主演するSF映画『オブリビオン』(Oblivion)がヨーロッパで大ヒットスタートを切った米国の俳優トム・クルーズの次回作以降の動向が、早くもハリウッドメディアを賑わせている。そうしたなかでエンタテインメントニュースサイトのDeadline.comは、日本の神林長平のSF小説『戦闘妖精・雪風』を実写化する大作映画にトム・クルーズが出演する可能性を報じている。
Deadline.comによれば本作は、ワーナー・ブラザースが製作出資、配給をする大作になるという。ワーナー・ブラザースはすでに翻案権を獲得済で、映画プロデュース会社3 Artsのアーウィン・ストフとトム・ラサリーが製作に参加するとしている。

日本作品のハリウッド実写化企画は過去10年以上、いくつも浮上しては消えていっている。企画が明らかになっても、実際に映画化に至るケースはごくわずかだ。
しかし、今回注目されるのは、3 Artsは、すでに撮影も終わり2014年3月7日に世界公開が決定している『All You Need Is Kill』のプロデュースも手掛けていることだ。『All You Need Is Kill』は、日本の作家・桜坂洋の原作でハリウッド大作映画となった。

『戦闘妖精・雪風』でも、原作の翻訳出版を手がけたVIZMediaから『All You Need Is Kill』と同じくプロデューサー ジョンソン・ホフが参加するとしている。『All You Need Is Kill』も主演はトム・クルーズ、製作・配給はワーナー・ブラザースと同じ枠組みだけに、企画実現に期待がかかる。

『戦闘妖精・雪風』は、日本の本格SFの第一人者である神林長平が、1979年に最初のスト-リーを発表した。異次元から侵攻してくる謎の異星体ジャムと戦う人類を描く。ハードで硬質な文章は、同氏の代表作、そして日本SFの代表作として広く知られる。1985年、2000年と2度にわたりSF作品のための星雲賞を受賞している。
また、2002年から2005年にかけてOVAとしてアニメ化もされこちらも大ヒットとなった。コミカライズもされている。
海外では日本マンガ・アニメ企業のVIZ Mediaの日本SFの翻訳出版レーベル「ハイカソル(HAIKASORU)」から出版されている。この出版をきっかけに米国で知られるようになったのは、『All You Need Is Kill』と同様だ。

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