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兄弟時代に終わりを告げ、バンドになったKIRINJIからのご挨拶

インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:豊島望(2014/08/01)

堀込泰行の脱退を受けて、6人編成のバンドに生まれ変わったKIRINJIがとにかく面白い。堀込高樹を中心に、これまでもキリンジのサポートを務めてきた田村玄一、楠均、千ヶ崎学が脇を固め、さらにはコトリンゴと弓木英梨乃という才能溢れる女性アーティストが融合。最年長の田村と最年少の弓木は30歳以上の年の差もあり、当然音楽的な背景もまったく異なるが、だからこそ生み出されるこれまでに聴いたことのない楽曲たちが、新体制後の初のアルバム『11』にはぎっしりと詰まっている。もちろん、これは堀込高樹のプロデューサーとしての優れた視点の反映でもあり、また年代やジャンルが無効化された現代を体現しているからこその輝きだと言ってもいいだろう。そんな新生KIRINJIの船出について、今回は堀込高樹、田村玄一、楠均、弓木英梨乃の四人に話を伺った。CINRA随一のKIRINJIファンいわく「食べたことのないすごく美味しい多国籍料理」な『11』、ぜひご賞味あれ。

PROFILE

KIRINJI(きりんじ)
堀込高樹(vo & gt)、田村玄一(pedal steel & steel pan ,gt ,vo)、楠均(dr & per,vo)千ヶ崎学(bass-syn & vo)、コトリンゴ(vo & pf ,key)弓木英梨乃(vo & gt,vln)。1996年10月、実兄弟である堀込泰行(vo & gt)、堀込高樹の二人で「キリンジ」を結成。97年CDデビュー。2013年4月12日のツアー最終日をもって堀込泰行が脱退。<兄弟時代>17年の活動に終止符を打つ。以後、堀込高樹がバンド名義を継承、同年夏、新メンバーに田村玄一/楠均/千ヶ崎学/コトリンゴ/弓木英梨乃 を迎えバンド編成の「KIRINJI」として夏フェス出演を皮切りに再始動。新体制初のレコーディングは大貫妙子トリビュートアルバムにて「黒のクレール」をカヴァー。2013年12月には新体制初となるワンマンライブ「KIRINJI LIVE2013」も東京・大阪で開催。新たに男女混成バンドとして新鮮なアンサンブルを披露。2014年夏、レコードレーベルをVerve/ユニバーサルミュージックに移籍。8/6にニューアルバムのリリース、9/23からは全国ツアーも予定している。これまでにオリジナルアルバム10枚を発表。
KIRINJI
KIRINJI - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

ただ上手い人っていうのはいくらでもいるんだけど、プレイ自体が魅力的な人と一緒にやりたかったんですよね。(高樹)

―まずは改めて、なぜKIRINJIをバンドにしたのか、その理由を話していただけますか?

高樹(Vo,Gt):周りは「一人でやるだろう」と思ってたみたいなんですけど、これまでやってきたことをただ一人でやっても面白くないと思っていて、だったら、単純に人数を増やしたほうがいいと思ったんです。レコーディングを活動の中心にするっていうのは今の時代無理があるし、今まで以上にツアーをしっかりやっていきたい気持ちがあったから、バンド形式が楽しそうだなって。前から、ライブで培ったものをレコーディングに反映させたいと思ってたので、「この機会に」と思って、みなさんにお声掛けしました。

左から:堀込高樹、弓木英梨乃
左から:堀込高樹、弓木英梨乃

―6人ってわりと大所帯だと言えると思うんですけど、最初からこの規模感で考えていたのでしょうか?

高樹:僕、ベース、ドラム、キーボードの4人とかだと、バンドとしての個性には欠けますよね。カラーを出すためには、やっぱり玄さん(田村玄一)みたいな、他にはいない人がいないと(笑)。「ペダルスティールもスティールパンもあって、このバンド何をやるんだろう?」っていう。さらには、真ん中で女性がギターをバリバリ弾いて、しかも、さっきあの人が歌ったと思ったら、今度はこっちの人が歌ってたり、音楽をやってるだけなんだけど、見ていて楽しいグループにしたいなっていうのもあって。

―あえて言うと、「ペダルスティール=カントリー」みたいに、ジャンルを限定してしまう危険性もあるわけじゃないですか? ただそうじゃなくて、それを使った上で、「この6人だったら、こんな面白いものができますよ」っていう、独自の個性につながってますよね。

高樹:世間のイメージだと、確かにペダルスティールにそういうイメージってありますよね。だけどすごく表現の幅がある楽器だし、玄さん自身いろんなスタイルでやられているから、ジャンルとはかけ離れたところでアンサンブルを作れるっていうのは、編曲していく上で非常に重要ですね。

田村(pedal steel,steel pan,Gt,Vo):もともと私のスティールギターそのものがカントリースタイルじゃないんですよね。それに高樹くんは、私がキリンジにサポートで入ってた頃から僕のスタイルを聴いているので、その上で受け入れてくれてるんだと思うんです。

田村玄一
田村玄一

―田村さん、楠さん、千ヶ崎さんに関しては、もう長く一緒に活動をされてますもんね。とはいえ、やはりバンドになるという話を聞いたときは、驚かれたかと思うのですが。

田村:でも、関わる上での基本的なスタイルは全く変わってないと言っていいと思うんです。しいて言えば、責任感みたいなものは少し出てきたかな。私生活から気をつけないと、変な事件起こさないようにしないとって(笑)。

楠(Dr,Per,Vo):今までは曲単位で関わってて、演奏しちゃえばあとはお任せで、製品ができるまで楽しみに待つって感じだったけど、今回は完成まで全部に関わってるので、やっぱり責任感は芽生えましたね。

楠均
楠均

―そして、弓木さんとコトリンゴさんという2人の女性メンバーは、これまでのキリンジにはなかった新しい要素になるわけですが、「女性メンバー」っていうのは、高樹さんの中で最初から外せなかったわけですか?

高樹:やっぱりね、男ばっかり集まってるバンドよりも、女性がいたほうが華やかだし、あと自分の音楽の中には女性性があると思うんですよ。そういうときに、ピアノをガンガン弾くような人よりも、コトリンゴさんみたいに繊細なニュアンスを出せる人が弾いてくれると、曲に違った輝きが生まれるというか。それは弓木ちゃんもそうで、ただ上手い人っていうのはいくらでもいるんだけど、プレイ自体が魅力的な人と一緒にやりたかったんですよね。

―弓木さんはバンド活動自体が初めてだそうですが、この1年はどんな1年でしたか?

弓木(Vo,Gt,Vl):すごく濃い1年で、ライブもたくさんありましたし、アルバムも作って、ホントに贅沢な環境にいさせてもらってるなって思うので、楽しみつつ、自分自身をもっと成長させられればと思います。

田村:弓木ちゃんはライブのときこれでもかってぐらい笑顔で、これでもかってぐらいごついギターを弾くんですよ。そのギャップがものすごく可愛くて、弓木株急上昇中なんです(笑)。


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