ディズニーによるF1買収が理にかなっている理由 1

F1のオーナーが今後数年で変わることはよく知られている。英国紙デイリー・テレグラフは最近、現在のF1の過半数株主である非公開投資会社CVCが、投資家の大半の反対がなければ来年7月末までにF1の35％の株式を売却すると報じた。これまでのところ、名乗り出た買い手はごく少数である。

買手として名前が挙がったのは、メディア総帥のジョン・マローンとF1のバーニー・エクレストンCEOであるが、エクレストンは買収計画を否定している。CVCがある段階で株式を売却しなければならないことを考えると、他の買手が登場することが予想され、アメリカのメディア大手のウォルト・ディズニーが買手候補に加わったとしても以外ではないだろう。実際、これは単なる思いつきではない。

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ディズニーとF1は思ったより以前からつながりがある。1995年、現在フォーミュラ・ワン・マネージメントと知られるFOCAは、ディズニーの完全子会社であるスペシャライズド・ライセンシング・サービシズ社と、商品ライセンスの独占的グローバル契約を結んだ。

F1の世界的な人気は、現在のレベルに達するほど高まっていなかったので、この契約は時代の先を行っていた。F1は現在世界で最も視聴率の高い年間スポーツ・シリーズであり、昨年は185の国と地域におけるテレビ視聴者数は4億5,000万人、総収入は16億ドル（1,641億円*）以上だった。対照的に、1995年のF1は130ヶ国で放送され、収入はわずか1億2,970万ドル（133億円*）だった。



F1とディズニーの契約は3年後に終了した。しかし、このふたつのブランドの提携はこれだけではなかった。1996年12月、デイモン・ヒルはF1チャンピオンシップで優勝したあと、おとぎ話をテーマにしたディズニーランド・パリでウィリアムズのデモ走行を行った。これを推進したのは、ウィリアムズのエンジン・サプライヤーであり、ディズニーランド・パリのパートナーでもあったルノーだった。このイベントは12年後に登場する壮大なイメージをもたらした。

その壮大なイメージとは、フランスGPが最後に開催された2008年のことだった。レース後、フランスの元首相フランソワ・フィヨンが、会場を中央フランスにあるマニクール・サーキットからディズニーランド・パリ周辺の公道に移したいと語ったのだ。だが、政府はコストの負担を拒否し、レースはそれ以降宙に浮いた状態にある。

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ディズニーとF1は、2006年、ミハエル・シューマッハやフェルナンド・アロンソが声で出演した映画「カーズ」のリリースで再びタッグを組んだ。この提携は偶然ではなかった。

カーズ [DVD]

カーズは、絶賛されたディズニー映画ではないが、莫大な商品販売をもたらしており、最も利益の多いフランチャイズのひとつである。製品は主にフロントガラスに大きな目のあるおもちゃの車で、男の子に大人気である。派手さスピードと技術を強調しているF1は、同じマーケットにアピールする要素をすべて持っているが、それを活用していない。F1にはコミックもアニメも公式おもちゃもない。F1が若い視聴者に関わる唯一の方法は、テレビゲームとテレビ放送そのものだけである。

-Source: Forbes

*日本時間2014年08月02日05:59 の為替レート： 1ドル＝102.610000円