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ちょっとエッチで正しいハーレムの作り方 作者:上級読者

まどかの章 18 ☆☆☆ 奴隷市場(ゴミの市)

こんな所に来るのではなかった。なんなのだ…この臭い。余は10年生きてこれ程の悪臭を嗅いだのは生まれて初めて…。ううっ…。うえぇええ…。

あぁ、スゲェ臭いだ…。こりゃ、服に染み付いたら一生取れないかも…。排泄物とか体臭とか腐った食べ物とか死体とか、なんかもう色んな臭いが混じって何がなんだか…。

うげぇえっえ…ゲロゲロ…。ゲロゲロ…。

お、おい。大丈夫かよ。背中スリスリ…。

ありがと…なのだ…。そ、そちは…大丈夫なのか…。うげげげぇええ…ゲロゲロ…。ゲロゲロ…。ゲロゲロ…。

背中スリスリ…。オレは子供の頃、下水道が住み家だったから、こういう臭いには慣れてるんだ。でもこれなら下水道の方が十倍マシだよ。背中スリスリ…。

うげぇぇぇええ…ゲロゲロ…。駄目じゃ~。頭がクラクラして…しばらく動けそうにないのじゃ…。杏子よ、余に構わず、ほれ…あの露天で売られておる女の子達へ事情を聞きに行ってくれ…。店主は接客中のようじゃ。今がチャンスじゃ。さりげなく近づき、コッソリと聞き取りを…うっ、うげぇ…ゲロゲロ…。ゲロゲロ…。

背中スリスリ…。で、でも、ご主人さまが…。オロオロ…。オロオロ…。

余は大丈夫ではないが大丈夫じゃ。ここで少し壁に寄り添って座っておる。臭いに慣れたら余も行くから…。

う、うん。じゃ、直ぐに行って帰って来るから、じっとしててくれよ?

ここで杏子のお尻を眺めておるのじゃ…。

馬鹿っ!(//// パタパタ…。パタパタ…。

ううっ、行ったか。上手く行けばよいが…。しかし杏子の後姿、お尻のラインがまるで見えんのだ。胸と同じで出ていないのであろうか。お尻もモミモミして育てることにするか……って、あぁ、何をやっておるのだ杏子の奴、いきなり店主にバレておるではないか。さりげなく聞き取りをせよと…。うわぁ…。アッという間にヤクザに取り囲まれよったわ。ん? なにやらこちらをチラチラ見ておるのう…。余に戦えと申すか? 無理じゃ。臭いに当たりて余の脛は立ち申さん。というか相手は魔法使いではなかろう。自力でどうとでも出来るであろうに…。目で返事をするか。ジリキデガンバレっと。んんっ、なんじゃ? なぜ頬を赤らめておるのだ? 意味が分からんわ。

あいつ、ご主人様のアンタに助けて貰いたいんだよ。

いや…だから助けてと言われても…って、ん? 誰じゃ、そなたは…? いや、何処かで…。

私の名前は美樹さやか。少し前までは巴家の姫君マミ様の騎士だった。今は上条家の若様の奴隷。あんた杏子のご主人様なんでしょ? あいつ、私の一番の親友でさ、奴隷になって落ち込んでるかと思いきや、あんなに明るい顔をしてるんで驚いたよ。…杏子をよろしくね。(微笑みながら腰を屈めて相手を見下ろす魔法少女さやかちゃん。水着のような可愛い戦闘衣を着ておられますぞ! オヘソには勾玉のようなピアスがキラッ、そしてミニスカはパンチラどころか下から丸見え! 年下の男の子にオヘソやお股を見せ付けて面白がってるそのお姿はまさに小悪魔なビッチそのもの! 少女が穿くにはけしからんなおパンツは生地が殆どない青の紐パンで、さやかちゃんの可愛いお尻は丸出しなのでございますぞっ!)

う、うむっ。余はアベルじゃ。こちらこそなのじゃ…。ジロジロ…。そうか…そちは上条とかいう者の奴隷となったか…余も狙っておったのだがな…。ジロジロ…。し、しかし可愛い戦闘衣であるの…。さやかの後ろへさり気なく回り込んで、お尻をジロジロ…(////

あーっ。君、どこ見てるのさ。そういうの勘弁して欲しいっていうか。アベル君エッチ過ぎ。しゃがみ込んで、ニヤニヤ。

み、見せ付けておいてそれはないのだっ! ううっ…おパンツが見えなくなってしまったのだ…(////

言っておくけど魔法少女さやかちゃんにエッチなことが出来るのはご主人様だけだからね♪ えへへへっ♪

ふ、ふん…。お前のようにエッチで性悪な性奴を持った上条とやらはさぞや毎晩大変なことであろうな…って、はて。上条…。んー。どこかで聞いたような…。上条…。上条……。そ、そうじゃ、あ、あの有名な幻想殺しの…。

いやその上条じゃなくて。上条恭介様の奴隷なんだけど。

キョウスケ!?

知ってるの?

姉上の元カレの名ではないかっ! 苗字が違うから別人であろうが、その名を聞くと無性にイラっとするのじゃ。

……もういい。私のご主人様は上条恭介様。エロス北域の8諸侯のひとつ上条家の若君様さ。年は私と同じ13歳。沢山のお金を出して私をスレーブドームで買ってくれたんだ。

……北域の上条。あぁ…あいつか。うむっ、知っておるぞ。

有名だもんね。アイツ。

北域ではおそらく最強の騎士であろう。複雑な曲線突撃で敵の集団に予想外の角度から切り込んで大将首を狩りよるのだ。あの年で既に4つの戦役に参戦して、どれも立派な武勲を立てておる。

うんうん。恭介様のことをよくご存知で♪

うむっ。もっと知っておるぞ。その強さと裏腹に甘いマスクをしておって、泣かした女は数知れず…らしいの。バイオリンの腕前がプロ並みで、エロスの宮廷ではいつも奴の周りに女どもが群がり、それはもう凄い人気なのだ。上条恭介はプレイボーイとしても、かなり有名なのじゃ。

ムカッ。恭介様が女に声を掛けてる訳じゃない。勝手に言い寄られて困ってるんだよ。……それにもうバイオリンは…。恭介様…巴家へ義勇軍として参戦しくれたんだ…。でも大怪我を負って…腕がもう…。剣は持てるけど…細かい力加減が出来ないんだよ…。

すまぬ。失言であった…。そうか…もうあのバイオリンは聞けぬのか…それは寂しいのう…。

しょぼん…。

……恭介は巴家と何か繋がりでもあったのであろうか。他国の諸侯の紛争に義勇軍として参戦するなど普通ありえぬことなのだが。

うん…。上条家と巴家の領地は隣り合っててね、従う王家は別だったけど両家は昔から仲が良かったんだ。巴家に仕える私んちにも恭介様はよくいらっしゃって、子供の頃から私と一緒に遊んでくれた…。オママゴトとかお人形遊びとか、恭介様、いつも私に合わせてくれて…。あの頃は私馬鹿だったから身分とかそういうの分からなかったんだ。まぁ、私、今でも馬鹿ですけどね。あはははっ。……巴家が大変なことになったとき、駆け付けてくれたのは恭介様だけだった。お父様やお母様や家臣たちの反対を押し切って、単身私達のピンチに駆け付けて下さったんだ。さやか助けに来たよって…。本当に嬉しかった…。

そのままそちらが勝っておったら英雄譚となったであろうに。

そうだね…でも現実はそう上手くは行かないよ。戦いに負けて、恭介様は傷を負われて故郷に戻られて、私は囚われて奴隷になって、もう会うこともないと思っていたのに、恭介様は私をドームで買って下さった。嬉しかった…けどさ、私が恭介様のお役に立てたことなんて、ただの一度もありゃしない…。厚意を受けるばかりで恭介様に何の恩返しも出来ない自分が悔しくて情けなくて…。だからもうこれからは恭介様の為に一生奴隷となって尽くすんだって心に誓ったんだけど…。恭介様は…あの方は、さやかは僕の幼馴染じゃないかって、客人として上条家に迎えるって、そう言われるんだ…。私…もうどうしたらあの人の温情に報えられるのか…分からないよ…。

恭介に感謝しておるなら看病するがよいのじゃ。見たところそちは治癒系の魔法使いであろう? もしかすれば…。

勿論試した。恭介様の腕が治るなら私は死んでもいいってくらいに集中して…。神様にもお祈りして…。でも駄目だった。奇跡なんて起きなかった。当然よね。私より数段上の治癒系魔法使いでも匙を投げたって程の怪我なんだもの、私なんかでは全然魔力が足りないんだ。でも諦めたくなくて治癒魔法の詠唱を続けてたら、恭介様、自分の腕のことよりマミや杏子が心配だと言って、様子を見てくるようにって…。

なんじゃ、もしかして恭介とやらは結構いい奴なのではないか?

結構どころか凄くいい人だっ! なんで今頃になって気付くんだよ。私の話を聞いてた? 普通、単身で私達のピンチに駆け付けてくれた辺りで気付くと思うけど…。

う、うむっ…。

ハァ…。まぁ、だから、そういう訳で、私はマミ様や杏子が誰に買われたか、ここに探りに来ることが出来たのよ。そしたら…。ジロジロ…。

ん? なんじゃ?

アンタ達、すごく仲良く話をしてたじゃない? 吃驚しちゃった。人見知りで媚びるのが大嫌いな杏子が、ご主人さま~なんて…。あんな甘えた声で呼び掛ける相手っていったいどんな奴か知りたくなって、アンタに声掛けたって訳。杏子を洗脳してたら懲らしめてやろうかと思ったけど、どうやらそういう訳でもなさそうだね。ジロジロ…。

仲が良いように見えるかの。杏子には怒られてばかりなのであるが…。んっ。そういえば杏子はどうなったのだ。キョロキョロ…。あぁ、丁度、ヤクザどもを倒し終えたところか。ではそろそろ余も行くとするかな。スクッと立ち上がってお尻の埃をパンパン。しかし結構時間が掛かったのだな。瞬殺かと思ったが。

だ、か、ら、アンタに助けて貰いたかったんだよ。ピンチのときに颯爽と白馬の王子様が現れたらメロメロですもん。来ないかな、来ないかなと、ゆっくり戦ってたんだよ。あの子。

ただのヤクザなのだ。ピンチになりようがないのだ。

分かってないなー。相手が強かろうが弱かろうが…って、あっ、やばい。今度は魔法使いが出て来た。うわっ結構強そう。アンタ、あの子のご主人様なら今度こそ助けに行きなよ? 私も行くからさ。

いや余はここで見ておろう。そちも行くでない。どこまで杏子の魔力が上がるのか見極めたいのだ。

魔力って、あの子の魔力はそんなに高く…。んっ!? なっ、何この異様な魔力量…。底が見えない…。あれが杏子? なんで?

ふはははっ。どうしてであろうな。ふはははっ。残念ながら教えられぬ。

えー。ちょっとだけ教えてくれてもいいじゃん。ヒント! ヒントお願い~。さやかヒント欲しいな~。ムギュ。

ふはははっ。まぁヒントくらいは良いか。懐をごそごそ…。これじゃ。綺麗であろう? これは余の家に代々伝わるこの世に三つしかないという伝説の…。いやいやこれ以上は軽々しく言えぬの。ふははははっ。なにせ秘宝であるからな。ふはははははっ。ふははははっ。

なになに、それちょっと貸して。ヒョイ。

はわわわっ。勝手に取ってはいかんのだ。

へぇ…可愛いチョーカーだね。綺麗な青色…。透き通ってて、宝石みたいに中でキラキラ光が反射して…。おっ、こんなとこに継ぎ目が…。パカッ。あっ、開いた。

かっ、返すのだ。それはチョーカーのようなアクセサリーでなく…。

神具なんでしょ? 杏子の首にも赤いのが付けられている…。これが魔力アップの秘密って訳ですか。えへへっ。

はわわわわっ。本当にもうそれ返して…。これ以上はシャレやギャグで済まぬから、今返してくれたら怒らぬから、本気で止めて…。あぁ、駄目じゃ! 駄目だって!

ニヤッ。自分の首にカチャ。

ぎやややぁぁぁっ!!! なんてことをするのじゃぁぁああああ!! この世に三つしかないと言ったであろうがっ! 何が悲しくて他人の奴隷にその大切なひとつを奪われなければならんのだっ! そちとは契約すら出来ておらぬではないかっ! こ、これは犯罪であるぞ。通行人のみんな聞いてくれ。見おった? 見おったよな? あやつは余の大切な秘宝をパクったのじゃ。窃盗事件である。名探偵コナンを呼んで欲しいのじゃ。ううっ、犯人はお前だっ! ビシッ!

うざっ。ちょっと借りるだけだって。恭介様の腕を治したら直ぐに返すからさ。えへへっ。じゃあね。シュタッ。

あうううっ…。行ってしまったのだ…。何が直ぐに返すじゃ…。全然分かっておらん。あれは一度付けたら二度と取れぬのだぞ? ハァ…。もう何もかも手遅れじゃ…。ガクッ。何の見返りもなく永続的に余の魔力がさやかへと流れ込んでしまう…。いや…まぁ…余の魔力はほぼ無尽蔵であるから百歩譲ってそれはよいとしても、他の男にベタ惚れしておるビッチなどに三つしかない大切な奴隷枠の一つが…。ハァ…。もうやっておれん。青の首輪はクリィミーマミのヒロインの森沢優ちゃんみたいな穢れを知らぬ魔法少女に付けて貰うつもりだったのに…。あーもう余は駄目じゃ。余の人生設計が狂ったのじゃ。もう寝るのじゃ。ドサッ。あああっ。ゲロやウンコに塗れた地面が今の余には心地よいわ。寝返りも打つぞ。ゴロゴロ~。ゴロゴロ~。ふははははっ。なーんだ簡単なことだったのじゃ。ふはははははっ。心を閉ざせば臭いなど…気にならぬ。余の心には何も届かぬのだ。ふははははっ。もうゲロ吐く気がしないのじゃ。ふはははははっ。ふははははっ。ゴロゴロ~。ゴロゴロ~。

ふうっ…。案外楽勝だったな。強敵っぽかったのに…。トテトテ…。んっ? ご主人様なにやってるんだ。もうそんなアホなこと止めてくれよ。
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