転生?まあ、適当に生きるよ。 (バカまる)
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ではでは、どうぞ。



閑話 デバイスの補助は良かったな。

やあ、毎度お馴染み佐藤輪弥だ。

あの闇の書事件から暫く経ったよ。

現在、俺は聖王教会って所に居る。

ん? 何で居るかって?

先ずは、数日前の事から話そう。




















「やっぱり、制御が難しい……。」


俺は、『プログラム』の制御の練習をしていた。


「俺の演算能力だけじゃ無理だな。 あの時みたいにデバイスが必要か……。」


自分の演算能力に限界を感じた俺は、ある場所に行くことにした。



















「で、私の所に来たんやな?」


「そうだ、リインフォースはユニゾンデバイスって言って、融合して演算を補助出来るんだろ?」


俺は、はやての家に来ていた。

どうせなら、俺の寂しい家に新しい家族が欲しかったからだ。


「そうやぁ。でも、リインフォースはあげへんで。」


「要らないよ。 データを提供してくれたら、後は自分で何とかする。」


「まあ、それくらいなら。」


「私は輪弥に助けらた恩があるからな。 それくらいなら、協力しよう。」


助けたのは俺ではなく『プログラム』提供者なんだが……、まあ、態々訂正するのも面倒だ。


「ありがとう。 感謝するよ。」


「ただ、一つ問題が。」


「なんだ?」


「ユニゾンには適正が必要なんだ。 データを提供するのは構わないんだが、私のデータで輪弥とユニゾン出来ないだろう。」


なんだ、そんなことか。

正直、そんなものいくらでも弄れる。

俺のリンカーコアをあくまで疑似的に作成したものだからな。

適正なんて400%だろうと合わせてやるさ。


「問題無いよ。 それに関しても此方で何とかする。」


「そうか。」


俺は、はやてとリインフォースの許可を得てデータを提供してもらった。



















「で、今度は僕の所まで来たと。」


「そうだ、クロノ。 俺にデバイスの作成技術はない。 だから、アースラの人に頼もうと思ってな。」


俺は旧型の【オーディンの瞳】を使い、違う次元に居た、アースラに【ポジションカットペースト】を使って現れた。


「なあ、別の次元に居るんだぞ? そんな場所でも分かるのか?」


「正直な話、キーワードさえあれば何でもわかりそうだ。」


クロノは呆れた顔をすると俺に言った。


「それを使えば、犯罪者がどこに逃亡しようとわかるじゃないか……。 僕達の苦労は……。」


「まあ、そう悲観するな。 手伝ってもらう代わりに何人か犯罪者を探してやるさ。」


クロノはもう一度俺を見ると、大きな大きな溜め息をついた。



















あの後、俺は【オーディンの瞳】で犯罪者を何人か特定した。

リンディさんに「ねぇ、時空監理局に入らない?」って言われたが、そんな組織に入って見ろ。

万能な検索エンジンとして使い潰されそうだ。

だから俺は丁寧に断った後、【ノンフィクション】に少し強制力を持たした物を使い、俺の能力については口止めをした。

そして、クロノにデータを見せると「バカなのか? 君は。」って顔をされた。

何故だ?


「輪弥、ユニゾンデバイスのデータを持ってきて僕達にどうしろと?」


「作成を手伝って欲しい。」


「無理に決まってるだろ。 古代ベルカのデバイスなんて、ミッドでは作れない。」


えっ? 作れないの? じゃあ、俺が頭痛を我慢して協力した意味は……。


「ないだろうな。」


そんな……。


「ストレージデバイスは駄目なのか?」


「それも考えたんだがな? 両手に空きが欲しいし、小型だと大した補助にはならないんだよ。 例えるなら、火に少しの水を落とす位。 ユニゾンデバイスは融合で補助力が高いからな。」


「まあ、あれだけの犯罪者の逮捕に協力してもらって、何もしないのもあれだ。 ……よし、ユニゾンデバイスに詳しい所に連れて行ってやる。 後は自分で何とかしてくれ。」



















そして、連れてこられたのが聖王教会って訳だ。

俺はクロノの紹介状を持って、カリム・グラシアって人を待っている。


「お待たせしました。 貴方が佐藤輪弥ですね。 私はシャッハ・ヌエラです。 シャッハとお呼び下さい。」


「宜しくお願いお願いします。 佐藤輪弥です。」


「そう固くならずに。」


「じゃあ、宜しく頼むよ。 シャッハ。」


「ええ、宜しくお願いします。 輪弥。 では、騎士カリムがお待ちです。」


俺はシャッハと名乗る女性に連れられて、奥へ向かった。



















暫く進むと、一つの扉の前で止まった。


「こちらです。 余り粗相の無いようにお願いしますね。」


「ああ、ありがとう。」


シャッハが中に入ると、扉を開けて俺を入れてくれた。



「こんにちは、貴方が佐藤輪弥さんですね? 私はカリム・グラシア。 カリムと呼んで下さい。」


「佐藤輪弥です。 気軽に輪弥と呼んで頂いて構いません。」


「そうですか。 では、輪弥さんと。 そちらも敬語は使わなくても構いませんよ。」


中に入ると金髪の少女、カリムが挨拶をしてくれた。


「じゃあ、こんな感じで。 今回はクロノに紹介状を貰って此処に来たんだ。 これだよ。」


俺はカリム紹介状を渡すと、カリムは笑顔で受け取り「拝見しますね?」と言った。

カリムは暫く紹介状を読むと「そうですか。」と言って顔を上げた。


「輪弥さんは、ユニゾンデバイスを作成するのを手伝って欲しいそうですね。」


「ええ、データは取っているから、それを参考にと思ってね。」


俺がそう返事返すとシャッハは驚いた顔をしていたが、カリムは一つの頷くとこう言った。


「手伝う事に関しては、何も問題はありません。」


「騎士カリム!?」


「シャッハ、静かに。 手伝う事は構わないのですが、やはり無償でっていうのは無理なんです。 ですから、輪弥さんには少し私の仕事を手伝ってもらいます。」


カリムは笑顔でそう言うと、ウィンドウを空中に出して部屋を暗くした。


「輪弥さんは、解析の希少能力があるそうですね? それを使って私の希少能力で出す予言を、ある程度解読して欲しいのです。」


なるほど、クロノは解析の能力と説明したのか。

確かに【オーディンの瞳】を使えば、解読なんて簡単だからな。


「わかった、協力するよ。 その代わり。」


「はい、ユニゾンデバイス作成をお手伝いしましょう。」


俺達はそうして協力関係を築いた。




















「凄いですね。 まさかこんなに解読できる何て。」


「まあ、ある程度の解読位なら楽勝だからな。」


俺はカリムの希少能力で出される、古代ベルカ語の文字を【オーディンの瞳】で解析し終わって、現在カリムに出された紅茶を飲んでいた。


「それじゃあ、カリム。 約束通り頼むぞ?」


「はい、構いませんよ。 それから、これは個人的な事なんですが、輪弥さん。 聖王教会に入りませんか? 貴方の能力は私の能力と相性がとても良いです。 入ってくれると嬉しいのですが。」


カリムは俺に聖王教会に入って欲しいと言っているが正直な話、あれを解析するのは旧型の【オーディンの瞳】じゃないと無理だ。

俺は頭痛を自分から受けたいMではない。


「悪いな、カリム。 俺は聖王教会には入らないよ。」


「何でですか? 輪弥さんなら、それなりの地位から始められますよ?」


「俺は地位には興味がないんだ。 適度に働いて、退廃的な生活でもするよ。 それが、今の俺の夢だ。」


カリムは「そうですか。」と残念そうな顔で呟いた。


「じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。 デバイスの事、頼んだぞ?」


「はい。暫くかかると思いますが、期待していて下さい。」


「ああ、ありがとう。 じゃあな。」


俺は片手を挙げながら『プログラム』を組、【ポジションカットペースト】で自宅に移動した。



さて、俺のパートナーは人形じゃなくなってしまったけど、新たなパートナーに期待しよう。







バカまるです。
輪弥君は人形のパートナーを得られず、新たなパートナーをデバイスにしました。
次元の壁を越えて聖王教会まで遥々と。

それでは、読んでくれた方
感謝の極み。


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