韓国経済を牽引(けんいん)してきたサムスン電子の調子がおかしい。7月31日に発表した2014年4〜6月期の連結決算によると、本業のもうけを示す営業利益は7兆1900億ウォン(約7190億円)で前年同期比24・6%減少した。売上高は同8・9%減の52兆3500億ウォン(約5兆2350億円)だった。四半期の売上高が前年同期を下回ったのは、05年4〜6月期以来9年ぶり。最終利益は6兆1800億ウォン(約6180億円)と、アナリストの事前の予想に届かなかった。
8日に業績の暫定集計を発表していたサムスンだが、確定値をみても惨状はより鮮明となった。
利益の7割を稼いでいたスマートフォンを中心とするIT・移動通信の営業利益が前年同期比で約3割減となり、全体の業績を押し下げた。
サムスンの業績悪化の要因として見逃せないのが中国の存在だ。主力のスマホ「ギャラクシーS5」が米アップルの「iPhone(アイフォーン)5s」に販売台数で追い抜かれたが、中国最大の無線通信事業者チャイナ・モバイル(中国移動)がiPhoneの取り扱いを始めて販売を伸ばした影響が大きい。
また、低価格機種では“中国のアップル”と呼ばれる新興の小米(シャオミ)や、レノボ・グループが中国市場でシェアを伸ばし、サムスンを追い込んでいる。