(テーマ音楽)第2次世界大戦で壊滅した町が鉄筋コンクリートをふんだんに使った近代都市としてよみがえりました。
フランス屈指の港湾都市ル・アーブルです。
かつて画家モネはこの町で「印象日の出」を描きました。
印象派の町としても知られています。
古くから港町として栄えてきたル・アーブル。
しかし…第2次世界大戦中ナチスの占領下にあったこの町は激しい戦闘に巻き込まれ焦土と化します。
それから62年。
今では平和な町としてよみがえりました。
1.3km四方のル・アーブルの中心街には鉄筋コンクリートの建物が並んでいます。
戦後の建築物が世界遺産に登録された珍しい例です。
復興計画の指揮を執ったのは20世紀を代表する建築家…鉄筋コンクリートの父と呼ばれていたペレはこの時70歳。
都市再生プロジェクトを精力的に立ち上げます。
課題は焼け出された人々の住まいをいかに効率的に建設するか。
ペレは全てに鉄筋コンクリートを用いるという当時としては画期的な発想をします。
しかし石造りの重厚な家に慣れ親しんでいた人々にとってコンクリートで出来たアパートは不評でした。
ペレはモデルルームを造り人々の理解を求めます。
未来に向かう新しい生活スタイルをこの部屋で表現しました。
光を多く取り入れるため縦長にした窓は明るく開放的な空間を演出しペレが最もこだわった所です。
外装はカラフルで明るい色を取り入れ無機質で冷たいイメージを取り除きました。
町並みにはル・アーブルの風景を意識的に取り入れました。
水平線をイメージした低層の建物は港町ル・アーブルの象徴です。
また垂直に伸びる高層の建物は未来へ向かう希望の町である事を表現しています。
しかし当時ペレが提案した新しい町に反発する住民も少なくありませんでした。
ル・アーブルにそびえ立つサン・ジョセフ教会は戦没者を慰霊する目的で建てられました。
天井まで吹き抜けになった教会は1万7,000枚の色ガラスがちりばめられています。
ペレが最も心血を注いで設計したのがこの教会でした。
灯台をイメージしたという教会の塔は復興したル・アーブルの象徴として平和への願いが込められているのです。
1954年ペレは復興計画の終了を見届ける事なく80年に及ぶ生涯を終えます。
彼が夢みたル・アーブルの町並みがよみがえったのはそれから10年後の事でした。
2014/07/13(日) 04:25〜04:30
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ル・アーブル〜フランス〜」[字]
廃虚からの復興 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
廃虚からの復興 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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