週刊 ニュース深読み「あなたはどう考える? 観光立国で“カジノ解禁”」 2014.06.28

住宅街の一角。
ここに積もっているのは、雪ではありません。
これ、一粒一粒が、氷の粒、ひょうなんです。
大きな粒ですね。
これは今週火曜日の東京・三鷹市の様子です。
大量のひょうが積もって、道路を塞いでいました。
積もったひょうで、下から冷やされて、少し冷蔵庫の中にいるような感覚を覚えます。
視聴者の方が撮影した映像です。
大丈夫かな?怖い。
ひょうが集中的に降ったのは、三鷹市と調布市にまたがる地域。
午後2時半ごろから30分ほどの間に、大量の雨と共に降ったと見られています。
ひょうは雨と一緒に降るんですね。
これは?
降ったひょうはまるで流氷のように、住宅街の道路を流れていきました。
ひょうが雨水に乗って、運ばれているってことですか。
そうですね。
そして低い場所に集まって、梅雨の住宅街を、真冬のような光景に変えてしまったんです。
ここに集中的に降ったわけじゃなくて、いろんな所から運ばれてきたんですか。
集まってきた。
駐車場の屋根には穴が。
あらららー。
すごい威力ですね。
ボンネットがへこんでしまった車もあります。
農作物にも被害が。
収穫間近のトウモロコシはすべてなぎ倒され。
こんなになっちゃうんですか。
キュウリもぼろぼろに。
また、降った大量のひょうや雨で、各地で道路が冠水しました。
自治体へ取材したところ、都内の2市4区で、住宅など合わせて100棟余りで、床上や床下の浸水の被害が出ました。
おはようございます。
週刊ニュース深読みです。
きょうは気象予報士の南さんと共にお伝えしていきます。
こちらはその三鷹市で降ったひょう、持ち帰ってきました。
冷凍庫で保存していたんですが、少しとけましたけど、まだ。
あんまりきれいなものじゃないんですね。
そうなんですね。
雨水が含まれていましたから。
一粒がこんなに大きい。
そうですね、大きいですよね。
直径が5ミリ以上のものをひょうっていうんですよね。
えっ?5ミリに満たないものは?
あられって言うんですけれども。
まだ現段階でも、まだ2センチから3センチくらい直径がありますので、まだこの段階でも、大きなひょうっていうふうに言えるでしょうね。
これがどうして突然、この暑いさなかに降ってきたかというところなんですが。
まだ広い範囲で降るおそれはあったんですよね。
このときの上空5700メートル付近の寒気の状態を見ますと、マイナス12度以下の寒気が、北のほうからどっと、西日本から東日本付近に下がってきてまして、西日本から東日本にかけて、起きやすい状態だったと思うんですよね。
ただね、やっぱり積乱雲の状態が、やっぱりそこの場所でかなり発達をしたということが、一つポイントだと思うんですよ。
そのときのメカニズムを見てみますと、ひょうが降るときのメカニズムですが、こういう積乱雲の中に、氷の小さな粒が出来て、これは上昇気流によって、こういう積乱雲が出来るんですが、強い上昇気流で上がったり下がったりしているうちに、水滴などがついて、だんだんと氷の粒が大きくなっていくんですね。
氷の粒が大きくなって、上空1万メートルぐらいの気温ってマイナス40度ですから、相当しっかりした氷が出来る。
そしてこれがあまりにも大きくなりすぎると、上昇気流で支えきれなくなって、これがごろっと下に落ちてくるということなんですよ。
この時期の気温っていうのが、やはり真夏は30度から35度ぐらいまで気温上がりますけれども、この時期の気温って、やはり30度までいかないんで、そうすると、氷の粒のままでやっぱり落ちてきやすくなってくる。
その条件がちょうど東京都内でうまくあったということなんでしょうね。
しかも東京都内でも、限定された地域でどんと降ったのは。
それはね、積乱雲の幅自体が、やっぱり数キロメートルから10キロメートルぐらいなので、やっぱこの下だけ降るということになってしまうことなんですね。
小野さん、こんなものを用意しました。
なんですか?
これ記録に残っている大きなものの再現模型なんです、ひょうです。
これがひょう?
これ、ちゃんと記録も残ってまして、大正6年の6月、埼玉県で直径およそ29.5センチ。
すごかった、すごかったって言っているうちに、話が大きくなっていったんじゃないんですか。
そうですね。
このときの記録では、重さにすると3キログラムを超えてるぐらいの大きなものもあったっていう、そういう記録が残っているんですね。
その記録が残ってるということは、ちゃんとそのとき測った人がいた?
そういうことですね。
本当にこんなものが落ちてきたら、命に関わりますよね。
そうですね、やはり過去の記録を見てみると、ひょうでけがをしている方もいらっしゃいますし、やっぱり亡くなった方もいらっしゃるので、ひょうが落ちてくるときは、やっぱり危険なんですよね。
どうしたらいいんですか?
ということでですね、当日、何が起きて、どう行動したのか、住民の方に取材をしてきました。
こちらです。
訪ねたのは、東京・三鷹市に住む大屋るみさんです。
大屋さんのお宅では、駐車場の屋根が壊れました。
粉々になっちゃってるんですね。
そうなんです。
ことし2月の大雪にも耐えたという屋根は、見る影もなくなっていました。
庭先にあった道具箱も。
こんな穴が?
そうなんですね。
4人家族の大屋さんなんですが、ひょうが降った日は自宅に1人でいて、2階で家事をしていました。
ひょうが降る音に気付いたのは、午後2時半ごろだったといいます。
大屋さんの自宅の周辺で撮影された映像です。
降り注ぐ大粒のひょう。
激しい音を立て、乱れ飛んでいます。
ただごとではないと感じた大屋さん。
身を守るために2つの行動を取りました。
まず2階から1階に下りました。
2階から下りる?
はい。
そして2つ目はシャッターを閉めること。
これ、窓ガラスが割れそうだと感じたといいます。
大屋さんは同時に別の危険を感じていました。
これは、大屋さんの向かいの家の人が撮影した映像です。
川みたいになって。
大屋さんの家の前の道路も、大量のひょうが流れていたんです。
これから帰宅する高校生の娘に、この危険な状況を知らせようと考えて、メッセージを送りました。
今、帰ってきたら危ないわよと。
うちの前の道が川になっています。
落ち着くまで、学校にいたほうがよいですよ。
一方で、その場にいない家族に、これまで経験したことがない状況を伝えることの難しさも感じたといいます。
そこで、自宅周辺の様子を撮影した写真。
さらに、三鷹市から送られてきた防災の情報も、携帯電話で送りました。
突然発生した、これまで経験したことがない災害。
大屋さんは、正しい情報を把握し、共有することの大切さを、改めて感じたと話していました。
大屋さん、すごく冷静な方ですよね。
こちらにその行動をまとめてみたんですが、南さん、どうですか?
今回の状況においては、やっぱり完璧な対応だったと思いますね。
2階から1階に下りるは正解なんですか?
そうですね。
先ほど見たみたいに、29.5センチメートルのひょうが落ちてくる可能性もあるわけですから、そうすると、屋根を突き破ってやって来る可能性もありますので、やはり2階よりも1階のほうが安全ですし、それから窓を突き破ってやって来る可能性もありますので、雨戸を閉めるということも大事だと思います。
特に積乱雲の下では、突風、竜巻などの発生するおそれもありますので、竜巻も2階のほうが風が強かったりしますので、こういう行動を取るというのが必要だと思います。
もう一つは、家族に危険を知らせるメッセージですよね。
積乱雲の下っていうのは、やっぱり数キロメートルから10キロメートルの幅しかありませんので、その下にいる人はすごく危険を感じてるんだけれども、そこから離れた所の人にとっては、全く分からない、危険をすべての人が共有してるわけではないので、やはり家族に、やっぱり近づくことはしてはいけませんよというようなメッセージを送るっていうのは、非常に大事じゃないかなと思います。
いい対応だったと。
そういうことですね。
でも、1階に下りたら、床下浸水とか、床上浸水とか、そういう怖いことは起きないんですか?
そうですよね、やはり雨が続いてしまいますと、やはりね、床下浸水とかってこともやっぱり考えられますので、やはりそのときの状況に応じた行動を取るっていうのが必要だというふうに思います。
そしてね、あした、上空に寒気が流れ込んできそうなんです。
あしたまた、ひょうが降るかもしれないんですか?
そうなので、あすは東日本から東北にかけての比較的広い範囲で、ひょうが降る、または突風が発生するおそれもありますので、あすの天気もまた注意をしていただきたいと思います。
南さんにはまた後ほど詳しい気象情報、伝えてもらいます。
さて、今週は集団的自衛権などを巡る与党協議で、動きがありました。
火曜日の協議で、自民党の高村副総裁は、憲法9条の下での武力行使の3要件について、さらに歯止めをかけるよう求める公明党内の意見に配慮した試案・試みの案を提示。
これについて公明党の山口代表が、NHKの番組で受け入れる意向を示しました。
火曜日に開かれた9回目の与党協議。
自民党の高村副総裁が、憲法9条の下で認められる武力行使の3要件について、試案を新たに示しました。
試案は、他国に対する武力攻撃であっても、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆されるおそれがある場合としていた、第1の要件について、おそれという文言を明白な危険に、他国という文言を日本と密接な関係にある他国と修正したうえで、こうした武力の行使は、自衛の措置に限られるなどとしました。
おととい、NHKのニュースウオッチ9に出演した公明党の山口代表。
高村副総裁が示した試案について、受け入れる意向を示しました。
そしてきのう行われた10回目の与党協議。
政府側は、武力行使の新たな3要件の試案を柱とする、閣議決定案を示しました。
公明党は、党の主張におおむね沿ったものだと評価する考えを伝え、来月1日に開く次の与党協議で合意が成立して、憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定は、その日のうちに行われる見通しとなりました。
次は、432年前に起きた本能寺の変についてです。
織田信長が、家臣の明智光秀に謀反を起こされて、京都の本能寺で討たれたという、あの本能寺の変ですね。
なぜね、光秀が信長を討ったのか。
日本史の大きな謎の一つとされているんですが、その謎に迫るうえで、貴重な史料が見つかったという発表が、月曜日にありました。
こちらがその史料なんです。
どんな史料なんでしょうか。
敵は本能寺にあり。
行け!
時は戦国時代。
天下統一を目前にした織田信長が、明智光秀に討たれた本能寺の変。
光秀はなぜ、謀反を起こしたのでしょうか。
その理由を巡っては、さまざまな説が唱えられてきました。
1つは、明智光秀が僅かな手勢の信長を襲い、天下を奪おうとしたとする野望説。
もう1つは、光秀が信長からさまざまな理不尽な仕打ちを受け、恨みを募らせたとする怨恨説。
これ、よくドラマで描かれますよね。
ですよね。
さらには室町幕府の将軍だった足利義昭など、なんらかの黒幕が存在したとする説。
そして今回注目するのが、四国説。
こういうのもあるんですか。
四国の武将、長宗我部元親が絡んだ説なんです。
どんな説ですか。
この四国説、これまで後世に書かれた史料を根拠にしていたのが難点だったんですが、今回、長宗我部元親が明智光秀の家臣と交わした書状などが見つかりました。
四国説を支える有力な根拠の1つになると見られています。
どんな書状?
まずは、発見した岡山市の林原美術館の学芸課長に聞きました。
えー!何が書いてあったんですか?
信長は、長宗我部元親に四国全体の領有をいったんは認めていました。
しかしその後、方針を変更。
四国の一部の領有しか認めないとしました。
元親はこれに反発。
両者の間を取り持っていたのが、明智光秀でした。
今回発見された書状の一つは、本能寺の変の5か月前に、明智光秀の家臣、斎藤利三が、長宗我部家にいた自分の親戚に宛てたものです。
信長の提示を拒否した元親に、考え直してもらおうという働きかけを依頼しています。
これがその書状なんですが、信長からの提示を受けたほうが、元親にとってもためになるという内容が記されています。
返事は来たんでしょうか?
はい。
そして本能寺の変の10日ほど前。
今度は長宗我部元親本人から、斎藤利三に書状が送られます。
この中で元親は、一転して、恭順の意を示しました。
これで衝突は避けられたと。
書状には、信長が甲州征伐から帰ったら、指示に従いたいという内容が書かれていまして、信長の四国出兵を避けようとしたことがうかがえるんです。
ですが、信長は四国攻めの方針を変えず、その軍勢が大阪をたつ直前に、本能寺の変は起きました。
今回の書状は、林原美術館が所蔵する古文書を調べた際に見つかったもので、その後、岡山県立博物館と共同で調査しました。
ドラマでも、新しい描かれ方がするかもしれませんね。
そうでしょうね、この一つの説に基づいたものがあるかもしれません。
今回見つかった史料の一部なんですが、林原美術館で来月19日から公開されます。
次です。
都議会、東京都議会。
東京の都議会で女性議員が質問を行った際、早く結婚したほうがいいんじゃないかとやじが飛んだ問題です。
今週月曜、発言した議員が謝罪しました。
この問題、海外メディアも批判的な論調で伝えるなど、波紋が広がりました。
外国特派員の協会が開いた記者会見。
やじを受けたみんなの党の塩村文夏議員が招かれました。
この問題、複数の海外メディアが批判的な論調で伝えました。
イギリスの有力紙、ガーディアンは、東京都議会で女性議員が、性差別的な暴言を受けるという見出しで記事を掲載。
アメリカの大手経済紙、ウォール・ストリート・ジャーナルも、女性を軽視する議員には、結婚や出産をしたくてもできない女性たちのことを支援する政策を立案できないという、塩村議員の発言を伝えました。
先週18日の都議会本会議。
子育て支援策について質問をしている最中に。
やじをきっかけに、議場は騒然とします。
男性も含めて若い世代に啓発する必要があると考えますが、都の見解と取り組みをお伺いいたします。
やじを飛ばしていた鈴木章浩議員。
当初は否定していましたが、今週月曜日、一転して発言を認め、謝罪しました。
鈴木議員は、責任を取って自民党の会派を離脱したものの、辞職はしない考えを示しました。
一方で、塩村議員はほかにもやじを飛ばした議員がいると指摘しました。
ほかのやじを飛ばしたのは誰なのでしょうか。
NHKは、警察への捜査協力の実績がある、民間の音声鑑定の研究所に、やじの音声の分析を依頼しました。
雑音を取り除くと。
鈴木議員が自分のものと認めたやじの0.16秒後に、男性の声で別のやじが飛んでいました。
鑑定をした専門家は、鈴木議員とは別の男性のやじだった可能性が高いとしています。
都議会の最終日。
一部の会派が、ほかのやじについても発言した議員を特定するよう求める決議案を提案しましたが、反対多数で否決されました。
事実上、これ以上の調査は行われない見通しとなりました。
一連の騒動からどんな教訓を得て、どんなアクションができるのか。
こうした対応には、批判の声も上がっています。
この問題を受けて開かれた、女性が活躍できる社会について考える勉強会の参加者は。
首都、東京の都議会で起きた今回の問題。
議会としての自浄能力が問われる事態になっています。
続いては、運転していた途中からは記憶がないと供述しているということです。
東京・池袋の繁華街。
車が歩道を暴走しました。
歩行者8人を次々とはね、女性1人が死亡しました。
警視庁は、車を運転していた埼玉県吉川市の飲食店経営、名倉佳司容疑者を逮捕。
警視庁によりますと、名倉容疑者は、現場近くで脱法ハーブを買ったあと、車に戻り、たばこの先に詰めて吸ったことを認め、運転していた途中からは記憶がないと供述しているということです。
警視庁は、脱法ハーブを吸った直後に、意識がもうろうとしたまま、正常な運転が困難な状態で車を走らせた結果、歩行者をはねたとして、男を危険運転致死傷の疑いで検察庁に送りました。
1965年に発表されたアメリカの人気ミュージシャン、ボブ・ディランさんの代表曲、ライク・ア・ローリング・ストーン。
ディランさんがこの曲を発表する1か月前に、歌詞を書き留めたとされるメモが、今週火曜日ニューヨークでオークションにかけられ、204万ドル、日本円で2億円余りで落札されました。
鉛筆で書かれたメモには、曲のタイトルや歌詞が走り書きされています。
この曲は、その後のロックミュージックに大きな影響を与え、アメリカ音楽界で最も権威のあるグラミー賞で殿堂入りを果たしています。
続いてはニュースの深層にせまる深読みのコーナー。
今週火曜日に発表された政府の成長戦略。
そのなかの一つこのやり方をどう考えますか?
外国人観光客のみなさん!日本を楽しんでますか?観光立国を掲げる日本。
もっとたくさんの外国人に来てもらいたい!実は大〜きな目標があるんです。
2020年までに2000万人。
今の倍の外国人を呼び込もうというんです。
その切り札と考えられているのがカジノ!日本は違法なギャンブルとして禁止されていますが世界では120か国以上で認められているオトナの社交場。
そろそろ日本でも解禁しては?という機運が高まっているんです。
日本にカジノができたら遊びに来たいですか?
ちょっと待ってください!日本の目指すカジノはだたのカジノじゃございません。
キーワードはIR。
統合型リゾートという魅力ある観光施設の中でカジノを運営しようというんです。
先月…
カジノは日本の経済成長にどれだけつながるの?そもそも、カジノを解禁して本当に大丈夫なの?きょうはトコトン深読みします。
メール、ツイッターでのご参加、きょうもお待ちしております。
きょうはテーブルの上がカジノです。
すごいですね。
なんかもう、華やかですね。
お2人、ご経験は?
私、ないです。
まりやさん、ない。
徹さんは?
私はいろんな国、行きましたね。
アメリカ、韓国、オーストラリアとか、いろいろお邪魔しました。
しただけ?
お好きでいらっしゃる?
決して嫌いではない。
でも、全然どんな世界なのか、知らないと分からないじゃありませんか。
本当ですよ。
しかも今、話題のIR、IRって、一体何?ここから、ひもといてまいります。
きょうは中山アナウンサーのプレゼンです。
おはようございます。
6年後までに、年間2000万人の外国人の観光客を呼び込みたいと、日本は言っていて、観光立国、目指しているわけなんですが、そこで注目してるのが、お話にあったIR、これ、英語です。
インテグレーテッドリゾート。
インテグレーテッドって統合という意味なので、日本語は、統合型リゾートなんですね。
実際に、シンガポール、実は外国人のお客さん、減っていたそうなんです。
でも4年前にIRを作ったら、なんとそのあと、外国人観光客、6割増えたっていうんです。
うわー、すごい!
どうしてね、このIRにお客さん、外国の方がいらっしゃるのかっていうのを、中身見ていきますよ。
とある…。
その笑みはなんですか?
皆さんに知っていただきたいですから。
外国人一家がこのIRを訪れました。
外国人一家なんですね。
そうなんです。
中国の富裕層に見える方なんですけれど。
なるほど。
そういう方が来ましたと。
するとこんな過ごし方していきます。
日中、お父さんは近くの国際会議場、IRの中にありまして、ここでお仕事。
子どもたちはといえば、テーマパーク。
遊んでもらう。
そして、お母さんはといえば、ミュージカルシアター。
これは本場のブロードウェーを楽しんだり。
なんか今の発音、イラッとするんですけど。
そしてこちらのショッピングモールでお買い物する。
夜になって、家族みんなそろったらですよ、ここです。
3つ星レストランでディナー。
で、宿泊先はといえば、美しい夜景の楽しめるホテル。
ここで優雅なひとときを過ごすと。
つまりこのIR、ここにさえ来れば、家族誰もが、朝から晩まで楽しめるという夢のリゾート。
お金があればね。
お金があればですよ。
そう思いますか。
そういう方、これがありますよ。
カジノです。
このカジノですけれども、なかったら、IRとはいえないんです。
それがないとIRといえない。
言われるとおりです。
きらびやかな内装に、カードゲームがあったり、奥のほう、スロットマシンがあったりします。
ここでお金を賭けて時間を忘れて楽しむことができると。
このカジノ、どんな魅力があるのかというのをきょう、皆さんにも体験していただこうと思って、ご用意して、さらにこの方にも来ていただいております。
お願いします。
ディーラー、ゲームの進行役、佐藤加代子さんです。
かっこいい!
お願いいたします。
日本にもディーラーの方って、いらっしゃるんですか?
たくさんおります。
どんな所で仕事をなさってるんですか?
お仕事は今、外航客船ですとか、海外のもちろんカジノに行っている者もおりますし、国内では、ギャンブルではないのでイベント的なものにはなりますけども、いろいろな場所で活躍はしております。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
ちょっときょうは、ルーレットということで。
今、実際にやるんですか?
実際に皆さんにも体験してもらおうと思って。
簡単にルール説明、お願いできますか?
こちらはルーレットというゲームなんですが、こちらにウィルと呼ばれる円盤のようなものがございまして、こちらの中に私、ディーラーが、この白いボールを投げ入れて、この数字のどこに落ちるかを予想して、こちらに賭けていただくゲームになっています。
いちばん簡単な賭け方で分かりやすいのが、一番外枠の所なんですが、数字には色が付いておりまして、赤い数字か黒い数字かという賭け方。
その隣はイーブンとオットといいまして、偶数か奇数かという賭け方。
こちらに1から36番の数字があるんですが、1から小さい数字、あるいは半分の大きな数字かというふうに、この1から36を半分で割った賭け方になります。
配当も当たると2倍になると、一番倍率がいいの、賭ける率としては、当たる率が高いんですね。
このゲームで一番配当が高いのが、このひと数字に賭ける賭け方になります。
ずばり当たると、これはいっぺんで、1枚が36倍になって返ってきます。
そのほかにもいろいろ賭け方があるんですが、本日は、この一番当たりやすい賭け方か、高配当の賭け方かという形で、体験していただければと思います。
この間、置かないやつですね。
そうですね。
さすがはお詳しいですね。
かなりやってますね、これは。
では皆さんにチップをお配りいたします。
今回は、1枚1万円という設定で。
これ、ゲームする場所によって、いろいろ設定があるそうなんですけれども、皆さんに20枚お配り、チップいたしますので、20万円分。
えーっ、この1枚で、そんな価値がある感じなんだ?
山田さんはもう、初めてですか?
初めて、全然分からない。
ちょっと、では数字、予想していただきましょうか。
数字以外でもいいですよね。
赤か黒かっていう、半分の確率の所か、1つの数字でずばり、高配当をねらうか。
で、お好きな所でお賭けになってください。
ちょっと飲み物、頂けますか?
そんな時間はありません。
そんな悠長な時間はありません。
これはじゃあ、残しておいても、あとでお金に換えて持って帰ったりはできないんですよね?
今回、仮ですからね。
ということは、思い切って。
思い切って?思い切っちゃいます?
残してもしょうがない。
小野さん、すごい。
私は赤いほうを。
赤いほう?
参ったな、便乗されたな。
赤色のチップは徹さん。
結構です。
何か所でも置かれていただいて結構です。
いいです、いいです。
何か所でもお賭けください。
じゃあ。
なんか。
えっ?なんか分かんない。
分かんないけど。
誰かが当るか。
数撃ちゃ当たるんじゃないの?そういうことじゃないのろろこれだけこう置いてみる。
それではまいります。
大丈夫です、投げてからも賭けられますのでね。
いろいろと皆さん、予想しましたけど。
とりあえず赤が来てもらわないと。
まだ移動していただいても大丈夫ですよ。
すみません、1枚黒に移しておいていただいていいですか?
私も1枚、赤に。
ラストコール、そちらまでになります。
20番の黒です。
当たってる。
すばらしい。
やったー!
まりやさん。
これでいくらになるの?
これで?
こちらは36倍です。
1枚に対して35枚の配当が返ってきます。
やったー。
ほら、もう、やめられなくなってきた。
はまってしまう。
これはきょうのギャラに上乗せですか?
そういうことは一切ございません。
そしてオーナーが。
どうですか、これ、ちょっとすごい。
一瞬の何か、興奮がありましたね。
ありましたね!
たった1回だけで、こんな盛り上がっちゃうところはありますね。
またしたくなってしまうかもしれないですかね。
ナイスキャッチです。
こちらが35枚の配当になりますね。
おめでとうございます。
すごい。
うひょひょひょひょー。
これもあるんですね。
2倍になって。
まりやさん、これ、大金持ちになりましたね。
せっかくセット用意しましたから、時間まで全部やらないと。
いいですね。
徹さんは何枚残ってますか?
私、すみません、4枚になってしまいました。
ということは4倍になって。
わー、楽しい。
小野さんも徹さんも、負けてしまったというわけなんですが。
まりやさん、一人勝ち。
一人勝ちと思いきや。
ちょっと待ってください、話が始まってますよ。
まりやさん、一人勝ちと思いきや、ほかにも勝った方いますね。
え?
ある意味。
それはもう、こちらの方です。
見てください、チップがね。
そういうことなの?そっか。
佐藤さん、どうもありがとうございます。
佐藤さん、ありがとうございました。
つまりですよ、佐藤さんがあれだけチップが今、手元に来ましたよね。
これって、つまりカジノ側の収入になるわけですね。
ですから、ちょっと分かりやすく、また模型に戻りますとですよ、この方、お金を賭けた、でも負けたら、その賭けたお金っていうのは、カジノのもうけになっていくわけなんです。
で、カジノは今ぐらいの金額じゃない、もっと多くのお金を賭けてくれる人にこんなサービスをしているんです。
それで、さらにもうけようと。
あららら。
リムジン。
大きなお金を賭けてくれる方には、無料送迎をして、レストランやシアター、無料で使ってください。
ほかにもホテル、スイートルームに無料で泊まっていただけますというサービスをする。
そして大口、いっぱい賭けてくれる方は、とにかくカジノでいっぱいお金を使ってもらうというふうにサービスをしていく。
何度も何度もそういった方に、無料ですから、来てくれるという方、実際に多いんです。
で、その方々がどんどんお金を賭けてくれると。
お使いになる金額も大きいんですか?
大きいんですよ。
これね、富裕層の方、1日ですよ、たった1日で1000万円とかでもなく、さらになんと、数億円賭けるなんていう方もいるんだそうです。
そんなこと言うから、一気にスタジオがしーんとしちゃった。
そういう方々がいらっしゃる。
で、だからさっきね、カジノがなかったらIRっていえないって言いましたけど、これ見てみると、IRの売り上げ、大半をカジノが占めているんです。
そういうことですね。
この売り上げ、一部、こうです。
なんですか?あー。
国や自治体に入ります。
つまりですよ、これでカジノがもうかればもうかるほど、税収も増えていくというわけなんです。
現にシンガポール、カジノが出来て3年で、カジノから取れた税収っていうのが、5700億円にもなったと。
で、これ、税収だけじゃないんです。
増えたのはこれも、雇用。
IRが出来て、5万人以上も雇用が増えたと。
そうか。
こうしたシンガポールの成功に続けとばかりに今や実は、アジアはこうなっております。
青がすでにIR施設のある所です。
赤がこれから作ろうとしている国や地域。
韓国、台湾、フィリピン、カンボジアなどなど。
そこで安倍さん、こんなことを言ったんですね。
IRは、成長戦略の目玉であると。
今、超党派の議員たち、200人を超す議員たちは、IRの施設の中に限っては、カジノを解禁しましょうということで、法律作ろうってことで、法案、早期成立を目指しているというわけなんです。
うーん。
そうなんだ、じゃあ、もうやる気満々だからできちゃうじゃないですか。
どうなんでしょう。
きょうは賛成派の方、反対派の方、お2人の専門家と、解説委員3人の専門家で皆さんがどんな質問にもお答えいただけます。
日本で初めてカジノの本場アメリカで、カジノの上級管理者養成プログラムを修了なさった佐々木さん。
私から質問していいですか。
どうぞ。
こんなにたくさん、アジアにIRがもう出来ようとしていたり、すでにあったりしたら、今さら日本に作っても、お客さん来ないんじゃないですか?
そうですね。
そういう考え方ももちろん批判的なことはありますが、日本人で海外のカジノでプレーしている人たちが、日本にカジノ出来た場合にはどうなるかですね。
日本国内のそれほど遠くない場所に出来た場合には、海外から日本でお金を落としてくれることはあるはずです。
もしくは外国でもカジノを合法化してる所でも、自国民はできない所があります。
そういう人たちは、日本に来てお金を落としてくれると感じております。
割合として、どうでしょう、ざっくりでいいんですけど、各自国民の割合と、他国から観光を兼ねて来る人の割合っていうのは、どちらのほうが多いんですか?
日本の場合ですか?
既存の、今まであるやつの。
IRというのは、巨大な施設の場合には、ない国民、自国民の場合が多いです。
例えば韓国のカジノに行かれたという話が先ほどしていらっしゃいましたけれども、基本的にその韓国のカジノというのは、1か所を除いて韓国人の方は入れる所はないですね。
なので規模はそれほど大きくないわけです。
シンガポールの場合ですと、自国民が入れますので、巨大にできると。
たいていそういうふうに成り立っています。
一方、カジノには反対のお立場なのが鳥畑さん。
カジノの社会に及ぼす影響にお詳しい方です。
どうして反対してらっしゃるんですか?
あの、成長戦略として、IRが成功する秘けつというのは、外国観光客をどれくらい呼び寄せれるか。
なぜといえば、今やりましたけども、山田さんの勝ちは、渡辺さんの負け、小野さんの負け。
結局ここで、お金が動いただけなんですよね。
回ってるだけか。
そうすると、ギャンブルの勝ち負け、買った人はいいけど、それは負けた人のお金ですから、お金が移動しただけ。
ゼロサムですよとよくいうんですよね。
そうすると日本として、成長戦略の目玉として、外貨を稼がなきゃいけない。
そうすると、どれぐらい、外国から観光客が来てもらえるか。
そうするとシンガポールのIRは、外国観光客にターゲットを絞り込んでやったわけなんですよ。
そこがさっきの渡辺さんのご質問だったんですね。
ちゃんと外国人の観光客の人がいっぱい来るような施設じゃないと、日本にとってメリットがないんじゃないかってお考え?
まあまあまあ、そういうことですよね。
その外貨を稼ぐことができるかどうか。
そうするとシンガポールでも、市民に対しては宣伝はしないっていうことで、やってるんですが、それでも3割ぐらいの人が、地元の人が来るんですよ。
それから今日本でじゃあ、4兆円の市場とか、1兆5000億円の市場っていったときに、これ、ほとんど日本人でマーケットが成り立つという想定をやってる。
例えば、ゴールドマンサックスっていう所が日本で1兆5000億円、7割は日本人ですよと、ポケット。
3割は外国から来てもらうけれども。
その、いわゆるVIPですよね、たくさんお金を使ってくれる所は中国の北部、そこが空白地帯ですから、中国の北部と韓国の富裕層が、日本に来てくれるよって、当てにしてるんだけれども、今、韓国でIRが解禁されるんですね。
この3月にアメリカのシーザーズが許可取りました。
それからシンガポールで、…を作っているゲンティンっていう会社が、今申請中なんですよ。
2017年に作りますって言ってるんです。
じゃあもう、日本が作るころには、もうマーケット取られちゃう。
そういう危険性が非常に大きいんじゃないかと心配されます。
じゃあそうすると、日本人のお客さんをターゲットにする可能性が高くなると見てた場合ですよ、それでも日本に経済効果、あるんですか?
もちろんございます。
例えば先ほど国外にカジノをプレーしている日本人がとどまるということと、韓国がIRを、計画を進めているということは、日本でIRが出来るかもしれないということを見越して動いているわけです。
韓国の富裕者層が日本に来てしまったら困るので、日本の動きを見ながら、やっているということでありますので、ということで、国際間競争にいま、なっているところなので、やらないとまあ、かなりハンディを負うということは確かでございます。
これ、日本で作られるであろう予想ですけど、日本国民は行けるんですか?
日本国民は行けるはずです。
行けるようにしてください。
ただしセキュリティーと、後半出てきます、依存症の問題、ギャンブル中毒の問題は、しっかりとケアするという仕組みを作らないとだめだと思います。
どうぞ。
なんかね、行くときに、なんか美男美女しかいないようなイメージないですか?映画とか見てて。
だから、すっぴんで、スエットでつっかけで行くとか、そういうことはできないわけですよね。
そんな気軽に行くような所じゃないんですよね。
ドレスコードっていうのはあるでしょうね。
そうすると一般庶民が、なんか行くのかなみたいな気もしちゃうんですけど。
先ほどモデルでやっていただきましたけれども、お金持ちに、比較的裕福な層に、気持ちよく遊んでいただいて、気持ちよく負けていただいて、それが、例えば奨学金だったり、病院だったり、社会福祉に使えばいいという形だと思います。
どこに作ろうとしてるんですか?
一番可能性が高いといわれているのは、東京のお台場ですよね。
それから地方もやはり、何か所か作りたい。
それぞれやっぱりね、それぞれの自治体が、地域活性化の目玉として、これを呼びたいという所は、いろいろあるんですよ。
ですから、かといって、たくさん作るわけにもいかない。
そしたら共倒れになりますから。
ですから、本当にこれが、法律が通って、本当に出来るとなった場合に、今度はそれ、本当にどこなのかっていうところで、またしれつな競争になってくると思います。
これに関して賛成派の佐々木さんは、何かご意見はお持ちですか?
作り過ぎては絶対にだめです。
共倒れの話がありましたけれども、あとしっかりと、カジノといえども、会社でしかありませんので、しっかりと経営をしなきゃだめだと思ってます。
これは国の持ち物ですか?地方自治の?
ライセンス、免許は恐らく地方自治体が持ちますけれども、ただし経営はできませんので、ほかのそういうことに任せると。
経営はもう民間がやると。
だから地域を特定して、そこに許可をして、やるということになる。
税収ということになると、地方自治体のそこに入るということになるわけですか?税収ということで。
地方は地方で。
そうですね。
そうすると、なんというか、地方地方で作りたいと言っている所がどういうメリットがあるからやりたいと?さっきその奨学金に充てたりするっていう、カジノの収益を奨学金に充てたりするっていう話、ありましたけど、それは本当に、いい方向に向かうものなんですか?
極端な例でいくと、スイスなんていうのは、やっぱり世論が二分したうえで、これを、カジノを認めたんですけど、それを年金の財源に充ててるんですよね、スイスは。
年金?
スイスは日本と同じように、少子高齢化で悩んでいて、そこで、じゃあ、その年金の財源に充てるということで、合法化して認めたんですけど、それは極端な例で、日本でこれを認めるっていうのは基本的には地方、それから国の、やっぱり税収アップということと、それからこれ、やっぱりアフターコンベンションっていうんですけどね、海外のビジネスマンに、日本に来てもらう、何か国際会議をやってもらうという場合に、やっぱり会議終わったあと、何もないでは来てくれないわけですよ会議終わったあと、どうやって楽しみがあるのかということで、これを今。
会議は、会議しに来てるんじゃないですか?
例えばシンガポールも、そのIRを作るまでは、大体、世界の中の国際会議の開く数っていうのは大体20位とか二十数位とか、大体20位から25位ぐらいの間だったんですね、これ作るまでは。
作ったあと、世界第1位になっちゃった。
え?
その地域によっては、ぜひ名乗りを上げたいという所もあるのも分からないではない。
鳥畑さんは?
確かにね、作った町には税収、落ちます。
それからカジノで興行も増えます。
でもアメリカで、カニバリーゼーションということば、あるんですけれども、共食いということばがあるんですよ。
つまり例えば日本国内だけでカジノが出来て、そこに日本人のお客さんだけが来ると。
例えば札幌の構想だと、北海道と東北6県で大体1500万人ぐらい人口がいて、そこで年間100万人ぐらいが来てくれるよと。
それから大阪の構想だと、60キロ圏内に1500万人がいて、年間90万人ぐらいは来てくれるよと。
そうすると、そこで落ちるお金っていうのは、結局、周りから吸い込んだお金になるので、周りで税収が減ってしまう。
例えばアメリカの事例でいうと、売り上げが落ちて消費税が落ちるから、州レベルではマイナスでしたよと。
だから結局、プラスマイナスゼロって、危険性。
だから、地域間格差をものすごく促進することになるんじゃないかなってものすごく思ってます。
今ツイッター見てますと賛成、反対、いろんな意見が来ていまして、実はアンケートを事前に取ってみたんですけど、アンケートではこんな結果が出てまして、日本のカジノ解禁、そうなんです。
賛成23%に対して反対は45%。
どちらともいえないが32%、この反対意見の方々は、ひょっとすると、こういうことをご心配なのではないかということを中山アナウンサーがプレゼンいたします。
カジノ、一獲千金も狙えるような所ですけれども、この裏では、こんなことが起きている。
あら?
カジノの中、問題となるのが、まずこれ、いきます。
マネーロンダリング。
これ、ロンダリングって、コインランドリーのランドリー、洗うっていう意味、お金を洗う、つまり資金洗浄。
例えば犯罪に手を染めた方々が不正に入手したお金。
これって、そのまま使った場合、足がつくという言いかたはあれですけども。
あの人どうして、あんな大金、扱えるのかしら、持ってるのかしらって。
不正がばれやすい、ばれてしまうかもしれない。
でもこのお金を海外に持っていき、チップに換える、カジノで。
そのカジノで換えたチップをまたそのカジノで現金にすると、このお金って、カジノで勝ったときに得られたお金と、見分けがつかなくなるんですね。
そういうことか。
するとどこで手に入れたお金かっていう経路が分かりにくくなり。
細かく説明すると勉強になって、そういうことやっちゃう人がいるかもしれない。
すみません。
これ、マネーロンダリングが、カジノでもとなるとですよ、こういった方々が街に、犯罪組織の、犯罪集団の方です。
つまりね、カジノが犯罪の温床になってしまうかもしれないということなんですね。
犯罪という点ではこれもあります。
増加。
強盗、窃盗など。
人のお金を奪ってまでも、自分がギャンブルしたいという方が、犯罪に手を染めてしまう。
怖い、怖い。
これね、お隣の韓国、先ほどお話ありました、自国民を受け入れているというカジノ、カンウォンランドという所があるんですけれども。
自国民を受け入れているカジノもあるんですね。
あるんですね、1か所。
そこの周辺で、まさに強盗、窃盗などが、施設が出来る前と出来たあとの1年後を比べたら、犯罪発生件数1.5倍になったっていうんです。
問題ってね、こういった問題がある。
で、犯罪集団のお話だけでもないんです。
先ほどいらっしゃいました、カジノを楽しんでいたお父さん。
この方、普通の方々も、問題が起きてしまうかもしれない、というのも、これです。
射幸心?
これ、幸せを射る心。
まりやさん、先ほど当たったときに楽しいっておっしゃってて、またしたいと思いました?
ちょっとやってみたいと思っちゃいました。
で、徹さんは負けてしまって、またやりたかった。
そしてまた賭けたい、また自分にいいことが起きるのを望むっていう心が、この射幸心。
この射幸心がですよ、どんどんどんどんエスカレートして強まっていくと、その先にはこれが。
ギャンブル依存症の問題です。
実際のこの韓国カンウォンランドの例でいきますと、これが増えたんです。
車?駐車場?
何?
違法駐車?
いやいや、違います。
違いますよ。
この車って、ぜーんぶ質入れされた車なんです。
えー!
じゃあ、帰れないじゃないですかね。
そうなんです。
来た車、質に入れちゃったら。
ギャンブルにずーっとのめり込んでいた人っていうのは、お金がなくなる、そしたら来るときに使った車も質に入れて、お金にして、またギャンブルをする。
で、どんどんのめり込んで、結果的にはお金がなくなる、車もなくなる、帰れなくなる、すると、ホームレスになってしまう。
カジノホームレスって、こんなに多いんですか?
カンウォンランドの周辺の町には、4000人、カジノホームレスが一時期いたっていうお話なんです。
でも、これって失うのは家、財産だけじゃないんですよ。
ギャンブル依存症って、考えてみると、お金がなくなって生活苦しくなって、そうすると精神的にも追い込まれて、自殺に追い込まれるっていうこともあります。
カンウォンランド周辺では、施設が出来てから、あと年間80人、ギャンブル依存症やカジノ問題で自殺する方がいるっていうお話もある。
カジノが出来たことで、こういった問題が起きてしまうかもしれない。
だって、勝ち続けるなんてことはできないですもんね。
ですよね。
夢が続くみたいなね。
日本でも、こんなことになってしまうのでしょうか。
一気にどーんと沈んでしまいましたね。
カンウォンランドの場合なんですけど、寂れた炭鉱の地域の再活性化という形で、カジノを、内国人が入れるカジノを合法化したわけです。
見切り発車で事前に対策をろくに取らずに、やりましたんで、こういうことが起きているということなんですね。
後付けで対策をしているのが今の現状でありまして、日本からの、…さんがおっしゃったとおり、反面教師として見ていくと。
ああなってはいけないという形なんですね。
でもこれ、対策なんてしたところで、どうにかなるものなんですか?
対策は具体的にあるんですか?
カジノのギャンブルは、通常のギャンブルとはかなり刺激性が違うんですよ。
シンガポールで市民に対する調査でやると、自分でコントロールできないと。
長い時間やっちゃう、長い金額、大きな金額賭けちゃう。
何回も何回も行ってしまうと、そういうふうに答えた市民の割合が、通常のギャンブルの4倍から5倍ぐらいなんですよ。
これは国際的には、物質的な依存症というか、立派な、薬物中毒と同じような病気であるというふうに認識されていまして、これって人の技量は必要ないじゃないですか。
要するに、ぐるーっとサイコロ回して、偶然性ですから、誰に対しても平等に女神はほほえみかけてくれるんですよ。
でもしっかり悪魔が最後はささやいて、負ける。
そういう運命が待ってるっていう。
なるほど。
あそこの雰囲気が、とても豪華な、優雅な所で、タキシードとか着てやってるから、自分はとってもおしゃれな、ハイソサエティーなことやってるという意識もまたやめられなくなるところもあるんですよね。
気分を乗らせるんですよね。
酔っちゃう。
だってリムジンとかで迎えに来たりとか、スイートルームとか泊められたりとかしたら、ねぇ?自分が叶姉妹かみたいな気分になっちゃいますよ。
韓国人の方、街角で聞いたんですけど、本当に時間、わかんなくなったって。
24時間ずーっと水だけだったっていう人もいましたね。
でもギャンブル依存症になっちゃった人を立ち直らせるっていうのは、本当に大変なことなんでしょうね。
もちろん対策は取られつつありまして、シンガポールのお話、なさいましたけど、いわゆるギャンブル依存症の患者のパーセンテージというのは増えてないです。
病気のですね。
問題はですね、カジノが出来たから、出来るとギャンブル依存症が怖いぞっていっても、今すでに、ある問題なんですよ、日本でも。
ありますよね。
もうすでに日本では、ギャンブルは、賭博は違法ですけど、すでにギャンブル依存症の方っていうのはいらっしゃって、それは問題になってるわけですね。
例えばこれ、厚生労働省が以前、行った調査では、これはサンプリング調査の結果ですけども、これだけ、5.6%もギャンブル依存の方がいる可能性があると。
これはね、欧米だと大体1%から2%程度なんですよ。
すごく多いんですよ。
じゃあなぜ、ギャンブルが認められてないのに、こういう問題になるのかというと、すでにあるわけですね。
例えばこういう、例えば競馬とか、競艇ですね。
こういうものはそれぞれ、いわゆる公営ギャンブルといいまして、自治体などが参画してやっていて、もう特別法が出来て、これは刑法の賭博に当たらないということが認められてるわけですね。
それからやっぱり一番多いのはパチンコなんです。
パチンコは、これは正式には法律上はギャンブルでは、賭博ではありません。
遊戯、風営法の対象で、あくまでも遊戯。
つまりゲームですね。
でもちゃんと景品交換所でお金に換える仕組みがありますよね。
直接じゃなく、間接的に、店の外に出て、そういうことがあるということで。
売るという形になるわけですよね。
ということで、ゲームということで今、やってるわけですね。
だけどやっぱりギャンブル依存の方の大半が、パチンコでもうやめられない、で、お金がなくなる、借金漬けになる。
問題、広げるつもりないですけども、例えば競馬というシステムや、始まるときも、こういう議論ってあったんですか?つまり、これをやるということに関して。
一番分かりやすい例なんですけれども、最後発のギャンブル、合法化されたもの、サッカーくじ、覚えてらっしゃいますでしょうか。
あのとき、その議論っていうのは確か、かなり出たはずです。
そのとき出た議論が、いや、子どもが小学校で…に入っちゃ困るとか。
そういう話がありまして、そういう問題は起こらなかったですね。
ただし。
すみません、ちょっと分からないんですけど、もともと日本では賭博、賭け事は全部、罪ですよね。
法律で決められてますし。
なんとか、何でしたっけ、これだ、刑法。
第180条賭博罪。
ですよね、この法律があるのに、どうして競馬や競艇やパチンコがあるかっていうと、認められているかっていうと、こういう、いろんな理由をつけて、認めてきたからですよね。
この公営ギャンブルっていうのは、自治体などが主体がそういうことなので、これは信用していいだろうということで、こういうことになってるんですね。
今回、このIRがもし認められたら、これまでとは一線を画すんです。
つまりこれは民間事業者ですから。
民間に初めて特別法でギャンブルを認めるということになってくるわけですね。
民間で初めてということですね。
民間で初めて。
日本で初めて、民間事業者に、ギャンブルを認めるということになって、これまでとは一線を画すわけですよ。
公営ならいいんですか?カジノ。
公営の場合は、巨大な建物を建てたりする場合には、基本的には税金で建てるわけですね。
それは税金で、それをやっていいのかどうか、リスクは税金で負っていいのかという問題が出てきます。
公営だと、そんな世界の人たちが来てもらえるような、本当にエンターテイメントから何から、もう粋を凝らした、そういうものっていうのは、公営ではなかなか難しいですよね。
じゃあ、今まで、ごめんなさい。
でも今まで公営だから、これとこれはOKということになってきたんですよね。
そうです、そうです。
このパチンコはギャンブルではないという建て前が通されてきたのは、これが公営じゃないから?
つまり民間だから、民間にはギャンブルって、そう簡単に認めるわけにはいかないよねっていう、みんなの前提とした人は考え方があるわけです。
ところが、IRが民間で認められると、じゃあこっちはどうするんですかって議論にも発展する可能性が出てくるわけです。
うやむやにしてきている間に、このギャンブル依存症の人たちに対する、対策っていうのは取られてきたんですか?
法律にギャンブル依存症ということばがないんですね。
例えば競馬ですと、速い馬、強い馬を作るためという名目で生まれたわけでありますけれども、公営ギャンブルも、依存症はないという立場。
それは法律の中に書いてないから、しょうがないわけです。
法律上はないけど、実際はあるという。
対策はどうするのかと。
対策は、IR推進法が通った場合には、その中に必ず入りますので、必ずそちらに波及するはずです。
やらなきゃいけない。
具体的にはどういうことですか?
シンガポールが十分こういう対策を取ったんですよ。
1日入場券100ドルを取るとか、それから、やめられなくなったら自己申告制度やるとか。
先ほど依存症の人が増えていないと。
あれは2011年の調査なんですよ。
普通はカジノが出来て3年ぐらいたたないと、表に出てこないからといわれているんです。
そうすると今、ものすごく表に出てきてるのは、この家族申告制度でうちのお父さんやめてくれないからといって、家族がストップをかけてるのは今、1700家族。
それから、自分で申告したのが1万4000くらいですかね。
今、全体で20万人ぐらいに増えていまして、2011年が大体5万人ですから、急速に増えてるんです。
鳥畑さんは、こういうシンガポール政府がやっているような依存症対策を、どんどん日本でもやるべきだとおっしゃってるんですか?
最低限、やるべきなんですが、シンガポールでこれがうまくいっているかというと、実はうまくいっていない。
これでも不十分?
自分でコントロールできない人が、どんどん薬で治るわけじゃないですもんね、依存症って。
でも治療ってあるんですよね?
アルコール中毒の治療、麻薬中毒の治療を思い出していただければいいんです。
ああいう施設はもちろんございます。
施設に入って、お互いに自分たちの経験を告白して。
それは保険、利くんですか?
まだなんですね。
なので、難しいのは、まだ依存症の研究と治療と対策が日本ではほとんど行われてないと。
もちろん心ある人たちはもちろん、遊戯協議会の中の人たちでもお金出してやってますけどね、法律がない以上、できないわけです。
なのでそのきっかけ、例えばよく使われるのはDVほう、ドメスティックバイオレンスに対する法律が出来たあとに、認知件数ってすごく上がったはずなんですね。
つまり今まではあったんですけども、認知されなかったということなんですけれども。
今回のIR法の中でも、これからさらにもう一つ、実施法というのを作る予定になっているんですけれども、今回の中でもシンガポールでやってるような、まず家族からの、このうちの父親、例えば夫は入れないでくださいねという届け出があった場合には、国内の人が入るときには、必ず身分証を求めますから。
例えば免許証とか、そういうものをね。
それで本人であることが分かれば、それはもうシャットアウトということをもう考えましょうと。
それから入場料も取るっていうようなことも、それも考えましょうと。
それから依存症対策ということも、IRがもし出来れば、その中から上がるそのお金を、そういうことに回っていったりとかということも考えましょうということは、一応、パッケージで今、検討中ではあるんです。
でも危険だな、聞けば聞くほど。
ただ思うんですけど、誤解を恐れずにいうと、過去をずっと振り返ってきて、文化文明というのは、例えば、車というものが本当に社会に必要かどうかということを、議論し尽くされてから作り出したんじゃなくて、やっぱり出来てからいろいろ現状が分かって、対応していく、ルールが出来る、交通法というのが出来ていくとかっていうこともあるので、これ、議論をずっとしたからといって、結論が出る問題なのかなって気はしてならないんですけどね。
今のところ、考えることは重要ですけれども。
ツイッターの8割ぐらい、反対のご意見ですね。
やっぱりね、なんで今突然にということが、消えないと思うんですよ。
ですからやっぱり、きちっとプラスとマイナス、もっと、もっともっとちゃんとこれ、議論しないといけないと思うんです。
まだ国会で1日しかやってないわけです。
その点で言いますとね、やっぱりメダルの表と裏があるわけですよ。
やっぱり経済的メリットだけじゃなくて、デメリットでどういうものが生じているかを正確に私たちは理解しなければいけない。
そうするとアメリカのある研究者が、大体、利益の4倍から6倍くらい。
お隣の韓国でも、2011年に出した調査では、韓国のギャンブル産業の売り上げが16兆円。
もう時間がなくなってきました。
2014/06/28(土) 08:15〜09:30
NHK総合1・神戸
週刊 ニュース深読み「あなたはどう考える? 観光立国で“カジノ解禁”」[字]

先週の国会で審議入りした“カジノを解禁”する法案。政府の成長戦略にも、観光立国を目的にカジノ解禁を検討することが盛り込まれた。そのメリット&デメリットとは?

詳細情報
番組内容
先週の国会で審議入りした、いわゆる“カジノを解禁”する法案。政府の成長戦略にも、観光立国を目的にカジノ解禁を検討することが盛り込まれた。カジノを中心とした観光施設を作れば、海外からの観光客が増え、大きな経済効果が見込めるという考えだ。一方で、ギャンブル依存症や治安の面などから反対の声も根強く、国も慎重に検討する方針だ。カジノ解禁となった場合の、メリット&デメリットは何なのか? 深読みする。
出演者
【ゲスト】渡辺徹,山田まりや,【解説】日本大学専任講師…佐々木一彰,静岡大学教授…鳥畑与一,【キャスター】小野文惠,高井正智,中山準之助,【解説】NHK解説委員…竹田忠,【キャスター】南利幸

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スポーツ – スポーツニュース

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