転生?まあ、適当に生きるよ。 (バカまる)
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なのはって自分をわたしって言うんですね……。
今さら変更は面倒なので、この回からわたしにします。
そして、ヴィヴィオの言葉をすべて平仮名とカタカナにします。
あと、ちょっとタグにハーレム追加しますね?
今さら変更は面倒なので、この回からわたしにします。
そして、ヴィヴィオの言葉をすべて平仮名とカタカナにします。
あと、ちょっとタグにハーレム追加しますね?
娘と一緒の一日。
こんにちは、佐藤輪弥だ。
あの黒い物を一方的にボコした日から既に数日。
クロノには黒い物は危険性ありな為、殺害したと説明しておいた。
前回は頭に来ていたせいでつい殺ってしまった……、正確には死んでいないが。
その報告の時、クロノは余り良い顔はしなかったが……。
いくら謎生物で危険性ありでも、無闇な殺生は嫌だったのだろう。
報告はそれで終わったが、クロノから銀君の容態についても聞いた。
銀君は特に外傷はないが、精神的な要因でいまだに目を覚まさないらしい。
しかし、それは最近の疲れが一気に出てしまったからと説明された。
銀君に関しては特に心配は必要ないそうだ。
あんなに真剣な雰囲気で言われたから、色々ヤバイのかと思ってしまったが、無事なようで何よりだ。
まあ、そんな訳で特に何事もなく数日は過ぎた。
そして今日は……。
「パパ! きょうはずっといっしょ?」
「ああ、今日はお仕事休みだからな。 ヴィヴィオとずっと一緒だ。」
「わーい!」
ここまでの喜んでくれると中々嬉しいな。
「ママたちは?」
「うん? あぁ、皆はお仕事だよ。」
一瞬ママ達って誰だと思ったが、ここ最近の事を思い出した。
なのは達の作戦は見事に成功し、ヴィヴィオは皆の事をママと呼び出した。
その時、フェイトも何でも屋に来ていた為一緒になってヴィヴィオを洗脳していた。
俺が出来心で「何故ママと呼ばせたいんだ?」と聞いたら、「輪弥さんがパパ=ママは奥さん。」と言われた。
はぁ~、下手に女性に関わるものではないな……。
「わかった……。」
「そんなに落ち込むな。 俺が今日は一杯遊んでやるから。」
「うん。 パパ、だっこ!」
俺が俯いてしまったヴィヴィオの頭を撫でてやると、途端笑顔になって抱っこを要求してくる。
「はい、はいっと。」
ヴィヴィオを抱え上げると、俺は事務所の奥の部屋に向かって行った。
「ヴィヴィオ、何がしたいのかな?」
俺は正直、子供が何をして遊びたいのかがよく分からない。
この間はヴィヴィオを擬似空間に連れて行って遊んだが、何度も繰り返しては飽きるだろう。
だから今回はヴィヴィオの好きな事をさせようと思ったわけだ。
「おえかき!」
「そうか、それじゃあパパも何か描こうかな。」
俺は【人類のおもちゃ箱】から画用紙を取り出して、クレヨンを『プログラム』で作り出す。
「はい、好きな物を描いてみな。」
「ありがと!」
ヴィヴィオはクレヨンを受け取ると早速何かを書き始めた。
俺はクレヨン片手に物思いに更ける。
そういえば、こうやって絵を描くなんて久しぶりだな。
中学から絵を描く事は全然してない。
いざこうなると何も浮かばないな……。
そうやって考え事で時間が過ぎて行くと、ヴィヴィオが俺の服をクイクイッ と引っ張った。
「うん? どうした?」
「できた!」
「うんうん、よく描けてるな。」
俺はヴィヴィオの見せてくれている絵を見てニコニコ笑う。
しかし、ヴィヴィオは眉を寄せて無言で見詰めて来た。
「……。」
「……。」
「……。」
「……ふぇ……。」
「わかった! 何を描いてるか言えば良いんだな!?」
「……ん……。」
ヤバイぞ……、ああ言ったが正直何を描いているのか分からない……!
俺はこっそり【オーディンの瞳】を組み立てて答えを探そうとする。
「め……だめ……。」
「……はい……。」
退路が絶たれた!?
俺は冷や汗を流しながらヴィヴィオの絵をなんとか解析していく。
まず、白い輪郭に二本の黄色い角がある。
そこに一つの赤い目玉があって、ピンク色の舌がデロンと垂れていた。
そしてピンクの舌が石のような物を舐めている。
ここから導き出される答えは!?
「そうか分かったぞ! ヴィヴィオ、それは山羊だな!」
「……ふぇ……ちがう……。」
な!? 違うだと!?
俺はには……分からないのかっ……!
この時、俺は前にふとテレビで見たことを思い出した。
それをきっかけに俺の脳がフル回転を始める。
思考が加速し、全ての動きが遅く感じる。
その中で俺はどんどんと謎を解き始めた。
最初から考えて見よう。
俺の認識がヴィヴィオと違っている、これがヒントだ。
もし、あの黄色い角が角ではないとしたら……?
赤い目玉が瞳でないとしたら……?
あれが舌ではないとしたら……?
……そうか分かったぞ!
「……ヴィヴィオ、それはなのはか……?」
「うん!」
「……そうか。」
あの黄色い角と赤い目玉はレイジングハートだろう。
そして、白い輪郭はなのは。
ピンクの舌は砲撃だろうな……。
そして石は街だ……。
「まおー?」
「……誰に聞いた?」
「テレビ!」
なのは……お前は俺が居ない間になんて異名を……。
まあ、紛争地帯をレイジングハート片手で納めたらそんな異名も付くのか?
「にてる?」
「……ああ、街を破壊してる所なんてそっくりだ……。」
「えへへ。」
許せなのは、俺にはこの笑顔を歪ませる事は出来ない……。
ヴィヴィオの機嫌が良くなると次の絵を描き始めた。
どうかこれ以上、知り合いを描きませんように……。
そんな願いも虚しくヴィヴィオが次の絵を俺に見せてくれた。
「パパ、ちじょ!」
「こら、そんな言葉を使っちゃ駄目だ。 ……それは、フェイトだな……。」
痴女で分かったよ……。
お前は普段どんなテレビを見てるんだ……。
「にてる?」
「……ああ、面積が少ない所なんてそっくりだよ……。」
そう言えば、フェイトはいまだにあの格好をするのだろうか?
フェイトだっていい年だ、スタイルも良くなっている。
今あの格好をされると流石に刺激が強い……。
「……何を考えてるんだ俺は!?」
「パパ、ちじょみる?」
「見ません!」
こんな調子で大丈夫か?
俺には……無理だ……。
「やっと、眠ったか。」
あれから俺は、ヴィヴィオになのはとフェイトの前でそんな事を言っては駄目だと念を押した。
ヴィヴィオはまだ意味を良く理解していなかったので、直すのに苦労した。
それからは動物の絵を描いたりして、意識をまおーとちじょから遠ざけた。
そうしている内にヴィヴィオがうとうとし出したので、布団に寝せた。
そして現在に至る。
「ヴィヴィオが起きる頃になのは達を迎えに行けばいいな。」
今頃なのはとシュテルは訓練をつけている頃だろう。
俺はヴィヴィオの頭を撫でていると、ふと長い髪が目に映った。
「……確か、なのはのリボンがあったよな?」
なのはが昔着けていたリボンが机に仕舞われているのを思い出した俺は、記憶を頼りに『プログラム』で構成していく。
そうやって複数のリボンを作って暇な時間を潰した。
「……うぅん……。 ……パパ?」
「ん? ああ、起きたか。 そろそろママ達を迎えに行こうか?」
「……うん。」
「それじゃあ、少し髪を整えようか?」
俺は目を擦っているヴィヴィオを抱き上げると、近くのソファーに座らせた。
「昔なのは、ママは髪をツインテールもどきにしてたんだよ。 ヴィヴィオも折角髪が長いから、少し変えてみるか。」
「ん……。」
ヴィヴィオはまだ眠いのか、ぼーっとしているがそれでも頷いた。
俺は作ったリボンを手に取ると、ヴィヴィオの髪を小さく纏めてリボンで縛る。
リボンは複数用意したが、俺の気分的に今日は黒で纏めた。
そうして髪型を整えると、【人類のおもちゃ箱】から鏡を取り出してヴィヴィオに渡す。
「どうだ?」
「……うわぁ。 パパありがと!」
ヴィヴィオは眠気も取れたようでニコニコしながら返事とお礼をしてきた。
こうやって喜ばれると嬉しいものだな。
その時、ヴィヴィオのお腹が小さな音を立てた。
「ははは、お腹が空いたか? 迎えに行くついでに六課でご飯も食べようか。」
「うん。」
しかし、ヴィヴィオのお腹はグゥ~と反論をしてくる。
俺は苦笑いするとあめ玉を一つの取り出してヴィヴィオに言った。
「あ~、今これで我慢してくれ。 下手に何か食べるとお腹が一杯になるからな。」
「わかった。」
ヴィヴィオは口を「あ~ん。」と言いながら開ける。
どうやら食べさせろということらしい。
俺はヴィヴィオの口の中にあめ玉を放り込もうとしたが、痺れが切れたのかヴィヴィオが食らいついて来た。
「んちゅ、ふぁふぁのゆひしょっふぁい。」
「ちょっ! くすぐったい! ははは!」
「くちゅ、ちゅぱ。」
止めろ! なんか犯罪ちっくな臭いがするから!?
俺がヴィヴィオの口からチュポンッという音と共に指を引き抜くと、ヨダレが糸を引いた……。
うわぁ、糸引いてるよ……。
俺は空気中の水分を集めて水を作ると、指先を球体に入れてスクリューさせる。
数秒で綺麗になると水は消滅させて消した。
誰だ? ご褒美だって言ったのは?
変な電波を受信してしまったが、俺は気にせずにあめ玉をコロコロさせているヴィヴィオを連れて六課に向かった。
「という訳で、六課に着きましたっと。」
「ついた~!」
俺達は六課の受付になのは達の居場所を聞くと、「まだ訓練している。」と言われたので、手を繋いで訓練所に向かった。
まあ、そろそろ終わってる頃だろうし丁度良い時間かもな。
二人で歩いていると、前方に二人の人影を見つける。
「あれ? 輪弥君じゃない。」
「ん? え~と……、確かアースラに居た。」
「はい、マリエルです。」
「お二人は知り合い何ですか?」
俺達の挨拶を聞いていたもう一人の人物が声を掛けてくる。
「……誰?」
「酷っ! シャーリーですよ! デバイスマスターの!」
ああ、ツヴァイが調整してもらってる。
「すまん、家の相棒がお世話になってるみたいだな。 ……ん? どうしたヴィヴィオ?」
「ママいたよ?」
俺がヴィヴィオに問い掛けると、ヴィヴィオは少し遠くを指差して言った。
そこにはフォワード陣となのはとシュテルにフェイトとヴィータとシグナムが居た。
「先に行ってきな。 俺は少し話をするから。」
「うん! パパもはやくきてね?」
俺は「ああ、分かったよ。」と返事をするとヴィヴィオを送り出す。
「……パパ?」
マリエルさんが疑問の声をあげるとシャーリーがニヤリと笑って口を開いた。
「輪弥さんがパパで、なのはさんとフェイトさん、シュテルさんがママですよ?」
「えっ? 輪弥君、貴方まさか……!?」
そう言って俺を見てくるマリエルさんの目は非常に失礼な視線を送っていた。
具体的には、女の敵という視線を……。
「ちゃんと説明してくれ! それとマリエルさん、俺をどこぞのイトー君を見るような目で見ないでくれ!?」
「イトー君って誰?」
「マリエルさん。 イトー君とは、プレイヤーの意思に逆らって行動する女たらしの主人公の事です。 彼は様々な……。」
「言い出した俺が悪いけど、説明しないで!?」
クソッ! 何とか誤解を解かなかいと!
しかし、そこで俺の第六感が叫んだ。
「あ、ヴィヴィオちゃんが!」
その言葉が終わる前に俺は既に動いていた。
思考はクールに、常に最適な行動を開始する。
思考が加速され、視界は全てスローで捕らえる事ができる。
俺の目に映ったヴィヴィオは空中に身を投げ出し、今まさに地面に激突しようとしていた。
すぐに『プログラム』を組み上げる。
「【星の墜落】&【パラメーターコントローラー】」
地面に激突する直前だったヴィヴィオは突然の地面に出来たクレーターによってタイムラグが出来る。
俺は強化した知覚能力で更に思考を加速させる。
「【静止する世界】」
全ての動きは無くなり、俺は高速で動き始める。
俺はヴィヴィオの元に駆け寄ると『プログラム』を解除して抱き抱える。
急停止した事で地面は更に爆発したような砂煙を上げて視界を遮る。
「大丈夫かヴィヴィオ!?」
段々と砂煙は晴れていき視界が回復していく。
勿論ヴィヴィオが砂煙を吸わないように空間を歪めて保護してある。
「ふぅ、怪我はないな。」
「「「「「大げさ過ぎる!?」」」」」
なっ!? ヴィヴィオが怪我をしたらどうするんだ!
確かに少し甘い気はするが、この程度誰でもするだろう。
「……輪弥、流石に私でもここまではしないよ?」
「輪弥さん……、やり過ぎ。」
「まあ、輪弥らしいと言えばそこまでですが……。 最近キャラが掴めなくなって来ました。」
おい、失礼だな三人娘。
「輪弥、それよりどうしたのですか? 態々訓練所まで来て。」
「ん? ああ、シュテル達を迎えにヴィヴィオと来たんだよ。 あ、そうだ。 マリエルさんを説得してくれ。 まるでイトー君……、このネタはもう止めよう。」
俺はシュテルに説得を頼むが、既にマリエルさん達は消えてしまっていた。
仕方なく訓練所を後にしようとした時、シグナムから提案が出た。
「輪弥、折角だ。 お前も訓練をしてみてはどうだ? 相手にならなるぞ?」
「シグナムは戦いたいだけたろ? まあ、輪弥と戦うの初めてだし、あたしも興味はあるな。」
おいおい、この戦闘狂どもめ。
俺も結局戦いばかりだから人の事は言えないが、シグナムは模擬戦で終わりそうにないな……。
「悪いが今回は断らせて……。」
「パパかって。」
「全力で掛かって来い。 全力で潰してやるよ。」
「輪弥さん意志が弱すぎるよ!?」
仕方ないだろなのは? 俺はどうやら親バカらしい。
娘に格好いい所を見せたいのは当然だろ?
「ほお、実にやる気だな。 面白い、私もレヴァンティンも遅れは取らない!」
「落ち着けシグナム。 先ずはルールを決めよう。 このままだと始末書を書く羽目になる。」
そうだな、もしこのまま戦っていたらきっとどちらかが気絶するまで続いていた事だろう。
「では、私は輪弥のチームに……。」
「じゃあ、わたしも輪弥さんのチームに……。」
「え、じゃあ私も……。」
「待てお前ら! それじゃあ模擬戦所かリンチだろうが! チームはそうだな……。」
ヴィータが公平なチーム分けをしようとするが、ここで俺の親バカが発動する。
「待て、それじゃあヴィヴィオに良い所が見せれない。 よって、ヴィータとシグナムの二人対俺で良い。」
しかし、このチームは少々癪に障ったようで、ヴィータが口を開いた。
「へぇ、数年失踪してた奴がなかなか思い切った事を言いやがるじゃないか。 シグナムはどう思う?」
「私も少し気に障ったな。 良いだろ、吠え面をかかせてやる。」
俺も負けずに返答をする。
「掛かって来い。 俺だって遊んでた訳じゃないんだ。 なんだったら、ハンデをくれてやっても良いぜ?」
「言ってろ! グラーフアイゼンの頑固な汚れにしてやる!」
俺達は他の面々を置いてきぼりにしてその場から少し離れた場所に移る。
さて、無駄話もここまでだ。
邪魔な思考は消え去り、目の前に居る二人を敵として認識する。
俺の雰囲気が変わった事を察知したのか、二人も戦闘体制をとる。
俺は魔力刃を右手に作り出し、足を肩幅に開いて楽な姿勢で構えもなく立ち尽くす。
無の型、所謂どんな行動にも瞬時に移行できるゼロの体制。
迎え撃つ事も自分から攻める事も自由に選択出来る。
今回は、攻め込む。
「輪弥さんって強いのかしら?」
「う~ん、私たちも戦ってる所は見た事ないんだよね。 でも、なのはさんが信頼してる位だからきっと強いんだよ!」
「スバルは本当になのはさんが好きなのね。」
「えへへ。」
今気づいたが、スバルそっくりな長髪の美人さんが居るな。
殺気!? ……ゴホンッ 余計な思考は削除しないと。
「おい、後悔しても知らねぇからな。」
「手加減はしないぞ。」
「良いぜ? 俺も持てる手を使って勝って見せるよ。」
俺達が互いに一言二言言葉を交わすと、フェイトが近づいてきて合図を出そうとする。
「それじゃあ、お互い準備は良いね?」
「ああ。」
「構わない。」
「俺も良いぞ。」
フェイトが頷くと手を上に挙げる。
「……始め!」
手が降り下ろされると同時に俺は駆け出す。
「消えた!?」
エリオが驚きの声を上げて辺りを見回す。
俺がゼロからMAXにいきなり加速する歩行技術で移動したため、消えたと錯覚したのだろう。
しかし、流石は経験豊富な騎士達だ。
俺が移動した真横に目を向けると、ヴィータは飛び上がりシグナムは切り掛かる。
「はぁ!」
「よっと。」
切り下ろしの攻撃を魔力刃で受け流してバックステップで距離を取る。
ここで頭上から魔力反応。
「食らえぇ!」
ヴィータの手から放たれた三つの鉄球が俺に襲い掛かる。
弾道をしっかりと見極め、曲がる方向を予想しシグナムに接近する。
右に一歩踏み出し、魔力刃を前方に投げて今度は首を傾げる。
そうすると鉄球の一つは左の地面に直撃し、また一つは俺の頭のあった場所を通り過ぎる。
そして最後には魔力刃が前方から来ていた鉄球と接触して爆発する。
俺は爆発した煙の中を気配を頼りに走りシグナムに接近する。
だが、すぐに煙は晴れてシグナムは俺を迎え撃つ構えを取っていた。
「行くぞ!」
「来い輪弥っ!」
俺はスライディングのように接近すると、そのまま跳ねるようにサマーソルトを繰り出す。
シグナムは一歩後ろに下がるだけで回避すると、隙だらけの俺に一太刀食らわそうとする。
「もらった!」
「甘い。」
俺は魔力刃を形成して地面に突き刺すと、腕の力で直立して落下を防ぐ。
既に振り切っていたシグナムは剣を戻す事が出来ずにそのまま振り切り魔力刃を破壊する。
「がら空き。」
俺は魔力刃が破壊される前にそのまま跳躍するとシグナムの後ろから攻撃を加えようとした。
「お前もがら空きだ!」
しかし、ヴィータからのフォローでシグナムに攻撃する事は出来なかった。
俺はシグナムに右手で少し触れるとすぐにその場から避難する。
バックステップをするとヴィータはさっきまで俺が居た場所をハンマーで叩きつける。
そこで、後ろに飛び退くと俺は足が引っ掛かってバランスを崩す。
「終わりだ輪弥!」
その隙をシグナムが見逃す筈はなく、すぐに俺は飛行能力で体制を立て直す。
「フェイント……考えなきゃ駄目だせ?」
「な!?」
体制を崩したのは態とで、俺はすぐに行動を移していた。
俺はシグナムの切り下ろしの攻撃を、飛行能力で後ろに倒れ込みながら靴の裏に仕込んだ特殊プレートで受け流す。
ギャャャャャャッ! と金属の擦れる音を出しながら、俺は左手で逆立ちをする。
受け流したシグナムの剣は俺の背中を通り過ぎて地面に振り落とされる。
俺は左手に少量の雑草を握り込んでシグナムの後ろに飛び上がる。
「させるか!」
しかし流石はヴィータ。
シグナムの隙をフォローし俺を押さえ込む。
「まあ、今回は新世界の神の如く……思い通り。 【無風空間】」
その瞬間、俺を中心に半径三十mが黒いオーラで包み込まれ、一瞬で砕けた。
この能力は空間内の魔法を読み取り、ウイルスを侵入させる事で構成から破壊する。
発動している魔法のみに限るが、今この瞬間は飛行魔法、身体強化魔法すら破壊される。
「うわ!?」
ヴィータは勿論空中に居た為、突然飛行魔法が消えた事でバランスを崩した。
「もらい。」
「やらせん!」
しかし、ここはシグナムがフォローを入れる。
身体強化がなくても、長年鍛えた自身の力で俺を攻撃してくる。
「いいや、違うね。 【シャッフル】」
俺は左手に握り込んでいた雑草をヴィータに投げつけて『プログラム』を起動。
この能力は右手で触れた物と、左手で触れた物の位置をすり替える能力だ。
そして、更に能力を発動。
「【厄災】、その攻撃はキャンセル出来ない不幸に襲われる。 そして、【バックワーニング】」
災厄を司る能力でシグナムは攻撃と取り止める事が出来ずにヴィータを切りつけてしまう。
「ガアッ!」
「ヴィータ退場のお知らせ。 【バックページ】」
【バックワーニング】で後ろに回り込んだ俺は右手に黒い球体を作り出して、シグナムの攻撃で体制を立て直せないヴィータに叩き込んだ。
「アグッ! なんだ!?」
【バックページ】は、その人物の最低期を検索して存在ごとその時に巻き戻す。
直接叩き込まなければいけないが、ヒットすればかなりの弱体化が望める。
「終わり! 【ブラスター】」
そうして俺はヴィータに零距離で砲撃を叩き込んだ。
弱体化したヴィータの能力で防げる筈もなく、ヴィータは意識を失う。
「まだ終わりではないぞ輪弥! 紫電一閃!」
「チッ!」
しかし、着地した俺の隙をシグナムが的確に突いてきた。
既に身体強化もかけ直していて、かなりの威力を持っている。
俺は左手を盾にして後ろに飛び退き威力を下げるが、正直かなり痛い。
「これで五分五分だな。」
「いいや、そうでもないぜ?」
俺は口を吊り上げニヤリと笑う。
シグナムが訝しげな顔をするが、俺の回復力を忘れていないだろうか?
「【フィグメント】戦闘開始時の俺の情報コピーしてペースト。 この傷、そして疲労は無かった事になる。」
「……えっ?」
「さあ、続きと行こうか!」
「ま、まて輪弥!」
「いいや、もう限界だね! 【劣化アルカンシェル】&【リピート】【リピート】【リピート】【リピート】【リピート】【リピート】【リピート】【リピート】【リピート】!」
「グワァ!」
シグナムに威力をかなり落とした【劣化アルカンシェル】を何度もお見舞いする。
「俺のターン! 【リピート】! 俺のターン!【リピート】! 【リピート】【リピート】【リピート】【リピート】【リピート】!」
「もう止めて輪弥さん! シグナムさんのライフはゼロだよ!」
なのはが俺を後ろから押さえ込み、これ以上の攻撃を止めさせる。
「HA・NA・SE!」
「いい加減してください輪弥。 このままではヴィヴィオに嫌われてしまいますよ?」
「さあ、そろそろ飯でも食いに行くか?」
「輪弥さん切り替え早すぎるよ!?」
シュテルの言葉を聞くと俺の体は本能的に動き出していた。
ヴィヴィオに嫌われる?
だったら大人しくなるに決まってるだろう。
って、俺はいつからこんなに親バカになったんだ?
まあ、気づかない内にヴィヴィオを娘と思っている俺がいたのだろう。
戦闘を始めて少し時間が経ったから、ヴィヴィオの腹もそろそろ限界だろう。
俺は【フィグメント】で戦闘の余波とシグナム、ヴィータのダメージを上書きして消した。
その頃……。
「ねえスバル。」
「なにギン姉?」
「輪弥さんって、怖いのね……。」
「そこまでじゃないよ? いつも優しいし、たまに食べ物くれるよ?」
「……そう。」
姉は餌付けされた妹を心配していた。
「へぇ、オムライスか。 じゃあ俺はそれにしようかな。 ヴィヴィオは?」
「パパといっしょ!」
あれから俺達は六課の食堂に着くと、早速食事を開始する事にした。
「輪弥もオムライスなんて食べるんだね? じゃあ、私もオムライスにしようかな。」
「フェイトちゃんがそうするならわたしも。」
「私もそれでお願いします。」
「じゃあ、皆オムライスで良いな?」
俺は全員の注文をおばちゃんに伝えると、『プログラム』で浮かせて席に運ぶ。
そして、早速一口。
「うん、旨い。」
「おいし~!」
俺は隣でニコニコしながら食べているヴィヴィオ見て自然と口元が緩む。
「輪弥兄ちゃんもすっかりパパさんやなぁ。」
「いや、昔のツヴァイを思い出して。」
「むぅ~! ツヴァイは最初から割りと大人でした~!」
そんな事を言っているが、一人でろくに風呂も入れなかった頃は俺にずっとくっついていた。
寝る時すらベッタリだったからな。
「そ、それは……、うぅ~!」
「そう言えば、アインスもそんな感じやったな。」
「あ、主はやて!?」
「ああ、そう言えばそうですね。 体はともかく、ろくな生活をしていなかったせいで何も出来ていませんでした。」
「シグナムまで……。」
はやての弄りの対象がアインスに移ると、ツヴァイが溜め息をついて安息する。
「輪弥のせいで酷い目に遭いました……。」
「ツヴァイは輪弥が居ない間も子供でしたよ。 最近まともになりました。」
「シュテルちゃんのバカ~!」
「ははは! なかなか楽しそうな毎日を送ってたみたいだな。」
俺のこの発言で、場の空気が一気に落ちる。
「……輪弥さんが居ない毎日は、辛かったよ……。」
「……ああ~、なんかすまん……。」
「良いよ、帰って来てくれたし。」
なのはが笑って許してくれると、空気が元に戻る。
……この話題は禁句だな……。
それからは特に変な事もなく終了すると思われたが、なのはがヴィヴィオの皿を確認した事で話が変わる。
「あ、ヴィヴィオ。 好き嫌いしちゃ駄目だよ?」
「にがいのきら~い…。」
「ヴィヴィオはピーマンが嫌いなのか?」
「うん……、パパたべて?」
しかし、ここでなのはは俺に目を向ける。
「食べたら駄目だよ?」と目で訴えかけられる。
そして、本当の禁句がヴィヴィオの口から漏れでた。
「まお~こわい……。」
「……んん?」
「「ひっ!?」」
俺とヴィヴィオはお互い抱き合い体の震えを押される。
「……輪弥さんが……教えたの?」
「て、テレビだそう……です!」
「そっか……どこのテレビ局かな?」
「わかんない……。」
「ヴィヴィオ? もう言っちゃ駄目だよ?」
「……うん……。」
これで何とか助かったと思ったが、好き嫌いは別なようだ。
「……うぅ……ふぇ……。」
「はぁ~……。」
俺は『プログラム』を起動してピーマンをヴィヴィオから取る。
「あ! 輪弥さん!」
「大丈夫だよ。 ほら、ヴィヴィオあーん。」
俺はピーマンの苦味を味覚から押さえる『プログラム』をヴィヴィオに掛けた。
まず、全く苦味のない味から馴染ませて最後に元の味覚に戻していく。
人間の体は不思議なもので、慣れというものは殆どに適応できる。
素質のある人間は苦痛にさえ慣れる事が出来るからな。
そうする事で最後にはピーマンの苦味に慣れさせるのだ。
「……やぁ……。」
「苦くないぞ? ちょっとで良いから、パクっと……な?」
「……ちょっと?」
「ああ。」
ヴィヴィオは恐る恐る口を開けて食べると、ニッコリ笑って言った。
「にがくない。」
「だろ? 後は食べられるよな?」
「うん!」
ヴィヴィオはピーマンを食べる事に躊躇をなくして食べ始めた。
後は『プログラム』が自動でやってくれる。
名付けるなら【好嫌矯正】かな?
安直だけど……。
「輪弥さん何したの?」
「少し苦味をなくしただけだよ。 少しズルいが、使える物は使っておかないとな?」
なのはは呆れた目を向けて来たが、それでも笑うと俺に言ってきた。
「もうすっかりパパだね?」
「お前もすっかりママだよ。」
「今日は楽しかったかヴィヴィオ?」
「パパかっこよかった!」
「ありがとな。」
あれから暫く時間が経って、俺達は帰宅していた。
もう既に寝る時間になっておりヴィヴィオは俺のベッドに入り込んでいる。
「……うぅん……。」
「はいはい、お休みだ。」
「……うん……パパおやすみ……。」
しっかりと抱きついて目を閉じると、ヴィヴィオはすぐに寝てしまった。
「……パパ……。」
俺はヴィヴィオを抱き寄せると目を閉じる。
「お休み、ヴィヴィオ。」
はい、終わりました。
今回は『プログラム』提供者の「nozominさん」「完全読者さん」「『 』さん」「鍛冶さん」ありがとうございました。
早速使用させてもらいましたよ。
ではでは、読んでくれた方
感謝の極み。
今回は『プログラム』提供者の「nozominさん」「完全読者さん」「『 』さん」「鍛冶さん」ありがとうございました。
早速使用させてもらいましたよ。
ではでは、読んでくれた方
感謝の極み。