阪神−ヤクルト 7回表2死一、三塁、谷内に適時打を浴びうつむく能見=甲子園球場で(佐伯友章撮影)
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◇ヤクルト8−1阪神
ヤクルトが15安打で大勝し、10カードぶりの勝ち越し。1回にバレンティンの20号2ランで先制。7回は谷内の適時打で加点。9回には谷内の2点二塁打などで4点。村中が8イニング1失点で今季初勝利。阪神は能見が7イニング3失点で10敗目。
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表情は普段通り。淡々としていても、体にまとわりつく重苦しい雰囲気が振り払えない。今季17度目のマウンドに上がった阪神のエース、能見にまたも黒星がついた。7イニングを投げ3失点。5月24日のソフトバンク戦で5勝目を挙げて以来、8試合白星なし。自己ワーストを更新する6連敗で、2012年以来2年ぶりの10敗目をリーグ最速で喫してしまった。
「そやね。失投ちゃ、失投やね」。ぶっきらぼうに振り返ったのは初回、バレンティンとの対戦だった。1ボール2ストライクからの4球目、131キロのスライダーが高めに入ると、それを捉えられバックスクリーンにたたき込まれた。無失点での再出発を期していた登板でいきなり重い2点を失った。
前回登板だった7月23日の巨人戦では負け投手となったものの、9イニングを投げきり立ち直りの兆しを見せていた。だが、迎えたこの日も空回り。9個の三振を奪う能見らしさを見せつつも、結果に結び付かない。本人も「修正というより低めにいき始めたから…。ゼロに抑えてないから、なかなかね…」と、つかみきれない手応えにもどかしさを口にした。
和田監督は優勝へは能見の力が絶対必要という前提で「状態を上げていってもらわないと。悪いというわけじゃないけど、勝てない分、気分的にも重くなるだろう。こっちも何とかしようとはしているんだけど」と、悩ましい心境を口にした。7月は8連勝を含め15勝しただけに、2カード連続負け越しには失速感もつきまとった。 (中山隆志)
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