キリノの章 22 ★★★ 白帝城(執務室・寝室)
ブチュ…………………………ッ(////
ぅ…っ……。う、う~ん…。!? っ……。
……気付いた? キスで目覚めるなんて、アンタ、王子さまってよりお姫さまって感じだね…。こんなに可愛い顔して、頬を赤くしちゃって……。
姉上っ!
はうっ! ブチュ…………………………ッ(////
んっ!? んっ……んぅ………ぅ…ぅぅ………ぅ…っ……ぅぅ…ぅ……ぅ…っ……(////
んうっ……ぅ…っ……ぅぅ…ぅ……んっ…ん…ん…っ…ぁ……ぅぅ…。ふぅ…。ゴメン…。我慢出来なかった…(////
姉上…魔力が…。そうか…覚醒されたか…。これではもう波紋を隠すことが出来ぬ…。いや、もう鳳凰宮に感知されたであろう…。
わたしの能力、白の女皇帝なんだって。カッコイイでしょ。
白の女皇帝? それはまた面白い能力を…。だが、しかし…この魔力値では…。最大で120MPくらいか…。出力も10MP/sしかない…。
そんなに心配そうな顔しないでよ。足りない分は根性でカバーするわ。
根性…。
うん! 根性で頑張る! アンタと一緒にいられるように誰にも負けないくらい必死で頑張る。誰にも邪魔をされないくらい絶対強くなる。だからアンタも強くなって…わたしから逃げないで…。アンタがいてくれたら、わたし頑張れるから…。
……何も頑張らずに諦めていたら…なにも出来ぬ…か。
そうだよ。二人で頑張ろう。
……余は姉上が好きなあまり、臆病になっていたようだ。ひとりで考え込むばかりでは何もよい案は浮かばない。行き着く先の絶望的な未来を悲観して逃げることばかり考えていた。でも姉上とふたりで考えれば、そのように悲観することなく、よい方に考えが次々に浮かんでくる。暖かな未来が見えてくる。それが余と姉上とが進む道であったのだな…。
誓いのキスをして…。
余と姉上は実の姉弟である。血が繋がっておる。もう契約などなくとも…余と姉上の繋がりは永遠であるぞ…。
駄目だよ、だって、わたしが欲しいのは姉弟の繋がりだけじゃないんだもの。ふふっ。強欲なお姉ちゃんでごめんなさいね、弟くん…。アベル…。ちゃんと声に出して誓って。今度は絶対だからね。何があってもアンタはわたしから逃げられない。逃げてもわたしはアンタをどこまでも追いかけて捕まえる。アンタはわたしの永遠の虜なの。いい? その代わり、わたしはアンタの永遠の虜でいてあげるわ。
キリノは余の永遠の虜であり、余はキリノの永遠の虜である……。余は姉上が好きだ。愛しておる…。ブチュ……………………………………ッ(////
わ、わたしもっ、愛してる。んっ…ん………んっ……ん……あぁ…ぁっ………(////
…………(////
…………(////
……奥に寝室がある……。姉上…ゆくぞ…。
えっ…。そ、そんなに手を強く引っ張らないでよっ…(////
テクテク……脱ぎ脱ぎ……テクテク……脱ぎ脱ぎ……。
ちょっと…歩きながら服を脱ぐって…アンタ…(////
時間が惜しい…。直ぐにでもやりたい。姉上も脱いで…。
う、うん…。テクテク……脱ぎ脱ぎ……テクテク……脱ぎ脱ぎ……(////
扉よ…余はアベルである。バタン!
キャッ!!
姉上、中へ…。
う、うん…。恐る恐る…。バタン! ふぁっ!! 扉が閉まっちゃった…。お部屋、真っ暗だよ…。
いま灯りを…。パチッ。ここが余の寝室じゃ。姉上すまぬ。狭いであろう。窓もない。この部屋は厚い防音壁と強力な魔法結界で囲まれていて、外からの干渉を全て排除しておる。完全な密室になっておるのだ。扉も余だけが開け閉め出来るようになっておる。
内からもアンタしか無理なの?(////
うむっ。姉上は扉を開けられない。
……そ、そうなんだ(////
先程いた執務室も防音と魔法結界はされておるが人の出入りが激しい。だからこの城ではこの狭い空間だけが、唯一の余だけの場所といえる…。姉上。他の者の目に触れぬ為には、ここでやるしかないのだ…。もっと姉上の心が落ち着くような、綺麗なところでやりたかったのだが…。
い、いいよ。ここで。ア、アンタがいれば…それでいい…(////
ベッドと冷蔵庫…。あと、その扉の向こうはシャワーとトイレだ。メイドもここには入れぬ。掃除も全て余がやっておるのだぞ。綺麗にしているつもりだが…。
ベッド大きいわね…。部屋の半分近くある…。
ベッドは普通のダブルだが、部屋が狭いから大きく見えるのであろう…。シーツは毎朝換えておる。綺麗なので……姉上、そこに寝そべって貰えぬか。
ア、アンタ……。わ、わたし…。初めてなんだからねっ! 乱暴にするんじゃないわよっ! や、やさしく…。そのぅ…。して下さぃ…(////
うむっ。余も初めてじゃ…。
お互い初めてなんだね…(////
上手く出来るであろうか…。
下手でいいじゃないの…。上手く出来るまで、その…。えっと…。なっ、なっ、何回でもお姉ちゃんが付き合ってあげるわよ…(////
う、うむ…。だが…。
どうしたの?
上手く出来たとしても…。1回では全然足りぬであろう…。姉上…。余と満足に出来るようになってからも、その…。何回も…。付き合って欲しいのだが…。
う、うん…。アンタの気の済むまでしていいから…(////
もし疲れて出来ぬようになっても、少し休んでまた続ける。数え切れぬほど…。よいか?
い、いいよ…(////
では姉上、下着を脱いで、ベッドに横になるのだ。
はい…。ブラジャー脱ぎ脱ぎ…。ショーツ脱ぎ脱ぎ…(////
んっ!? な、な、なぜ、おパンツまで脱いでおるのだっ!?
ふえっ!? よ、よ、よく分からないけど、こういう時、脱がないものなの?(////
すまぬ…。初めてのことで頭が混乱しておるようだ…。いや、確かに全て脱ぐべきだな。その方が自然だ。脱いで当たり前だ。余も脱ぐか…。脱ぎ脱ぎ…。
はうっ…(////
ん? どうした。今更、余のを見て恥ずかしがらなくとも…。
だ、だ、だ、だってアンタの…(////
ん? あぁ…。うむ…。ほう…。こういう状態になっていることすら全く気が付かぬとは、余は、やはり頭が混乱しておるようだ…。すまぬ。気が逸り過ぎであるな。少し落ち着こう。何か飲むとするか…。姉上は何を? 冷蔵庫には……コーラか、ウーロン茶か、カルピスしかないが…。
わ、わたしは別に構わないけど…(////
ん? 飲まぬのか? プシュ。ゴクゴク…。
そ、そうじゃなくて、アンタのが、そうなってても…。別に悪い気はしないっていうか、その、あの、いいかなって…。わたしでそうなってくれてるんだから。嬉しいなって…。ていうか、いま落ち着いても…直ぐにまた、そ、そうなるんだし…。な、ならないと…出来ないんだし…。いいじゃん(////
…………えっ!?(////
…………えっ!?(////
い、いや…。あの…。その…。余は姉上と波紋を共振させて…。姉上の波紋を拡大させようと…。120MPでは何かあったときに直ぐに尽きてしまう…。明日、姉上の鳳凰宮入りの式典で何があっても大丈夫なように、余は姉上の最大魔力値を出来る限り上げようと…(////
はうぅ~~…。バキッ!! 壁殴っちゃった。ううっ…。痛いよぅ…。もおおおおおおぅ……。紛らわしいのよっ! さきに言いなさいよっ!(////
う、うむ…。すまぬ…。姉上は余とアレをすると思ったのだな。気にすることはないぞ…。恥ずかしがらずともよい…。そう手足をバタバタさせて悶絶せずとも…。余が悪いのだ。あれでは誰もがアレだと勘違いしたであろう。うむ。ハッキリ言うべきであった…(////
どりゃ~~~っ!! マクラを抱えて投げっぱなしジャーマン!! ドゴ~~ン!! ハァハァ…。ハァハァ…。ははははっ。そ、そうなのっ。アレよ。アレ。プロレスゴッコをすると思ったの! ベッドがマットに見えちゃったんだ!(////
すまぬ…(////
素で返さないでよっ!(////
姉上…。
な、なによっ!
波紋を共振させる…。ベッドに静かに仰向けで横になって…。
う、うん…。もそもそ。
服を脱いで貰ったのは少しでも波紋のシンクロ率を上げる為なのだ。今から肌を合わせる。余を思いっきり抱きしめてくれ…。
うん。きて…。
うむっ。キリノのからだにどさっと覆い被さり。
アンタやっぱり軽い…。ちゃんと食事とりなさい…。
うむっ。暖かい…。
じゃ、思い切り抱くね…。ギュッ!
ギュッ! 姉上が今日使える魔力はもうない。使い切ってしまっている。もう余の波紋を感じ取れぬであろう。だから余の鼓動にのみ神経を集中させて欲しい。余の鼓動に自分の鼓動を合わせる感覚でいてくれ。細かいところは余が姉上の波紋を捉えて調整する。…うむ。…捉えた。同期。
あ、あのさっ、鼓動って…心音に合わせるの? ごめん。よく分かんないんだけど…。どうしたらいいのか、もう少し簡単に説明してちょうだい…。ん…? あれ…? 胸の奥が…。ムズムズして…。ドクドクって鼓動が大きく…。えっ…。アンタの心がわたしに、わたしの心がアンタに…。こ、これが共振なの? ねぇ、ち、ちょっと、こんなの駄目っ! 嫌っ! 混じり合って…。心が、からだが、あっ 嫌っ! 嫌っ! あ…っ……ん………んぁっ…………ん……あぁ…ぁっ…(////
姉上…。
ん………あっ…あっ……あぁ…ぁっ…(////
苦しいだろうが、拒絶しては共振が崩壊する。その苦しみを受け入れてくれ。
苦しいんじゃなくて! 苦しいけどっ! 違うのっ……。気持ち…いいの…。あっ…やん…あぁ…ぁっ…(////
そ、そうなのか(////
うん…(////
で、では、それを受け入れて、頑張ってくれ…(////
わかった。頑張る…。でも…。ハァハァ…。ハァハァ…。
ん?
なんでアンタは平気なの? 気持ちよくないの? ハァハァ…。ハァハァ…。
まだ姉上の波紋が小さいのだ。少しこそばゆくはあるが…。
ふふふっ。じ、じゃ、早くわたしの波紋を大きくしなきゃね…。あぁ…ぁっ…。ア、ア、アンタ、覚悟なさいよ…。弟の癖にお姉ちゃんをこんなに虐めるなんて…。ハァハァ…。ハァハァ…。ぜ、絶対に百倍にして返してあげるから…。ハァハァ…。ハァハァ…。
姉上…。ちょっと目が怖いぞ…。
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