心中してくれる人なんだろうなってすごい感じたんですよね。
すごい偉いよね。
いやいやいや。
偉くはないですよたぶん。
文句一つ言わずにね。
お前ならなとことん言って10倍ぐらいあるね。
フフフフフ。
吉岡さんでも文句言うイメージなんてまったくないですけどね。
他の現場では。
監督には言う。
言うんですか?ものすごい批判するんですよ。
この前私70になって古希の会ってやったらこいつ一人がこき下ろす会になって。
批判するんですよ生き方を。
ハハハ!生き方を?70過ぎた人の生き方を批判するってすごいですね。
「黒澤監督は70のとき『影武者』ですよ」「何やってるんですかあなた」っていうね。
何かね嫌だった。
嫌だったんですか。
何かねいわゆる普通のお父さんっていうか…。
お父さんっていうかおじいちゃんっていうか何かね。
何かいろんな映画の評価を話す。
だんだん…聞いていらいらしてきちゃって。
それを撮ればいいじゃないかとか。
今の監督は違いますよ。
ちょっと前の監督なんか見たときにこうたまらない気持ちになっちゃうというか。
ちょっとやっぱ親父目線なんですかね。
こうあってほしいっていうのがたぶん強いんだと思うしそれで僕はずっと監督に教えてきてもらったことが多いから。
芸歴って何年なんですか?吉岡さん。
えっ何だろう?30年以上だよな。
最初は『八つ墓村』なんですよ。
あの渥美清さんが…。
あっそうなんですか。
あれは?健さんのやつはその後ぐらい?その後です。
すごいですね。
すごい方々とホント仕事されてますよね吉岡さん。
一番初めは健さんと山田洋次さん。
それですぐ『北の国から』で寅さんだからね。
一番忙しかったとき。
すごいっすよね。
だって寅さん終わって小学生電車乗り継いでフジテレビ行って『北』やってたりとかして。
小学校で出席日数がヤバかったってね。
今の時代だと…。
たぶん大変。
駄目ですよねたぶん。
許してくれないですよね。
でも何か何で役者やってるのかもいまだによく分かんないんですよね僕自身。
好きだからやってるんですけど今現在も。
なんだけど何で俳優になったんだろうと思ったら正直分かんないんですよね。
負けず嫌いでしかないですね。
やったきっかけっていえば。
僕初めてやった作品がホントどうしようもなかったんですよ。
毎日遅刻するわ「どこにいんの?あんた」って言ったら「寝ちゃって。
すいません立川にいます」っつったら「バカ野郎!」って言われて。
僕球技の中で一番バスケが嫌いなんですけどバスケ部の部長役で。
ドリブルをしながらランニングをしながらセリフを言ってくれってなって。
そんなバカな!と思って。
もう何かもう…。
せりふを言ってる間にボールがポーンっていってるのに俺の手だけこうやって動いてるみたいな状態になっちゃってて。
もう緊張でせりふは出てこないし。
まぁいいやとか思って。
初めて出来上がった作品見たときにもうね恥ずかし過ぎちゃって悔し過ぎちゃってもう笑いしか出てこなくて。
ずっと試写会でみんなで見てる中で一人笑っちゃってたんですよ。
隣で見てた社長が。
今の社長が。
「初めてだからしょうがないよ」って言われたんですよね。
それがすごい何かね。
あぁそのせりふが「初めてだからしょうがない」社長には失礼ですけどすごいムカついたんですよ。
何ていうか納得いかないと思って。
「いや俺こんなもんじゃないし」「絶対もっとすごいの見せてやる」って何かその言葉で負けず嫌い精神というか。
もうそっから結構がむしゃらだったんですよね。
とにかく台本読みまくるとかいろんな映画見るドラマ見るとか。
気付いたらそれで好きになってましたね。
一つ何か自分が死に物狂いで何かをやってみてぱってまたその作品が放送したりしたのをこうやって見返してみたときに前よりは何か改善一つされているとか一瞬でもいいからいい顔が見えたとかそれだけでやっぱやれば何か結果に出るのかもしれないなと思って。
いい男だな。
見習わないとな。
いやいや…。
見習わなくて大丈夫ですよ絶対。
監督ってよく…。
すごく昔から家族をテーマにした作品が多い気がするんですけど。
そうはいってもね『1970ぼくたちの青春』なんていう青春物の方が俺は好き。
監督の撮るね青春の何か光の部分と影の部分の微妙なコントラストみたいなのを撮らせたらたぶん。
だから今回合わせ技なのね。
青春物と家族と。
何となくこう人間が躍動感があって面白かった。
やってて何か久しぶりな感じがしたんですよね。
30越えるとだんだん青春物のオファー来なくなるじゃないですか。
ハハハハハ!これ俺いいんだ。
こういうのまだやれるんだみたいな。
青春時代って何してました?仕事ですか?青春って何ですか?いやそれはねたぶん監督が一番答えてくれるとたぶんね…。
監督の若いときって60年代?60…そうですねちょうど『若者たち』やってたとき大学生だったから。
あぁじゃあホントにその…。
そのころと今ってあまりに違うっていうかそのころは街出ると70年安保の直前だからもうそこらじゅうでデモがあったし催涙ガスでもう目がしょぼしょぼしょぼしょぼしていたり僕の友達なんかでも何人かが大ケガしたり自殺したやつもいるしね。
『ぼくたちの青春』っていうドラマをやったときに学生の話なんだけどどうしようもない4人組の。
その監督が若いころの役を僕がやったのね。
ノンポリっていって。
僕の自叙伝じゃないけども自分の高校時代の話を色々かき集めてきてそれで青春物を一本やって。
それでノンポリっていう僕の役を吉岡がやって。
最後卒業するときに…。
陣内さんが先生役で。
陣内孝則さんが。
それで『されどわれらが日々』っていう柴田翔の小説の一説をこう読むのね。
それにたぶん監督は尽きますよね。
困難っていう。
黒板に「困難」って書いてこれとなれ合うかぶつかるかはお前たちの自由だ。
でもこれにぶつかってぶつかると痛いよな。
血が出る。
でもそのぶつかる痛みを勇気っていうんじゃないのか?って言ってその先生は先生を辞めちゃうんだけれど。
でもたぶん監督の一貫して言ってるのは青春時代っていうのは一番危ない。
命をも懸けてしまうから。
でもとにかく死ぬなっていうのが絶対入る。
監督の。
絶対死んではいけない。
命を落としてはいけないって言いながら片やその困難に打ち勝とうとして命を懸けて出ていった人間たちはどの時代にもいるんだっていうことのドラマでしたよね。
それであなたが私の青春でしたっていうところで終わるんだけれど。
自分自身の青春っていうよりもきっと誰かを通して戦っている人を見てその人こそが自分の青春だったっていう。
あぁなるほどね。
その時代の困難から抜け出そうとした人間が必ずいるはずだっていう。
その人を通したときにあの人こそが自分の青春だっていうふうに思えるんじゃないのかっていうようなことが何か監督の青春物だと…。
『ラストソング』もそうだけれど。
そういうこと人に出会うことがすごく影響を与えるというかどんな時代もやっぱり困難があってそこでみんななれ合っちゃうんだよね。
ほとんどの人が。
まぁ会社に勤めてもそうなんだけども。
そこにある種の抵抗感があって。
そういうものっていうのはやっぱりそこからはじき飛ばされるんだけどそこにぶつかる姿勢が何か見ててすがすがしい感じがするんだなぁ。
そういう意味でいうとまだ僕青春してるような気がしてきましたね。
今こそそういう感じじゃないの。
そう思う。
だってずーっと走ってるでしょ。
ちょっと1回中国の映画をやらせてもらったときに中国の映画ってわりと急にドタキャンとか入ったりするんで1カ月2カ月空いちゃうんですよ。
そんでずっと忙しい生活が当たり前だったから休みができたら前の日飲むっていうのが当たり前になってて。
1カ月間休みだから飲む休みだから飲む休みだから飲むってやってたら何かどうしようもない人間みたいになっちゃって。
駄目だなと思って。
俺休んじゃ駄目なタイプだと思ってそれから。
すごいな。
俺休まないと駄目だな。
何かしなきゃいけない気になっちゃうんですよね。
だから仕事してる方がやった気になっちゃってるじゃないですか。
仕事をした。
帰ってお風呂入って寝る!みたいな。
楽屋で寝てるのがすごい幸せ。
全然分かんない。
楽屋で寝れないしそもそも。
楽屋ってだって仕事しに来てるわけじゃない。
でも寝てるっていう幸せが何かね守られてる感じがするでしょ。
幼いころからたぶん松竹とか行ってて眠いとき寝ちゃう癖もついてるのかもしれないですけど。
なるほどなるほど。
大人になっても仕事しに来てるっていう言い訳ができるんで寝ちゃうって何か好きな空間ですかね。
へぇーそうなんだ。
俺絶対無理だな。
移動中とか楽屋とかホント寝れないタイプですね。
性格にだらだらしたところがないんだよ。
われわれみたいに。
結構だらだらしてますよ。
「われわれ」って…。
俺?趣味ある?何かやるの?役作りをするのにどうしていいかよく分かんないから…。
それもでも役のためだったりってことなんだ。
かもしれないですね。
でも役の延長上で趣味になってるんですけど。
写真撮ったりとかするのが普通なんですよ。
だからいつもカメラ持ってっていっぱい撮ったりとかするんですけど。
台本に貼っ付けたりとかそういうのもしたりとかするんだけど。
ある映画のときに絵描いてみたらすごく絵が合って。
それから絵を描くようになったんですよ。
だから『東京家族』のときもずっと絵を描いて。
でもバイク好きって…。
バイクは乗りますよ。
バイクぐらいですかね。
ツーリングみたいなのするんですか?するする。
5年ぶりぐらいですことしの夏こっちにいるの。
北海道だから。
だいたい北海道行くからね。
もう今ぐらいの時季であっちに行っちゃってるんですか。
梅雨ないじゃない。
あぁそっかそっかそっか。
走ってるのが好きなの。
だから何か目的があるのがそんなにね。
だから北海道で走らせてる理由はたぶん信号がないからなんじゃない。
ずーっと走っていられるっていうか。
もう理由がなく。
止まるのもガソリンがないから入るとかっていうことでずーっと乗ってるのが好き。
移動してるっていう感じが。
この空間が。
自分が動いてるっていう。
まったく一人ですもんね空間が。
そうやってるとやっぱ仲間もできてきて面白いですよね。
監督何かないんですか?趣味。
ないね。
趣味なんかないな。
子育て。
ハハハハ。
ハハハハ。
子育てして変わったことありますか?ないないない。
人間ねそう変わるもんじゃないのよっていう感じ。
死ぬまで撮りたいっていうのあるんですか?監督として。
どうですかね。
でも何かあのう現場来ると楽しいですね。
昔は苦しくて。
もう嫌で嫌で富良野行くと帰りたかったんだけども。
今は何か現場にいると何となく楽しいなっていう感じがしますね。
何だろうね。
やっぱ年のせいかな。
でもたぶんそれは妻夫木君とか役者さんだとか題材…。
気持ちのいい人たちとやってるっていう感じはあるね。
僕らが気持ち悪い…『北の国』の何か…ねぇ。
ハハハハ。
文句ばっかり言うからみたいな。
それでは今日も素晴らしい一日を
2014/07/13(日) 07:10〜07:30
関西テレビ1
ボクらの時代[字]
妻夫木聡×吉岡秀隆×杉田成道 未公開編
詳細情報
おしらせ
「2014 FIFA ワールドカップ ブラジル3位決定戦 ブラジル×オランダ」延長の際、放送時間繰り下げまたは中止の場合あり。
番組内容
これは、毎回、様々なジャンルで活躍する3人が集い、多彩な話題や事象を取り上げていくトーク番組です。出演していただくのは、学者、デザイナー、ビジネスマン、アーティスト、政治家、教師、映画監督、タレント…。一つのジャンルにとらわれることなく、今、旬で話題の人はもちろん、海外で評価を得ている人、大きな発見・発明を成し遂げた人、日本に感動を与えた人…、と多彩な顔ぶれ。
番組内容2
「日本のトップランナー」であり「先駆者」であり「成功者」でもある彼らが、何を語り、何を想うのかが番組の見どころです。また、この番組では司会者をおかず、あくまでゲスト達の、気負わないトークのみで番組を構成します。ある種、原点回帰とも言うべきシンプルな構成で、ゲストの顔ぶれと興味深いトーク内容を楽しむ番組。
日曜朝のリラックスした時間にフィットする、上質の番組をお届けします!
出演者
妻夫木聡
吉岡秀隆
杉田成道
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
バラエティ – トークバラエティ
趣味/教育 – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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