転生?まあ、適当に生きるよ。 (バカまる)
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全く眠ってなかったせいで何を書いていたか忘れてました。
確認したら「何で作者ローゼン出したんだよ……。」ってなったので修正します。



俺は初めて遭遇した。

ふぁ……、ん? ああ、佐藤輪弥だ。

今目が覚めたところだよ。

で? ここはどこだ?

見てる限りでは病室である。

まあ、どこであったとしても、このままボーとしていても仕方ない。

俺は腕に取り付けられていた点滴を取ると、ベッドから起き上がった。


「病院服か……、着替えよう。 それから人でも探すか。」


俺は【人類のおもちゃ箱】から服を取り出し、服を着替えると病室を後にする事にした。


「さて、どこに行ったものか……。」


そこで、俺が扉を開けて外に出ると同時に、小さな衝撃と声がした。


「きゃっ!」


「おっと。」


俺はすぐに倒れかけた人物を抱き寄せると声をかけた。


「大丈夫か? それと、余り走るとさっきみたいな事になるぞ?」


「あぅ……あ……?」


そんな呻くような声が聞こえ、その人物が顔を上げるとすぐに誰か分かった。


「あぁ、君か。 どうしたんだ? 誰かとはぐれたか?」


俺はその人物、金髪の少女にそう問い掛ける。

その少女は目を開けると俺の顔をじっと見てきた。

少女の瞳は赤と緑のオッドアイで、銀君のような綺麗な瞳であった。

少女は俺に抱き抱えられている状態で無言を貫く。

また、俺もそうやって暫く見詰めあっていた。

沈黙が暫く続くが、そこで少女が口を開いた。


「人形博士?」


その言葉を聞いた時、俺はどんな顔をしていただろうか?

恐怖? 違う。

なぜばれたとの困惑? 違う。

愛しい彼女と出会った時のような喜び? 少し違う。

そう、俺は同士に出会った時のような興奮を感じていた。


「……人形は?」


「至高!」


「君は同士だ。 俺の名前は佐藤輪弥。」


「ヴィヴィオ!」


彼女、ヴィヴィオは俺に抱き付きニコニコとした笑顔でそう答えた。


「そうか、ヴィヴィオだな。 しかし、ヴィヴィオ? 何で人形じゃなくぬいぐるみを抱えている?」


「これしかなかった……。」


ヴィヴィオはしょんぼりとし、俺の胸に顔を落とした。


「分かった。 こっちにしときなさい。」


俺は【人類のおもちゃ箱】からお気に入りの一つであるウサギ型の人形を取り出すとヴィヴィオに与えた。

ん? ウサギが人形なのかって?

はぁ~、分かってないな。

良いか? 人形とぬいぐるみの簡単な違いは綿を使っているかいないかだ。

このウサギ型の人形は綿を使わずに作られている。

これは本当に珍しい、俺は発見した時に大層喜んだ記憶がある。

では、何でそんなレア物を与えたのか。

それは友好の証と、同士なら大切にしてくれるという確信からであった。


「わぁ……、ありがと!」


「大切にしてやってくれ。」


ヴィヴィオは俺の腕から離れると、さっきまで持っていたウサギのぬいぐるみを近くにあった棚に戻し、抱っこを要求してきた。


「人形博士、抱っこ。」


「分かった。 しかし、俺を人形博士と呼ぶな。」


「? うん、じゃあパパ?」


「何故そうなる? …………まあ、それで良いよ。」


俺はこの子の正体、クローンである事を思い出すと、暫くはそれで良いかと思い了承した。


「パパ……、ママ、居ないの……。 目で探して?」


おい、ママを覚えてるならパパも覚えてるだろ?

何故俺をパパ認定した?

多分この子の考えが分かるのはこの子とオリジナルだけなのだろう。


「目って何だ? ……まさか、【オーディンの瞳】の事を言ってるのか?」


「ん!」


ますます訳が分からない。

何でこの子は俺を見た瞬間に人形博士と呼び、更には【オーディンの瞳】の事を知っている?

まあ、その内分かるかも知れないし、分からないかも知れない。

【オーディンの瞳】は人物が考えている事までは予測出来ないのだ。

その時まで気長に待つとしよう。


「……分かった、【オーディンの瞳】。 さて、探しに行こう?」


「うん! パパ、ギューは?」


「はいはい、ギューだ。」


俺は【オーディンの瞳】を使った振りをすると、ヴィヴィオを抱き締めて適当な場所に歩き出した。



















「う~ん、見つからないな。」


「目、当たらない?」


「うん、当たらない。」


「……ママ……。」


俺達は建物を歩き回り、現在は中庭のような場合に来ていた。

妙な事に、ここに来るまで誰一人として遭遇する事がなかった。

それに、ヴィヴィオには悪いが母親を見つける訳にはいかないだろう。

もしオリジナルが生きていても死んでいても、死んでいるなら死亡の結果が出るし、生きていてもオリジナルには自分の生活がある。

俺はヴィヴィオの頭を撫でながら、また歩き出した。

気休めにしかならないけどな。


「パパ、あっち行こ?」


「分かったよ。」


「へぇ~、輪弥さんはいつの間に子供が出来たのかな?」


「……えっ?」


俺の背後から想定していなかった人物の声が掛かる。

しかし、問題はそこではないだろう。

明らかに声には「不機嫌ですよ。」の意味が籠められており、更にはその声で周りの気温が下がったような錯覚を起こす。

俺は恐る恐る振り返り人物を見た。


「おかしいな、輪弥さんどうしちゃったの? 顔色も悪いし、震えてるよ?」


「な、なの、なの!?、なのは!?」


情けなくもガタガタ震えが起こり、声は自然と裏返る。

だって、なのはの顔がイイエガオなんだもん。

「勘違いですよ?」と言いたいが、歯がガチガチと音を鳴らすだけであった。


「あはは、輪弥さん大丈夫?」


なのはは俺とヴィヴィオを抱き締めてると俺に囁く。


「輪弥さん、うふふ、輪弥さん。 輪弥さん輪弥さん輪弥さん輪弥さん輪弥さん。」


怖ぇぇぇよぉぉぉぉ!!

俺はヴィヴィオを抱き締めて震えを納めようとする。

普段なら嬉しいなのはの抱き付きは今の俺には恐怖を煽るだけのものであった。

ヴィヴィオも異常な雰囲気を感じ取ったのか、「パパ、大丈夫?」と俺に声を掛けてくる。

その気遣いは嬉しいが、ヴィヴィオが「パパ」と口にする度になのはの囁きのペースが速くなっていく。


「あは♪、輪弥さん、きゃはは。輪弥さん輪弥さん輪弥さん輪弥さん輪弥さん輪弥さん輪弥さん輪弥さん輪弥さん輪弥さん。」


「ゆ、ゆる……、して……。」


「……駄目だよ? 輪弥さんが悪いんだから……。」


その言葉で脳がこれ以上の恐怖に耐えかねたのか、俺の意識はシャットダウンした。



















「うっ……う~ん……。」


「あ、輪弥さん起きたんだ。」


俺の意識が覚醒すると、目の前から声が聞こえた。

ほぼ条件反射で俺は土下座をすると、神に拝むように許しをこう。


「すみません、許してください、ごめんなさい。」


「あ、あの、輪弥さん? ごめんね。 私の勘違いだったみたいで……。」


「えっ?」


俺が顔を上げると、なのはは目をそらして話を続ける。


「輪弥さんはこの子のお母さんを探してあげてただけなんだよね? パパって呼ばれてるのはこの子がそう呼んでるだけみたいだし……。 あの時は少し気が動転しちゃってて……。」


どうやら既に誤解は解けていたらしい。

この時程神に感謝した事はないだろう。


「……はぁ~……。 よ、良かった……良かったよぅ……。」


「り、輪弥さん!? 泣くほど怖かったの!?」


当たり前だろ!? あの虚数空間に落ちて、死ぬ覚悟を決める時だってここまで怖くなかったぞ!

絶対に浮気はしない。

俺はそう心に誓った。


「パパ、良い子良い子。」


ヴィヴィオの優しさが胸に染みる……。


俺は漸く泣き止むとなのはにこれからどうするのかを聞くことにした。


「……それで? この後はどうすれば良いんだ?」


「うん、この子を連れて一度六課に戻ろうと思ってるよ。 シグナム隊長に送ってもらったけど、どうやって戻ろうかな?」


「車で来たなら、俺が【ルートショートカット】で車ごと送るよ。 帰ったらヴィヴィオはどうするんだ?」


「その子は六課で暫く預かる事になると思うよ。」


なるほど、ヴィヴィオが人造だって調べはついているわけか。

俺は服の裾をグイグイ引っ張って来るヴィヴィオを抱き上げると、なのはとシグナムを探して帰る事にした。



















「やだぁ! 行っちゃやだぁ!」


「泣かないで? ほら、泣かないで?」


ヴィヴィオはなのはに抱き付き離さんとばかりに服を掴んで泣きわめく。

俺が気を失っている間に随分と仲良くなっていたらしい。

まあ、なのはのイイエガオを直視していないし、囁きも聞こえなかったみたいだからな。

俺だって初めてあんな顔を見たよ。

最近の女性は怖い。


「ほら、パパは居てくれるよ?」


「……本当に?」


ヴィヴィオは俺を捨てられた仔犬のような目で見てくる。


『ごめんね輪弥さん。 はやてちゃんに呼ばれてるんだ。 帰って来たら何があったか報告するから。』


『了解。 ほら、行ってこいよ。』


「ヴィヴィオ、おいで。」


俺はヴィヴィオを抱き上げてなのはに手を振った。

なのはは両手を合わせて「ごめんね。」と言うと小走りで部屋を出ていった行った。


「それじゃヴィヴィオ、俺となのはが帰って来るまで遊ぼうか?」


「うん……。 パパ、おもちゃ箱……。」


「【人類のおもちゃ箱】まで知ってるのか? よし、俺のコレクションでも観賞するか。」


俺は【ポジションコピークリエイト】で空間を作ると【人類のおもちゃ箱】と空間と繋ぎ、中身を改装していく。

コンセプトは『夢の住人』だ。

カラフルな町に人形達を複数出現させて、設定した『プログラム』の通りに動かす。

中では人形達が各自行動し、お茶会や買い物なんかをしている事だろう。


「それでは、お嬢様をご招待ってね。」


俺はヴィヴィオを抱えて空間に入っていく。


「うわぁ~…。 パパ! お人形さん走ってる!」


「ほら、遊んでおいで。」


「うん!」


ヴィヴィオは近くに居た人形に話しかける。


「お、お人形さん?」


「やあ、ヴィヴィオちゃん。 ここは夢の世界だよ。 皆がヴィヴィオちゃんを待っている。」


「ほ、本当?」


「やあ、ヴィヴィオちゃん。 ここは夢の世界だよ。 皆がヴィヴィオちゃんを待っている。」


「えっ? お人形さん?」


「やあ、ヴィヴィオちゃん。 ここは夢の世界だよ。 皆がヴィヴィオちゃんを待っている。」


「パパ!? お人形さんが変だよ!?」


「やあ、ヴィヴィオちゃん。 ここは夢の世界だよ。 皆がヴィヴィオちゃんを待っている。」


それはそうだろう、余り複雑に『プログラム』は組んでいないのだから。

人形はRPGのようにひたすら同じ言葉を繰り返す。


「やあ、ヴィヴィオちゃん。 ここは夢の世界だよ。 皆がヴィヴィオちゃんを待っている。」


「パパぁ! 怖いよぉ!」


これから随時『プログラム』を弄って適応させよう。


「すまんヴィヴィオ。 ……ほら、もう大丈夫だよ。」


「う、うん……。 お人形さん? 治った?」


「心配かけてごめんね。 もう大丈夫だよ。 ヴィヴィオちゃんのお人形も目覚める筈だ。」


「ウサギさんが?」


おい! 何かってな事を言ってるんだ!

そんな『プログラム』組んでないぞ!?


「パパ、ウサギさん起きる?」


「……ああ、起きるよ。 だけど、まだ眠いみたいだから少し待っていような?」


ヴィヴィオは「うん!」と笑顔で頷くと、近くの広場に向かって走る。

途中足を絡ませ転んでしまうが、周りに居た人形達がフェイトもビックリな速度で集まり支える。

ここは言ってしまえば俺の世界だ。

設定は俺が司っている。

固有結界に似たものらしいが、世界の修正を受けない事から、橙子さんには侵食ではなく創造だと言われた。

俺には決まった心象世界がなく、その時その時に変化していく。

俺は【ポジションコピークリエイト】を改竄する事で擬似的に固有結界を作っている訳さ。

欠点は、侵食ではない故に相手を誘い込まなくてはいけない事かな。

まあ、それを差し引いても十分過ぎるようだ。

……式には一振りで破壊されたがな……。

っとそうしている間に広場に着いたようだ。

現在はお茶会をしている人形にヴィヴィオは向かっている。


「紅茶は三つだよ。」


「お茶菓子もね。」


そこには、俺のお気に入りの内の二体がお茶を飲もうと準備をしていた。

ヴィヴィオが二体に近づいて行くと、それを見つけた二体はお茶会に誘う。


「待ってたよ。 君もも紅茶を飲む?」


「この世界の紅茶はなかなか美味しいよ。」


その二体は、俺が世界を旅している時に苦労しててに入れたもの達だった。


「一緒居て食べて良いの?」


「ああ。 ただし、食べ過ぎちゃ駄目だぞ?」


「うん!」


ヴィヴィオは用意された椅子に座ると、ニコニコと話をしたした。


「お人形さんは紅茶が好きなの?」


「うん、好きだよ。 ここの紅茶は好みだね。」


「へぇ~……?」


あの反応は分かってないな。

ヴィヴィオは渡された紅茶を息をふーふー吹き掛けてから飲むと、途端に顔を歪めたした。


「美味しくない……。」


「ヴィヴィオにはまだ早かったみたいだね。」


人形はクッキーをヴィヴィオに差し出す。

俺もそれに習って【人類のおもちゃ箱】からオレンジジュースを取り出すとヴィヴィオに渡した。


「ほら、これは大丈夫だぞ。」


「パパ、ありがと!」


ヴィヴィオは紅茶の代わりにジュースを飲み始める。

そこで、人形が俺に声を掛けてくる。


「君も参加するかい?」


「それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。」


俺は新品同然のヴィヴィオが残した紅茶を片手に、ヴィヴィオが暇をしない話を始めた。


「ヴィヴィオはここに来るまでにどんな人形が一番良かった?」


「う~んとね、お店してたお人形さんも良かったし、他にも一杯居たけど、ウサギさんが一番好き!」


ヴィヴィオは抱き締めているウサギを上に上げると笑顔になった。

俺も笑って「そうか。」と言うと、紅茶に口をつける。

じゃあ、暫く楽しもうかな。


「ヴィヴィオ。」


「なに?」


「楽しいか?」


「うん! ウサギさん早く起きてね!」


……帰ったら少し考えてみるか……。













あれから、ヴィヴィオは疲れて眠ってしまい、俺は人形達に見送られながら空間を閉じた。

さて、そろそろなのはも帰ってくるだろう。

俺はヴィヴィオを背負って起こさないように進む。

この子がどんな扱いになるとしても、俺は助けてやろうと思った。












はい、終わりました。
ヴィヴィオのぬいぐるみは人形に変わりましたが大した変化はありません。
輪弥君はやっと同士を見つけましたね。
そして、何でなのはまで病むのかな?
変な所は考えられますが、本編はどうしてもなかなか上手くいかない……。

因みに、作者は何で登場させたのか自分でも分からないローゼンは削除しました!

ではでは、読んでくれた方
感謝の極み。


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