三鷹ストーカー殺人裁判で判明
母親の性を巡る被告のトラウマ
「母親が隣室で父でない男とセックスするあえぎ声を聞きながら育った」
昨年10月、東京都三鷹市で女子高校生タレント(当時18)を殺害したとして殺人罪などに問われた池永チャールストーマス被告(22)。7月22日に始まった公判では、被告の「壮絶な」生い立ちが明らかにされた。
「弁護団の主張によれば、池永被告はフィリピンで出生し、2歳の時に来日。4歳の時にフィリピン人の母と日本人の父が離婚して以降、地獄のような日々が始まったという。『母はクラブのホステスとして働き、何人もの男と交際した』のだが、幼少時の被告は、母の交際相手から、ライターで“鼻の中”を燃やされたり、浴槽の水の中に顔を沈められたりといった過酷な虐待を受けていたというのです」(司法担当記者)
母が何日も家に帰ってこないことも日常茶飯事。お金も食べ物も尽きると、近所のコンビニエンスストアで消費期限の切れた弁当を無心していた。母も交際相手の暴力を受けるようになると、逃げるように転居を繰り返し、小中学校を通じて4回もの転校を強いられている。法廷では、「児童虐待」「ネグレクト」「DV」の三重苦に苛まれる被告の過去が印象づけられた。
一方で、検察側は、高卒だった池永被告が終始、「立命館大の法学部生」と偽って女子高校生と交際していたことや、別の女性とも二股交際していたことを明かした。そして、約1年間の交際を経て、女子高校生から別れ話を持ち出されると、執拗に「裸の画像を流出させる」と脅し始めたという。
「復縁がかなわないとみるや、被告はついに殺害計画を決意し、犯行に備えてジムに通って体を鍛えている。『前からいくか、後ろからいくか』『イスラムの過激派のように変装する』『雨の日が狙い目。いたって本気だ』など自己を鼓舞するかのような犯行メモの存在も示された」(同前)
「数々の悲惨な出来事が被告の心理的成長に悪影響を及ぼした」と情状酌量を狙う弁護側に対し、検察側は強固な殺意と異常な犯行状況を強調する。3人の裁判官と共に審理する裁判員は6人中5人が男性という構成。「リベンジポルノ」を世に知らしめた注目事件の判決は8月1日に言い渡される。
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