転生?まあ、適当に生きるよ。 (バカまる)
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今回は少し長めで。
その代わり、急ぎ足になってしまいました。
ではでは、どうぞ。
その代わり、急ぎ足になってしまいました。
ではでは、どうぞ。
開店『プログラマー』初仕事開始だ。
こんにちは、佐藤輪弥だ。
俺達が未来に行った事件からもう一年ちょっと。
高校を出て会社員として働く何て考えもしたが、せっかく神のオッサンに素敵能力を貰ったんだ。
自分の好きなように働ける自営業をする事にした。
『何でも屋 プログラマー』これが俺の仕事だ。
一年程前に会った、探偵のオッサンの仕事をヒントに決めた。
基本的に【スキルイミテーション】は何だって出来る。
何でも屋には最適だと思うな。
それに、働く日を自分で決められるのが最高だ。
ある程度名前が売れれば、週三回の仕事で生きて行けるだろう。
まあ、貯金はちゃんとしないと、未来で困りそうだからするけどな。
アイツが心変わりしてもしなくても、俺は準備だけはしとくよ。
まあ、そなこんなで現在俺とツヴァイとシュテルはミッドの店の前に来ていた。
ここに来る前に色々とあったな。
出発の時になのはには指輪で俺の所に来れる事を思い出すまで泣かれ、そのせいで恭也と士郎さんに【徹】の雨を降らされかけた。
【絶対守護領域】が自動発動してくれたおかげで助かったが。
その後、【神速】とかいう技でボコられたがな……。
【絶対守護領域】の展開速度を越えて攻撃してくるなんて本当に人間かよ……。
なのはが止めてくれなければヤバかった……。
他にも、シュテルがなのはに俺と一緒にいられる為に勝ち誇った顔?(無表情に少しの変化と、えっへんと胸を張っていた。)をしたせいで、結界を使った小さな戦争が起きたし……。
まあ、そんな事もあったが俺はとうとう中学を卒業した。
卒業式は俺がこの人生で得た沢山の友達や知り合い、そんな人達に見送られた。
まあ、その後なのはとシュテル、フェイトにアインス、そしてツヴァイが俺の第二ボタンを巡ってまた結界を使った戦争が起きた。
そして俺は高町家に【徹】の雨を降らされた……。
ま、まあ、そして今日は今まで計画していた店の開店日だ。
どんな依頼が来るかは分からないけど、たとえ猫探しでも頑張ってみせるさ。
「なあ、ツヴァイ。シュテル。」
「はい、サポートします。 」
「頑張るですよ!」
だが、開店したからとすぐに仕事が始めれる訳じゃない。
なぜなら……。
「はあ~、やっぱり汚い……。」
まずは、店の内装を整えるとしようか……。
「よし、こんなものかな?」
「急拵えですから、この程度で問題ないでしょう。」
「疲れたですよぉ~。」
ツヴァイは大きくなって手伝ってくれたからな、疲労も多いだろう。
大きいと言っても幼女サイズだし……。
そんなツヴァイは大きいまま椅子に座っている俺に抱きついて来ると、膝の上に乗って顔を押し付けてきた。
「ありがとうな。 疲れただろ? シュテルもありがとな。」
俺はツヴァイの頭を撫でながらシュテルにもお礼を言った。
しかし、シュテルは眉を寄せると俺に近づいて来てツヴァイを押し退けながら抱きついて来た。
「むぅ! 何するですか!」
「貴女だけ抱きつくなど不公平です。」
「ツヴァイが先に居たですよ!」
「これは早い者勝ちではありませんから。」
はあ~、なのはに会いたい……。
「っ痛た!」
「「他の女性?(ですか?)」」
こんな調子で大丈夫か?
さて、じゃあ俺の事務所のシステムについて説明しよう。
俺の事務所は依頼をする際、二種類の方法がある。
まず一つ、直接店に来る方法だ。
その際に料金、解決までの時間、法に触れるかどうかの話し合いを行う。
商談が成立次第、頭金に依頼の報酬の半分を貰い依頼を開始する。
依頼が失敗した際には、受け取った頭金に5%の迷惑料を付け足して返金をする。
料金の支払いは手取りか振り込みで行う。
さて、一つ目はこんな物かな。
じゃあ二つ目の依頼方法を説明しよう。
二つ目はメールか通信で行う。
通信の場合は上記の方法で話し合いが直接ではなくなっただけだ。
メールの場合は依頼の内容、支払う料金を提示した上でメールでやり取りを行い商談を行う。
共に頭金の支払いを確認次第依頼の解決を行う。
まあ、どれも似たような方法だが、匿名での依頼も受け付けるので、顔を知られたくない相手には有効だと思う。
この仕事の内容についてはチラシを数日前から配っているので、お客様には伝わっていると思う。
じゃあ、次は事務所の内装について話そう。
俺の事務所は某悪魔ハンターの事務所の如く、暗い室内に机を3つ置き、適当な娯楽用品を置いた後、窓にブランドを設置し、中央に商談用の机とソファーを置いた程度の物だ。
ツヴァイの机は俺の机の上に設置されている。
机が3つあるのは、俺の机にシュテルの机、そして、なのはの机だ。
なのはは管理局には行かず、俺の事務所で働く事にしたらしい。
全く、ちゃんと営業できるかも分からないってのに……。
本当、良い婚約者が出来たよ。
波に乗ってきたら、一度高町家にちゃんと挨拶しないとな。
まあ、事務所の話に戻ろうか。
開店したと言っても、まだ初日だ。
名前も売れていないこの店にそう簡単に客は来な――
チャリンチャリン
「あ、あの、『プログラマー』って何でも屋はここですか?」
「「「来た!?(です!?)」」」
「きゃ! あ、あの……。」
「あ、ああ、すまない。 初日に客が来るとは思わなかったんだ。 それじゃあ、改めて。」
「「「ようこそ、『何でも屋 プログラマー』へ。」」」
入ってきたお客様は、まだ年端も行かない少女だった。
気の弱そうなオドオドした子で、小動物と戯れてそうな子だ。
「これは本当に猫探しの依頼か?」と思ったが、取り敢えず話を聞くために中央に設置したソファーに案内した。
シュテルはお茶とお菓子を用意すると、少女の前に置き俺の隣に座った。
気が利く社員だよ、本当。
「さて、それじゃあ話をしようか。 話す位じゃお金なんて取らないから、何でも気軽に相談してくれ。」
「そ、それじゃあ……。 あの、ですね。 実は私のお友達が、病院にいるんです……。 その子はスポーツが得意で、色んなスポーツをしてたんですけど、あの日……、歩道に飛び込んで来た車から……私を庇って……ひくっ……。」
うわー……猫探し所か、いきなりヘビーな依頼が来ちゃったよ……。
その後、シュテルとツヴァイに慰められながら、何とか話しきった。
話を要約するとだ。
少女の名前はルルちゃん、自分を庇ってくれた子、名前はアトム君が自動車に敷かれて意識不明になった。
だが、奇跡的に一命をとりとめ、意識も回復し現在は療養している。
しかし、敷いた側の相手はお金持ちであり、管理局にコネがある。
相手の父親は結構な権力を持っていた為に罪の一つにも問われていないらしい。
それにより、アトム君は謝罪一つされずにいる。
だが、更に不幸は続く。
アトム君は敷かれた時に頭を打った事により半身不随になった。
大好きなスポーツは出来なくなり、ルルちゃんは自分を庇ったせいだと謝ったが、アトム君は「ルルちゃんは悪くない」と言ってくれたらしい。
だけど、忘れ物を取ろうと引き返すと、アトム君の泣き声が病室から聞こえ、途方に暮れていた時にこの店のチラシを見つけた、ということだ。
「…………辛いかも知れないけど、先に言っておく。 何でも屋は奇跡を起こす所でもなけば、願いを叶える場所でもない。 君はアトム君に助かってもらって罪悪感を無くしたいだけだ。」
俺の言葉を聞くと、ルルちゃんはポロポロと涙を流し始めた。
「輪弥、それは言い過ぎです!」
「少し静かにしてください。 ツヴァイ、輪弥は考えもなくそんな事は言わないでしょう。」
あらあら、バレてるよ。
「ルルちゃん、君に一つ言っておく。 これからの人生、嫌な事や辛いことが沢山あるだろう。 そんな時、頼れる物は一握りなる。 君はその時、自分で考えなければならない。 ……だけどまあ、君はまだ子供だ。 俺も人の事は言えない年だが、それでも、君よりは大人だ。 小さい内は大人に頼れ。 そして、解決の術を知って行くんだ。」
長々と説明したが、俺が言いたい事は割りとシンプルだ。
「奇跡は自分で起こし、願いは努力で叶えろ。 今回はその奇跡と願いを手伝ってやる。この何でも屋は他とは違って、奇跡も願いも叶えれるからな……。 お代は要らない。 初仕事のサービスさ。」
「……あ、ありがとう……ございますっ……!」
こうして、俺の初仕事の依頼はサービス営業となった。
良いさ、別に。
こんな事は二度としたくないが、お金よりこの少女の願いを取りたかった。
さて、始めるか。
『何でも屋 プログラマー』お仕事開始だ。
俺達は事務所を出ると、まず相手の特定に向かった。
ルルちゃんは顔は覚えているが、名前は知らないらしい。
やることは事故の起こった現場で証言を集め、人物の特定を行う。
取り敢えずこれだ。
「シュテル、ツヴァイ。 三人で別れて人物の特定を行う。 聞き込みの時に相手の人柄についても調べておいてくれ。 じゃあ、散開。」
「任せて下さい。 期待以上の成果を集めて見せましょう。」
「了解です!」
ツヴァイとシュテルは各自動きだし、俺も聞き込みを行うことにした。
俺は現場に着くと、事故があったと思われる場所を見ていた初老の男性に声をかけた。
「すいません、ここで起きた事故についた知っているなら詳しく教えて欲しいんですが。」
「えっ? 君は誰だい?」
「失礼しました。 俺は佐藤輪弥と言います。 ここで事故にあった少女に頼まれて調べています。 見ていたなら教えてもらえないでしょうか?」
「見たよ。 いきなり歩道に車が突っ込んだんだ。 女の子を庇って男の子が敷かれてね……。 あの子大丈夫かな……。 するとね、車から男が降りて来て怒鳴り始めたんだ。」
「なんて言ってました?」
「えーと確か「僕は悪くない、僕が走るかも知れない歩道にいたお前達が悪い。」とかいってたよ。」
「誰かわかりますか?」
「レトーム企業の息子さんですね。 名前はジョル・レトーム。 人当たりが良くて、良い人だと思ってたんだがね。」
なるほど、気が動転して口走ったか、それとも……、猫を被っていたか……だな。
「ありがとうございました。 これ、名刺です。 何か分かったら連絡下さい。 有力な情報なら、少ないですけど謝礼金を払いますので。」
俺は謝礼金の部分を強調して伝えた。
人間は単純な物で、金が絡むと頭が回る。
そうすれば、有力な情報を手に入れて金を貰おうと情報を集める人間が出てくるだろう。
俺は有力な情報と明言しているので、簡単な情報では金を出さないと分かるだろう。
ガセネタを持ってきたところで嘘発見器だと言ってヘルメットを被らせてから、嘘を見抜く『プログラム』【フィクションカット】で調べたら分かる。
調べている人間がいると相手に知らせてプレッシャーを与え、金目当てに人手が増える。
まあ、出費はあるが一石二鳥だ。
こうして、同じ事をツヴァイとシュテルにもやらせ、繰り返す。
これで人手は増え、情報が集まる。
じゃあ、俺も繰り返すとするか。
「よう、そっちはどうだった。」
「此方は人物の人柄を調査しました。」
「ツヴァイはどんなお店と繋がりを持っているか調べたです!」
俺達は予定していた時刻に事務所に集り、情報を話すことにした。
「では、まず私から。 私が調べた情報によると、ジョル・レトーム氏は人当たりも良く、近所では良い人だと思われていたそうです。」
俺が初老の男性から聞いた情報と大して変わりないな。
「しかし、同時に悪い噂もあったそうです。 ジョル・レトーム氏は近所では目立った事はしていませんが、麻薬組織や質量兵器の売買などを行っている等の噂があったそうです。」
おいおい、どこでそんな情報仕入れて来たんだ?
怖くて聞けない。
さすが、理のマテリアルだけある。
「ありがとうシュテル。 だけど、どうやって仕入れた情報かは知らないが、危ない事はしないでくれよ。 まあ、これでジョル・レトームは猫を被っていた可能性が出てきた訳だ。 何で猫を被っていたかは、大方住民の証言で自分に犯罪の疑いが掛かり難くするためだろな。 今回の事故で水の泡だが。 次、ツヴァイはどうだった?」
「はいです。 ツヴァイはハッキングを仕掛けてレトーム企業のお金の流れを調べたです。」
そう言ってツヴァイはウィンドウを開くと、俺達に見えるようにした。
「レトーム企業は数々の投資で成長していき、正当な方法で大きな企業になったです。 ですけど、このデータを見れば分かるように、社長が交代してからシュテルちゃんが調べた悪い噂が出てきたです。 例えばこの企業に流しているお金が、他の企業よりも圧倒的に多いですよ。 調べてみたら、ペーパーカンパニーです。 一体何にお金を使ってるですかね。」
ツヴァイまで危ない方法を使ってやがる……。
全く、内の社員は優秀過ぎる。
このペーパーカンパニー、恐らく質量兵器の生産に使うための金を送る窓口だろう。
ここを通して金を送り、質量兵器を売りさばく。
まだまだ、隠れ蓑があるかも知れないが、これで当たりだろう。
「そして、一番重要なのがこれです。」
ツヴァイはウィンドウの一番多く金が送られている場所を指差す。
「これ、個人口座ですよ。 人物の名前は……、マルク・レトーム。 ジョル・レトームの父親の弟で、管理局のお偉いさんですよ。」
…………繋がったな。
ここで一旦まとめようか。
ジョル・レトーム、今回の事件を起こした犯人。
近所では人当たりが良い青年として知られているが、裏では悪い噂もあり、どこかの組織と繋がっていると考えられる。
今回、ジョル・レトームは交通法を無視し、被害者に一生の傷を与えた。
しかし、管理局のお偉いさんによって、この事件はなかった事にされる。
恐らく、管理局お偉いさんはレトーム企業の金の流れからジョル・レトームの父親の弟、マルク・レトームであると考えられる。
ここからは推測になるが、事件の流れを想像する。
ジョル・レトームは車を運転中、何らかの理由で歩道に乗り出した。
しかし、歩道には運悪く二人の子供がいた。
今回の被害者、アトム君とルルちゃんだ。
ジョル・レトームの車は急停止することが出来ず、二人の命を危険にさらした。
幸い、ルルちゃんに怪我はなかったが、アトム君は頭を打った事により意識不明の重体に陥る。
アトム君は病院で奇跡的に意識を取り戻し、療養する事になった。
しかし、アトム君の不幸は続いた。
アトム君は事故の障害で半身付随になり、歩く事すら出来ない状態に陥る。
この事件は、ジョル・レトームの逮捕で幕を閉じる筈だったが、ここで管理局のお偉いさん、マルク・レトームの介入が入る。
ジョル・レトームとマルク・レトームは身内であり、ジョル・レトームを助ける為にマルク・レトームは動いた。
マルク・レトームは事件を担当した部署に圧力をかけ、事件事態をなかった事にした。
これによりジョル・レトームは罪を逃れ、謝罪の一つもせずにのうのうとミッドチルダに住んでいる。
これが今回の事件をまとめた結果だ。
まあ、いくら推測できた所で物的証拠がなければ事件を証明する事は出来ないだろう。
じゃあ、ここで殆ど何もしていない俺の出番だ。
「さて、じゃあ証拠をここに出すか。」
俺は『プログラム』を組み上げる。
今回は某猫型ロボットの物を取り寄せるバック参考に作った物だ。
「起動【強欲な物欲】」
次の瞬間には机の上に数々の不正な書類や、オリジナルの金を流した事が記されている書類など、ジョル・レトームやマルク・レトームの物と思われる物品が出てきた。
そして、極めつけは削除されていた筈の事故現場を映した映像のオリジナルデータ。
「終わりだな。 これで詰みだ。」
全て証拠を揃えた俺達は、早速行動を開始した。
数日後、レトーム企業は数々の噂が立ち上った。
なに、した事は簡単さ。
集めた証拠のコピーをあちこちに回したのさ。
それだけでこの騒ぎだ。
信用が大事な企業は悪い噂一つで問題が起こる。
今回は一つどころか数百の悪行を知られたんだ。
立ち直るのは絶望的だろう。
そして、既にオリジナルは全てクロノに聞いた信用が出来る人物に送っている。
名前は確か、レジアス・ゲイスだったけ?
クロノは海と陸は仲が悪いが正義の志は信用出来ると言っていた。
まあ、それはさておき。
こんな事をしでかした俺が現在何処に居るかと言うと。
「貴様か!? こんな事をしでかした奴は!?」
「やあ、こんにちは。 そうだぜ、アクト・レトーム社長。」
レトーム企業の社長さんの所に来ていた。
「こんなデタラメな噂を流しおって! どうやって侵入したかは知らんが、これで貴様は犯罪者だ。 おい! コイツを捕まえろ!」
しかし、その言葉には誰一人反応せずに立っている。
「おい! 聞いているのか!? とっととコイツを捕まえろ!?」
「無駄だよ社長さん。 スケジュールを見させてもらった。 ここに居るのは、アンタのやり方に愛想尽かした連中だけだよ。 そして、俺は快く案内してもらったぜ。 侵入じゃなく、正攻法で……な?」
そう、ここに居るのはレトーム企業に脅されて仕方なく従っていた人達だけだ。
今まで家族の生活の為に従って来たが、とうとう耐えきれなくなった善良な市民だ。
この人達は家族と相談して、職を無くしてしまう恐怖に耐えながらも頑張っていた。
だけど今回、家族の後押しもあり密かに出来上がっていた反レトーム企業のグループがこの人達だ。
俺はこの数日の間に接触し、スケジュールを調整してもらった。
これでレトーム企業は終わりだ。
「ふ、ふざけるな!? おい! 人形!? アイツを捕まえろ!?」
すると、社長は今まで後ろにいた人物に声を上げた。
フードで顔を隠した、恐らく少女と思われる人物は社長の前に出ると立ちふさがった。
「素直に引いてくれると嬉しいんだが?」
「……。」
しかし少女は答えず、戦闘体制に入った。
「はあ~、とりあえず、気絶させるか……。」
俺が戦闘体制に入ると、少女の腕から魔力ではない何かで形成された刃が出現した。
咄嗟にヤバいと感じた俺は、全力で『プログラム』を組み上げ【パラメーターコントローラー】で自信のスペックを底上げしながら後ろにさがる。
ビュン! という音と共に、さっきまで俺の首があった場所を、強化した動体視力でやっと追える速度でエネルギーの刃が通過した。
しかし、また次の瞬間には少女は消え失せ、俺の死角から迫っていた。
【パラメーターコントローラー】で視界の見える範囲を広げてなければこのまま殺られただろう。
俺は体を捻り刃を避けとうとする。
しかし、刃は俺を追ってきてそのまま振られる。
少女の口が吊り上がり、勝利を確信する。
俺の首から鮮血が散る。
だが、残念。
今度は俺が口を吊り上げる。
少女の刃は俺の首の皮を少し切った所で静止した。
自動発動と【パラドックス】を合わせたの『プログラム』【絶対守護領域】。
この少女の速度には驚いたが、自ら距離を取ることで発動までの時間を稼いだ。
勘弁してくれ、フェイトのソニックフォームと同等の速度じゃねえか……。
だが、捕らえた!
「起動【マイスピード】」
起動したのはドレインの『プログラム』。
相手の速度を吸収し、少しの間だけ自身の速度に加える能力。
俺は、上昇した速度で少女の後ろに回り込んだ。
「眠れ!」
回し蹴りを叩き込んだ後に追い付き、蹴り上げで相手を浮かす。
上空に飛び上がり裏拳、半月蹴り、胸ぐらを掴んで鳩尾に鉄槌を一発、反動で回転をして空中で踵落としを決める。
少女は地面に叩きつけられ、気を失った。
「はあ~……、ツヴァイを連れて来なかったのが災いしたな……。 おい社長。 もう仲間は居ないぞ。」
「お、お前! こんな事ををすれば、管理局と戦う事になるぞ!?」
社長はそこまで言うと勝ち誇った顔をした。
だから俺はこう返す。
「良いぜ。 相手してやるよ。 正しい事に声を上げれない世の中を維持する組織なら、そんな物は必要ない。」
「い、良いのか!? 口だけなんだろ!?」
社長は俺の返答が予想外だったのか途端慌て出す。
「管理局と戦争しようと、負ける気は更々ないね。 アンタが食い物にしている人達が、動く事が出来ないのなら、その人達を動かす事の出来る風が吹かないのなら、俺が杭を打ち込んでやる。 この事件はその第一歩だ。」
「ま、待て!? そ、そうだ! 金をやる!」
「いらない。 来いよ、ツヴァイ、シュテル。」
俺が二人の名前を呼ぶと、壁に穴が開きそこからツヴァイとシュテルが現れた。
「間に合ったですか?」
「ピッタリの様です。」
穴の向こうには、ジョル・レトームと思わしき人物とその取り巻きらしき人物達が倒れていた。
「さて、気づいてもらおうか。 管理局の正義ある人物達に。 これは、始まりの音だ。」
「ユニゾン・イン!」
俺はツヴァイとユニゾンすると【スキルイミテーション】を本来の方法で発動して、0を創る。
その0に源の力で設定を加えて行く。
【スキルイミテーション】は『プログラム』で再現出来ない無茶苦茶な能力を過程を飛ばし、再現した効果を発動する。
創り上げる能力は。
「起動【開闘の鐘】」
能力の発動と共に鐘の音が鳴り響き、ミッドチルダ全体に浸透する。
効果は、自信の望んだ範囲に音を送り、音を聞いた正義の志を持つ管理局員のみに今回の事件の全貌の情報を頭に刻み込む。
望んだ管理局員に送るのは、普通の『プログラム』で識別する事は出来ない。
故に今回は態々扱いの難しい方法を選んだ。
この事件はきっと僅かな膿だが、意味はある筈だ。
正義の志を持った局員なら、きっと動いてくれる。
始まりにはふさわしい能力さ。
俺の能力の終了と同時に、この部屋の前から複数の気配がした。
「さて、管理局も来たみたいだ。」
「マルク・レトームは逮捕した! 大人しく投降しろ!」
ドアの外から一人の管理局員が声を上げる。
「どうやら戦わなくて良いらしい。 じゃあ、行くか。」
「わかりました。 行きましょう。」
「次でやっと依頼終了ですぅ~。」
俺はユニゾンを解いたツヴァイとシュテルを見た。
その時に、俺が倒した筈の少女の姿が無いことに気づいた。
逃げたか……。
もう戦いたくないな……。
そんな俺の願いは叶わないのだが、それはまた別の話だ。
俺達は【ルートショートカット】でその場から消えた。
「さて、障害の治療は面倒なんだよなぁ……。」
「そんな事言わずに、とっととやるです!」
「お手伝いします。」
俺達は現在、アトム君の病室に来ていた。
アトム君は疲れているのか寝ている。
ここで治療の『プログラム』【データリバイバル】の欠点を教えよう。
【データリバイバル】は傷、言ってしまえばデータの破損だ。
データ破損の修復には強いが、障害はデータの変質である。
書き換えられ、保存されたデータを修復しようが意味がない。
よって障害を治すには、データを再度書き換える必要がある。
これはオートで治す事は難しい。
個人個人に独自のデータがあるからだ。
さて、それじゃあ、シュテルとツヴァイに補助してもらって頑張るか……。
数日後、アトム君は無事退院し、ルルちゃんと仲良くやっているらしい。
そして、管理局は内部調査を行ってどんどんと不正を暴いているらしい。
らしいと言うのは、目の前のオッサンに聞いた話だ。
「で? オッサンは誰?」
「ああ、すまない。 自己紹介をしていなかったね。 私はルルの父親で、新聞の記者をやっている。 今回の事をルルに聞いたときは驚いたよ。 しかし、ありがと。 君のお陰でルルはやっと笑顔を見せてくれた。」
「そうかい。 そいつは良かったじゃないか。」
「ああ、それでここからが本題何だけどね。 君達に依頼をしたい。」
おや? 思わぬ客が釣れたな。
まあ、これは儲けものだ。
前回の依頼は出費しかなかったからな。
「これは依頼金だ。」
「「「はっ?」」」
そう言って差し出された封筒には、百万は入っていた。
「私は新聞会社の社長でね。 これはルルの依頼金の分と思って受け取ってくれ。 そして、私の依頼は君達の事を新聞で紹介したい。 構わないかい?」
いやいやいや、至れり尽くせり所じゃない。
前回の依頼は、ハズレじゃなく当たりだったらしい。
「「「……宜しく(お願いします)(です)」」」
ミッド新聞
『何でも屋 プログラマー』
彼等は初めての依頼で一度に数百の問題を解決した。
これによりレトーム企業は営業停止し、潰れる事になった。
レトーム企業が潰れた事で資金元がなくなった会社もあるだろうが、彼等のお陰で救われた者は多いだろう。
私は彼等の勇姿を称えこの言葉を送る。
民間のストライカーズと。
ジェイル side
「ふはは! 見たまえウーノ! トーレが簡単に負けてしまうとは!」
「はい、ドクター。 訓練を組み直さなければなりませんね。」
「ふふふ、違うよウーノ。 私は彼の能力に興味がわいた! 分かるかい! 解析したが、魔力も使わずにあんな事を起こすなんて普通ではない!」
「それは私達、戦闘機人と同じように別のエネルギーを使っていると?」
「いやいや、そんな生温い物ではないよ。 彼の能力の使用時に検出出来た物がある。 それのデータがこれだよ。」
「……どのエネルギーの形にも当てはまる?」
「そう! 彼の使っている力は全てに変化する事が出来るのだよ! ふはは! 楽しみだっ……!」
暗い研究室で紫の髪の男は笑う。
新たな興味に釣られて求める。
そう、彼は無限の欲望だから。
はい。終わりました。
最後にマッドさん出てきましたね。
流石マッド博士、輪弥君の能力をあの短い戦闘で見抜きました。
輪弥君のお仕事は新聞効果で増えますね。
ではでは、読んでくれた方
感謝の極み。
最後にマッドさん出てきましたね。
流石マッド博士、輪弥君の能力をあの短い戦闘で見抜きました。
輪弥君のお仕事は新聞効果で増えますね。
ではでは、読んでくれた方
感謝の極み。