岡戸佑樹、増田勇介
2014年8月2日13時39分
2027年のリニア中央新幹線開業に向け、終点となる名古屋駅の改造が迫られている。JRや私鉄、名古屋市営地下鉄のホームを結ぶ通路が入り組む迷路のような造りで、このままリニアの駅ができれば乗り換えの不便さが増す。調整にあたる市は、駅の大地主であるJR東海に期待する。
名駅をJR東海道新幹線から近鉄線まで、実際に歩いてみた。1階の改札から案内の矢印に従い角を曲がって進むうち、周囲に近鉄線の文字が見えなくなった。案内を見落としたようだ。
とりあえず名鉄線の方へ2回、階段を下ると、ようやく近鉄線の文字が現れた。そこから1回、階段を上がると改札にたどり着いた。迷わず行けば3分ほどで着いただろうが、7分かかった。
JRの新幹線に在来線、私鉄、地下鉄――。名駅には東京・渋谷駅と並ぶ9路線が乗り入れ、1日の乗降客は100万人を超える。だが、乗り換えには不便さがつきまとう。各線の改札は離れ、ホームは地上や地下に分散。階段が多い上、利用者が歩く動線は構内を折れ曲がる。
利用者の評判は芳しくないようだ。12年度に市が行ったアンケート「名古屋駅に望まれること、充実すべきこと」(複数回答)では、上位に「バリアフリー設備」(34・0%)、「乗り換え経路のわかりやすさ」(33・8%)、「乗り換えの際の段差・高低差」(29・8%)が挙がった。
■市は調整急ぐが…
「誰も迷わない駅づくりを」「リニア開通で交通の動線がより複雑になる」。名古屋市がつくる、リニア開通に向けたまちづくり懇談会。12年11月~今年3月に経済団体や学者らが参加して開かれた会合では、そんな意見が相次いだ。
提言を受け、市は6月に「名古屋駅周辺まちづくり構想案」を示した。「誰にも使いやすい国際レベルのターミナル駅」を基本方針に明記。乗り換えのため人が歩く動線の直線化や、わかりやすい乗り換え空間の形成を掲げた。
10月にもJR東海のリニア着工を控え、市は名駅改造に道筋をつけようと急ぐ。多くの関係者と調整ができなければ、長年の懸念である乗り換えの悪さが一層ひどくなるためだ。
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朝日新聞社会部
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