三鷹ストーカー:被告、事件前に具体的犯行計画…検察側

毎日新聞 2014年07月22日 18時55分(最終更新 07月22日 19時11分)

送検のため三鷹署を出る池永チャールストーマス容疑者(左)=東京都三鷹市で2013年10月10日、梅村直承撮影
送検のため三鷹署を出る池永チャールストーマス容疑者(左)=東京都三鷹市で2013年10月10日、梅村直承撮影

 東京都三鷹市で2013年10月、元交際相手の高校3年の女子生徒(当時18歳)を殺害したとして殺人罪などに問われた無職、池永チャールストーマス被告(22)の裁判員裁判の初公判は22日午後も東京地裁立川支部(林正彦裁判長)で続き、証拠調べなどが行われた。検察側は、池永被告が事件前に具体的な犯行計画を手帳に記すなどして準備を進めていたことを明らかにした。

 池永被告は昨年10月8日午前、女子生徒宅に侵入。同日午後4時55分ごろ、所持していたナイフ(刃渡り約13センチ)で帰宅した生徒の首や腹を何度も突き刺して殺害したとして起訴され、この日の初公判で起訴内容を認めた。

 検察側の冒頭陳述や証拠調べによると、池永被告はインターネットで知り合った女子生徒と11年12月ごろに交際を始めたが、13年1月に別れ話を持ち出され、同7月ごろには「別の男と交際するくらいなら」と考えて殺害を決意したという。

 その後は、運送会社を装った友人を生徒宅に行かせる手口や「あまり現場をうろつかない。所要時間は15〜20秒」と手帳に書き込むなど殺害を事前に計画。生徒の首を刺すために、友人と(空手の練習の)組手を練習するなどしていたという。

 一方弁護側は、池永被告が幼少時の貧しい生活の中で、母親の交際相手から激しい暴力を受け、児童相談所に保護されていたことなどを明らかにし、「過酷な経験が今回の事件を引き起こした」と主張した。また、被告の母親が今年3月に遺族宛てに謝罪の手紙を書いたことを明らかにした。【松本惇、大平明日香】

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