(川のせせらぎ)〜
(山倉)「隠しきれない移り香が」「いつしかあなたに浸みついた」「誰かに盗られるくらいなら」「あなたを殺していいですか」〜
(江原小夜子)
狩野川…静岡県は伊豆半島のほぼ中央。
天城連山を源流として北へ流れ沼津市内を通って駿河湾へと注ぐ全長46kmの川。
その流れ沿いに湯ヶ島修善寺伊豆長岡などと風情あふれる温泉郷が続き多くの文人墨客たちに愛されてきた
「週刊ロイヤル連載。
茶屋次郎の日本名川シリーズ第六回は伊豆狩野川の旅をお送りします」っと…。
でもどういうつもりなんだろう?今回は山倉さんまで一緒だなんて…。
(山倉)小夜子には気づかれてねえだろうな。
何をだい?
(山倉)今夜の昇進祝いだよ!取材にかこつけてパ〜っとやるなんて気づかれたらまずいからなぁやっぱり…。
ったく…。
あのなぁ…河口からさかのぼるってのは「名川シリーズ」のパターンなんだろうが。
そうだよ。
せめて沼津から順番に写真くらい撮らせろよ!あのなぁ今回はいつもの大きな川とは違うんだよ!河口から源流まで往復したって半日だよ!取材は明日からじっくりやってくれ。
俺は今夜を満喫したら1泊で帰るんだからよ。
何を満喫するんだよ。
そりゃお前いろいろだよぅ〜!こんなことで取材先決めちゃっていいのかよ。
「何が〜あってももういいの〜」「くらくら燃える火をくぐり〜」「あなたと〜越えたい〜天城越え〜」
(拍手)イェ〜イ!イェイイェイ!!
(拍手)
(山倉の騒ぎ声)何なんだよお前たちはそんなつまんない顔してもっと盛り上がったらどうなの?えぇ!?だからさ「女性サンデー」の原稿明日締め切りなんだってば…。
そうですよこういうときに呼び出さないでください!そんなものチョイチョイと書けるんだろうお前!今日は俺の人生最良の日なんだからさぁ〜お前一緒に喜びを分かち合おうって気はないのかねぇホント…。
ねえよ!ねえよ…。
あのなやっと「副」が取れるんだこの「副」が!不肖山倉晋吉「週刊ロイヤル」一筋30年だよおい!副編集長に昇進してからすでに6年だ。
それがいよいよな頂きに登りつめるわけだから…。
こうよ!ハッハハハ…!頂きってたかだか三流週刊誌の編集長だろうが…。
それによお前の同期なんてそろそろみんな取締役かなんかじゃないの?俺はなジャーナリストなんだよ。
出世なんかどうでもいいんだよ!じゃ「副」のままでいいんじゃないですか?馬鹿!使える経費が大幅アップするの!これからこんなとこじゃなくても銀座でバンバン飲めるのバンバン!ワ〜ッハッハッハ!!結局それかよ…。
次の名川シリーズだけどなもう場所決めたからな!うんあっどうも!
(女将)いらっしゃいませ。
週刊ロイヤルでお願いした山倉でございます。
お待ち申し上げておりました。
さお上がりください。
(山倉)あのぅ…今夜お願いしてあること大丈夫だよね。
(女将)はい…うちの板長が特別に腕を振るいまして最高のものを準備しております。
あの料理もそうなんだけど例のほうは…?はい!伊豆で一番の芸者衆をということでしたので。
あぁそう!フフフフ…!こら!何だよ?芸者衆って…。
昇進祝いよ昇進祝い。
あっすみませんあぁ〜…。
あぁ…すぐ下を流れてるんだ!えぇ狩野川の取材…とお聞きしましたのでこのお部屋を用意させていただきました。
(山倉)湯道ねぇ…。
風情があるネーミングだろう?人々がお湯に行くためにわざわざ作った道だ。
別に俺たちはこんなとこ通らなくたって宿にいりゃすぐ湯につかれるんじゃないかよ。
どうしてお前はがさつなことしか言えないんだよ。
古き良き時代の風情を感じろ!風情を…。
いい原稿書いてほしいんだろ?風情よりもお前の連載のウリは事件だろ。
馬鹿!俺が書いてるのは推理小説じゃない旅行記だよ!いいか?俺は品格あふれる旅行作家でさ…。
え?どうしたの?〜どうしちゃったんだ?〜ありゃ…。
〜何だ?ありゃ。
痴話げんかかなんかじゃねえの?
(山倉)へぇ〜「出会い橋」かぁ。
ここが「女橋」でこの先が「男橋」。
あそこでこの猫越川と向こうの本谷川が合流してあの先が狩野川になるんだ。
男女の出会いを引っかけてあるんだろうね。
なるほどね!今夜はどんな出会いがあるんでござんしょ!かな…?その歳でその顔で
(笑い声)お前何期待してんだよ!いやいや…男と女ってのは何があるかわかんねえんだからよ!そのためにちゃんと二部屋とったんだから!なんだぁ?お前なぁ!何ごとも出会いだよ出会い。
(山倉の笑い声)〜
(奈津子)助けてください!どうしました?〜あの男は?知らない人なんです。
え?なんだかずっとついてくるんで怖くて…。
警察に電話しましょうか?いえ…。
もう大丈夫ですから…。
あっ!ひどいなこりゃ!もう平気です。
病院へ行ったほうがいいですよ!いいんです!いえ…。
よくないですよ。
じゃこうしましょう。
我々の宿はすぐそこですからそこへ行ってとにかく消毒だけしましょう…ね!そんな…見ず知らずの方に…。
あの…我々怪しい者じゃありません。
私…茶屋といいます。
この狩野川に取材に来てます。
取材?それが載ってる週刊ロイヤルを作ってるのが私…。
申し訳ありません。
週刊誌はほとんど読みませんので…。
うるさい黙ってろ。
とにかく急がないと…。
え?さぁ行きましょう!
(山倉)フフ…出会い橋!な!…ちょっとねぇ。
〜これでもう大丈夫ですね。
ありがとうございました!いろいろご親切にしていただいて。
いえいえ。
申し遅れました。
私相田奈津子と申します。
あの私はですねこの男を使っております週刊ロイヤルの副編集長をして…いやあの「副」はもうじき…。
おいお前うるさい!ちょっと失礼ちょっと電話。
え〜とあっ会社だ。
はいもしもし?山倉ですが…。
あぁ…常務!私の名刺差し上げましょう。
あの…ちょっと待ってください!それ!そそれそれはどういうことですか!?うるせえなぁ。
いやだって…。
それじゃ約束が違う!常務!待って!!うるさいよお前ほんっとに!ちょっとね俺東京へ帰んなくちゃいけない…。
なに!?いやあのトラブル…。
何だよ?トラブルって!いや…あの…社内的な問題だから…。
女将さん…今夜の件ね全部キャンセルね!キャンセルってお前…。
俺帰んなきゃいけないの。
あと頼むよ。
あと頼むじゃねえよ!おい!ったくぅ…。
あの申し訳ございませんがお料理はすでに準備しておりますし用意したお部屋も今からでは…。
あぁもちろんです。
お支払いのほうはきちんといたしますから。
(奈津子)あの…私もこれで。
あぁ。
あっそうだ相田さんとおっしゃいましたっけ?よかったら一緒に食事していかれませんか?え?いやあの…せっかくの料理もったいないですし彼の分が無駄になっちゃいますから…ね!えぇ。
私もそれに…1人じゃなんとなく味気ないですからぜひ一緒に…。
あ…それに…。
さっきの男まだいるかもしれませんし。
あとは勝手にやりますんで。
どうもありがとう!とりあえずね1杯ずつ…あそうか〜。
あなた飲めないよねそのケガじゃね…。
事務所目黒なんですね。
え!?さっきいただいたお名刺に。
あっ!そうですそうです!じゃあなたも東京の方?いえ…生まれは違うんですが小さい頃に両親と3人で荒川区のほうに移って…。
あぁそうなんだぁ。
じゃ今もまだ荒川にご両親と一緒に?いえ…私が高校に入ってすぐ両親は2人とも事故で亡くなりましたから…。
あ…そうですか。
ごめんなさいつまんないこと聞いちゃって…。
じゃそれからずっとお一人?いや…高校に入ってすぐからじゃずいぶん心細い思いをなさったんじゃないの?私にはきっと何か悪いものがついてるんです。
え?私の周りにいる大切な人が必ず死ぬんです。
…そんな。
結婚して静岡に来たんですけどその夫もたった3年で…。
でもそれはあの…悪い偶然が重なっただけなんじゃないの?それだけじゃないんです!私が生きてると周りでどんどん不幸なことばかりが…。
〜奈津子さんね…あのね。
どういうわけでここにいらしたのか知らないけど…。
おかしなことだけ考えちゃ駄目よ。
〜まさかとは思うけど…。
〜あぁ!そうだ!いっそのこと今晩ねここに泊まってらしたらいかがですか?え?え?あ…なんかあなた見てると心配になってきちゃって。
いや違うんですよ!山倉が泊まるはずだった部屋が空いてるわけだから。
とんでもないいくらなんでもそこまで…。
申し訳ありません。
どうぞ出てください。
はい。
〜どうかしたんですか?あの…茶屋先生。
お言葉に甘えさせていただいてよろしいでしょうか?あぁ!もちろんですよ!すぐ帳場に電話しましょうね。
(足をぶつける音)えぇと。
(電話のプッシュ音)いってぇ〜。
あっもしもし!さっきひと部屋キャンセルしたんですけども…。
えぇ!あのいやだからもう1人泊まるようになりましたんで。
はい。
(スズメの鳴き声)あ〜…。
うん…はぁ〜。
(奈津子)「昨日は本当にありがとうございました。
見ず知らずの私にかけてくださった先生の優しさは忘れません。
ご挨拶もせずおいとますることをお許しください相田奈津子」〜〜
(パトカーのサイレン)〜
(鈴木)検死官の話ですと死因は頭蓋骨骨折及び脳挫傷で間違いないだろうと。
(丸目)あれが凶器か?
(鈴木)えぇおそらく。
それとガイシャの遺留品です。
警部…第一発見者が…。
どうも…静岡県警の丸目です。
あんたが第一発見者だそうだね。
はぁ!ずいぶんまた朝早くに都合よく見つけたもんだね。
都合よく!?週刊誌の人なんだって?週刊誌の仕事はしてますけどもこの狩野川へは取材で来てる作家です。
作家?茶屋と申します。
茶屋次郎…聞いたことないなぁ。
被害者は小南和義。
「週刊スクープ」記者。
小南和義?小南ってもしかしたら…。
何?あっいやいや…。
ん?「週刊東陽」記者。
「サタディショット」記者。
この男いくつ雑誌社に勤めてるんだ?それ…フリーのライターなんですよ。
仕事先の会社の名前をいくつも使ってるんです。
あんたこの男と知り合い?いや知り合いじゃないですけど名前くらいは…。
要するに同じ業界の人間…ということだよね?まぁ同じといえば同じですけど…。
ふ〜ん。
警部。
男の荷物のなかに…。
あ…。
この女知ってるのかね?えっあ〜いや。
え?ゆうべ一緒に…。
はぁ!?とりあえず署のほうに来ていただきましょうか。
はぁ!?えぇ!?またですか?今度は何やったんですか〜。
(鈴木)あなた行く先々で毎回警察のご厄介になってるらしいですねぇ。
え!?事務所の女の子が全部教えてくれました。
あいつ余計なことを…。
原稿のネタにするために事件を起こしてるわけじゃないですよね?くだらない…私はなんの関係もないですよ。
つまりあんたの言うとおりなら見ず知らずの女性と落合楼に一緒に泊まったということかね?部屋は別々です。
でもそれはあんたが予約した部屋だよね?だから本来泊まるはずだった男が急に東京に帰らなくてはならなくなってひと部屋空いたから…。
これ幸いと行きずりの女性を誘ったってわけだ。
デカさんの発想ってのはまったく貧困ですね。
彼女はね腕にケガしてたんですよ。
作家というのはいい商売ですなぁ!取材と称して豪華な宿に泊まって温泉浸かってうまいもの食ってそのうえ女を騙して宿に連れ込む。
そういう破廉恥なことしょっちゅうやってるわけだ!破廉恥とはなんだ!
(鈴木)すべて被害者のデジカメの中にあった映像です。
〜あのときもう河原にいたんだ…。
〜どうしました?いや…。
実は彼女死んだ小南和義に付きまとわれてたんですよ。
付きまとわれてた?助けてください!!〜夕食中に電話が掛かってきたんです。
恐らく「まだ見張ってるぞ」って伝えてきたんでしょう。
これはそのときの写真です。
(丸目)要するに女は小南が河原にいることを知ってたということだよな?あ…。
被害者の遺留品のなかに携帯電話はありませんでしたが…。
手がかりになることを恐れて女が持ち去ったんだろう。
ちょっと待ってください。
彼女が犯人だっていうんですか?1人の女が消え残された死体がそいつの写真を持ってたんだ。
どう考えても怪しいのはその女だろう!そんなことするような人じゃ…。
じゃあゆうべの夜中1時から2時の彼女のアリバイを証明してくれるかね?1時から2時ですか?被害者の死亡推定時刻です。
その時間あんたがその女と一緒にいてなんかしてたとでも言うんなら別だけど?冗談じゃないですそんな…!まぁあんたのアリバイもまだ証明できてないけどな。
私のことも疑ってるんですか!?当たり前だ!!旅館の女将によると相田奈津子と名乗ったそうだな?えぇ。
高柳奈津子。
昭和49年生まれということは32か…。
はぁ!?この写真の女だよ。
死んだ小南の残した手帳から突き止めた。
高柳…?沼津の水産会社会長高柳秀一郎の未亡人だ。
2日前その夫の49日のあとで姿を消したらしい。
どうやらかなり訳ありの女みたいだな。
山倉さんならもう来てますよ。
先生がまた事件に巻き込まれたって知ったら大喜びすると思ってすぐ連絡したんですけどそれどころじゃないらしいんです。
駄目だったらしいんです。
編集長。
はぁ?・土壇場でひっくり返っちゃったんですって。
どっかの有名な雑誌の編集長がヘッドハンティングされて今度の新しい週刊ロイヤルの編集長になることが決まったんですって!
(泣き声)へっへっへ…おい!泣いてる暇があったらさっさと電話に出ろって言え!先生がもともと無理だったんだからさっさと電話に出ろって言ってますけど。
なんだその言い方は!いいから!それよりさお前小南和義ってフリーのライター知ってるだろ?小南和義って…おぉ知ってるよあいつか。
それがどうしたんだよ?殺されたのはさその小南だよそれだけじゃないぞ。
昨日奈津子さんを追っかけ回してたのは小南なんだよ!おい…こりゃいけるじゃないかそれ!「伊豆狩野川殺人事件」今回もばっちりだなぁ!バカ!それよりもさ小南が書いた記事片っ端からかき集めろ!わかった!アバウト4時間後くらいにそっちへ着く!おぉOKだ!OKOK!OK!わははは…!盛り上がってきたな!ぐりぐり…!ぽんっ!
(笑い声)単純なオヤジ〜。
〜高柳…。
(海鳥の鳴き声)
(男)元々は何代も続く網元でね。
会長が東京の料亭とか寿司屋に直に卸のルートを開拓して一代で今にしたんだ。
そうなんだ…。
(男)その会長が突然死んじゃったんだからこれから大変だろうなぁ。
なんせいろいろ問題の多い家だからねぇ。
(男)おい…。
え?いやね子供は娘ばっかり3人なんだけど70近くなって若い後妻もらってね。
ひと悶着あったらしいんだ。
70?そんなお歳で…。
それがどうやら曰く付きの嫁だったらしくてね。
どういうこと?おいやめとけって!結局オヤジさんおかしな死に方して相続なんかでもめてるみたいだからね。
おかしな死に方って?
(千波)あ〜らまた警察?あっいやいや…。
(千波)それとも新聞記者?話すことなんかなんにもないわよ!いえ怪しい者じゃないんですよ。
私茶屋次郎と申しまして…。
旅行記っていいますか川の紀行文なんか書いている者なんですけども。
作家?ん〜なんか聞いたことあるような気はするけど…。
でですね今回狩野川を取り上げることになりまして…。
狩野川?えぇそれでまぁ狩野川の河口の町沼津から取材を始めようかなぁと思ったんですけど沼津といいますとやっぱり海産物ですしそうなるとこちらの高柳家がやっぱりまずなんといっても取材したほうがいいんじゃないかなっていう…。
あの…読者もですねセレブなんか取り上げますと喜ぶもんですから…。
セレブ?はい。
(笑い声)私この家の次女の千波と申します。
あっそうですか。
ここじゃなんですからどうぞ中へ!じゃあお言葉に甘えて…。
(千波)狭い家なんですが…。
(七海)どうしたの?
(千波)姉です。
こちらねうちの取材にいらして…。
なに!?どうしてそんな奴入れるの!?あんたたちねもういいかげんにしてよ!書くんなら全部奈津子がやりましたってはっきり書いてよ!今だって警察が来て。
あの女ね今度は小南って男を…。
違うわよ姉さん!セレブよ!セレブ!セレブ?こちらね作家の方でなんでもうちのことを沼津のセレブとして旅行記の中に取り上げたいんですって。
ふふ…。
茶屋次郎…。
あらあら…。
おほほほ…。
作家さんでいらっしゃいますの〜。
はぁ。
実は私ね東京で学生生活してた頃出版社でアルバイトしてたことがございますの。
その頃の関係の知り合いが多いんですの。
あぁ…。
(雄作)おい!まだか?俺は会社に戻らないといけないんだ。
ちょっと待ってくださいよ大事な話してるんですから。
(七海)それでどっちを取材なさりたいのかしら?どちら…というよりも高柳家と申しますか…。
たしか3人姉妹でいらっしゃいましたよね?あぁ一応妹にあたる者はおりますが…。
一応といいますと?
(2人)いろいろ事情がねございまして…。
あぁ〜!
(千波)もう今頃帰ってきて!何やってたの?ゆうべは。
(純也)いろいろあったんだよ。
(千波)えぇ〜。
いいご身分ねそれで給料もらえるんだから。
〜
(七海)あらぁごめんなさい。
なんのお話でしたっけ?えっえぇ…さっきお話が出た奈津子さんってのは亡くなられた会長の奥さんでいらしたんですよね?
(七海)それが?はぁずいぶんお歳が離れてらっしゃるとお聞きしたんですけどもご一緒になられた経緯なんかも伺って現代のシンデレラ版として取り上げようかなぁなんて…。
シンデレラ?冗談じゃないわよ。
料亭の仲居だったのよ。
仲居さん?あの女金目当てでこの家に入ってきて本性がばれて追い出されそうになったら父を死なせたのよ。
死なせたって…どういうことですか?ちょっと待って!作家〜?あんたやっぱりその取材だったのね!いやそうじゃないんですよ。
そうだったの!?だったらとっとと帰ってちょうだい!いえいえ…。
住居不法侵入で警察呼ぶわよ!いや…失礼します。
しっ!
(クラクション)
(ため息)仲居?仲居さんやってたっていうんですけどもそのお店の名前わかりますかねぇ?
(主婦)たしか豊魚亭とかいってましたけど…。
(クラクション)〜「殺人病棟」「殺人保育士」「殺人福祉事務所」「殺人ケアワーカー」。
どれもこれもすさまじいタイトルだな。
そのおかげで週刊東陽は売り上げガンガン伸ばしたんだからなぁ。
たしかほとんどの記事が裁判沙汰になってるよなぁ。
あぁそのことごとくが敗訴だよ。
だから業界から干されたということか。
それがな半年前からあちこちの雑誌社にまた顔を出すようになったんだってよ。
半年前?新しいスクープつかんだから取材費出せって。
ところがそんな与太話に乗っかるような雑誌社どこにもなかった。
でもな今度はひと月前また現れたんだと。
「追ってた疑惑が現実になったから」って。
なんだよその追ってた疑惑って。
親子ほども歳の違う沼津の資産家に後妻として嫁いだ女の話だよ。
はぁ!?それってお前…。
そうだよ。
どっかの旅行作家が下心起こして痛い目に遭った相手だよ。
それじゃあれかい?疑惑が現実になったって…。
奈津子さんが旦那を殺したってことか?なんだよそこまで知ってるのかよ〜。
だったらこれだよ…。
バカ野郎さっさと出せよ!駄目だよ駄目。
メシだよメシ!腹減ってんだよ。
頭働きゃしねえよさぁメシ…。
もともとその頭空っぽだろうが。
あ?まぁちょうどいいや。
今行こうと思ってたとこなんだよ。
あっそう。
うん。
(山倉)その写真間違いねえだろ。
8年前だけど変わってねえもんなぁ。
あぁ彼女だ。
知ってる人間ってのはすぐわかる。
本文中のイニシャルもN子だしさ…。
これじゃ完全に犯人扱いじゃないか。
(山倉)同居してた夫の父親と夫が立て続けに死んで莫大な保険金手に入れたのは事実らしいからなぁ。
もともと保険のセールスやってて結婚したあとに夫と父親を保険に入れてるんだ。
だいだい入ってた額が多すぎるよ。
父親は旅行中の事故死。
夫は半年後に自宅で心臓発作そんなことよくあるだろう。
いろんな人間の証言をねじ曲げて彼女を犯人に仕立て上げてるだけでさ。
結論はまったくの憶測に過ぎない。
しかしなぁ結婚して2年半で2億もの金を手に入れた女がだよ?その8年後今度は別の男の未亡人としてそれ以上の金を手にしようとしてんだ。
(山倉)そんなに都合よく次から次に人が死ぬかよ〜?私が生きてると周りでどんどん不幸なことばかりが…
(女将)お茶いかがですか?あっ。
どうも。
あの〜高柳奈津子さん以前こちらで働いてたって伺ったんですけど…。
えっ!?うるさい。
(女将)はい。
(主人)うちへ来たのは4年ほど前だったかなぁ。
なんだか事情があって東京からやってきたってことだったけど。
保険金詐欺の疑いがかけられて逃げ出してきたらしいのよねぇ。
あのその話なんですけどどこで?小南って記者が触れ回ってあっという間に噂だよ。
高柳会長とはここで知り合ったって聞きましたが。
会長ほとんど夕食うちでとってたからねぇ。
もう自分ちみたいにねぇ!メニューにないものまで作らせてさ。
なっちゃんが現れたらメロメロさぁ。
もう半年でプロポーズだよ。
なっちゃん困ってたけど結局押し切られて。
あ〜どうだか陰で気引いてるんじゃないの〜。
そんな娘じゃないって!気立てのいい娘でさぁ。
男ってどうしてみんなあぁいうタイプに弱いのかねぇ。
俺はね苦労するから結婚するのはやめとけって言ったんだよ。
今どきさ娘夫婦がふた組も同居してる家ってどこにある?あの…娘さんもう1人いらっしゃいましたよね?あぁ!会長が他の女に産ました子だよ。
こっちのほうは認知だけしてあとは知らん振りさ。
なんか訳ありどうしの結婚だったんだなぁ。
これがまた変わった娘でねぇ。
あ…ちょっと待ってね。
これこれ…この本のとこ勤めてるよ。
あぁ!
(丸目)こりゃまぁ奇遇ですな。
どうしてここへ?いやだから食事ですよ食事!
(丸目)こちらは?
(山倉)私週刊ロイヤルの山倉と申しますが…。
(丸目)静岡県警の丸目です。
(山倉)ほぉ…。
だからこの男が急に帰ったものですからね。
それでひと部屋空いてそこへ奈津子さんが泊まったってそういうことです。
ほ〜。
あぁその高柳奈津子だが今回の小南和義殺害の他に別の容疑で沼津西署と合同捜査になった。
別の容疑って…。
ご主人が亡くなったことと何か関係があるんですか?ほ〜もうあれこれ首突っ込んでるわけだね。
事件性なかったんじゃないんですか?そう結論づけたわけじゃないよ。
じゃおかしな死に方したっていう町の噂はホントだったんだ。
死因は何ですか?あんたが高柳奈津子の行方を教えてくれたら教えてやろうか。
またそんなこと…。
そんなことわかってたらねこんなとこでウロウロしてませんよ!えぇ?
(丸目)アレルゲン…。
〜アレルゲン…?〜アレルゲンってアレルギーの原因のことだよなぁ?それが奈津子さんの旦那の死と関係あるっていうことか?・はい。
・
(奈津子)先生私です!・相田奈津子です!…奈津子さん?・事務所の方から長岡にいらっしゃると聞いてようやくそこの旅館を…。
あなた今どこに?・お会いしたいんです。
えっ?・誰にも言わずに来てください。
・そこから100m上流にある橋で7時に待ってます。
奈津子さん…。
ちょっと待って…。
(電話が切れる音)おい…今度はお前が殺される番か?〜
(奈津子)先生!夕刊で知りました…あの男が死んだって。
あぁ。
私じゃありません信じてください!もちろんです。
先生に何かご迷惑をかけたんじゃないかと思って…。
いやいや…ただ少し驚きました。
え…?相田さんじゃなくて…高柳さんだったから。
相田というのは結婚する前の名前です。
私のこと何かお聞きになったんですね?調べました。
死んだ小南との関係や…沼津でご主人が亡くなられたことなども。
どうして…?奈津子さん…。
私ね…今回の事件書こうかと思ってるんですよ。
え…?警察はあなたのことを追ってます。
知ってます。
でも私には今大切なことがあって…。
大切なこと?自分の潔白証明するよりもですか?そうです。
私は真実を知りたいだけなんだ。
だからやっぱり書くつもりです何が起こったのか。
私は活字というものを信用していません。
どんな刃物よりも人の心を深くえぐり決して癒えることのない傷を負わせるのが活字です。
教えてください。
小南和義が追ってたのは高柳秀一郎さんの死に関してですよね?あなたがやったんじゃないかと。
違います。
私はそんなこと絶対に…。
わかってます。
信じます。
あの日…私が家に戻ると…。
奈津子:あなたどうなさったの!?
(秀一郎)うっ!
(奈津子)大丈夫!?あなた!!うぅっ!
(奈津子)あぁっ!
(奈津子)あなた!
(秀一郎)うぅっ!
(奈津子)あなた!
(奈津子)誰か!誰か〜!!あなたしっかりして!誰か〜!救急車!!
(七海)お父さん!
(奈津子)あなた!
(雄作)会長!
(奈津子)しっかり!!
(七海)お父さん!
(奈津子)あなた!しっかり!!あなた…?
(純也)マジかよ…マジかよ!?マジかよ!
(雄作)救急車!
(雄作)早く行け!!
(七海)この女…!父さんに何したの!?
(頬を叩く音)何したのよ!
(千波)何したのよ!!
(雄作)やめろおい!
(七海)何したのよ!!警察はね…秀一郎さんの死に関しても今回の小南の事件との合同捜査に入りました。
そんな…あれはもう…。
奈津子さん。
アレルゲンっていうのは…何か関係があるの?
(足音)誰か来る。
先生これしばらく預かっといてください!奈津子…!〜俺だよ俺だよ!あぁ!?心配でつけてきたんだよ!お前殺されちゃったら原稿入んなくなって穴あいちゃうだろうが!タコ!せっかく今大事な話しようとしてたのに!なんだ?これ。
お前何やってんだよいいかげんにしろ!
(山倉)なんだ?これ。
スッポンか?お前さ勝手なこと…。
あっ!おい何か入ってるよ!え?
(山倉)おい!ほら。
「KIKUESAWANOBORI」…。
(山倉)こっちも沢登菊枝だよ。
(山倉)一十百千万…。
4,000万円だよおい!馬鹿!人の通帳勝手に覗くな!しかしなんだってこんな他人名義の通帳を…。
沢登菊枝…。
なに?沢登?やっぱりそうだ。
え?N子の死んだ旦那の家はS家。
同居していた義母の名は…K枝になってる。
たぶん前の旦那の母親のもんだ。
じゃあ保険金は母親にも渡ってたってことか。
そんな金持ってるなんて…ますます怪しいぞあの女。
でも…なんでこれお前に預けたんだ?だから警察に捕まって見つかると困っちゃうからだろうが。
で頼れるのは…俺しかいなかった。
もしかすると…旦那と父親のあとこの菊枝をやってるってこともありうるぞ。
お前まであんな与太記事信用すんのかよ!?じゃあお前なんであの女信じるんだよ?いやあの…それはさ…。
〜
(バイクのエンジン音)
(みさき)あぁっ!やっぱホントだったんだ。
は?聞いたの。
茶屋次郎がうちのこと調べてるって。
失礼だけど君は?高柳みさきです。
(みさき)社員はあたし入れて4人だしみんな昼過ぎじゃないと出てこないから。
どうぞ。
あありがとう。
で何が聞きたいわけ?一応同業者として協力するわよ。
あぁ…あのねぇ亡くなったお父様と奈津子さんのことを少し…。
まぁ…ドロドロの家にドロドロの嫁がきたってことかな。
はい?うちの父の頭の中はね…会社を大きくすることだけで自分の家族だって使用人のように思ってた人なの。
でもそのうち気がついたのね周りの人間が愛しているのは自分のお金だけだって。
はい。
あぁありがとう。
まそんなときに現れたのが奈津子さんだったってわけ。
彼女が何の見返りもなく愛してくれてると思っちゃったのよね。
それが3年経って小南って男が現れて疑惑の女だって知ったとたん追い出そうとし始めたのよ。
そういう人なの。
あたしのときも同じ。
おんなじっていうと?跡取りの男の子が欲しくて母と関係をもってあたしを産ませたの。
それがまた女だってわかったとたんあたしたちを見捨てたのよ。
中学のとき母が死んでしかたなくあたしはあの家に引き取られたってわけ。
19歳で飛び出たけどね。
そう。
ねぇ先生ちょっと早いけどお昼にしません?あたしご馳走します。
は…?はい。
(みさき)ハマチと金目鯛のカルパッチョにホタテのブイヤベース。
サワラのムニエルとタチウオのグリルをお願い。
(ウエイター)かしこまりました。
いやいやちょっと…。
あぁ心配しないで。
いくら頼んでもお金取られないから。
えっ?ここね高柳水産の経営なの。
だからシーフード中心。
はぁ…。
社長の雄作義兄さんの発案なの。
社長って?七海義姉さんの旦那。
あぁ〜。
(みさき)事業家としてはやり手なのよね。
父も結構頼りにしてたわ。
ま義姉さんからは完全な使用人扱いだけどね。
(真理子)お嬢様いらっしゃいませ。
今日はカジキマグロのいいのが入ってますよ。
あじゃあムニエルそれに変えてもらおうかな。
かしこまりました。
店長の岡本真理子さん。
こちら作家の茶屋次郎先生。
あいえ…そんな大した作家じゃないから。
父が死んだ事件のことを調べてるんですって。
もうふた月近くなるのよね。
まだ信じられませんあまりにも突然だったので…。
…では。
ねぇ先生料理ができるまで海でも見ません?えっ?
(みさき)あ〜!さっきの彼女ねもともとは本社の秘書課にいてそれがここの開店と同時に任されたの。
はぁ…。
あごめんなさい。
それで?あいや…お父さんの死因なんだけどね…何か不自然な点でも?急性呼吸器不全…アナフィラキシーショックが疑われたそうよ。
なにショック…?アナフィラキシーショック。
ほら聞いたことない?スズメバチに刺されたときなんかに起こるって。
あぁ…。
父はもともと喘息もちだったから何かの食物や物質に対して強烈なアレルギーをもってたんじゃないかって。
それでか警察がアレルゲンとかって言ってたのは。
そう父は人に弱みを見せたくなくて隠してたの。
まぁ結局死んじゃったあとではそのアレルゲンは特定できずに警察は事件性なしってことで処理したわ。
でも2人の義姉は奈津子さんがそのアレルゲンを父から聞いていてそれを故意に与えたんじゃないかってきめつけたのよ。
それに耐え切れずに奈津子さんは…。
それで家を出ちゃったのか。
まぁ奈津子さんが父を殺す動機は十分にあるけどね。
でも動機なんて高柳家のみんなにあるからな。
みんなって…?私を含めてね。
えっ!?あっははは…あっ!ほらほら。
その動機をもった1人が現れましたよ。
(みさき)千波義姉さんの旦那。
(みさき)一応常務の肩書きついてるのにあちこち借金こさえて食事はいつもここ…情けない。
〜あぁそうだちょっと行きたいところがあるんだけど…。
えっ?
(女将)警察にも同じようなこと訊かれたけど…。
(女将)ねぇ…会長何でも平気で食べてたよね?あぁそうですか。
(女将)まぁ…強いて言えば甘いものがあんまり得意じゃなかったかな。
甘いもの?いつかケーキ出したらひどく不機嫌になったじゃない。
でも大福やおはぎは食ってたろ。
あの歳だもん洋風のものは駄目だったのよ。
そういや…何年か前にテレビでココアが体にいいって話題になったときあったろ。
あのときココアを使った料理でも考えるかって言ったらそんな気持の悪いもの日本人の食うものじゃないって怒られたよなぁ…。
(女将)そうね…。
はぁ…。
家族会議なんて赤の他人が出ていいんですか?とことんいくしかしようがないでしょ。
それよりなんかわかったの?アレルギーって山のようにあるんですね。
えっ?卵とかおそばってよく聞くんですけどパンとか天然ゴムとか。
天然ゴム?そう。
ラテックスアレルギーですって。
へぇ…。
他には去年ニュースにもなったけどピーナッツアレルギーとか。
あぁ…カナダかどっかでピーナッツバターを食べた恋人とキスして亡くなった女の子がいたな。
でもどうせならそういうふうに死にたいな。
愛する人の甘い甘いキスで天国に旅立つ…。
相手見つけるのが先だろう。
(プリンターの完了音)これリストです!あぁ怒った本当にいないんだ。
いますよ!星の数ほど。
あっ…ごめんなさいお待たせしちゃって。
いったいどういうつもりなの?そんな人を連れてくるなんて。
(みさき)どうして?義姉さんたちにはそれぞれ旦那さんがついてるじゃない。
どうぞ。
あ失礼します。
(みさき)私にも後見人がいていいでしょう?
(千波)後見人って…。
(千波)あんたこの作家さんとどういう関係なの?茶屋先生はうちに何度も書いてくださってすごくお世話になってるの。
それで無理にお願いして個人的に立ち会ってもらおうって。
何か問題あります?
(弁護士)個人的にというのであれば…。
(弁護士)では今回の相続分についてですが法定相続においては故人の配偶者である奈津子さんに2分の1…残りの2分の1をお子様の人数で割ることに…。
(みさき)あぁわかってますわかってます。
(みさき)非嫡出子は嫡出子の半分なんですよね?ええ。
従って七海さん千波さんに5分の1ずつ。
みさきさんには10分の1ということに…。
待って!冗談じゃないわよ。
なんで長女の私が5分の1しかもらえないのよ!?人殺しで追われてる女になんの権利があるっていうのよ!そうよ!それは…。
父は…!父は奈津子に殺されたのよ。
あの女無一文で追い出されるかこの家の財産半分手に入れるかどうかの瀬戸際だったから…。
(みさき)あらそれなら七海義姉さんだって同じようなもんじゃないの?うまい具合に父さん死んでくれて内心喜んでるんじゃない?みさき…それどういうこと?そうよねえ!
(千波)内緒で始めたエステサロンがつぶれて負債は数億ですって。
お父さんに泣きついたけど援助は断られてあとは遺産に頼るしかないってとこよねぇ。
何言ってんのよ…フン!あんただってねこのクズみたいな亭主がギャンブル狂いで借金にまみれて毎日会社に取り立てが来てんの知ってんのよ!おい…。
だからどうしたっていうんだよ。
(みさき)結局動機は義姉さんたちにもあったってことよね。
(千波)それを言うなら父さんのこといちばん恨んでたの誰よ。
そうよ…生まれたときからずっと恨んでた。
母が生きているうちは周りから白い目で見られこの家にきてからはあんたたち2人の義姉にいじめ抜かれたんですもん。
(みさき)全部この男のせいだってずっと恨んでた。
だから死んでくれてせいせいしてる。
奈津子さんが犯人なら私たちみんな彼女に感謝しなきゃね!…あたし知ってるのよ。
七海義姉さんが奈津子さん追い出そうとあの小南って記者呼んだこと。
(みさき)どこかで偶然記事見つけて昔のつてを頼って連絡した…。
いいかげんなこと言わないで。
(みさき)逆取材したのあたし。
小南から。
同業者としてね。
っていうことは七海姉さんも共犯者として殺人に関与してたっていうことじゃない!相続権は?何言うのよ!だってそうじゃない共犯者!相続権は?あのぅ…。
相続分の決定については2つの事件が解決してから…。
(七海)よそ者は口出さないで!!
(雄作)いや確かにそうだ。
自分たちが事件に関わっていないってことはそれぞれがいちばんよくわかってることじゃないか。
今大事なのは私たちみんなで会社を守っていくことじゃないのか?
(拍手)じゃあ今日はこれでお開きってことで。
先生行きましょ。
あっ…失礼します。
ずいぶんご立派なことで。
なに!?フフフ…。
雄作義兄さんっていうのはもともと水産学を研究する大学院生だったの。
それが父に見込まれて無理やり七海義姉さんと一緒にさせられたのよ。
だから2人の間に愛なんてまるでないわ。
ほぅ…。
逆に千波義姉さんの旦那の純也は元暴走族で父は猛反対したんだけど義姉のお腹が大きくなって泣く泣く認めたのよ。
(みさき)孫のためにって一応取締役に据えたけど結局千波義姉さんは流産。
馬鹿見たってわけ。
ほぅ…。
ところで先生…奈津子さんとは何かあったわけ?えっ!?湯ヶ島で一緒に泊まったんでしょう?いやなんにもない…なんでそれを!?丸目刑事から聞いたの。
昨日あのあと訪ねてきたわ。
(真理子)失礼します。
デザートはいかがですか?ティラミスでございます。
(みさき)わぁ!これ最高なのよ。
この店でいちばんおいしいのはこれかもね。
あらうちはシーフード褒めてもらわなくちゃ。
でもホントそのとおり。
私も大好きで必ず1つ食べて帰るんですよ。
太るのはわかってるんですけどつい毎日。
わかるわ〜。
あぁそうそうそれで警察はどうやら父のアレルゲン懸命に調べてるみたいね。
やっぱりなんらかのアレルゲンが作為的に与えられて殺されたって疑ってんだなぁ。
(みさき)でもあの用心深い父が自分のアレルゲンを人に隠していられたってことは知らずにそれを摂るおそれがないものだったからじゃ…?でもねいくら気を付けても思いがけないことって起こるから…ほら外国でピーナッツバターアレルギーの若い娘さんが恋人とキスして亡くなったって例があったでしょ?あぁすみません!新しいのすぐに…。
大丈夫?〜なんだこりゃ。
スッポンか!?
(丸目)どっかお悪いんですか?あっ…。
残念ながら高柳会長の主治医でしたら今帰ったばかりですわ。
いやそうじゃないんですけど。
(丸目)吊るし雛ですよ。
はっ?あれです。
伊豆地方に昔から伝わる手作りの雛飾りで吊るし雛っていうんです。
伊豆地方?えぇ。
亀は長寿と健康。
巾着はお金。
それぞれ娘の幸せを祈る切ない親心が詰まってるんですよ。
ほぅ。
刑事さんお子さんは?まぁ…来月嫁ぐ娘が1人。
あらそうですか。
そりゃおめでとうございます!いやそれが…。
「私は母子家庭で育ちました」なんて言いましてね父親の立場ないんですわ。
大丈夫です娘さんきっと…わかってらっしゃいますよ。
立派なお仕事なさってるわけですから。
そうでしょうかね…。
あんたのように記事にするわけでもないしただ忙しいだけでね。
ところでこれ熱心に見てたけど何か事件と関係あるのかね?いやいや別に。
あんたさぁ。
はい?ホントに怪しいんだよね。
えっ…。
フン…まぁどっちが先にたどりつくかだね。
菊枝っていうのは前の旦那の母親か。
あぁ。
週刊東陽の関係者に手を回してやっとつかんだんだ。
(山倉)父親が沢登辰夫で夫が康彦だ。
小南に高柳家。
死んだ人はみんな奈津子さんにつながってる。
ますます怪しくなるなぁ。
いやそれにしてもなんであのとき彼女が湯ヶ島なんかにいたんだろう?沼津離れるんだったらさっさと東京でも行けばいいんだよ。
それだけじゃなくて自分が警察に追われているのをわかっていながらまだ伊豆にいたんですよ。
そこなんだよ。
どうしても離れられない理由があったんだ。
この吊るし雛伊豆地方に昔から伝わるものなんだそうだ。
おい…。
もしこれを菊枝が作ったものだとしたら?菊枝が伊豆に関係あるってことか?でもまだ生きているのか死んでいるのかもわからないんですよ。
しかしなぁ残されたカギは沢登菊枝だけだもんな。
やっぱ見ちゃおう。
ちょっとそれはまずい…。
いいじゃん…溺れる者は藁をもつかむ。
おい!
(山倉)んっ?同じ会社から月々15万円ずつ振り込まれてる。
(山倉)キャッスル企画って…不動産屋だよ。
不動産屋…!?〜そうなんですか…。
どうもすみませんありがとうございました。
やっぱりねそうなんだよ。
一家が住んでた家今他人が借りてる。
名義はね沢登菊枝のまんまで。
菊枝って人まだちゃんと生きてんだよ。
えっわさびの里?先生!?
(電話が切れる音)もう!わさびの里…ここか。
〜有料老人ホーム伊豆の丘24時間完全介護…。
はぁ…いったい入るといくらかかるんだ?
(従業員)ちょっと危険な状態だったんですが2日前に退院されて今はなんとか…。
(ノック)菊枝さんお客様が。
・
(菊枝)どうぞ。
どうぞ。
失礼します。
(菊枝)どなたでしょう?はぁあの…私茶屋次郎と申しまして物書きをやっておりますが。
(菊枝)物書き…。
はぁあの…亡くなられたご子息の奥さんだった奈津子さんのことで。
もういいかげんにしておくれ。
あの子は何もしてないのに…どうして?
(菊枝)ひどいことばかり書かれて。
いや…そうじゃないんです。
私が…無理に…康彦の嫁にきてもらったばかりに。
・
(奈津子)先生…!どうして?申し訳ない。
開けちゃった奴がいて。
それどうしてあんたが?それは奈津子の物だよ。
(奈津子)違うのお義母さん。
(菊枝)返して!そんなもので恩返しできないくらい私はこの娘の世話になったんだ。
返して…早く返して!ほら奈津子。
こうしていられるのも全部あんたのおかげなんだ。
ありがとね…。
(菊枝)ありがとね。
〜お義母さん!〜本当に申し訳ありませんでした。
いいえ。
義母が危険な状態だったんでどうしてもそばにいてあげたかったんです。
これから出頭してきちんと自分の無実を話すつもりです。
大丈夫ですか?警察の厳しい追及には8年前でもう慣れてますから。
刑事:お前がやったんだろう!違います!違います!?
(奈津子)それはひどい取り調べでした。
だから私が捕まって義母にもし捜査の手がのびたらと考えたら怖くて…これを先生に…。
ごめんなさい。
いえ…。
(奈津子)ここは私の生まれ故郷なんです。
そうなんだ!両親はわさび田を捨て東京に出ました。
その両親を交通事故で亡くしたあと金銭的な苦労をしないですんだのは2人が掛けてくれていた保険のおかげでした。
だから私は保険の仕事選んだんです。
(奈津子)そんなとき出会ったのが沢登の母だったんです。
偶然にも故郷が同じでした。
親しくしてもらって何度か訪ねるうちに…。
そうか…同郷の2人が結ばれたんだ。
(奈津子)ええ。
真面目な夫でした。
私たちは共働きして両親と同居し幸せな日々でした。
義父の事故までは。
というと?私が内緒で掛けていた保険金が入ったとたんに夫は人が変わってしまったんです。
康彦:うるせえんだよ!うっ!てめえ何様のつもりなんだ!
(奈津子)毎晩飲み歩き女遊びとバクチに狂い意見する私と義母に暴力をふるうように…。
〜
(奈津子)そしてある日泥酔してお風呂に入り心臓発作で。
どこかでホッとしている自分が怖くなりました。
私はこの人の死を願っていた。
それは殺したのと同じじゃないかって…。
だから1年後小南の記事が出たときもただそんな気持に苛まれるだけで…。
どうして裁判しなかったんですか?小南が他のケースではことごとく訴えられて敗れてます。
裁判に勝ったってマスコミはそれを取り上げますか!?
(奈津子)それに…いったん白い目を向けられたら世間がそれを変えることはないんです。
(奈津子)そんなもんでしょう?義母が病気で倒れたのを機に私は東京を逃げ出しました。
義母をここふるさとのホームに入れそばにいられるように沼津で働き始めました。
そして…高柳と出会ったんです。
(奈津子)気難しそうな高柳に私は自分の父と沢登の父の2人の面影を重ねてました。
(奈津子)この人ならしっかり私を守ってくれる…。
そんなふうに感じたんです。
七海さんや千波さんの間でつらいこともありましたがでも幸せでした。
高柳に守られてましたから…あの日までは。
(奈津子)あの男が嗅ぎまわり始めたとたんに私の噂がいっぺんに広まり高柳の私を見る目も変わっていったんです。
(奈津子)週に一度の義母との面会を終え家に帰ると…高柳とある女性が…。
それも私たちの寝室で。
(奈津子)私は…そのまま1時間ほど港をさまよい続けました。
別れよう…。
やっとそう決心したとき気持がフッと楽になりそれを告げるつもりで家に帰りました。
あなた!会長!
(七海)お父さん!
(奈津子)私にとって5人目の家族の死でした。
警察にはそのこと話したんですか?いいえ。
どうして!?死因はアレルギー性のショック死です。
彼女が故意に高柳にその原因物質を与える方法も理由も考えられません。
ただの事故かもしれないのに。
私は他人の疑惑を煽るような真似はしたくありません。
だけどね今誰よりもあなたがいちばん疑われてるんだ。
私は自分が犯人じゃないことを知ってますから。
高柳も小南も私は殺してません!奈津子さん教えてくれませんか?その女性っていうのはあなたがよく知ってる人なんですよね?奈津子さん!昔秘書だった岡本真理子という女性です。
岡本…真理子?ココアを使った料理でも考えるかって言ったらそんな気持の悪いもの日本人の食うものじゃないって。
デザートはいかがですか?ティラミスでございます。
必ず1つ食べて帰るんです。
太るのはわかってるんですけどつい毎日…。
ピーナッツバターアレルギーの若い娘さんが恋人とキスして亡くなったって例があったでしょ
(お皿が落ちる音)奈津子さん…待ってください。
そのとき…2人キスしてませんでしたか?〜どうやら…やっと見えてきたようですよ。
えっ?
(丸目)高柳奈津子だね。
(丸目)おい!今沢登菊枝さんのところに行ってきました。
まさか作家先生に先を越されてるとは思いませんでしたよ…それじゃ。
丸目さん!はい?教えてくださいもうつかんでんでしょ?高柳秀一郎さんのアレルゲンはチョコレート…。
つまりカカオだったんじゃないですか?カカオですよね?それがどうかしたんですか?やっぱりそうか…つながりましたよ。
はっ?はい。
あぁしかし…何のためだ?高柳さんが死んで岡本真理子が何の得になるんだ?はい…丸目。
えっ?何だって!?
(パトカーのサイレン)〜
(カメラのシャッター音)
(丸目)絞殺か…。
彼女自分のやった事の重大さに気がついた。
えっ?気がついてたのにこういうことになってしまった。
どういうことだ?
(鈴木)警部!あっ。
死体の指に被害者のものとは関係ない女性の頭髪が…。
たぶん犯人ともみ合ううちにつかんだのだろうと…。
(丸目)女の髪の毛?それが奈津子さんのものなら…がぜんおもしろくなってきましたね。
(鈴木)岡本真理子の検死の結果が出ました。
やはり死因は細いヒモ状のものによる絞殺でした。
死亡推定時刻は?あぁ?死亡推定時刻は昨夜の深夜0時から2時の間。
うん…で残ったその女性の髪の毛っていうのは?
(丸目)おいおいおい!!部外者がよけいな口出しするな!それで?はい。
血液型はAB型。
現場で高柳奈津子本人から採取したものと比較してほぼ同一のものであると…。
嘘です!よし!
(机を叩く音)奈津子さんもう大丈夫ですよ。
どうやら犯人はそのこざかしさで今回は墓穴を掘ったようですね。
えっ?おい何言ってるんだ!?丸目さん少し手伝っていただきたいことがあるんですが。
(みさき)お待たせ〜!み〜んな揃ってるわね。
(七海)ねぇ本気なの?相続権放棄するって。
あぁ…嘘嘘!だってそうとでも言わなきゃみんな集まってくれないでしょ?
(七海)なんですって!?
(雄作)みさきちゃん私仕事の途中なんだ。
(千波)あんたどういうつもりよ!!
(純也)何だよ!まぁ落ち着いてちょうだい!先生!!何よ!いったい!!いやぁ申し訳ない。
どうぞお座りください。
今日お集まりいただいたのはあなた方のお父上秀一郎さんを死に至らしめた犯人がようやくわかったからなんです。
犯人は…。
これです。
馬鹿じゃないの?ふざけてるわよ。
(笑い声)そのティラミスの上のチョコレートパウダーがお父様の命を奪ったんです。
まさかこんなもので…。
強度のアレルギーの発作によって死に至った例は数多く報告されてます。
秀一郎さんには強いカカオアレルギーがあった。
あの日ほんの微量ですけれどもそのチョコレートパウダーが体内に入ってしまったんです。
ある女性の唇を経て…。
唇…?亡くなった岡本真理子さんの唇です。
つまりその…2人はそういう関係だったってこと?じゃあ父を殺した犯人は岡本真理子だっていうの?はい!でも変ですよね…。
どうして岡本真理子はお父様を殺さなくちゃならなかったんでしょうか?遺産が入るわけでもないしお父様のお気持をつかんだんだったら生きていてくれたほうがずっといいわけですよね。
どういうこと?岡本真理子には殺す意思などまるでなかったということです。
つまり彼女を利用してお父様を死に追いやった人物が他にいるということです。
そしてそのことに気づいた岡本真理子と小南和義は殺されてしまった。
だったら簡単よ!ねぇ!!犯人は奈津子ってことでしょ?そうよ!岡本真理子は奈津子の髪の毛握りしめてたんでしょ!!そこなんですよ!まさにそのことが別に真犯人がいるっていうことを証明してくれてるんです。
おかしなこと言わないで!!奈津子さん!奈津子!?どういうことなの?これ。
岡本真理子さんの推定死亡時刻はおとといの午前0時から2時の間。
その時間奈津子さんはわさびの里の老人ホームにいたんです。
そんな時間のこと証明してくれる人いるわけ?複数の介護士たちがちゃんと見ています。
なんせ24時間体制の介護施設ですから。
犯人は奈津子さんじゃありません。
じゃあ誰か?岡本真理子に毛髪を握らせ奈津子さんを陥れようとした人物。
(七海)誰!?あぁ…犯人はどうやって奈津子さんの毛髪を手に入れることができたのか?例えば奈津子さんのヘアブラシ。
そうです…この家以外には考えられない。
犯人は間違いなくあなたたちのなかにいます。
〜そしてそれは岡本真理子と関係のあった人物です。
なぁんだ…そういうことだったのね。
(純也の笑い声)まいったなぁ…当たっちゃってるよたぶんそれ。
純ちゃんあんた…!違うよ違う…俺じゃないよ。
なぁ七海義姉さん…。
この作家先生の推理が正しいならあんたもわかったろう?誰が犯人か…。
〜なんだ?知ってるのよ。
あなたが岡本真理子とデキてたってこと。
おかしなこと言うんじゃない。
あのレストランの企画だってあの女のためなんでしょ?いろいろと耳に入れてくれる人がいるのよ。
お前か!そんな話でっちあげてるのは。
でっちあげ?フッ…あんたが帳簿の確認とか言って毎晩閉店後に真理子とよろしくやってたのは知ってるんだよ。
馬鹿言うな。
岡本真理子とデキてたのはお前のほうじゃないか。
はぁ!?純ちゃんホントなの?冗談じゃないよ!こいつよく口からそんなでまかせを!!いいかげんにしろ!真理子と2人で店の売り上げを着服していたのはわかっていた。
(七海)えぇ!?私はお前をかばうために見て見ぬふりをしてやってたんだ。
この野郎!!ふさけるな!でたらめばっかり言いやがって。
やめなさい!どなたもご存じないかもしれませんが…。
岡本真理子は自分のパソコンの中に詳細な日記を残していました。
事実はすべてこの中にあります。
もちろん自分と関係のあった男の名前もね。
〜
(鈴木)待て!〜
(丸目)署のほうでお話伺いましょうか。
〜
(丸目)しかし驚きました。
(丸目)突然岡本真理子の日記など…。
あぁすみません他に方法思いつかなかったもんですから。
しかしまさかあんな偽物のディスクでうまくいくとは…。
(丸目)いやおかげで高柳雄作はすべて自白しました。
そうですか。
あの男は会長の秀一郎に無断で始めた投資に失敗して会社に10億円近い負債を負わせたそうです。
はぁ…。
秀一郎にばれるのを恐れた雄作は彼の殺害を考え始めた。
そんなとき現れたのが小南だったんです。
しかしそれが自分の女房の画策だったとは皮肉な話ですね。
小南によって奈津子さんの過去を知った雄作は秀一郎の死を彼女の犯行に見せかければ警察の目は必ずそっちに向かうと確信しました。
そのときとび込んできたのがあのピーナッツバターアレルギー死のニュースだった。
どうやって不倫相手の真理子を説得したんですかね?
(丸目)会長を誘惑して弱みを握れば会社は完全に自分たちの思いどおりになると言い含めたそうです。
なるほど…しかし大きな誤算が1つあった。
えぇ小南です。
そのルポライターとしての嗅覚は恐ろしいものだった。
すなわち彼は事件を探るうちにあなたが行き着いたのと同じ結論に達したんです。
で…雄作をゆすることを思いついた。
(丸目)小南の要求はしだいにエスカレートし耐え切れなくなった雄作は今度は小南を消そうと考えました。
小南はその後も執拗に奈津子さんに付きまとってましたよね。
えぇあの日も湯ヶ島まで奈津子さんを追ってきた小南は近くに宿をとりその宿代と称して雄作に金を無心してきたそうです。
で雄作は深夜湯ヶ島に向かい…。
あの河原で…。
〜
(丸目)奈津子さんが疑われることもすべて計算したうえでの犯行だったと自白しました。
まさかあなたが真相を探り始めるなど思いもよらず…。
そのせいで真理子までも殺さなければならなくなったと。
あなたって最低!信じられない!!この償いはしてもらいますからね。
うっうぅっ…〜
(丸目)そしてまたこれまで成功したように奈津子さんに疑惑を向けさせようとした。
(丸目)それが命取りに…。
丸目さん…人って愚かなもんですね。
いやぁ私も愚かもんです。
えっ?
(丸目)こんなの作ったんです。
娘さんにですか?受け取ってくれるか心配なんですけどね。
ハハハッ。
(クラクション)これからはあの菊枝さんのいる老人ホームで働くそうです。
あぁ。
勉強して介護士の資格を取るのだとか。
あぁそうですか。
〜ありがとうございました。
えっ?重苦しかった心をようやく晴らすことができました。
先生のおかげで…。
いえいえ。
あなたの明るい笑顔が見られてホントによかったです。
〜結局岡本真理子は自分が高柳秀一郎の死の原因だったなんて思ってもいなかったんですね。
ねぇ。
それが先生の話で自分が雄作に利用されたことに気づいて…。
そうだよ…雄作責めてさ警察に知らせるとか何とか言ったんだよ。
そうじゃない逆なんだよ。
秘密を共有することで雄作に結婚を迫ったんだと!あのとっぽいデカが言ってたけど。
へぇ〜。
それで殺されちゃったんですか?ひど〜い!お前さいいからさそろそろ会社へ帰ったらどう?なに?なに?じゃないよ。
こんなところで油売ってるからいつまでたったって副編集長なんだよ。
うるさいよお前!!ちょっとこれさワサビないのか?もうちょっと入れようよ。
もうないですよ〜!あぁ?来週また行くからさ買ってきてやるよ。
来週何しに行くの?えっ?だから…様子見だよ。
誰の?誰の?老人ホーム…菊枝さん菊枝さん。
嘘つくなよお前あれだろ…奈津子さんだな?なに?いい歳こいてよからぬことを…。
よからぬことって何だ?お前じゃないんだから俺は。
俺も行こう。
いいよお前は…。
夜だけ!!この間なんせ満喫できなかったからな。
なっ?いいじゃねえか事件解決祝いにパーッとパーッと…。
だから二部屋とってさ…なっ。
あぁ夜だけね…夜だけならいいかもしれない。
(笑い声)いいかげんにしろ!このエロオヤジコンビ!!2014/06/28(土) 14:00〜15:55
テレビ大阪1
土曜サスペンスドラマ 旅行作家・茶屋次郎6 伊豆狩野川殺人事件[字]
旅行作家の茶屋次郎は、週刊誌連載の取材旅行のため副編集長の山倉と伊豆を訪れる…。
詳細情報
番組内容
旅行作家の茶屋次郎は、週刊誌連載の取材旅行のため、副編集長の山倉と伊豆を訪れる。二人は山道を散策中、男に追われる女・奈津子と知り合うが、翌朝彼女は姿を消し、彼女を追っていた男・小南の遺体が近くの河原で発見される。やがて奈津子は高柳水産会長の未亡人で、前夫や義父から多額の死亡保険金を受け取っていたことが分かる。
番組内容続き
謎だらけの奈津子に容疑が掛かる中、茶屋は奈津子から見知らぬ女性名義の通帳を預かるが・・・。
出演者
茶屋次郎・・・橋爪功
山倉晋吉・・・角野卓造
江原小夜子・・坂下千里子
高柳奈津子・・菊池麻衣子
高柳雄作・・・羽場裕一
高柳七海・・・沖直未
高柳千波・・・山下容莉枝
高柳純也・・・宮川一朗太
高柳みさき・・遊井亮子
高柳秀一郎・・志賀圭二郎 ほか
原作脚本
【脚本】長谷川康夫
監督・演出
【監督】鶴巻日出雄
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:23215(0x5AAF)