所得隠し:「お父さん犬」所属プロが1億円

毎日新聞 2014年08月01日 18時02分(最終更新 08月01日 18時43分)

ソフトバンクの帽子をかぶった白戸家のお父さん=福岡市中央区のヤフードームで2009年4月、徳野仁子撮影
ソフトバンクの帽子をかぶった白戸家のお父さん=福岡市中央区のヤフードームで2009年4月、徳野仁子撮影

 携帯電話大手・ソフトバンクモバイルのテレビCMで「お父さん犬」として知られる北海道犬カイくんが所属する「湘南動物プロダクション」(千葉県成田市)が東京国税局の税務調査を受け、2013年7月期までの5年間で約1億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。このうち、09〜12年の4年間は法人所得を一切申告しておらず、重加算税を含む法人税の追徴税額は約4000万円とみられる。

 同社を巡っては、07年1月、東京都港区に同一社名の会社が設立されたもののその後解散。12年8月、まったく同じ商号で現在の会社が設立された。

 関係者によると、前身の会社は4年分の法人所得を一切申告していなかった。現在の会社も13年7月期の1年分を申告したものの、売り上げの一部を除外していた。現在の会社の女性社長(52)は前身の会社で取締役を務めており、国税当局は、設立と解散を繰り返して税務申告を免れた、悪質な所得隠しと判断した模様だ。

 民間信用調査会社によると、同社は100種類超の動物を所有している。毎日新聞の取材に社長は「税務署の定期の調査は受けた」、同社の従業員は「一切何も言わないよう指示されている」と話した。【太田誠一】

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