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朴大統領との会談予定はなかった、「90%以上の東京都民は韓国好き」は誤報…舛添都知事の訪韓とはなんだったのか??

先の舛添都知事訪韓については注目度が高く、特にBlogos記事では多くの反響をいただきました。

都知事の韓国訪問に、非難殺到?東京都が「都市外交」を行う意義
http://blogos.com/article/91306/

ネット世論等では、

「何をしに行ったのか、理解できない」
「わざわざ朴大統領に頭を下げるために、自ら韓国に行った」

とのご意見も多かったので、東京都担当局に訪韓に至るまでのプロセス、具体的な成果や対談のやり取りなどを確認しました。



まず今回の訪韓は、6月上旬にソウル市長選挙が行われ、現ソウル市長が二期目の再選。そのタイミングで東京都知事宛に、友好都市の首長として先方から招待状が届いたそうです。

都市外交を重視する舛添都知事はこれを快諾。ソウル市との提携内容を詰めて、この合意書締結を目的としてソウル市への訪問が正式に決定しました。

東京都とソウル特別市の合意書締結について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/07/20o7n500.htm

そしてご案内の通り、韓国は先だってセウォル号の悲劇が起きた直後ということもあり、これに犠牲者への弔問という目的も加わります。

この流れで、弔問先である京儀道(※)知事への表敬訪問がスケジュールの中に組み込まれました。また、国会議長への表敬訪問も入っていたそうです。


京儀道は、韓国における広域自治体・行政地区の一つ(ソウル市を含む)。日本で言えば京儀道が東京都で、ソウル市が港区や八王子市などの基礎自治体にあたる。

140725_chiji_kikoku_02
(写真は知事の部屋より、ソウル大学講演の様子)

というわけで、日本を出立時の舛添都知事の韓国でのスケジュールは以下の通りになります。

7月23日(水)
ソウル市合同焼香所での献花
ソウル特別市長との面会(協議)
→「東京都とソウル特別市の交流・協力に関わる合意書」締結

7月24日(木)
国会議員(議長)と面会(表敬訪問)
京畿道知事と面会(表敬訪問)
京儀道庁舎内合同焼香所での献花
安山市合同焼香所での献花

7月25日(金)
ソウル大学で講演
…あれ、朴大統領との面会は??

そう、実は当初の東京都担当局のプランでは、7月25日に実施された朴大統領との会談は予定されていなかったのです。

では、いつ朴大統領との会談が決まったのでしょうか?訪韓中の7月24日に急に話が持ち上がり、てんやわんやのうちに都知事と朴大統領との会談が決定したとのこと。

…よって東京都担当局としては、大統領との会談は事前に行政府として目的を持って計画されたものではなく、あくまで

「政治家同士の話し合い」

であり、その目的や結果などの詳細は把握されていないとのこと。そのため、記者会見や報道で

「安倍首相のメッセージを預かってお伝えした」

とのことでしたが、いつのタイミングで首相と都知事がやり取りし、メッセージを預かっていたのかもわからないようです。

…うーん??

なお、これまた物議を醸しだしている、ソウル大学での講演中にあったとされる

「90%以上の東京都民は韓国好き」

という発言については、実際のところ

「私が付き合っている限り、9割以上の日本人は韓国が好き」

とのことで、「東京都民」というのは完全な誤報のようです。まあ、都知事個人の交友関係の中で9割以上という数値が出ることには、特に問題ないと思います。



まとめると、以下の通りです。
・今回の訪韓は、ソウル市長からの招待がきっかけ
・ソウル市との交流協議と、セウォル号の弔問が目的だった
・実は朴大統領との会談予定はなく、訪韓中に急きょ決定した

・そのため、東京都としては事前の計画にないことで、その効果測定もできない
・安倍首相のメッセージをいつ預かったのかも不明
・講演会での「都民の90%以上~」という発言は誤報
私が都議会議員としての職責で調べた限りでは、こうしたところが事実関係になるようです。

前述の通り、私はソウル市との協力・都市外交のついては高く評価致しますが、朴大統領との会談およびその成果については懐疑的です。当初の計画にはなかったものとのことで、その疑問はより深まりました。

これ以上は行政(東京都)に対してより、政治家としての舛添都知事に真意や考えを聞くべきものと思われますので、必要に応じて次期定例会での課題になるかと。。

以上、取り急ぎのご報告とさせていただきまして、また何かわかればお伝えできればと思っております。

それでは、また明日。

おときた駿

◼︎おときた駿プロフィール
みんなの党 東京都議会議員(北区選出)/北区出身 30歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。

twitter @otokita
Facebook おときた駿

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