三鷹女子高生殺害、懲役22年の判決 両親は失望「リベンジポルノの本質を理解していない」
東京都三鷹市で2013年10月、元交際相手の高校3年生の女子生徒(当時18歳)を殺害したとして殺人罪などに問われた無職、池永チャールストーマス被告(22)の裁判員裁判で、東京地裁立川支部は8月1日、起訴された罪の有期懲役の上限となる懲役22年(求刑・無期懲役)を言い渡した。朝日新聞デジタルなどが報じた。
起訴状などによると、池永被告は昨年10月8日午前に女子生徒の自宅に侵入。クローゼット内に隠れ、午後5時ごろに帰宅した女子生徒を自宅敷地内や路上まで追い回し、持っていたナイフで刺殺したとされる。
先月22日の初公判で、池永被告は起訴内容について「相違ありません」と認めていた。
(朝日新聞デジタル『池永被告に懲役22年の判決 三鷹ストーカー刺殺事件』より 2014/08/01 16:12)
判決で、林正彦裁判長は「被告は被害者に対する思いを断てず、被害者がこれまで築いてきたすべてを壊してやろうなどと考えた。2か月以上前に殺害を決意して準備を重ね、1週間以上にわたって殺害の機会をうかがうなど計画的で残忍な犯行で、動機はあまりに身勝手だ」と指摘した。
池永被告は交際中に撮影した女子生徒のプライベートな写真を事件前後にネット上で流出させ、「リベンジポルノ」という嫌がらせが広く知られるきっかけとなった。裁判長は、写真をネット上に流出させた池永被告の行為を「極めて卑劣だ」と非難した。
池永被告が女子生徒の画像をインターネットで公開したことについて、「被害者の生命を奪うのみでは飽きたらず、名誉をも傷つけ、極めて卑劣だ」と厳しく非難した。「遺族らに謝罪の言葉すら述べていない」とも指摘した。
判決は、こうした事情を総合的に判断。「男女のトラブルによる被害者1人の殺人事件で、上限付近の重い量刑」が妥当だとした。ただ、画像の公開は「起訴されていても名誉毀損(きそん)罪にとどまる」と指摘。そのうえで「無期懲役刑の選択を基礎づけるものとまでは言い難い」とした。また、被告が若く、更生の可能性があることにも言及した。
(朝日新聞デジタル『池永被告に懲役22年判決 地裁支部「名誉も傷つけ悪質」 三鷹・女子高生刺殺』より 2014/08/2 05:00)
懲役15年が相当と主張した弁護側は「過酷な成育歴の考慮が不十分だ」として、控訴を検討すると明らかにした。また、極刑を求めた両親は「失望した。なぜこんなに軽いのか理解できない」として、検察側に控訴を求めるコメントを発表した。
【関連記事】両親はコメントで「判決はストーカーたちに誤ったメッセージを送ったことになる。この程度で済むならばやってしまおう、ということになりかねない」と指摘した。(中略)
両親は「(判決は)リベンジポルノの犯罪の本質、被害の大きさを全く理解していない」と厳しく批判した。
(日刊スポーツ『傍聴の両親「失望。全く理解できない」』 2014/08/02 09:50)
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