転生?まあ、適当に生きるよ。 (バカまる)
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輪弥君VS銀髪君の話です。
前回、作者のせいで変な設定が付いてしまった輪弥君を何とかいつもの輪弥君に戻さなければ。



復讐の輪弥。 これが俺の切り札の一つだ。

やあ、前に秘密が銀髪君にバレてしまった佐藤輪弥だ。

あれから数日がたった。

その間になのはが電話して来たので「まさか、バレたのか?」と思ったが、どうやら決意を固める為に俺に連絡を取っておきたかったらしい。

俺は「お前が正しいと思った事をやりきってみせたら良い。」と伝え、この間行けなかった事を謝り通話を終了した。






そして俺は今、銀髪君の居場所を旧型の【オーディンの瞳】で副作用を気にせずに探し当てその場所に向かう準備をしている。

何やら銀髪君、現在宇宙空間で船のような場所に居るみたいだ。

まあ、俺には場所や次元なんて関係無い。

世界はパソコンとして仮定出来る。

なら、何処に居ようが【ポジションカットペースト】を使えば宇宙の果てにだって行ってやるさ。

俺は銀髪君を倒し記憶を消し去る為の『プログラム』をこの日まで作り続けて来た。

待ってろよ銀髪君、貴様を倒して見せる。

俺は【ポジションカットペースト】を起動させ転移した。



















現在俺はどこかの食料庫に居るらしい。

俺は人に見付かる前に【ライトイリュージョン】で光をねじ曲げ透明になって移動しだした。



















暫くあちこちを探索していると、管制室のような場所に出た。

管制室には銀髪君になのは、黒い服を着た少年、翠色の髪の女性の他にコンソールを操作している人がいた。

それを確認すると、俺は銀髪君の背後に恭也直伝の気配を絶つ技術を使って接近した。

これは、恭也になのはの相談に乗ってくれたお礼がしたいと言われたので、銀髪君に復讐する為に習った物だ。

気配を絶って接近したお陰か誰にも気づかれずに接近できた。

俺はそこで【ライトイリュージョン】を切り新たな『プログラム』を起動させた。

【サイレント】、これは文字通り対象の音をすべて消す能力だ。

俺は【サイレント】を起動させ声を出した。



「やあ、こんにちは。 なのはが世話になってます。」


俺が声を出した事でやっと気づいたのか、すぐに黒い服を着た少年が俺を取り押さえようと動き出した。

しかし、俺は後ろにバックステップする事で掴み掛かってきた手を避けた。



「おっと、まずは話を聞いてくれ。 質問にはある程度答えてやるから。」



俺がそう言うと此方を警戒しながらも動くのを止めた。

そこで、なのはの声が割り込んで来た。



「り、輪弥さん!? どうして此処に。」


「それを今から説明するとこなんだ。」



なのはは頷き「わかったの。」と困惑した顔で言ってきた。

銀髪君は何か言おうとしているが、俺の【サイレント】のせいで声が出ていない。

まずは、自分の事を話した後に本題にしようと思い自己紹介から始めた。




「じゃあ、改めまして。 佐藤輪弥だ。 なのはとは知り合い…………いや、友達だ。 黒い服の少年と綺麗なお姉さん、よろしくな。」



俺が自己紹介をすると、黒い服を着た少年と翠色の髪の女性が同じように自己紹介をして来た。

いまだに警戒はしているが。

なのはは俺が友達と言ったことが驚いたのか、鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をしていたが、途端に笑顔になり「えへへ。」っと照れながら笑っていた。




「時空間管理局のクロノ・ハラウオン執務官だ。」



「リンディ・ハラウオン、この艦の艦長をしています。 そして、あなたは何者ですか? 魔力反応もありませんでしたが。」



リンディ・ハラウオンとクロノ・ハラウオンは依然警戒しながら問うてきた。



「俺が何者かに関しては地球の超能力者としか言えません。 この艦にはテレポートを使って現れました。」



俺が説明すると二人はまだ信じられないのか疑うように見てきた。

まあ、実際嘘だしな。

そして、ここでなのはが声を上げた。



「それで、輪弥さんは何で此処に来たの? それとなのはの事、友達って思ってくれてるの!?」



なのはは明らかに後半が本題の様子で話しかけてきた。

そんななのはの様子を見て警戒するのが馬鹿らしくなったのか、少しだけクロノ・ハラウオンとリンディ・ハラウオンは空気を緩めた。

俺は小学生相手とは言え、恥ずかしいのでぶっきらぼうに答えてさっさと本題を告げた。



「ああ、友達と思ってるよ。 それで、本題だが。 俺はそこの銀髪君と模擬戦をしに来た。」



俺の突然の宣戦布告に銀髪君は少し戸惑った様だが余裕の態度で口を開いた。



「…………、…………。」



まあ、残念ながら【サイレント】で声は出ないが。

今ここで、俺の秘密をバラされたら困るからな。

クロノ・ハラウオンとリンディ・ハラウオンは銀髪君が口をパクパクしているだけなので「何言ってんだ?」って顔をしている。

まあ、恐らく「雑魚が、身の程を弁えろ。」なんて言っているんだろう。

まあ、銀髪君は顔を真っ赤にして怒っていたが放置して話を進めた。




「それで、クロノ・ハラウオン、リンディ・ハラウオンさん。俺は此処にあった演習場を貸して欲しいんだ。」



俺がそう言うと二人は顔を見合せ暫くしてから言った。

俺はここに来るまでに艦内を見回ったので演習場があることは知っている。



「良いでしょう。 ただし、その戦闘の映像を解析させてもらうわ。」



「わかりました。 ありがとございます。リンディ・ハラウオンさん、クロノ・ハラウオン。」


俺がそうお礼を言うとリンディ・ハラウオンは笑みを浮かべて言った。



「リンディで良いわよ。 それに、私達に気づかれずに侵入した貴方の能力も気になるしね。」



「僕もクロノで構わない。 見たところ同じ位の年のようだしな。 よろしく頼む。」




クロノのが同じ位の年とは驚いた。

てっきり小学生位かと……。

まあ、許可は貰えたんだ。

俺は未だに怒っている銀髪君と演習場に向かった。



















俺達は暫く歩いて演習場にたどり着いた。

俺は演習場の真ん中に立つと【サイレント】を解除して話しかけた。



「よう、銀髪君。 復讐しに来たぜ。」


銀髪君は自分の声が出るのを確認すると、俺に向けて言い放った。



「ふん、モブの分際で俺に楯突くなんてな。 本当ならあの証拠を今すぐばらまいても良いんだが。 まあ、お前を倒した後にでもばらまいてやるさ。」



「やれるものならな。 言っとくが前戦った時みたいに防御には徹しないぜ。」



「やって見れば良いさ。 俺にはどんな能力も効かない。」




銀髪君は自信満々に言った。

悪いが全力で行かせて貰う。

銀髪君は装備として金色の剣を持っている。

俺と銀髪君が構えるとスピーカーからリンディさんの声がした。



『それじゃあ、模擬戦を始めるわよ? 二人とも準備はいい?』



俺と銀髪君は頷き、開始を促した。




『それでは模擬戦を始めます。 試合、開始。』



俺は合図を聴くと同時に『プログラム』を起動させる。


「起動。【ブラスター】」


俺が手を前に突き出し、手から黒色の光線を出す。

これは、なのはのディバインバスターを参考に作った。

まずは、【スキルイミテーション】を『プログラム』を通し、源の力を魔力に変換する。

源の力はあらゆる力の原初なので魔力にだって変換出来るのだ。

そして変換した魔力を俺はなのは並みの収束能力を得るために『変換』『収束』『砲撃』と一連の動作全てを『プログラム』とする事で実現した。

そして、俺の放った【ブラスター】は銀髪君に直撃すると思いきや、銀髪君が突き出した右手に当たると同時にガラスの割れるような音と共に消滅した。

銀髪君は俺に勝ち誇った顔をして言った。




「お前がどんな能力を持っていても、俺の右手はあらゆる異能の力を打ち消す事が出来る。 お前に勝ち目は無い。」



俺は銀髪君が言った言葉を整理した。

銀髪君は右手に異能の力を打ち消す事が出来る能力を持っていてると言った。

つまりは、右手に触れた俺の能力は全て消し去られてしまい、【ブラスター】などの砲撃みたいな攻撃には俺の【パラドックス】以上の効果を発揮するのだろう。

【パラドックス】は形を取っていない攻撃には止まった部分に攻撃が貯まってしてしまうので壁の形を取らせている【パラドックス】の横から攻撃が通るのだ。

なのはのディバインバスターで検証済だ。

【パラドックス】は用改良だな。

そこまで考えた俺に銀髪君は言った。



「今度は、こっちの番だ。」


そう言うと、銀髪君の背後の空間が歪み沢山の武器が現れた。

銀髪君が手をひとふりすると沢山の武器を射出して来た。

俺はすぐさま【パラドックス】を起動させ武器による攻撃の雨を防いだ。




「ちっ! またそれか。 だが、同じ手は食わないぞ。」


銀髪君が武器の射出を止めると、【パラドックス】で静止した武器が全て消えた。

これじゃあ【サスペンドリフレクション】は使えないな。

俺は遠距離が効かないと分かると、銀髪君に突っ込みながら『プログラム』起動する。




「起動。【ミスパーフェクト】」



俺は【ミスパーフェクト】で銀髪君がたまに撃ってくる魔力弾を避けながら近づく。

銀髪君の魔力弾はなのはの魔力弾に比べると構成が甘く、更には速度が遅いので簡単に避けられた。

銀髪君は慌てずにてに持っていた金色の剣をこちらに向けた。

俺が銀髪君に殴り掛かる直前に、銀髪君は青白い障壁を張って防いだ。

いくらなのはに比べると構成が甘いと言っても、その分を魔力で負担でもしてるんだろう。

俺のパンチでは砕く事はできず、仕方なく体勢を建て直すために一度距離を取った。



「やるな、銀髪君。 今のままじゃ勝てないみたいだ。」



「当たり前だろ。 お前みたいな雑魚にはやられない。」



俺が素直に褒め称えたにも関わらず銀髪君は当然とばかにり俺を見下した。

はあ~、まあ、『このままのスペック』じゃあ勝てないだろうな。




「まあ、銀髪君。 次で終わらせる。全力で障壁を張れ。 まだ上手く調整出来ないんだ。」



「ふん、お前相手にもう障壁を張ることは無いさ。」



銀髪君は張ら無いと言ってるが、俺が張って貰わないと困る。

さっきも言ったように、上手く調整出来ないんだ。

まあ、銀髪君が張らないで良いと言うなら仕方ないよな?

俺はちゃんと警告はしたんだ。



「そうかい。 じゃあ、後悔するなよ。」



「雑魚相手に後悔する事ないんてないさ。」




銀髪君がまた背後から沢山の武器を準備して言った。




「さあ、貴様のあの防御がどこまで持つか試してやるよ。」



銀髪君が腕をまたひとふりすると武器が飛んできた。

だが俺は【パラドックス】を起動する気はない。

俺は飛んでくる武器を見ながら新作『プログラム』を起動した。




「これが、俺の切り札の一つだ。起動。【静止する世界】」



俺が『プログラム』を起動すると、文字通り世界が静止した。

まあ、正確に俺の思考速度が擬似的な時間停止まで上がったのだが。

俺が起動した『プログラム』、【静止する世界】は【パラメーターコントローラー】の発展系で、思考速度を疑似時間停止まで上げ、体の耐久性と速度をこの世界でも動けるレベルまで上げながら、体に掛かる負荷を治癒し続ける事で軽減する『プログラム』だ。

欠点としては、発動までに『プログラム』を組む時間が掛かる事と、発動後に体があまりの速さで動くため、ソニックブームでボロボロになることだ。

故に発動したら時間が停止してる間に倒さなければピンチになる。

そして、一対一の状況でなければリスクが大きすぎて使えない事だ。

さて、それじゃあ殺りますか。

俺は途中で止まっている武器の間を掻い潜り銀髪君に近づいた。



「さあ、障壁を張らなかった事を後悔するがいい。」



俺はこっそり隠し持っていたハリセンで銀髪君の体のあちこちを殴った。

考えてみてほしい。

例え紙だとしても、音速を超える速度でハリセンを振っているのだ。

その威力はどれ程になるだろう。

俺は約12秒間の時間停止を解除した。

時間が元に戻ると同時にハリセンは摩擦で燃え尽き、銀髪君は倒れた。

俺はと言うと。



痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!



頭痛とソニックブームでボロボロになりながらも何とか立っていた。

そして俺は証拠隠滅の為に銀髪君の体に触れ【人類のおもちゃ箱】を起動し銀髪君の独自空間に繋げ、俺に関する物を全て【人類のおもちゃ箱】に移した。

そして、最後に記憶操作の能力【メモリーアルバム】を起動した。

【メモリーアルバム】はパソコンで言う履歴を操作して削除と改竄をする『プログラム』だ。

俺は全ての仕事を終えて最後に一言を言って意識を絶った。



「銀髪君。 お前は俺の触れちゃいけない部分に踏み込んでしまったんだよ……。」



そこで、俺の意識は途切れた。


ああ、どうか。

これで、面倒事が終わりますように。


俺はそう心から願った。








バカまるです。
輪弥君は証拠を隠滅でき、輪弥君の趣味を知るものは居なくなりました。
時間停止については完全に妄想なので突っ込みは勘弁してください。
そして、そろそろ無印編も終わりますね。
これからも読んで頂けると嬉しいです。

ではでは、読んでくれた方
感謝の極み。


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