キリノの章 19 ★★★ 白帝城(大浴場)
ハァ…。わたし…人前であんなことを…。それもあんなに…。床に漏れなかったのは奇跡だけど…。あぁ…。もう死んでしまいたい…。
ガラガラ~。死ぬなんて言葉を気軽に使って欲しくないわね。
キャッ!!(////
貴女、あんなところを見られて、まだ恥ずかしがるの?
だって、はだか…(////
お風呂に入るんだから当たり前でしょ? 貴女も裸じゃないの。
そ、そうだけど(////
あらっ、まだ洗い終えてないのね…。まぁ、どちらにせよ私が洗い直すけど…。
い、いいよ。自分で洗うから(////
それは駄目よ。ハーレム候補を迎えるときには慣例に則った洗い方をしないと…。これは貴女のお側役である私の勤めなの。任せて。
……う、うん…(////
それじゃ…。あらっ…? あれっ…? キョロキョロ。
どうしたの…?
この辺りにバケツが置かれてなかったかしら?
洗面器の山の向こうにあったけど…。
あぁ…これね…。このバケツには全身洗浄液が入ってるの。貴女の頭からぶっ掛けるから目を閉じてて。
ええぇっ! ちょ、ちょっと!!
ドバドバドバ……。ドバドバドバ……。ドバドバドバドバドバドバドバドバドバ……。
わわわわっ。うわぁぁぁ…。なんか凄くネバネバしてるんだけど…。うへぇ…。ちょっと鼻や口に入った…。ペッ…。凄く苦い…。
海草を使った天然成分で体に害はないわ。……じゃ、いまから洗うけど、貴女はリラックスして体から力を抜いてて。ちょっとくすぐったいかも知れないけど我慢してね。
う、うん…。
あぁ、あと、洗うのと同時に貴女の身体の精密検査もするから…。
検査…?
もう…そんな心配そうな顔しないでちょうだい。私、ちゃんと医療免許を持ってるんだから。
そうなんだ…。凄いんだね…。アンタに比べてわたしは何も出来ず、小さな子供みたいにウンチまで漏らす始末よ…。
前半は反省して改善なさい。でも後半は気にしなくていいわ。漏らしたのは貴女のせいじゃない。貴女、悪質な下剤を食事に盛られたの。
えっ…?
お昼を食べたブルボン伯のショートニング城でね…。庶民からハーレム候補として選ばれた貴女に、ひょっとしたらブルボン伯が何か嫌がらせをするかもとは思ったけど、まさかこうも大胆なことをしでかすなんて…。
わたしが庶民の出だから下剤が入れられたっていうの? まさか…。ブルボン伯は温厚で親切そうなオジサンって感じの人だったし。単なる食あたりだったんじゃ…。
人を見掛けで判断しては駄目よ。アイツは最低のゲス野郎なの。魔法を使えない庶民を毛嫌いして生きる価値がないとすら思っている。下剤が入れられた証拠もあるわ。緊張状態になると排泄神経を刺激して排便を促す薬物が貴女のウンチから検出されたの。魔法で偽装されてたから医療機関の成分分析器では見逃したでしょうけど、私の特殊魔法能力『猫猫診療室』は触れた対象物の構成要素を全て暴き出す。どんなに魔法で偽装していても無駄ってことよ。ふっ。どうせ王子との謁見で貴女に脱糞の大恥をかかせ笑いものにして、今後のハーレム候補は庶民ではなく貴族の娘……という流れにしたかったのでしょうけど。貴女が怖がりで良かったわ。城に入っただけでクスリの効果が発動したんだから。
ち、ちょっと待って。つまりアンタは魔法使いで、わたしが下剤を飲まされたかどうか調べる為に、わ、わたしのウンチにさわったってこと!?(////
そうよ。貴女のウンチが入ったゴミ箱の中に手を突っ込んで、グチャグチャと掻き回してクスリの痕跡を探したの。大丈夫よ。素手でやったけど後で手はちゃんと消毒したから。
ア、ア、アンタ、ゴミ箱は湖に捨てるって言ったじゃん!(////
嘘よ。
嘘って、そんなアッサリ…。まさか控え室のトイレのドアが開かなかったのも魔法で…。
壊したわ。ウンチがトイレで流されると調べられなくなるし、トイレの便器から貴女のウンチを取り除くのも嫌だし、ゴミ箱にしてくれたら楽だなって…。
信じらんない! ていうか、トイレに手を突っ込むのは嫌で、ゴミ箱のウンチは平気ってなんなの? どちらも一緒じゃないのっ! だったらトイレでやらせなさいよっ! ちゃんと理由を言ってくれたら流さないわよ!!
貴女、私にスカトロ癖があるって勘違いしてない? そんな性癖ないから。貴女のウンチなら触ってもいいってだけよ。トイレの便器は誰が使ったか分からないじゃないの…。そんなところに手を突っ込むなんて絶対にご免だわ。私、貴女のウンチなら汚いと思わない。原因を突き止めて貴女の体調が回復するなら、なんの苦にも思わない…。いえ、むしろ、ウンチをいとおしいとさえ思ったわ。貴女のウンチ…暖かくて触ってて心地よかったの…(////
なっ、なっ、なっ、なにを馬鹿なこと…顔を赤らめて言ってるのよっ(////
うふふっ。で、その下剤がまだ貴女のお腹に残っていたら大変だから、一応、身体を洗うついでに調べてみようと思って…。魔法発動……特殊能力…猫猫診療室、発動コード詠唱…。クロクロネコネコ~♪ クロネコ~♪ クロクロ♪ シロネコ♪ ヤマネコ~♪
ア、アンタのからだ、何かピカピカ光ってるんだけど…。
この魔法…。フルに開放して使うとちょっと光るの…。
ちょっとって…からだ七色に光ってるよ…? 大丈夫なの?
ご心配なく…。もう直ぐ変身が終わるわ。 ……パチッ☆
変身?? ☆ミ ☆ミ ピカッ ミ☆ ミ☆ キャッ!? はうっ…。はわわわわわわわ……。ア、アンタの手! ネ、ネ、ネコの手に…。頭にもネコ耳…。ネコ足? そ、それは尻尾…。 ど、ど、どうしちゃったのよ、アンタ…。ガタガタ…ブルブル…。
ふっ。覚悟の現れかしら。
何をいってるのか、まったく理解出来ない…。
猫猫診療室の副作用なの。この魔法は利用目的に合わせて簡易診療から完全診療までいくつかの実行モードが選べるわ。フルで使えば魔法を含めてどんな微細なものでも逃さず完全把握が出来るのだけど、魔法に影響されて身体の形状まで変化してしまうのが難点ね。
魔法のことはよく分からないし怖いから嫌だけど…。でもこの尻尾はすごく可愛い…。癒される…。クネクネして…。ふわふわ…。ムニュ~。
キャッ!! な、なにをするのよ!(////
ごめん…。見てたらつい…さわってしまいたくなって…。
尻尾は敏感な魔法探知ソナーになってて神経が集中してるから絶対にさわらな…(////
ムニュ~。ムニュ~。
ニャニャッ!! だから止めなさいっ!(////
ご、ごめん…。
も、もう…しょうがないわね…。からだを洗っている間、大人しくしてて頂戴よ…? まったく…。ん? へぇ…。貴女のからだ、結構引き締まってるのね…。キリノの背中ぷにゅ。モキュッモキュッ。ゴシゴシ。
ひゃぁっ! 肉球が…肉球が…こそばゆいよ……ひゃははは…(////
スポーツでもやってるの? キリノの腕ぷにゅ。モキュッモキュッ。ゴシゴシ。
ひあぁん…。あっは…あはははは……。もう止めて…。くすぐったいから……。ハァハァ…。陸上やってる…。短距離…(////
…足、速いの? キリノの太ももぷにゅ。モキュッモキュッ。ゴシゴシ。
ひゃはははは…。うははははっ。ハァハァ…。あははははっ…。ハァハァ…。ハァハァ…。う、うん…。地区大会で優勝した…(////
そっか…。なるほどね…。キリノのお腹ぷにゅ。モキュッモキュッ。ゴシゴシ。
にゃはははっ……。な、なるほどって? ひゃはははは…。ちょっと、止めて。ハァハァ…。あはっ…。もう…。ホントに…。止めて…。ハァハァ…。ハァハァ…(////
……むかし…貴女の体つきに似た女の子がいてね、その子も凄く足が速かったから、なるほどなって。 !? あっ…。静かに…。動かないで…。ソナーに…感…アリね…。やはりまだ体内に下剤が残っているのかしら…。
あははははっ…。ハァハァ…。くすぐったいって…。わ、わたしのお腹をシッポで撫で回すの…ちょっと…。うはははははっ。止めて…もう…。ハァハァ…。ハァハァ…。んっ…? あれ…? ……どうしたの? 深刻な顔しちゃって…。
何かある…。でもそれが何かは分からない…。間接的に診るには限界がある…か…。やはり直接診るしかないわね…。もし下剤だったら後で大変だわ。クネクネ…。ピチャピチャ…。
ど、どうしてバケツの底に残った洗浄液をシッポに浸してるの? ねぇ…。直接ってどういうこと? まさか。違うよね? ねぇ。そんな訳ないよね? ねぇってば、違うっていってよっ!!
腸の中をみるから、床にうつ伏せに寝そべって足を屈めて、お尻を突き出してみて。
……(////
はやくなさい。何を恥ずかしがっているの? いやらしくないのっ! これは医療行為なのっ! 貴女のからだを詳しく診察しないと。
……だ、だって(////
医療をバカにしないで! いやらしく考える方がいやらしいんだわ。貴女のお腹の中に異物が入ってるから、それが何かを確認するだけなの。もし下剤の残りがまだ入ってたら貴女も嫌でしょ? 王子や諸侯の前でウンチ漏らしたいの? キリノ、早くうつ伏せに寝そべって足を屈めて、お尻を突き出して。
ううっ…。おずおず…。うう…。ヒクッ…ヒクッ…(////
手で広げなさい。
……えぇっ…(////
わたしの両の手は貴女の腰にガッチリと置いて、貴女の身体がブレないように固定する役目と、シッポの位置と腸の構造を知るレーダーの役目の二つを同時にこなさなくてはならないの。貴女の手は空いている。やって。
おずおず…。うぅ…。うぁ…。ヒクッ…ヒクッ…(////
さっきも言ったけど、シッポには神経が集中してるから、あの…その…えっと……。貴女、絶対に力んじゃ駄目よ?(////
……うん…(////
じゃ、行くわよ…。クネクネ……。お尻のシッポを根元から少しのところで直角に曲げて、お股の下から前へ……。クネクネ……。目標を狙って…。腸の構造トレース。シッポの侵入角度よろし。さぁ…入るわよ……。キリノ、力を抜いててね…。クネクネ……ズル……。ズルズルズル…(////
はうっ!! 駄目、駄目、駄目、駄目…。あうっ……あっ…うっ…無理…無理…無理…無理…こんなの無理だって……これ以上は絶対に無理…あああああっ……(////
まだ…入り口よ……。アンッ…。キリノ…。ち、ちからを入れないで…。駄目よ…。怖がらないで。力んじゃ駄目…。これは医療だから。気を楽にして…。ハァハァ…。これから…もっと腸の……奥の奥……隅々まで…検査…しないと駄目なんだから…。うぁあ…。ズルズルズル…。ふぁあっ…ズルズルズル…(////
これは医療…。これは医療…。これは医療…。って、こんな医療あるかっ! 絶対オカシイよっ! はうぁわ! やっ…やっ…やっ…やっ…やっ…っ…あぁっ…ぁぁ……(////
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