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2014年3月12日水曜日

眼瞼けいれん治療 ADMとは?|眼瞼下垂症

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金沢です。

ADM

Advanced Desensitization of Mechanoreceptors in Muller's muscle

直訳すると・・・
ミュラー筋の伸展受容器の感度を鈍化させる手技
眼瞼けいれんに対する治療です。



信州大学形成外科学教室を訪れました。
寒かった====けど空気は澄んでてとても美味しい。
外来棟が新しくなってコーヒーショップもあります。

松本市に来た目的はADMを学ぶため。
伴緑也先生の協力を得て、松尾清先生の手術を教えていただきました。
4年ぶりくらいの訪問でしたがやはり術式は変遷、進化するものですね。

マブタのための外来手術室ができたようです。動画で手術記録をとるシステムを構築中とのことで、手術をしながらガチャガチャとカメラとモニターのアームをいじくります。
松尾清先生やっぱりこういうの好きですね!
ほかにも手術者チェアーを開発中だとか・・・・



本日はけいれん手術2件。不眠、不安、頭痛を持つ患者さんたち。

眉毛上皮膚切除約5ミリ幅。眼輪筋外側部と皺眉筋の切除
ミュラー筋を瞼板から外します。これはミュラー筋の感度を下げるため。
そして腱膜固定

約1時間半の手術でした(わたしが一人でやると3時間くらいかかりそう・・・・)
マブタ専門医が3人でとりかかるので捗りますね。
まずはマブタがぱっちり開きました。もちろん挙筋腱膜の前転はしてません。
下眼瞼のけいれんもありそうだけど要注意経過観察をとのこと。




この手技のコンセプトを病態生理から見てみます・・・

眼瞼けいれんの患者さんはミュラー筋の感度が高まっています。
わずかな刺激(伸展刺激)で興奮し、眼輪筋や眼瞼挙筋を収縮させます。
このことがさらにミュラー筋(の中のカハール介在細胞たち)を伸展させ、興奮刺激となります。

一方、ミュラー筋は上眼瞼挙筋と瞼板との間に連続する組織です。そこでミュラー筋を瞼板からはずすことにより、ミュラー筋にかかる緊張を解いて感度を鈍くしようとする試みです。


本当に眼瞼けいれんの患者さんの苦悩を軽減したいです。
けいれんの症状が良くなることを心から期待します。


ちなみに
この治療の適応についての診断は
局所麻酔薬による点眼
おもり負荷テスト
で評価します。




深谷赤十字病院 形成外科
y-kanazawa@fukaya.jrc.or.jp




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