正直、賛否両論。でもそれがチャンスに

メタルの聖地・目黒の鹿鳴館で行われた「LEGEND〜コルセット祭り〜」の様子。観客たちは「ヘドバン養成コルセット」を付けている
[画像のクリックで拡大表示]

――さまざまな角度からメタルを取り入れていることがわかったが、メタル好きからはどんな反応が寄せられているのか。

KOBAMETAL:極端に「賛」と「否」しかない。自分が過去にガチメタラーだったのでわかるのだが、本気でメタルが好きな人にとっては、BABYMETALは腹立たしい存在なのだと思う。もともとBABYMETALはオーセンティックなメタルをやりたかったわけではなく、新しいメタルのスタイルの提案という一面もあるので仕方のないことであり、そういった層に届くにはとても時間がかかるとは想定している。

 他方で、メタル界隈でもキバオブアキバのように「新しいものを作りたい」と考えている人もおり、「面白いことをやっている」と感じて興味を持ってくれている方もいるようだ。

 ただし、賛否両論なのが悪いとは思っていない。メタルシーンでは、新しいものが出てくれば批判されながらさまざまなジャンルが生み出されてきた。一般的に知られるメタルバンドのメタリカでさえ、最初は批判を浴びていたこともあった。90年代にSlipknotが出てきたときも同じだ。そのため、批判される対象であればあるほど、実は可能性があるのではないかと思っているし、アイドルやメタルの枠に収まりきらない“ストレンジ感”は、常に大切にしている。

――「ド・キ・ド・キ☆モーニング」は2011年10月にYouTubeで公開されてから現在までで、再生回数が108万回を突破している。海外からのコメントも多いようだが、海外マーケットは最初から視野に入れていたのか。

KOBAMETAL:面白がってもらえるかなという予感はあったが、まさかここまで注目が集まるとは予想だにしていなかった。

 ビデオは低予算で制作したため、演奏しているのもすべてスタッフだ。そのため、この結果にはとても驚いている。とはいえ、コメント欄も賛否両論といったところだ。

――海外では、どんな地域からの声が多いのか。今後は、海外での活動も予定されているのか。

KOBAMETAL:メタル文化が盛んな北欧、アメリカを中心に、東南アジアやヨーロッパにも広がりを見せている。今年はアメリカのフェスからオファーがあったが、予定が合わずに出演できなかったため、今後は力を入れていきたい。

 メンバーたちも、海外の方々がYouTubeで自分たちを観て、応援したりメッセージをくれたりしていることに感激しており、国外のファンの前でもパフォーマンスをしたいと望んでいる。

 YouTubeでダンスカバー動画をアップロードしている人には海外の方も多い。Facebookページでも「いいね!」ボタンを押している人の8〜9割が海外の方で、国籍も多岐にわたる。おそらくBABYMETALはヴィジュアル系やアイドル、初音ミク、アニメのような「日本独自のエンターテインメント」として受け入れられているのだろう。

「I、D、Z〜LEGEND“I”」のアンコールでは「メタルの神々」が召喚され、初めての生バンド演奏が披露された(撮影/Taku Fujii)
[画像のクリックで拡大表示]