転生?まあ、適当に生きるよ。 (バカまる)
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ではでは、どうぞ。



協力技、チーム転生者ってね。

現在、人間を担いで疾走中の佐藤輪弥だ。

本来なら走る必要なく現場に直行出来たのだが、そんな事はせずに走っている。

勿論意味もなく走っている訳ではない。

現場を中心に半径十㎞に転移防止のジャミングが掛けられていた。

俺は魔法でこんな事が出来るなんて聞いた事もないし、源の力が集まっていることから【スキルイミテーション】が使われていると分かる。

【スキルイミテーション】って事は、恐らくりんがいるのだろう。

目的はレリックか、それとも子供か。

まあ、そんな訳で行ける所まで転移してきたのだが、二人を担いで走るとなるとスピードが出なくて少し時間が掛かる。

しかし、二人にとっては十分な速度だったらしい。


「それにしも速いな。 貴様は本当に人間か?」


「銀君、輪弥さんは昔から人間辞めてたから。」


「五月蝿い、人を人外にするな。 俺は本物の人外と知り合いだからな、あれに比べると生温いよ。」


俺の脳裏にニコニコしてる平等な人外が映る。

そんな話をしている内に、キャロから報告のあった路地裏に到着した。


「なのはさん! それから輪弥さんも!」


「あの、輪弥さんが抱えてるもう一人の方は?」


エリオが俺達の姿を確認すると声を上げ、キャロは俺が抱えてる銀君を見ながら言った。


「貴様、そろそろ降ろせ。」


「ん? ああ、すまん銀君。 キャロ、エリオ、こちらはギン・オッドアイ君だ。」


「違う、天馬皇紀二等空慰だ。 今回は独自の判断で協力する事にした。 宜しく頼む。」



「「は、はい! 宜しくお願いします!」」


「そんなに身構えなくても言いと思うよ? 銀君昔と違って優しいから。」


エリオとキャロは自分より階級の高い銀君に敬礼をしながら答えるが、なのはがガチガチになっている二人を安心させる。


「ああ、楽にしてくれて構わない。」


「「分かりました! 銀さん!」」


「……ああ、そうしてくれ。」

銀君は何故か暗い雰囲気でエリオとキャロに返事を返した。


「初対面でも銀なんだな……。 そんなに印象的か?」


「それより、その子が問題の女の子なの?」


「はい、なのはさん。 スバルさんとティアナさんにも向かっているそうです。」


なのははエリオが抱えている女の子に近づくと症状を確認した。


「うん、少し衰弱してるけど命に別状はないみたいだね。」


「なのは、お前そんな事分かるんだな?」


俺が素直に疑問に思った事を言うと、なのは自信満々に胸を張って答えた。


「ふふん、伊達に輪弥さんが居ない間に何でも屋してないよ。 紛争地帯にだってレイジンクハート片手に突入したしね。」


「……もうするなよ? 俺が心配になる……。」


「輪弥さん……、嬉しいよ。 ありがと。」


なのはがキラキラとした目で俺に近づいていると、銀君の咳払い聞こえた。


「ゴホンッ! ……帰ってからしてくれ。 輪弥、貴様は治療も出来ただろ? 衰弱は治せないのか?」


「う~ん、衰弱は身体データの損傷じゃなくて栄養とかのデータがなくなってる感じだからな……。 まあ、ちょっと難しいが時間を掛ければ何とか出来る。 身体データは精密だから三十分は掛かるぞ?。」


銀君は少し考えると俺達に指示を出した。


「分かった。 貴様は六課の医師と共にこの子の治療に当たれ。 終わり次第俺となのはに合流しろ。 貴様達二人はリーダーの指示に従え。 良いな?」


「「了解です!」」


「「分かったよ。」」


銀君が凄く頼もしく見える……。

いや、昔から策を練るのは得意だったのかもな。

俺のロリストーカー事件がいい例だ。

俺が思っていた事を感じ取ったのか、銀君は苦笑いをしていた。


「キャロ、エリオ! 大丈夫!?」


「ちょっ! スバル、速すぎ!」


そこで、ティアナとスバルが路地裏に到着する。

ティアナは銀君を見つけると声を上げた。


「えっ!? 何で銀がここに居るのよ!?」


あれ? そう言えばティアナと銀君は知り合いだったな。

て言うか、ティアナも銀なんだな。


「俺がそう呼べと言った。 言っただろ? 意外と気に入ってるんだよ。 ティアナとはティーダさんの事件の訂正会見をした事で知り合った。 スバルはナカジマさん、スバルのお父さんと会ってる時に偶然な。」


「聞いてるのは私よ? 何で銀がここに居るのよ?」


ティーダだって誰だろ?

ティアナは銀君に掴み掛からん勢いで睨み付ける。


「ティア、失礼だよ? それに銀さんと仕事してみたいって言ってたじゃん。」


「う、うっさい馬鹿スバル!」


今度はスバルを顔を真っ赤にして怒り出すティアナ。

銀君はティアナを抑えるとスバルとティアナに説明を始めた。


「別に構わないスバル。 ティアナには言ってなかったな。 なのはと輪弥は俺の知人でな、偶々会っていた時に今回の事件が起きた。 俺は独自の判断で協力する事にした訳だよ。」


「そう、隊長達からここに来るまでに指示があったわ。 私達フォワードはレリックを回収する為にここから突入。 なのはさん達はシャマル先生と合流して欲しいそうです。 皆、準備は良い?」


「「「了解!」」」


フォワード陣はセットアップを終えると地下に突入していった。


「よし、それじゃあ俺も治療を始めるかな。」


「輪弥さん、レイジンクハートで補助するよ。」


「ああ、頼む。」


「貴様となのはは治療に専念しろ。 俺は周囲の警戒をする。」


俺は治療をする為に少女のデータを解析し始める。

レイジンクハートの補助もあって、なかなか順調に解析が進む。

やることはある意味単純だ。

栄養などを管理しているデータを探しだし、そこにアクセスして無くなったデータを書き込んで付け足す。

本来は管理している場所を知っている時に使うものだ。

食事する時間がない時に付け足し、食べ過ぎた時には削除する。

所謂、カロリーを操作する『プログラム』だ。

食べたいのに痩せたい方にオススメです。


「でも、お高いんでしょ?」


「今なら実行者の佐藤輪弥が住み込みで貴方の家に、更にお試し期間であれば無料で実行いたします。」


「買います!」


「貴様達は真面目に仕事をしろ!」


はい、最もです。

銀君に怒られてしまった……。

それにしてもこの子のデータ、おかしな物があるな。


「……これは……、自動防御?」


「どうしたの輪弥さん?」


「……いや、何でもない。 銀君、こっちは調べるのにまだ少し掛かりそうだ。 そっちはどうだ?」


「丁度六課の医師が来たところだ。 行くぞ。」


銀君がそう言うと同時にヘリが近くの建物に着陸する。

銀君は集中して動けない俺と少女抱えると飛び上がり、なのはは自身で構成した飛行魔法でヘリに近づいた。


「輪弥君になのはちゃん! それに銀君も!」


シャマルはヘリから顔を覗かせると俺達の姿を確認しヘリに乗り込ませた。


「それで、現状どうなってるの?」


「今輪弥が衰弱している少女を治療中だ。」


「そう。 なのはちゃん、レイジンクハートはもう良いわよ。 後はクラールヴィントで補助をするわ。」


「分かりました。 それじゃあ私はフェイトちゃんと合流しますね。」


「俺も行こう。 後は頼んだぞ輪弥。」


「お願い。」


「ああ、そっちこそ無理はするなよ?」


「分かっている。」


銀君となのははヘリから出るとセットアップをしてフェイトの所へ向かった。

二人が飛び去ったのを確認したヘリは上昇すると、移動を開始した。



















なのは達が出ていってから既にかなり時間が経過していた。

当初予定していた三十分は過ぎ、既に一時間だ。

俺は漸くこの子のデータを解析する事が出来た。

そして気づいた事だが、やっぱりこの子のデータは少しおかしい。

妙な付属データが所々に存在してるせいでそこの解析に時間が掛かってしまったのだ。

解析した結果、付属データはやはり自動防御であることが分かった。

そして、データ通りならこの子は……。


「どうかしたの輪弥君?」


「……治療は終わった。 暫くすれば目を覚ます。 それから、後で分かると思うが……、多分この子は……。」


俺が言葉を出そうとすると、通信が入った。


『市街地にエネルギー反応! そんな、大きい!?』


どうやら面倒な事が起きそうだな。


「シャマル、後は頼んだぞ。 俺は外に出て攻撃を何とかする。」


「分かったわ。 気をつけて。」


俺はハッチを開けてもらうと上空に飛び出した。


「さて、あそこか……。 推定Sランクって言ってたな。 となると、かなり大きいか。 【パラドックス】で抑え籠めるか……? 最悪『過剰過ぎる演算』(バグコンピューター)を使うか……。」


恐らく発射までそう時間はかからないだろう。

タイミングが分からない事には組み上げる『プログラム』の選択も重要になる。

副作用を気にしてはいられないな。

だが、ここで意外な救援が駆けつけた。


「話は聞いた。 はやてが駆けつけてからアレを阻止しようと探したが、間に合わなかったな。」


「銀君か。 そう時間はないみたいだ。 ツヴァイが居ればいくらでも何とかなったが、少し面倒だ。」


「分かっている。魔法なら俺の能力でどうにかなったが、あれは無理だろう。 そこで輪弥、話を聞け。 俺に考えがある。」


「?」


「実は……。」


銀君の考えたプランはなるほども思う物だった。


「出来るか?」


「ああ、やって見せるさ。」


俺達はお互いに笑うと準備を開始した。








『砲撃、来ます!』


通信ごしに警告の声が上がる。


「やるぞ輪弥!」


「合わせろよ銀君!」


「お前もミスるなよ!」


俺達はプランを開始した。


「【ゲートオブ……バビロン】!!」


「干渉開始。 起動、【イージスプログラム】」


銀君は能力で防御型の宝具を複数出現させると周囲に散りばめた。

俺は宝具に干渉し、砲撃を逸らすように宝具を誘導する。


『砲撃着弾! ……え!? 逸れた!?』


砲撃は遥か彼方に進行を始める。


「掴まれ銀君!」


「任せたぞ!」


「【デスクトップ】!」


既に転移妨害のエリアを抜けていたので、俺は銀君を掴んで発動の早い転移『プログラム』を起動した。

俺達は砲撃の進行方向より先に移動すると続けて行動する。


「反射の宝具だ!」


銀君は鏡のような宝具を出すと、砲撃の方向に出す。

銀君が言うには魔法にはかなりの反射性能を誇るが、エネルギーであるこれは綺麗に反射出来ないらしい。

俺は【人類のおもちゃ箱】から鏡を取り出すと『プログラム』を起動した。


「複製開始、【オブジェクト】」


俺の出した鏡が異常な程に増殖する。

銀君も鏡を複数出現させると散りばめる。


「続けて起動、【その場しのぎの大芝居】。 対象を鏡に設定。」


「やるぞ、輪弥!」


「了……解っ!」


「「名付けて、【万華鏡の反射劇場】!」」


俺が【オーディンの瞳】で反射場所を予測し、鏡を操って位置と角度を調節する。

砲撃が一つ目の鏡に当たると鏡は砕け、砲撃は他の鏡に向かって動く。

右に左に、上に下に、時には斜めなど約百回程鏡を砕くと、発射された場所に向かって飛んでいく。

俺が建物が破壊される前に中に人がいない事を確認しているので、破壊された部分は後で修復する事になっている。

砲撃が建物に直撃すると、建物は音を立てて崩れだした。


「ここからだな……。」


「そうだな。 動けない程度にはダメージを負ったと思うけど、銀君が言ったように逃げられたら終わりだからな。」


俺達が砲撃が着弾した場所に向かおうとすると、やっぱり気にしていた人物が現れた。


「やられたわね。 防がれるとは思っていたけど、まさか返品されるなんて。」


「来たかりん。 銀君、どうやらコイツは俺に用があるみたいだからアッチを頼む。」


「……存在しない筈のナンバーズだと……? バタフライ効果が出ていたか……。」


「どうしたんだ銀君?」


「……いや、何でもないさ。 コイツは頼んだぞ輪弥。」


銀君は飛行魔法を全開にして建物に向かって行った。


「追わなくて良いのか?」


「アッチは姉さんが何とかしてくれるわ。」


「銀君はそんなに弱くないぜ? りんの相手は俺だよ。」


「そう。 貴方はクローンである私をりんって呼ぶけど、何とも思わないの?」


いきなり話が変わったな。

時間稼ぎか?

適当に話を切り上げるか。


「別に、お前は言ってしまえば俺の妹だ。 それは何をしても変わらない。 絶対にな。」


俺は話し終わると同時に『プログラム』を組始める。

ツヴァイが居ないから今回は様子見で留めるか。

接近して危険になる必要はない。


「妹……ね。 」


「ああ、そうだ。 早く銀君の所に行きたいんでな、やらせてもらうぞ?」


「ふふ、貴方は自分の心配をしなさい。 ……後ろに注意よ?」


俺が慌てて後ろを振り向くと……、誰も居なかった。


「兄さん、捕まえた♪ 【リングロック】」


「なっ!?」


りんは俺の背中に抱きつくとバインドのような『プログラム』で俺を拘束した。


「後ろに注意って言ったわね? あれは嘘よ?」


「……あの時の事、根に持ってたんだな……。」


「私はやられた事は忘れないわ。 それじゃあ、お返しね。 【エレクトル】」


りんの『プログラム』が発動のすると、俺だけに電撃が流れる。


「アグッ!」


「うふふ、兄さん、兄さん。」


ちょっ! なんか怖いぞりん!? 色んな意味で!?

しかし、絶妙な加減で攻撃しているのか一向に気絶しそうにない。

ヤバい……、このまま受け続けると体に障害が発生しそうだ。


「あら? アッチは終わったみたいね。 トーレ姉さんは移動速度ならあの執務官と同等だから。」


クソッタレ、こっちはそれ所じゃないぞ!

ああ! 『プログラム』作成に集中出来ない!

俺は仕方なく『過剰過ぎる演算』(バグコンピューター)を発動させると、【ポジションカットペースト】で拘束から抜け出す。


「あ、逃げられちゃった。 まあ、良いわ。 仲間も来たみたいだし、私はそろそろ帰るから。 じゃあね、兄さん。【スキップ】」


りんは転移の『プログラム』と思わしき物を使ってこの場から去った。


「……今回は完璧に負けたな。 うぅ……、もう副作用が来たか……。 ここ最近使ってなかったのと、無理に発動したせいで反動大きいな……。」


俺は叫びながら近づいて来るなのはを視界に留めながら決心した。

覚えてろよりん。

お前がされた事を忘れないように、俺だってされた事を忘れない。

次は、勝つ。

俺はなのはに抱き止められると、「疲れたから少し眠る……。」と言って意識を失った。
























何故だろう? りんちゃんが強力すぎる……。
出番少しなのに、何でもなのはより印象に残るの?
もしかしたら作者は意識してイチャイチャさせようとすると失敗するんじゃ……。
何とかしないと!?

ではでは、読んでくれた方
感謝の極み。


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