済州道の元喜龍(ウォン・ヒリョン)知事は31日、中国資本による大型建設事業2件を中止させる考えを表明した。今後事業者との間で摩擦が予想される。.
建設中止が命じられたのは、済州道で最高層となる済州市の「ドリームタワー」と西帰浦市の大規模複合リゾート「済州神話歴史公園」の2カ所。これら事業は前知事時代に許可されたか、事業計画が承認されたものだ。
元知事は就任満1カ月の記者懇談会で、「ドリームタワー事業は現在の状態で進めることはできない」と述べ、事実上事業許可を撤回した。元知事はその理由として、「事業は形式的な事業許可手続きを経たが、済州の景観、交通、都市機能など将来的価値に合わない懸念が非常に大きい。事業者は高度の問題を解決する代替案を示すべきで、既に事業者にも伝えた」と説明した。
ドリームタワーはロッテ観光開発の系列企業、東和投資開発が中国不動産大手の緑地集団を投資者として誘致し、済州道内では最高層となる56階建て(高さ218メートル)のホテル、コンドミニアムなどの建物2棟、計3棟を建設する内容だ。緑地集団は60億元(約1000億円)の投資を見込んでいる。
元知事の決定について、東和投資開発は「道知事が交代したからといって、既に許可が出た事業を撤回するのは信頼性の面で問題を引き起こしかねない」と述べ、既に出ている事業許可通りに工事を強行する姿勢を示した。
元知事は済州神話歴史公園についても、宿泊需要に基づき、宿泊施設の規模を再算定すること、カジノ運営計画の有無について当初から透明な情報公開を行うことを求めた。済州神話歴史公園は、西帰浦市安徳面の面積250万平方メートルの敷地にユニバーサルスタジオ型の「ワールドテーマパーク」とコンベンション施設などを備えた複合リゾートを建設する事業だ。昨年10月、中国の藍鼎集団から2兆5600億ウォン(約2560億円)の投資を誘致することで合意していた。
元知事の動きが伝えられると、中国では対韓国投資への警戒感が高まっている。北京日報、環球時報など中国各紙は先月から「元知事が中国企業の投資に中止または再検討を命じた」「在韓中国大使館が調査中だ」などと伝えた。