三鷹ストーカー殺人:22歳被告に無期懲役を求刑
毎日新聞 2014年07月29日 15時44分(最終更新 07月30日 00時29分)
東京都三鷹市で2013年10月、元交際相手の高校3年の女子生徒(当時18歳)を殺害したとして殺人罪などに問われた無職、池永チャールストーマス被告(22)の裁判員裁判が29日、東京地裁立川支部(林正彦裁判長)であった。検察側が「犯行態様は残忍で、周到な準備を行った上での計画的犯行」と無期懲役を求刑したのに対し、弁護側は「動機形成に影響した虐待やネグレクト(育児放棄)を受けた成育歴は刑事責任を減軽する」と懲役15年が相当と主張し、結審した。判決は8月1日。
検察側は過去の類似事件と比較した上で「死刑を求刑するにはちゅうちょせざるを得ない」と説明。求刑後、生徒の両親の代理人弁護士が意見を述べ、「検察官は死者の数にとらわれているが、ストーカー殺人はその後も多発している。1人の殺害でも死刑になることを社会に示し、事件の連鎖を断ち切る必要がある」と極刑を求めた。
これに対し、池永被告は「ご遺族のおっしゃっていることや求刑は重く受け止め、いかなる刑罰も受ける。ご遺族には手紙を送りたい」と述べた。被告人質問では謝罪の気持ちを問われ「完全に申し訳ないという気持ちには至っていないが、罪悪感を感じることはある」と説明した。
また、生徒の両親は閉廷後、代理人弁護士を通じ、「証人にも立ったのに裏切られた思い。特定の被害者を狙うストーカー殺人は被害者が1人という場合が多いと思うが、懲役ならやってしまおうという考えになる。裁判官と裁判員は勇気をもって死刑判決を出してほしい」と検察の求刑を批判するコメントを出した。【松本惇、大平明日香】